人狼物語 三日月国


87 【身内】時数えの田舎村【R18G】

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視点:


竹村茜! 今日がお前の命日だ!

 
 あまり手の入っていない、雑木林の中を分け入って少し。
 今はもう、誰も参る事の無い、寂れた神社。

 その高欄に腰掛けて、一人ふらふらと足を揺らしていた。

 何かが欠けているような、輪郭の不明瞭な感覚。

「……ああ、そっか」

「あの人は来てくれなかったんだ。」

 ぽつりと零して、それでもいいと思い直した。

 今は来なかった。けれどいつかは来るのだから。

「それに、キミが来てくれたんだものね?」

 欠けているものがそれだけのはずがないのに。

 

 
「誰だって、楽しい時間はずうっと続いてほしいはず」

「でもねきっと、それってみんなで居るから楽しいんだ」

「ねえ、みんな!」

みんなは誰と遊びたい?


「アタシ達、きっとみんなが連れて来てほしい人を連れて来るよ」

「一番に遊びたい人を呼んで、それからいろんな事をして遊ぼう」

「──いつまでも!」
 

/*
という事で本日の墓下のお二人に襲撃先のアンケートなのじゃ!

とは言っても妾、黙狼どのの襲撃先は自由にしてほしいと思っておるからの
だから絶対に連れて来る事ができるとは言えないのじゃけど、
妾一人で決めてしまうのも勿体無いから是非お聞かせ願いたいのじゃ!

あくまでも参考にしたい程度のものじゃから
ロール的にはこの人が居てくれたら嬉しいな、くらいで
あまり気負わず答えてくれると嬉しいなのじゃ!
妾、このままみなを連れて来れるかの〜!?

【人】 影法師 宵闇

「────♪」

鼻歌を鳴らしながらあぜ道を練り歩く。足取りは軽い。
ギター
<都会の象徴>
を置き去りにして
まるで少年時代に戻ったみたいに。夏風になったみたいに。

「昨日は海、楽しかったな。今日はなにして遊ぼうか、」
「ずっとここにいて欲しいんだろ、なあ、田舎のかみさま」

──なにかに、呼ばれている気がする。
──だれかに、呼ばれている気がする。

ずっとここにいて、こっちで遊ぼう、って。
誰だろう、幼い時の自分? いつもつるんでた、記憶の中の友人?
ずっと一緒にいた、古ぼけたピアノに魂でも宿ったかな。

向日葵畑に迷い込んだような
夏祭りではぐれたときのような、そんな不安もなくて。
この田舎に来た時から、実は知っていたのかも。
だってこんなに居心地がいいのだから。

泡沫みたいにふ、と宵闇に溶けてゆく迷子か
使命を忘却の彼方に置き去りにした導き手か

なんにも知らぬまま男は、影のように田舎の風景に溶け込む。
(3) 2021/08/15(Sun) 0:43:57
 
 歪だらけで矛盾だらけ。

 今居る『アタシ』はこの村を愛していたあの人の
 その面影を滅茶苦茶に継いで接いで作った張りぼてだ。
 自分も嘗てはそうだったけど、もうそんなふうには居られない
 そう言って捨ててしまったものを、もう一度拾い集めて。

 自分に自信が無いから取り繕う。
 自分はこの場所がそんなに好きではないのかもしれないと
 そんな不安を塗り潰す為に人の殻を借りる。
 借り物だらけで不格好、そんな一人ぼっちの王様だ。
 

 
 それの何が悪いというのだろう?

 人はいつか絶対に、誰もが見て納得するような
 きれいな形に収まらなければならないのだろうか?
 きれいな形になれない人は、決して存在してはならないのか?
 ああ都会では確かにそうだった、でもここではそうではない。

 どんなに不安定で不格好でも、今こうして
 ここに立つ事ができているのだからいいじゃないか。

 この場所で、こうして変わらずに在り続ければ
 きっと、何も憂鬱に思う必要なんて無いはずだ。

 それを正しくないと切り捨ててしまえるのは、
 歪で正しくないその支え無しでも立てるから。
 欠けた四角形、正しい形を失った自分達は─
 

「………あれ?」

 雑木林の中、ふっと現実に引き戻された、ような錯覚。

 失ったものなんて、無いはずだ。
 思い出の中そのままの村があって、
 成長こそすれど、その優しさは何も変わらない皆が居て。

 皆の中の、自分の知らない一面が顔を覗かせるのは
 彼らが何処か遠くへ行ってしまったようで怖かった。
 それでも変わらない一面もあって、だからそれで良かった。

 自分にだって、変わった所が無いとは言わない。
 けれど、歪な支えに頼らなければ立って居られないほど
 何にも代えがたいものを捨て去ってしまった覚えなんて無い。

 その上で今、


 自分の傍に無いものと言えば 
姉の存在
くらい で、

 
そんなはずがないんだ

 

 
「………みんなを連れてこないと」

「みんなを連れて来ればきっと、」

「きっと、みんなとここで待っていれば」

呼子お姉も来てくれるはずだから

 

【人】 影法師 宵闇

遠くから聞こえる祭囃子、遊びへと誘う声
──お祭りの気配がする。

「……なあ、母さん。浴衣ってあったっけ。
 祭りに行くなら雰囲気ってのは大事だろ?」

今の自分に合うサイズが実家にあるのはおかしかったが
なんの疑問ももつことはなくて。
或いは気づかないふりをして。

まるで思い通りの夢みたいにそれは不思議とそこにある。
どこまでも黒い、夜に溶けそうな黒地の浴衣を纏う。

履きなれない下駄をからころと鳴らして
帰りたくない
子供の頃のような気持ちで外へと駆ける。
(22) 2021/08/15(Sun) 18:39:08

【人】 影法師 宵闇

>>15 御山洗

「アーキーラーくーん」


からころ下駄の音と共に、子供が遊びに誘うような
わざとらしい声が家の前から響いてくる。

「祭りやってんだってさ。お前も行こうぜ、祭り
 多分いつもみたいにみんなも行ってそうだしさ」

それは子供の頃、散々御山洗を振り回していた時に
戻ったようないらずらっぽい無邪気な声。
だけれどどう見ても、黒い浴衣を纏っただけの、背丈も姿も大人の男だった。
(23) 2021/08/15(Sun) 18:45:08

【人】 影法師 宵闇

>>25 御山洗

「……んな慌てなくても……祭りは逃げないぞ」

そう、望めばずっと続くような気がしている。

「いや、違うな。──40秒で支度しな!」

この無茶ぶりは、もちろん冗談。

下駄だし、歩き回るのも面倒だと結論付けて
勝手に家の敷地内に入り、縁台に座る。

ぼうっと、広い空を見上げて待っていた。
(34) 2021/08/15(Sun) 19:59:23

【人】 影法師 宵闇

>>36 御山洗

「……なんか、妙に静かだな」

浴衣がはだけるのもお構いなしにだらしなく足を組みながら、勝手に家の中を覗き込んでいた。ただ単に留守なのかと思ったが、妙な静けさに感じ、セミの声がいやに大きく聞こえた。
(43) 2021/08/15(Sun) 21:30:45

【人】 影法師 宵闇

>>47 御山洗

蝉時雨を聞きながらぼうっとしているうちに、さすがに遅いな、と思う程度にはそれなりに待ってしまっていた。
彼が約束を破ったことはないとは知っていても
慌てて戻っていったわりに、遅いことに疑問を感じた。

待たなくてもいいとは言われた手前、いいかとも思ったし
いつものめんどくさがり屋の男なら先に行っていただろう。

「……おーい、アキラ。遅くね? 着方忘れたとか?」

だからこれは気まぐれか、他に思うところがあったか。
一度立ち上がって、開いたままの扉を開けて勝手に上がり込んできた。昔やっていたくらい図々しく。
ただ少し様子をみるくらいの、軽い気持ちだった。
(50) 2021/08/16(Mon) 0:16:58

【人】 影法師 宵闇

>>55 御山洗

「……よう、アキラくん。
 俺がこの家に上がるのも久しぶりかな、変わってないね」

男は扉に手をかけたまま、まるで最初から行く気がないかのようなその姿に何を言うこともなく、いつもどおり、にやりと笑って見せた。

「外、暑かったからさ、勝手にあがらせてもらったけどよかったかい」

男はぱたぱたと胸元に空気を送りながら
ずかずかと部屋に上がり込んで、後ろ手に扉をしめた。

「それに、まだ昼だしな。祭が盛り上がるのは夜だ。
 ……久しぶりにゆっくり語り合おうか?」

特に咎めるような様子はないが、何か言いたいことがあるなら聞いてあげよう、そんな姿勢だった。
(60) 2021/08/16(Mon) 2:44:21

【人】 影法師 宵闇

>>64 御山洗

「……んー? なんて?」

下がっていくものだから、男はつい目の前、間近までやってきて
壁の横に片手をついて、大男を見上げる。追い詰める気はないのだ。

男は、御山洗が怯えている理由を知らない。

「どした。これじゃ俺が苛めてるみたいだろ。
 ……なんか変だぞ、お前。
 行きたい気分じゃないなら、そう言えば帰ったさ」

小さく息を吐いた。やや困ったような目。
怯える友人を見て、笑う趣味は男にはなかった。
(66) 2021/08/16(Mon) 9:17:55

【人】 影法師 宵闇

>>68 >>L14 >>69 >>70 御山洗

──瞬き。

嗚呼、軽率だったな、と男は悔いた。
目の前の友人は、海で手を引いてくれた時と同じ目をしていた。

宵闇 翔にとっての御山洗 彰良は、幼い頃からの友人だ。
清和とぶつかり合っている中に無理やり引っ張り込んで
自慢していつも困らせているような。
けれどそれでも付き合ってくれて、影で頑張ってくれるような。

──今でも、そうだ。

御山洗の言う好き、とは違っても。
ただ、大事な友人であることは確かだった。
何年経っても、再会できて過ごせたことは
この夏のひと時は、安らぎだった。

今の宵闇 翔は今にも夢に縫い付けられそうな
"かえりたくない" "このままでいたい"
そういう思いでいっぱいの、だめな大人だった。
その夢が崩れていく音がして、ほんの一瞬、迷子のような妙な顔をしてしまった。
いつもの余裕で取り繕うことが、できなかった。

耳に届いた掠れた音が、苦痛を堪えるように目を伏せる姿が
いつまでも焼きついていて、
気付いた時には、距離が離されていた。
男は、ただ無表情でその場に立ち尽くしている。
(72) 2021/08/16(Mon) 17:54:17

【人】 影法師 宵闇

>>68 >>L14 >>69 >>70 御山洗

「なあ、アキラ」
「……俺が、好きだって言ったな」

確かめるように、呟く声は夜の海みたいに、静かだった。
大きな体で小動物のように震える男を前にして
まるで怯えさえないように、静かに言葉を紡いでいる。

「そりゃあ、さすがに驚いたよ。
 けど、"今までありがとう"?別れの言葉に聞こえるなー……
 だから俺と付き合いたいとかじゃないのかい」

わざとらしい、いつものような調子を作る。

「俺は、切り替えのできる大人ではあるが。
 "はいそうですかさよなら"って今のやりとりで
 友人捨てられるほど、薄情でもなかったらしい……」

「来なければよかった? なぜだ? 俺が好きなのに?」

「……どうして、逃げる? 俺が好きなのにかい?」

「なんで、そんなに怖がってるんだ」
「教えてくれないのかい、俺は聞きたい」

「話がしたい」

無責任なことを言っている自覚はあった。
(73) 2021/08/16(Mon) 17:57:24

【人】 影法師 宵闇

>>68 >>L14 >>69 >>70 御山洗

「──本音を言うとお前とこのまま別れたくないだけさ。
 ……さよならするなら、納得がいってからがいい」

男は、まるで昔の諦めの悪い少年のような目をしていた。

「俺、この田舎にずっといれたらいいなって思ってるんだ。
 ここにいたら忘れてしまった大事なことを取り戻せそうで。

 ……帰りたくない、お前は、そうは思わないか?」

──そんなことは無理とは、どこかでわかっているのに。

今の宵闇 翔は今にも夢に縫い付けられそうな
"かえりたくない" "このままでいたい"
そういう思いでいっぱいの、だめな大人だった。

男はあなたが本音を言ったのと同じように、本音を返してやった。


「……祭りには一人で行くよ、それは言う通りにする。
 けど、──急に、いなくならないでくれよ。
 俺がまた海に落っこちたら、そのまま沈んじまうかも」

笑顔を作る。

「"またな"」

男は一方的にそう言い放って、背中越しに手を振った。
(74) 2021/08/16(Mon) 17:59:29