【人】 厨房担当 マシロ……みすみ、 [ ぴた。 オープンキッチンで作業を進めていた大咲の耳に届いた、 聞き覚えのある三音に思わず顔を上げる。>>246 アレルギーやら宗教やらはどうするのかを問う声より 頭に残ったのは、非凡ではない、その三文字だった。 小学校高学年で自炊を覚えるまでの間 大咲が机の上のお金で食べていたのは大体コンビニご飯。 けれど時々、小学校が早く終わるような日に 紺色暖簾の定食屋へひとりで行っていたことがある。 小さな子どもひとりにも優しい店主だった。 大人になるにつれ、自然と足が遠のいたあの場所。 まさかね、と思いながらも 大咲はカウンターの方へ視線を向け、逡巡し ] (285) 2023/03/03(Fri) 22:08:52 |