人狼物語 三日月国

87 【身内】時数えの田舎村【R18G】


【秘】 ただいま 御山洗 → 貴方の隣に 宵闇

>>-42 宵闇

「――……降、参……」

しゃくり上げて閉塞した喉からやっと出たのはそれだけだった。
涙が絡まってほとんど言えたかどうかも怪しいくらい。
背中に回したのは片腕だけ、それも一歩退かれれば押しのけられてしまえそうなくらい遠く。
それでもごく微かに背に支えたてのひらは、そこにある体温を確かめている。

うなだれた頭が側頭部に寄せられる。めちゃくちゃになった顔を見られたくなかった。
互いの髪越しの体温はほとんど通い合わなくて、がさがさと音がするばかりで。
ごくかすかに頭の重しを乗せて、腕の中にあると、きっとそう信じて良いのだろう音を聴いている。
(-45) 2021/08/20(Fri) 20:39:20