人狼物語 三日月国

164 夏の想いのひとかけら【R18】


【人】 綴 千翠

― 回想:風鈴とオスカーくん ―

[いつだったか、君はこの日のことを話してくれたね。
憂いた顔で海を眺めている私を見て、
残念に思ったんだって。>>269

たくさん勉強したのかな。
まるで小説の文章のような独特な話し方をする
君との会話で、私はこれまで、一度だって
困ったことはない。
けれど、その時だけは、君のその、
心の内を隠すことのない素直な言葉に眉根を下げた。]


  
───…そう だったんだ…



[僅かに睫毛を震わせて小さく呟いて。
それまで他愛もないことを話していたなら、
急に表情が翳ったことは見て取れただろう。

それ以上は何も言えなかった。

取り繕うことも誤魔化すこともなく。
ただ一言、これも紛れもない私の本当だから。]
(300) 2022/07/29(Fri) 18:49:19