人狼物語 三日月国

129 【身内】狂花監獄BarreNwort2【R18G】


【秘】 欲しがりな ロベリア → 蒐集家 テンガン


握り返すような力を感じて、不意に視線を上げる。
そうして数秒、君を翡翠に映して 緩く笑む。
一瞬だとしても、この瞬間に強く幸福を感じている。


こうされると とても好きだと、思ってしまう。


君の手の力が抜けて、こちらがただ握るだけに戻っても熱を離す事は無い。
むしろ緩やかだったはずの力は少しずつ増して、離れる事を拒むように君の手を握り込んでいる。

「………好き」

口から出る言葉は短く、思いを伝えるというよりは独り言のような。
どうしようもなく強い感情で君を欲してしまう。


最初は知ったような言葉を零す君を嫌い不快だと感じて。
けれども君はそんな
空っぽな
ボクに居場所をくれた。
……殺そうとしたのに。

与えられる事が嬉しくて、縋り、求めて。
君という存在を特別に感じて、知りたいと願い 欲した。
この思いを抱く事が許されないとしても、もう離せない。
…この思いは、確かに
ボクのもの
君を愛している。


欲だらけの思考にほんの少し嘲笑を零しそうになる。
ほらね、ボクは神子なんて器にはなれないんだ。


でもそれでいい。人らしく生きる事を、望まれている。


「………温かい、な」
(-191) 2022/03/10(Thu) 1:33:05