ーー先代の記録:冬至の君とーー
[小雪域を出て半月は経っただろうか。
もの珍しさに充てられてフラフラしてたなんて言えない。
ようやっと冬至域に着いた僕は地面に両手と膝を付いていた。
何ということでしょう。
そ う い え ば 僕 は 領 域 に 入 れ な い
灯守り辞めたんだからそりゃそうだ。
そんなホイホイ入れるーー所もあるだろうけど、入れない所もあるよね。
浮かれてそんなことを忘れるなんて、僕としたことが何たる不覚。
そんな……露天風呂……などとガチ落ち込みを見せていたら、蛍が
。
それが迎えだと気付くまでにそう時間は掛からなかった。
奥に開かれた扉が見えたから。]