266 【身内】幸夏時【R18】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
[ぞわわと背中を這いあがる何かに彼が身震いして、潤んだ目で抗議してくれば
そこに滲むものに
欲をかきたてられることを否定できない。
]
わかった。
じゃあ
期待してて。
[思う存分触れてしまったら、彼も俺もどうなってしまうんだろうか。
そんな期待に胸を高鳴らせて]
[赤面して急に視線が合わなくなるから、ちゃんとこっち見て?って頬に触れる。
ちゃんと意識してくれているのがわかって、とりあえずは満ちたりた気持ちになる。]
ん、俺も。日花と一緒がいいよ。
[拗ねた顔も愛おしくて、一緒にうつる写真の中の俺はすこし慈しむようなそんな顔になっていたかもしれない。
自分の表情はあまり好きではなかったから、写真に納まる経験はあまり積んではいないけれど、日花にそういってもらえるなら悪いもんじゃないなって思うから]
我慢したから、
ご褒美が欲しい。
[出る前に、キスぐらいは強請ったかもしれない]
っ…、 ─────
んっ
[ご褒美が、なんて言われたから辺りをきょろきょろ見回して
誰もいない駐車場で、つま先立ちに背を伸ばし
ちゅっと啄むだけの口付けを交わす。
期待してて、なんて言われたり
ちゃんとこっち見て?なんて触れられたり
日花と一緒がいいよ。なんて慈しむような表情向けられたり
その度に赤くなってはそわそわあわあわしてしまうんだから
勿論このキスだって、耳先まで赤くなる。]
[耳元まで真っ赤になりながら唇を合わせてくれる彼の腰に腕を回して、今度は自分から少し長めにその唇を啄んだ。
その温度が離れるのが惜しくて、もう一度唇をおいかけて。
―― 本当はもっと味わいたかったけれども、我慢できなくなりそうだから、煩悩を振り払うようにして出発しよう。]
[口付ければ腰に回される手も。
長く啄む唇も。
もう一度と追いかけてくる、あたたかな体温も。
触れる度、貰う度、貪欲な何かが “もっと” と口走りそうになる。
少し我慢して唇を離すのが、今は精一杯。]
[なのに。
初めて身体を重ねたときは、彼に相当無理をさせた。
帰り路、具合が悪くなった彼を休ませたくて入ったホテルで
前の夜の残滓をかきだそうとした結果、結局さらに無理を重ねさせた。
ひょっとしたら己は人よりも欲が強いのかもしれない。
華奢な彼に無理をさせないようにしたい。
自制しなければいけないのに。]
ちょっと、疲れたから、充電させて
[抱きしめるためのただの口実。本当は疲れてなんかないことは、表情からきっと彼も判ってくれるんじゃないかな。
柔らかな髪に鼻先を埋め、首筋に一つ口付を落として。
たおやかな彼の身体を折れてしまわないように、そっと抱きしめた]*
[だけど。
その欲を、壊れるほど浴びたいとも思っている。
友達に誘われて飲みに行かなきゃいけなくなった日に
心配して迎えに来てしまうくらいの独占欲を。
帰りに寄ったホテルでそのまま身体をまた重ねてしまったような
激しすぎるほどの衝動を。
疚しさを知ると、そこから抜け出すのは難しい。
汚らわしいと思われたくなくて、口には出さないけど。]
お疲れ様でした、運転ありがとうございます。
[たぶん本当に疲れた、ってわけじゃないとは思うんだけど。
お礼は忘れずにちゃんと伝えておかないとね。
なんだか甘えるみたいな仕草に、ちょっとおかしくなって。
くすくす微笑みながら、首筋に落ちる甘い口付けに軽く身を捩る。
背中に回した手を、少しあやすようにぽんぽんと撫でて。]
[擽ったそうに身を捩る彼の首筋に、もう1つ口づけを落とす。
笑う彼と目線を合わせて、今度は彼の唇にもう1つ、2つ。
咥内への侵入を強請れば、受け入れてもらえるだろうか。
今まで「我慢」した分も彼に触れたいと、口付はますます深くなる。]
散歩に行く前に風呂に行く?
[日が暮れてしまう、と名残惜しく唇を離して]
[やがて口付けが一つ二つと降り注ぎ、
深くを求めるように唇に触れたら、自然と薄く迎えるように開く。
侵入を許せば舌先をそっと触れ合わせて。
背に回した手は服を軽く掴むように、きゅっと握って
慎之介さんの服に皺を刻んで。]
っ、… お風呂……。
[唇が離れれば、こくんと頷き。]
[口づけが深まるにつれ背中に回された手に服を掴まれたら、抱きしめる腕にも少し力をこめる。
互いの緊張と期待が鼓動に乗って伝わって。
これ以上は、もう、まずい。色々。
]
うん、お風呂
[客室にも小さな浴室はついているけれど、どうせなら大きな風呂につかってから。
唇を交わせば、本当はすぐにでも彼を求めたくなってしまうけれど、食事を運んでもらったときに真っ最中なんてことになったら大変だ。翌朝どんな顔をしてチェックアウトしたらいいのか わからなくなってしまうだろうし。
]
[こくり頷く彼の――裸身など何度も見たはずなのに、そのたびに欲をかきたてられてしまう。どこもかしこも滑らかで、大切な場所を守るものもない、彼の裸身を他の男の目に晒したくはないけれど。
まだシーズン前の温泉なら、きっとそんなに客もいないはず。]
[手早く服を脱いで適当に畳んでカゴに入れ
ちいさなタオルだけで前を隠しつつ洗い場へと目をやって]
―― 俺が洗ってもいい?
[他のお客さんの気配がしたらすぐにやめるから、と腕を広げて迎え入れようと、強請る男の顔には欲が滲みはじめていたことだろう。]*
ん…、……お風呂楽しみですね!
[鼓動が早いことはバレてしまっていたかもしれない。
だから身を離して、そんなふうに誤魔化しながら照れて笑って。
──そう、これ以上はまずいから!
色んなハプニングがあるかもしれないし!
恥ずかしくて二度とこられなくなっちゃうかもしれないし!
まさか誰の目にも晒したくないなんて思われているなんて
内心を知れたわけじゃないけれど。
赤い顔を誤魔化すようにパタパタと手で仰いだ。]