>>144 宵闇/海
脱いだ上半身はともかくとして、せっかく海に入って良いように履いてきたハーフパンツまで海水漬けだ。
選択する前に真水で塩を抜いたほうがいいのかな、とか考えながら目元を隠した前髪をかきあげた。
普段はほとんど気にしなくとも、濡れて束がくっつき合うと前が見えづらい。
「それならよかったけど……はしゃぎ過ぎるのも考えものだな、やっぱり」
過大に落ち込むのはやめたものの、すっかり気持ちは落ち着いてしまった。
まだまだ元気な学生たちの方を見て、ああいうふうにはいかないんだなと思い直す。