>>+32 ダスト
貴方の隣で爆ぜる命
には目もくれない。
それを認識する貴方の様子は見ていた。認識するまで待った。
何を思っているのか読み取りにくい顔で、目だ。
だから、目の前の二人にどんな思いがあるのかわからない。
でもやることだけはわかる。やりたいことだった。
お前を殺してみたかった。
「先に寝てな」
叫んで名前を呼んださっきとは一転、酷く穏やかに呟く。
慈悲じゃない。慈愛でもない。
ただ仲間の死を噛み締め味わう狂った狼が、一匹そこにいるだけだ。
そして、躊躇のかけらもなく一度、引き金を引いた。