人狼物語 三日月国


145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】

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バットラピスを自己陶酔させた。

【人】 雷鳴 バット

朝の陽を受け、水面はきらきらと輝いている。
早々に食堂での食事を終えると、中庭の噴水の端っこに座り込んだ。
しんと静まり返った中庭は吹き付ける風も冷たく、食堂より過ごしやすいとはいえない。
持ち出した食事を口に運びながらぼうっと、昨日今日の変化を思っていた。
(0) redhaguki 2022/04/30(Sat) 21:44:01

【独】 雷鳴 バット

/*
ゆめかわ似合うね♡
かわいいね♡
(-4) redhaguki 2022/04/30(Sat) 22:00:33

【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット

「恵まれて欲しい? おやおや〜
 そんなに好いてもらえていましたか」

 やはりたった少しだけ年上なだけの人間に
 頼ろうと思うことが難しいのだ。


「頑張ってるだなんて、当たり前のことなんですよ?
 この頑張りの先に待っている先生になるための特訓で、勉強。
 その分お駄賃は、もらっては……ないですが」

 誰も救えない、与えられない。
 出来ることなんて限られている。


「それに付き合わされているのは君たちですよ〜。
 でも、嬉しいですね〜〜。改めて言われると元気が出ます。
 いたわってくれる人なんて少ないですから」

 尽くす理由があるから尽くして、対価を得る。


「だから無駄にしませんよ、この全部の時間を」

 これは労働だ、義務だ。そう思って接することが
 ――平等で、誰も不幸にならない時間を作ることに繋がる。


そう、考えていないと。私は。
(-15) toumi_ 2022/04/30(Sat) 23:24:11

【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット

「どういたしまして、バットくん」


 おやすみなさいも、おはようも、
 その言葉を交わせる日が一日でも多ければそれで十分です。


 甘い香りに、暖かな布団の中で、優しい言葉を握る。
 本当に、私には十分すぎて困ってしまっていた。
(-16) toumi_ 2022/04/30(Sat) 23:28:21

【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ

「一緒に過ごして、お世話になって」
「頑張ってるなって人の行く先が」
「よいものであってほしいと、思うのは、だめ?」

それを特別と呼ぶかどうかは、人によって違うものなのだろう。
頼る頼らぬに関わらず、青年は貴方を大切に思っているのは確かだ。

「頑張るのは」「当たり前じゃないよ」
「人生を費やすのは」「大変なこと」
「ツキも僕が勉強を頑張れば、えらいと言う」
「それとおんなじことだから、褒められて、いいんだよ」

布団を掛けた貴方の背中のあたりを介抱するように撫でるのは、
あんまりよろしくないことなんだろうか。
ほとんどふかふかの感触しかないから、互いに人の気配は感じられないだろうけど。

まだ稚気の見え隠れする顔貌は励ますような柔らかい声を落とす。
五歳も年下の子供がそうするのは、生意気だと思われてしまうかな。
貴方が同じ高等部にあった頃まだ小等部に身をおいていた青年は、
その肩に乗っている重圧がどれだけのものかなんてのは、知らないのだ。

まどろむような時間は、いつまでということもなくとろとろと終わる。
夜まで、貴方が職務についている間はそこにあったかもしれないけれど、
夕餉を過ぎてふと気づいた頃には、やっぱりどうしても青年の姿はなく、
きっとあの森の奥深くに、身を潜めてしまった後なのだろう。
(-41) redhaguki 2022/05/01(Sun) 2:17:34
バットは、早い内に食堂を抜け出てしまっていたから。同じように抜け出る姿があれば目撃くらいはしていたのだろう。
(a7) redhaguki 2022/05/01(Sun) 2:19:15

【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット

てくてく、てく。
重さの足りない足音がどこからか近づいてくる。
学校のどこかにいるあなたを見つけて、少し早足に。
背の高いあなただから、立っていたら視線を下に向けて探さないと見えないだろうか。

『バットくん』

名前が書かれた黒板を持ち上げて。
何か話したそうに、じっと。
夜空を映したような瞳が見つめてくる。

『お時間ありますか?』
(-44) dome 2022/05/01(Sun) 2:58:24

【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ

そして。
約束していた次の日のいつか、貴方の都合のいい頃に。
青年はきちんと、貴方の問いに応えるために自室に控えているだろう。

けれど、"何か"が彼の手を引くようだから。
夜、ひいては深夜から更に次の昼に至るまでは、それには応えられない。
それでも決して約束を違えるつもりなんてのは、ない。
いつもと同じように、花とドライフルーツをブレンドしたお茶をもらってきて、
落ち着いて話す時間をつくるために、最善は尽くすつもりなのだ。
(-45) redhaguki 2022/05/01(Sun) 3:08:00

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

低く視界の外にある気配、けれど青年は慣れ親しんだもののよう。
きちんと貴方の接近に気づいて目を向ける位置を下げて、
ぼんやりとしたような表情にちょっとだけ笑みを乗せた。

「どうしたの」「僕に用事?」
「だいじょうぶ、付き合うよ」

何の用事かも聞いていないうちに、二つ返事に貴方についていく。
どんな用事であったとしても、貴方の誘いを断わったりなんてはしやしないけど。
(-47) redhaguki 2022/05/01(Sun) 3:37:31

【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット

こくこく。
視線が合うとふにゃっと笑い。
こっちこっち、と言うように袖を握って引いて歩く。

華奢な背中が連れて行った先は、学舎の外、二人がけのベンチ。
丁度いいくらいの木漏れ日が差すところ。
少し視線を向ければ、遠目に森が見える場所だ。
そこに腰掛けるよう促して、自分もちょこんと座る。

あなたの顔を見て一度満足そうにしてから、黒板をかつかつ鳴らして文字を書く。

『バットくん は』

『自分の病気、治したいと思いますか』

どんな病気を、悩みを抱えているか。
お互い詳細を聞いたことはなかったかもしれない。
あなたと太さの随分違う指先が、同じく手袋に包まれた手を遠慮がちにつつく。
(-55) dome 2022/05/01(Sun) 7:47:01

【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット

「バットくん、お話をしましょうか〜」

明るく振る舞う姿を作ろうとしていることを。
それが偽りではなく、苦労をしながら声を出していることを。
からだが動かなくなることも、演技などではないことをあなたは知っている。

「先生と生徒の時間です」

例えそれが真似事で、なにも成果がなくとも。
先に、何があろうとも無駄だなんてことはないのだ。

二人の寮の部屋で、甘い香りに包まれながら時間が流れている。
時計を用意して、長時間は話さないことをはじめに決めた。

「……口で言えないこともあると思います、だから、
 訪ねたいことはここに」

そう、君の手元へ紙を渡す。すべて手書きで何項目かの質問と解答欄があった。

・森で怪我はしていますか? Y/N
・普段から森へと向かう理由を教えてくれませんか? Y/N
・何か悩みを持っていますか? Y/N

「NOにかかれたことは問題なしとして話を進めましょう」
(-66) toumi_ 2022/05/01(Sun) 12:50:10

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

晴れ晴れとした日の降り注ぐ庭が暖かな印象を受ける。
ぽかぽかと黒い衣服に陽光を受け続ければ服の下の空気もあったまって、
ちょっとだけ眠気さえ誘いそうな様相だ。

貴方に倣ってベンチに座ってから、問いかけがあるのを待つ。
黒板に刻まれていく文章が指す意味を少しだけ考えるような間があって。

「……それは」
「"どの"」「病気の話?」
「治したい」「けど、治るかわからないものもある」
「治ったなら、いいけれど」「治るとなにがいいのか、わからない」

哲学じみて受け取られそうな問答は、単に言葉を扱うのが不得手だからだ。
漠然としたものを掲げるような言い回しは、貴方の問いへの答えになっているだろうか。
困ったように下がった眉は、何に対して困っているのだろう。
(-69) redhaguki 2022/05/01(Sun) 13:34:06

【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ

備え付け、或いは青年が貴方に用意した椅子は、
背もたれから肘掛けにかけて毛布がかかっている。
万一の時に運びやすいように、一人の時に倒れても頭を打たないように。
そうした小さな積み重ねを貴方が受け取るかどうかは別の話。

こくりと頷いて、貴方が用意した時間へと青年も都合を合わせる。
受け取った紙をじっと見下ろして、さらさらと書き進める。

・森で怪我はしていますか?……N
・普段から森へと向かう理由を教えてくれませんか?……N
・何か悩みを持っていますか?……

途中でふ、と顔を上げた。
困っているみたいに言葉を探して拾い集めて、貴方に問いかける。

「なんでもいい?」「病気に関わるかわからない」
「僕は継父母が僕の"何を"問題にして」
「ここに連れてきたのか知らない」
「いつもよく眠れなくて、授業中に眠いことも」

朝、森から帰ってきたのだろう青年はいつも寝起きが悪くて眠そうで、
埋め合わせをするように夕日の内は飼育小屋の近くでうとうととしている。
時折、教員から注意を受けることもあった。
成績についても含め、おとなしい彼はしかし模範的な生徒ではなかった。

貴方と同室になったのはいつからだったか、
さておきそうした行動の是正についても、ひょっとすると期待されていたのかもしれない。
(-71) redhaguki 2022/05/01(Sun) 14:01:27

【秘】 雷鳴 バット → 充溢 バレンタイン

「バレンタイン」

ひとつ上、比較的年の頃の変わらないほうの上級生が貴方に声をかけたのは、
夕方から夜へと色を変える頃だった。
少しだけ寝癖がついて非対称になっている髪を見るに、
どこかで眠っていたのかもしれない。声も少しだけ、抑揚がいつもよりもない。

「ジャステシアのこと、気になる?」
「僕もなにか手がかりがないかと思って」
……森なら僕もよく行くから
」「探す?」

ジャステシアは昼の内には生徒の群れに戻ってきたか、もしくはまだ姿を見せていないのか。
そうした状況で彼女の身を案じる貴方を見て、声を掛けてきたのだろう。
もしも帰ってきたあとだとしても、どうしていなくなったのかは判明していない。
解決していない自体に対しての働きかけをしたいか、と聞きたいらしかった。
(-73) redhaguki 2022/05/01(Sun) 14:25:27

【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット

『どの病気についてもです』

病気がいくつかあるのなら、全部。
あなたが抱えているもの全てについて。

『治ったら、外で気兼ねなく暮らせると言う子がいました』
『それをみんなが望んでいるかはわからないけれど』
『バットくんは外に行きたくはないですか?』

この施設に来てからというもの、自分たちは外を知らない。
外が良いものなのか悪いものなのか。
それも、見てみないことにはわからない。
ただ、未知への興味は少なからず己にもあった。

何かに困っているような顔。
真昼の陽だまりの中で、それを夜空色の瞳が映している。
(-74) dome 2022/05/01(Sun) 14:28:20

【秘】 充溢 バレンタイン → 雷鳴 バット


「……バットさん……
 僕が、役に立てるなら……いいんだけど」

年中半分寝ているような少年は、跳ねのあるあなたの髪型を見るとほんの僅か、不思議そうにそれを見つめて。
本題ではないな、と思い直してすぐに目を見つめ直す。

「でも……うん、気になる。……
 怒られてしまうかも、しれないけど……
 僕は、気にしない。……あまり」

漠然とした不安を解消するためにも、とにかく行動はしていたかった。杞憂ならそれでいいし、解決を図れるならばそれに越したこともない。
結果どうなろうと、悪いようにはなるまい。そう信じて。
(-76) backador 2022/05/01(Sun) 14:46:58

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

少しだけ目を丸くして、それからまたやっぱり困ってしまった。
少なくともこの問答を経て、或いは普段の生活を経て。
貴方を傷つけたかったり苦しめたかったりするわけではないのだ。

「ラピスは……」

言葉を選ぶ。言葉少なな物言いはいつも誤解を生みがちだ。
なるべくそうならないように、自分の中で織り込んでいく。
外の世界に望むもの。
育ちきった自身のかたちに望むもの。
答えるには、きっと青年と貴方では見えているものが違うのだ。
ひどく遠回りに、その差異を埋めようと頭を回している。

「お父さんとお母さんのこと、好き?」
「大きくなったら、何になりたい?」

質問を質問で返したなら、しょうがないと思われてしまうかな。
けれども今は、貴方の言葉を聞いてから話がしたかった。
(-77) redhaguki 2022/05/01(Sun) 14:49:34

【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット

両親は、病気を治してほしくて施設に自分を預けた。
そこには確かに愛情があって、だからそれに対する恩義がある。
できることなら、いつか元気な姿を見せたい。

『どちらかを選ぶなら、好きです』
『大きくなったら、先生になりたいです』

先生になって、悩む子どもたちを助けてあげられたら。
先生になって、彼らの居場所になってあげられたら嬉しい。

あなたは違うの?
あなたは何になりたいの?
そんな新しい問いを浮かべて。

言葉少なで、それでも思慮深く、誰かを傷つけないように言葉を選ぼうとしているその姿を見守った。
お互いに見えている景色の差を埋めるために。
きっと遠回りにでも、私の問い掛けに答えようとしてくれていることだけは、ちゃんと伝わっているから。
(-78) dome 2022/05/01(Sun) 15:23:43

【秘】 雷鳴 バット → 充溢 バレンタイン

「ごめん」「僕が、気にしないから」
「ひとにも同じこと押し付けた?」

貴方の言葉を受けて最初に顔に浮かんだのは、ばつの悪そうなそれだ。
こうした周囲との"ずれ"自体はよくあることなのだろう。
相手との応答から感知することは出来ても、どうにも。
自分で事前に気を回してやるということは、青年には難しいようだった。

「もし一緒に探すなら」「今日じゃなくても」「夜に森に来て」
「僕はいつも森にいるから……」

同じ部屋、或いは彼の動向を見ているもののいくらかは、
いつも彼が夜に部屋を抜け出すことを知っている。
貴方もひょっとすると年が近いから、そうした動きに気づいていたかもしれないし、
貴方の既往歴からするに他人の隠し事にはあまり気が回らなかったかもしれない。
ともかく、貴方の都合のよい時にと曖昧な約束を取り付けた。

「みんな帰ってきたら、いいのに」
(-80) redhaguki 2022/05/01(Sun) 15:48:17

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

「ラピスは」「大人だね」

愛されて、艷やかで。白色のりんごみたいにほころんだ頬。
果実に挟まれた花びらみたいな唇が言葉を発さず、表情だけを作るのを見ている。
檸檬の枝のように細い指を今更、黒い指がきゅうと一本だけ絡めた。

「僕は帰っても」「居場所はない」
「僕は"病気のこども"らしい」「だからここにいる」
「でもみんなは」「病気だけど、"病気のこども"じゃない……」

誰かに言われた言葉をなぞるような言い回しには明らかに侮蔑が混じっていた。
青年が抱いたのではない、誰かが青年に向けたもののトレースだ。
溌剌とした子どもたちの様子は、青年の目にはどんなふうに映っているのだろう。

「治ったら」「僕はどこにいくんだろう」
「僕は僕の」「病気が治るとなにがいいのか、わからない」
「僕の病気が治ったら」「僕は"病気のこども"じゃなくなるのかな」

答えのない問いを重ねる行いは、貴方を傷つけてしまうだろうか。
ひどく迂遠に回り道をした堂々巡りの問いかけは、貴方への答えになっているだろうか。
貴方が青年だったなら、自分の病気を治したいと思うこと、
自分の病気を治すということがどういう結果へ繋がる行いなのかがきちんとわかるのだろうか。
(-86) redhaguki 2022/05/01(Sun) 16:34:26
バットは、"病気の"こどもたちが遠くで笑い合う様子を眩しそうに見つめている。
(a16) redhaguki 2022/05/01(Sun) 16:37:35

【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット

今日も上の二つの返答は変わらない。
怪我は相変わらずなく、異常なし。
報告はこれだけですんでしまうのが実情だ。
上は解決に手を貸してくれず、生徒のためを考える実習生という立場になんでも乗せたがっている
成功も失敗も関係ない、うまくいかなければ廃止されるだけの使い捨てだ。


「森のことは……今日はこれでよしとしましょう。
 話せないことはそれ以上聞きません……、おやおや?
 ええ、なんでも良いですよ〜」


そんな不満も読み取られているのか、酷く、本当に、居心地が悪いほど良い。
ダメにされそうだ、ここの部屋は。
思わず変な声が出そうになる、気を引き締めなければ。
(-89) toumi_ 2022/05/01(Sun) 16:53:05

【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット

「ここに、"何を"、ですか……。
 はじめに実習生として聞いている事を説明をしましょう。

 この学園の中で暮らしている生徒たちは、
 小さくとも大きくとも悩みを抱えています。
 先生方は、心の病や身体的なものに詳しい人から
 あまり知らない人まで様々です。

 彼らは全力を尽くして
 ……治療または改善に取り組んでいると聞かされています」

実情を完全に理解はしていない、暗にそう含めながら言葉を続けた。

「バットくんの今のご両親は、君に何かしらの不安を抱えていたのかもしれません。
 ここに連れて来た理由で思い当たるのは、
 君の治療、または……自由を押さえつけない為。
 模範解答はこの辺りでしょう。

 私がみる限り、君には……夢遊病に近しいもの。
 または過眠症がみられます。
 強いストレスなどで生活のバランスが崩れてしまうことです。
 これが起きると、周りの人間は君を心配します。
 朝起きて、昼に活動して、夜に寝ることができなくなり君も周りも困ってしまうのです。
 人間は眠る時間と社会での活動時間が決まっていますから。

 病であるか体質であるかの判断ができなかったのかもしれませんね〜。
 どうでしょうか、彼らは以前何か言っていませんでしたか?」
(-90) toumi_ 2022/05/01(Sun) 16:57:09

【秘】 神経質 フィウクス → 雷鳴 バット


実習生の一人に連れられ食堂を後にして、暫しの後。
その時にまだあなたが中庭に居れば、中庭で。
或いは、その後の時間のどこかで。

「バット」

特別あなた個人を探していたわけではない。
けれどまあ、身体の大きなあなたが居れば自然と目立つもの。
偶然そこに通り掛かって、目に付いただけだ。
目立つ云々はこの問題児が言えた事でもないのだけど。

「お前、こんな所で何してるんだ」
(-92) unforg00 2022/05/01(Sun) 17:09:09

【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット

絡められた指に視線を落として、訥々と語られる内容を呑み込んで。
答えのない道を、共にぐるぐると回る。
居場所がない。
帰るところが無いなら、外へ行く理由も希望も無いのだろう。

『居場所があれば、』
『バットくんは』
『外へ行こうと思えますか』

もう18になる少女は、青年より先に施設からいなくなる。
18歳までしか、施設にはいられない。
だから青年もいつか外の世界に放り出されてしまう。
その時に帰る場所が無ければ、青年はどこで生きていけば良いのだろう。
"病気のこども"。
"病気の"こども。
穏やかな青年に似合わない侮蔑をなぞった色が夜色に溶けて。
歳よりも幼さを残した顔貌に寂しさを浮かべて。

『居場所がないのなら』
『私が居場所になっては駄目ですか』

友人が抱える荷を少しでも持ってあげられるだろうかと。
外に誰か一人でも、拠り所になる人がいれば。
あなたは、眩しさに瞼を閉じずにいられますか。
(-93) dome 2022/05/01(Sun) 17:09:55

【秘】 充溢 バレンタイン → 雷鳴 バット

「いや、……僕も気にしないから、同じ」

同じように自分にも“ズレ”があるから、
間違いのないように聞き返してみたのだ、と。
ましてや互いに分かりづらい様相でいるし。

「僕はよく……寝てるけれど……
 その時は、頑張って……起きてるようにする……
 森の近くまできて眠ってたら、起こして……ほしい」

自分だって素行が良い方とはいえないのだろうし、
他の子が何をしていたところであまり気に掛けることはない。
最低限怪我はしないでほしいなと思っているくらいだ。
とまれ、こちらからも代わりの約束を申し出て。

「……僕も、そう思うから。
 手伝えることが、あるなら……そうしよう」
(-101) backador 2022/05/01(Sun) 18:46:27

【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ

「うん」「そうなんだって知った」
「ここはどこかに傷のある子どもを」「治してあげる場所」

ギムナジウムはどんな場所なのか。貴方の口を通して噛み砕かれて。
元あった認識とまじり、それが何かというのはきちんと理解された。
おそらくは大きく違えているわけではない、その背後に何があるとしても。
病や心の瑕疵に対するアプローチは確かに成されているはずなのだ。

「そう……」「ツキにも、心配させてる」
「でも僕は」「夜の方がうまく身体が動くから」
「上手く寝られないと」「うるさくしてしまうし」

まごつくような言い回し。決して困らせるために問題行動をしているのではないと。
けれども現状貴方の悩みのタネの一つとなっているのだから、それは詭弁だ。
弱々しい反論は、本当は自分の行動は良いものではないというのがわかっているから。
しゅんとしたように大きな体は肩を下げて、普段よりも小さくなったように見える。
貴方の言っていることは優しいし、正しいものなのだ。

それから。貴方への問いには随分時間をかけて答えた。
言うべきか迷ったふうではあった。これもまた、Noと答えてしまえばよかったかも。
けれどちらちらと貴方の目を盗み見て、反応を伺って。
たっぷりと時間を掛けた後に、青年は答えた。

(-112) redhaguki 2022/05/01(Sun) 19:59:53

【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ

「僕がいると」「空気が悪くなる」
「眠れずにいるのが」「もぞもぞうるさい」「鬱陶しい」
「昼間は働け」「役立たず」「"病気のこども"を引き受けるんじゃなかった」

並べられた言葉は、"彼らが以前言っていた言葉"だ。
写しのように並べられた言い回しにはたっぷりの悪意が含まれていた。
青年のものではない誰かの感情は、決して子供に向けるものではない。
青年がギムナジウムにやってきたのは小等部の頃、五年以上前の話だ。
当然それ以降、家族らしき人々と顔を合わせたことというのは、無い。

「僕がここにいるのは"病気のこども"だから」
「みんなは、"病気の"子供」「違うものなのは、ここに来て知った」
「僕は"病気の""病気のこども"なのかな」
(-113) redhaguki 2022/05/01(Sun) 20:00:14

【秘】 雷鳴 バット → 神経質 フィウクス

まだ朝日の眩しさが昼に成り切らない頃、だろうか。
持ち出した食べ物をこっそりと口に運んでいた青年は、
声をかけられた肩を大きく震わせた。まるで隠し事があるように。
さっと手元を隠して、食べかけのそれらをナフキンの内側にしまい込んでいる。
どうやらいつも、食堂でちょっとだけ食べたふりをした後。
誰もいない場所に本命の食事を持っていっては、こそこそと続きをしているらしかった。

「フィウクス……」

いかにもばつの悪そうな顔と声で貴方に答える。
何をしている、という問いに対しての明確な答えはなかった。
気弱な態度は大きな図体とは相反したものに見えるだろう。
青年よりも年上の貴方は、ひょっとするとそういう仕草を見るのは初めてではないかもしれない。
何人かがそうしているのと同じく、バットは食堂であまり食事を採らない様子だった。
(-115) redhaguki 2022/05/01(Sun) 20:05:54

【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス

ふたつ布を挟んだ指の温度はほとんど感じられない。
けれどもその下にあるものが温かなものだと青年は知っている。
或いは、きっとそうだろうと思い込んでいるだけなのだろうか。

「ラピスが僕の居場所になるのは」
「……うれしい、けど……」

はにかむような柔らかい表情が顔貌に浮かんだのは一瞬だけ。
大きな体、強い力。それに全く見合わない頼りない筋肉の動きが、
ほんのちょっとだけ指先を曲げただけで、縋りつくのは終わってしまう。

沈黙。頭の中を整理する時間。青年は頭の回りが早い方ではない。
貴方に勉強を教えてもらっているときもいつもそうだ。
きっと教えてもらっている時間より、それを噛み砕こうと待たせている時間の方が長い。

「ラピスは先生になる」「僕は」「僕の病気は……」
「ひとつは、頭の病気だから」「一緒にいけないよ」

軽度の精神遅滞がある、と。
教師群は青年の病状について、結論付けていた。
(-116) redhaguki 2022/05/01(Sun) 20:13:53

【秘】 雷鳴 バット → 充溢 バレンタイン

「僕は夜は眠くない」「だから」
「そうじゃないバレンタインは」「大変かも……」
「……来てくれると嬉しい」

無理をさせているな、というのはきちんとわかってはいるようだ。
だからこれはあくまで貴方の都合のよい時、そうしたい時。
いつまでだって、青年の方は待てる話。無理になんては、言わないこと。
申し出が貴方の行動を強制してしまわないようにと、拙い言葉を重ねた。

「わかった、それじゃ」
「都合の良い時に声を掛けて」
「……」

しばし、突っ立ったままで沈黙する。不安にさせてしまったかもしれない。
途切れた会話を繋ぐのは不確かな思案だ。ただの勘違いかもしれない。
だから思い当たる節が無いのであれば、聞き流していい話だ。

「もし近いものを」「抱えていたら」
「それも、力になれるかも」

指先まで隠れた指を口元に当てて、同じように考え込んだ。
申し出はそれまで。思い過ごしなら、それでよい話だ。
改めて、また都合の良い時にと。言い残して青年はその場から踵を返す。
(-118) redhaguki 2022/05/01(Sun) 20:20:38