![]() | 【人】 4年 井田 嶺― 商店街 ― [角のパン屋で買ったコロッケサンドを齧りながら、ぶらぶら歩く。 正直、買い物をしに来たわけじゃない。 商店街で買い足すものはコーヒーくらいだし、それはもう済ませた。 山から降りてきた後は少しばかり浮世だった気分になる。落ち着かせるのに、この自然と人工のごった煮めいた商店街はちょうどいいのだ。 観慣れた映画を眺めて、この商店街を歩く。 だいたいこのルーチンで、街に暮らす普通の人間に戻る。そんな気がする。] なにかアートフェスでもやるのかね。 [普段なら不愛想なシャッターがふさぐだけの店に、桜や紅葉や、はたまた一目ではわからないような多彩な色が散っているのを見て、少し鼻を鳴らす。 にぎわうならいいことだ。お気に入りの場所がただ寂れるだけってのは、やっぱり寂しい*] (115) 2020/11/13(Fri) 21:32:06 |
![]() | 【人】 4年 井田 嶺― 部室 ― [鍵を開けて入れば、それはいつもの部室だ。 昨日のドタバタ騒動なんて嘘みたいな、居心地が良くてのんびりした、わいわいと映画が見れる場所。 荷物をその辺に投げて、隅っこの棚から一枚のDVDを取り出す。 あまり触られることもないような場所にあるそれを、デッキに突っ込んで、ソファにごろりと横になる。 切り立った、崖みたいな岩肌と。 そこに打ち付けられたロープと。 そこにぶら下げられたテント。 そんなシーンから始まる、飽きるほど観たその映画を見ながら、一人考え事をしていた*] (128) 2020/11/13(Fri) 23:12:00 |
4年 井田 嶺は、メモを貼った。 ![]() (a17) 2020/11/14(Sat) 1:32:53 |