人狼物語 三日月国


245 【R18】×××な部屋に閉じ込められた王子様と騎士の選択

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視点:


[俺がいいよって言ったからか、
乱れ善がる姿を見せてくれた。
箍を外しただけだと思うけれど、
俺に見せてくれた様にも思えてしまったから、
目に焼き付け続けた。

抱き起こした肌は柔らかくて、
胎の底に俺の慾を注いでも全部飲み込んでくれるくらい、優しく受け入れられたと思ったのに]

[俺が何を言っているのか、しているのかわからないといった体の彼女が、
何だか可愛い顔で返事をしてくれる。
話が噛み合ってない気はしたが、
単純にもその照れた表情な顔にどきっとしてしまう。

彼女が何か勘違いをしている事はわかる。
俺の話を聞きながらもそんな、時々俺に触れさせながらも大人しくしているなんて。

わからせる、みたいなつもりはなくて、
ただ単に、彼女を求めて再び押し倒した]

[驚いて、ようやくわかった様な顔をした彼女は
腹を撫でられて小さく震えたけど、

上がった声は、制止を意味していた。
それくらいじゃ止まれないと思ったけど、]


  ―――っ……


[王子に呼び掛けられて
押し進めようとしていた腰が止まる。
それでも暴れそうになる身体をぐっと堪えて……
反動をつけて彼女の身体から、自身がぐちゅりと抜けるところまで下がった。思わず目を遣ったそこからは栓を失った液体がとろとろと零れる。
こんなに官能的な光景なのに、今は何も感じられない。

抜いてくれなんて言われたくらいじゃ傷付かないほどに、
俺の心は強く彼女に向いていたのに、

彼女の言葉だけで俺は、騎士に戻ってしまう。
そんな自分の事をクソだと思うけど、
それくらい誇りを持って騎士として生きて来たし、王子の事を主として、人間として大事に思って来たんだ
]

[王子の話を黙って聴いていたが、
「続き」と聴いて……その声の調子に気付かず期待してしまった俺を殴りつけたい]


  ……は?



[違うところでして来い、だと。
彼女の想いを知る由もない俺は眉を寄せたが、
王子相手に凄んだりはしなかった。
本当に俺は、大事なところはわきまえている、と思う。
小さくも低い声は漏れてしまったけれど]

[王子は部屋を出ようと言う。
そりゃそうだ。
目的は果たされたのだから、
何が起こるかわからないここからは一刻も早く出るべきだ。
王子は何も間違った事は言っていない。
騎士はそれに従えばいいんだ。

彼女の気持ちには気付けないまま……
「責任」と聴けば、はは、と力なく笑った後、
彼女の肩を押して、もう一度台座に縫い留める。
今度は抱きしめるのではなく、男の力で捻じ伏せて、]


  ほんと……王子ってば女の子だなぁ。


[やめろと言われた言葉をわざと使って見下ろす。
治めてくれと言われて治められる訳ないじゃないか。
娼館で続きをしろって?そこまで我慢しろって?
男を何もわかってないなと薄く笑って、さっきまで熱く蕩ける様に俺を包んでくれた胎内に、また侵入する]

[無理矢理繋がって、腰を引く事なく
そのままぐり、と子宮を押し上げる様なキスをする。
王子が嫌がっても聞き入れず、
抑え付けたまま……]


  ………、「ここを出たら」じゃなくて、
  責任、ここでとってくださいよ……


[苦し気にそう呟いたら、
俺のかたちを生涯覚えていてもらえる様に、

一際強く最奥に口付けてから、一気に自身を引き抜いた。
身体を起こして、王子に背を向けて台座の端に座った。
その際に王子を見守っていた花がちらと見えたか]


  ……服着て、ちょっと外で待っててください。
  それが、「責任」って事で。

  ……お願いします。


[責任を取ると言った手前、断られないと踏んで
俺は頭を垂れてそう告げれば、
王子が出て行くまでそうしていただろう]

[王子が服を着るのも身体を洗うのも手伝えないまま、
部屋に一人になるまでそうしていた。

王子の姿と音が消えれば、
王子が部屋のすぐ外にいたとしても、
行き場のなかった慾望を乱暴に扱く。
手に俺の精液だけじゃなくて、彼女の蜜、それからもしかしたら血にも濡れていて]


  んッ…… ぐ……


[何も想像せず、ただ手で刺激を与えて絶頂まで持って行ったが、
無意識に、
さっきまで彼女が寝ていた台座にぱたぱたと粘液を零す。
彼女の為に大きくしたのに
彼女のナカに入る事を許されなかった事が、
自分でもびっくりするくらい空しくて]


  ……っ、く


[一人の部屋で、鼻を啜った]

[扉が開いた後で、体をもう一度求められた。
初めてだったのに、あんな風に情熱的に抱かれてしまって、
腕の中では本当に幸せな時間を過ごした


このまま再び快楽に身を委ねたら、
本当に元に戻れなくなってしまう。
男として生きていけなくなる


王家に生まれた以上、生き方は独断で決められない。
新たな扉は、身分に課せられた責務から
解放されないと開けない。
わたしは定められた生を全うしなければならない立場だった。

だから、縋りたい気持ちを封印して拒絶した。
肉欲に駆られた男を制止できるかは賭けだったが、
わたしが呼びかけると、辛そうにしながらも体を退いた。

側で長年仕えてきて、一緒に旅をして培われた主従関係は、
このような場面においても絶対だ。
忠誠を誓った騎士は、悲しいまでに従順だと思っていた、
───のに、]

[治まりがつかないなら娼館へ行けとか、
今回の件で負い目を感じたから、責任を取るとも告げた。
あえて突き放すような言葉を重ねて、
明確に拒絶の意志を示した。

ここで毅然とした態度を示さないと、
わたしの方が悲しい勘違いを起こしてしまいそうだった。


すべてを伝えると、目の前の男は力なく笑った。
その後で、もう一度の台座の上に押し倒される。
上から浴びせられた言葉は、少し冷ややかだ。
たった今、男として生きていくと覚悟を決めた上に、
本当の男
から「女であることを思いしれ」と、
言われたような気分だ]

[やはり、止められないか……?
このまま男に力づくでねじ伏せられ、犯されてしまうのだろうか]


 …───っ


[さっきは簡単に声を上げたけど、
今度は侵入されても出さずに堪えた。
新たに濡れなくても、先程放たれた残滓があるから、
まだ男を覚えたばかりの内壁は、一番奥までの侵入を
簡単に許してしまう。
子宮を押し上げられた時だけ甘やかな感覚が生まれたが、
冷えた体からはすぐに掻き消えた]

[奥まで押し込められた状態で、苦しそうな声が聞こえる。
責任をここで取れと]


 ……


[気持ちが悲しい色に塗りつぶされていく。
見上げた瞳にも、同じ色が浮かんでしまう。

悲しいのは無理矢理抑え込まれているからではない。
わたしの拒絶で傷ついたかもしれない、
彼の心模様が見えそうで切なかった。
なので観念した。
このまま果てるまで、揺さぶられる覚悟を決めた。
なのに、]

 

 ?!


[ぐっと力強く、押し付けるように捩じ込まれてから、
一気にわたしの胎内から出て行った。
わたしの体の上から退いた従者は、こちらに背を向けて
台座の端に座ってしまった]


 ……?


[今のは?と問いかける前に、従者から先に
「お願い」されてしまった。
「責任」というワードが含まれて、そちらに気を取られる。
行動の真意を掴み損ねたまま言葉に従うと、
台座から下りて退室の支度を始めた]

[下着を履く前に、濡れた内股が気になった。
水場に移動すると、水気を絞ったハンカチで目元や
口周りなども一緒に拭う。
その後で服を身に着け、台座に置いた花も再び胸に戻して、]


 ────、


[沈黙を続ける従者の姿を最後に振り返ってから、
試練の間を後にした。*]

[先に外へ出ろと促されたのは、
一人になる時間が欲しいからだと思っていた。
後始末をするためとは思い至らず
]

[けれど浴室に入って服を脱げば、再び変化を目の当たりにする。
わたしの体はまだ、男の象をはっきりと覚えていた。
何度も激しく突かれて擦られた箇所は、まだ少し痛みを伴って腫れていて、]


 ……、


[シャワーを頭から被って全身を洗い流した後、
浴室の壁に片手を突き、もう一方の手を内股の間へ向かわせる]


 ……んっ


[解されたばかりでまだ柔らかい膣口に中指を差し入れ、
ゆっくりと掻き回してから取り出す。
中指の先に乗った残滓を確かめてから洗い流し、
もう一度同じようにする]

 

 ……っ、…はぁ…っ


[中から掻き出すようにしながら、あの時の指の動きを
思い出してなぞるけど、そう簡単にはいかない。
それでも繰り返すごとに徐々に快感は生まれて、
指を挿し入れたまま体を反転し、壁に背中を押し付ける]
 

 ……うっ


[壁に凭れたまま右手の中指を動かし、左手で片方の乳房を揉みしだく。子どものような小さな胸なのに、大人にするみたいに存分に触れてくれて、]

[名前を呼んだら戻れない気がする。
だから声に出さない]


 ……、


[シャワーの音に紛れながら、わたしはいつの間にか涙を流し、
すすり泣いていた。**]

[王子は俺を拒絶したけれど、
雄を使って責めれば、また甘い声が上がると思った。
でもそうじゃなくて……よかった。
そうなれば本当に止められなかったと思うから。

見下ろした瞳は悲しそうに濡れていて、
こんな事をする俺に心を痛めているのかと思った。

―――そうじゃない別の感情を抱いているなんて考えるのは、思い上がりってヤツだろう
]

[身を離して台座に座れば、
王子は俺の言う通りに台座から下りて、身支度を整える。
音だけでそれを認知していたけれど、
ふと、台座に近付く気配を感じた。

王子の気配が消えた後でそこに目を向けると、
王子にプレゼントした白い花が姿を消していた。

もう一つの花の姿もこの部屋の中のどこにもなくて、
俺が追い出したのに、―――淋しい]

[浴室では初めての自慰行為に耽ったが、
心に空いた穴を塞ぐまでには至らなかった。
のぼせる前に風呂から出ると、
下着姿のまま、髪を乾かす間もなく寝台に潜り込む]


 (今頃、彼はあの娼館で……)



[枕に横顔を伏せて目を閉じる]


 (あの時に拒まなかったら、
  抱かれているのは今も、自分だったかもしれないのに)


  ……。

 (このまま眠れば、あの夢の続きが見られるだろうか)



[これまでの疲労の蓄積もあってか、心労に囚われる前に
すぐに眠りに落ちた。
果たして夢の続きが見れたのかどうか、
わたしたちはまた、幸せな一時を過ごしたのか。


結局、夢を見たのかどうかも定かでないまま、
日が落ちてしまう頃に、再び現実世界に目を覚ます]

[そんな考えが過って、思わず従者の方を見てしまう。
二人の間に下りた沈黙に、
こちらの考えが見透かされそうな気がして、]


 ……はは、


[笑った]


 のんびり歩いて戻るわけにも、いかなくなったな
 少々惜しいが、今まで本当にありがとう、
 ……楽しかった
 

[手にした書簡を荷物に戻して振り返る]


 話は以上だ。


[と、結ぶ。従者は退室の促しと受け取るか、あるいは……。**]

[王子の沈黙と目線に込められた気持ちは読み取れない。
けれど、旅の予定に関する事ではない、何か別の事を考えている事は、俺にも感じ取る事ができて。

それでも俺が何も言えないでいると、王子が笑った。
それから少し早い、最後の挨拶……みたいな言葉。]


  ……ん。じゃあ、俺も話、いいですか?


[礼まで告げてくれたのに、俺は振り返る王子にそう切り出した。

王子の傍まで近付く。
今までの距離にしては近い―――その気になれば、吹きかけた吐息が届きそうなところまで。
離れられたら追い掛ける事はしないけど、
その場でごそ、と腰のポケットに手を入れて、
部屋から持って来たものを取り出す]

[布に包まれた板状のものを、王子に差し出した。
開けば、掌くらいのサイズの栞が入っている]


  お誕生日のお祝いです。

  王都に戻ったらまた沢山、
  本も読まれるでしょう。
  だから、邪魔にならないかと思いまして。


[栞は繊細な刺繍が施されていかにも高級品という外見と手触りだが、もっと目を惹くのは中央の押し花。
花に詳しくなくとも、それが白い薔薇だというのは明瞭だろう。
その枯れてしまった花の代わりに、
受け取ってくれると嬉しい。

白い薔薇は王子に……似合うと思うから]

[それから、「もう一ついいですか?」と断ってから
その距離感で続ける]


  ……サイン様が即位したら、
  シール様ってどうなるんですか?


[それについては聞いていたかもしれないが、
今は、王子の意思も含めて尋ねている。
結局何で男装しているのかとか、
納得する理由は聞けていない。
でも、忘れるって約束したから直接聞く事もできず……]


  ね。
  今夜は一緒に寝ませんか?

  男同士・・・だから、いいじゃないですか。


[代わりに俺は、そんな事を口にする]

[納得いかなそうであれば、王子と騎士という立場だけれど師弟でもあるじゃないかと説いて、]


  ……女の子に振られちゃって、
  ……娼館でも女の子に手を出せなくて……
  一人で寝るの、淋しいなって。


[目を逸らして、泣き落としみたいな事をぬかした。
馬鹿にされても却下されてもいい、一緒に寝たいとは、自分で言わなければならなかった。だって絶対、彼女からそんな事、言われる訳はなかったから。**]

[話があると切り出して、従者が近づいてくる。
こうなる事は、少しだけ予想していた。
期待もしていた。
むしろ出口に向かわれたら、少し寂しいと思ったかもしれない。


旅の荷物を収めたクローゼットを背にして、
目の前に立った従者を見上げる。
以前よりも近くなった距離に、少しだけ緊張する。
不意打ちでキスをされたら、
避けられないだろうなという間合いだ。


動作を注意深く見守っていたら、ポケットから取り出したものを、目の前に差し出される。
一瞬驚いてしまったけど、声を出さなかったので褒めてほしい。
]


 ……ぁ、…ありがとう……


[誕生日の祝いだと差し出されたものを受け取る。
開けていいか、と訊ねて包みを解くと、中から美しい趣向を凝らした栞が出てきた。
思わず手に取って目の前に近づけて確認し、表と裏を交互に眺めてから表に戻し、表面に凝らされた細かい刺繍や中央の押し花を眺める。特にそこに挟まれた白い薔薇は美しくて、目を引いた]



 美しいな……、ありがとう、
 大切に使わせてもらう。


[礼を繰り返したのは気に入った証。
胸の前で押し抱き、贈り主を見上げて嬉しそうに微笑むと、
再び布の中に包んで、背後のクローゼットに大切に仕舞った。
首に掛けているペンダント以外にも、一生の宝物が出来た。
この花なら、枯れずにずっと咲き続けてくれる。
わたしの心の中にも
]

[贈り物を仕舞った後で、
振り返ったら「もう一つ」と続く]


 ……。


[それは試練の間で秘密がバレた時、
真っ先に説明しようとした内容に含まれる問いだった。
やっと聞いたかと軽く目を瞠った後、この距離で立ち話は出来ないな、と改めて従者に椅子を勧める。

従者が腰を下ろすのを見届けたら、椅子から斜め前にあるベッドの縁に、両足を揃えて座った]

 

 兄が王になったら、わたしは王の補佐になる。
 兄は生まれつき体が弱いので、
 城内で出来ない王の役目を、わたしが代わりに担うんだ。


[式典参加や外交、有事発生の際は陣頭指揮を行うことまで。
そもそも男として育てられた件については、
この辺りをかい摘まんで伝えた]


 双子の女は迷信だと笑うか?
 だが、決めるのはわたしではない。両親や周りの環境だ。
 わたしは物心つく前から王子として育った。
 ……今までも、これから先も。


[目の前の従者にとっては初めて聞く話だと思う。
どのような思いで、受け止めただろうか]

[生い立ちや事情を語ったら夜も更けてきた。
この後はどうしようかと思いきや、唐突に一緒に寝ようなどと抜かされて]


 
はぁ?!



[男同士だからいいだと?
いやいやいやいや。
さすがに男女の恋模様に疎いわたしであっても、
そこにある下心には気付くぞ。
一瞬いいなと思ってしまったけど、

こんなに容易く流されてたまるか!と対抗心に火が付く]

[わたしが首を縦に振らないでいると、男はさらに調子付いて続ける]
女の子に振られちゃって、とは。それは、わたしか。
娼館には行ったけど、事を成さなかった?
ええッ?!
]


 一人で寝るの淋しいって、
 わたしを男だと思っていた間は、
 一度も言わなかったではないか、……今さら言うな。


[と、わたしは呆れて溜息を吐く。
それから、ふふ、と苦笑を浮かべて小さく吹き出した。
これまでの内容はともかく、
必死なのはヒシヒシと伝わってきたから]

 

 ……わたしも、お前に聞きたい事がある。


[目を逸らした男を見守る視線には優しさを込めて、
静かな声で訊ねる]


 お前の事は騎士として従者として、とても信頼している。
 忠誠心も見上げたものだ。
 わたしにずっと仕えてくれて、支えてくれる。
 男だと思われていた頃から、変わらない。

 ……だが、試練の間で交わった後で、
 お前はわたしに体を求めるようになった。


[扉が開いた後で、
もう一回と台座の上に押し倒された事を言っている]

 

 男の間はずっと性の対象にならなかったのに、
 女になった途端に求めるのは
 あの場でたまたま交わって、弾みが付いたのではないのか?

 お前の中で、わたしに対する認識がどう変わったのか、
 ……聞きたい。


[昨夜、試練の間を出た時からずっと頭の中に
浮かんでいた疑問をぶつける。
わたしは、ずっと前からお前に想いを寄せているが、
無論女性としてだ。

今まで男だと思っていた相手が女になったからといって、
急に恋い慕うようになるなんて、本当にあるのだろうか。

肉体を求める欲求に、気持ちは乗っているのか。
ただの性欲対象として見なすのであれば娼館へ行けと、
誇り高い主はそう言外に問うている。**]

[クローゼットの前の王子と距離を詰めると、
少し緊張させてしまった、と感じた。
わざと近すぎるところまで踏み込んだけど……
警戒しないでほしいという気持ちと、
意識してくれるなら嬉しい、という気持ちが混じっていた。

プレゼントを差し出せば一瞬驚いた顔が見えたが、
徐々に強張りが解けて、
美しい栞が王子の手元に収まった。
ああやっぱり、似合う。
これにしてよかったと思ったし、
嬉しそうに胸に抱いて微笑んでくれる姿を見ると、]


  ……はい。


[俺まで馬鹿みたいに嬉しくて、ちょっと気恥ずかしい。
「光栄です」って言おうと思ったのに、
こんな短い言葉しか出て来なかった]

[それから次の話を持ち出したら、
もう一度椅子に座る様に促された。
流石に二回断る訳にはいかなかったから大人しく座り、
ベッドの縁に腰掛ける王子に目線を向ける。
男と二人きりの部屋でベッドに座るのよくないって、誰も教えてくれなかったのかな……と、彼女の無垢さに心の中でため息をつきつつ。


ともあれ、明かされる内容に
必死で耳と頭をついていかせる。
俺は馬鹿ではないが、王家の内情など知り得ないし、他の国がどうという知識も無い。これが普通なのかどうかと判断ができない。

けどつまりは、サイン王子の代わりに生きる、という事か。
それなら男として、王子として生かされたという事に筋は通る]


  ―――……いや、
  偽ったってもう女が生まれてるじゃねェか……



[王子の意思も聞いた上で、
俺はただそんな事をぽつりと呟いた]

[けど今話された事について、
俺がどうこう言う事は、今はなかった。
もう夜も更けて来たから。
夜は寝る時間だから……俺はこの、二人で過ごせるだろう最後の夜に、突拍子もない事を提案した。

当然王子は驚いて
それから痛い所をつく。
ええやだなあ、振られたのが初めてだから一人で寝るの淋しいって言ってるのに。
そんな風に調子よく言い返そうと思ったのに、
思いの外胸を抉られたのか、目線を逸らしたまま]


  ……なんですか。


[王子の方がため息の後に笑ったと思ったら、
聞きたい事、だって。
何だろうと思って目線を上げて耳を傾ければ、
さっき大声を上げたのとは別人の様な優しい表情と声の王子がいた。

……何だろう。
聞きたい内容はわかったけれど、
そこから何を知りたいのかが、俺は掴みかねた。
けれど黙って全部聴いて……背もたれに少し、体重を預けた]

[キシ、と音が鳴った方を少し見遣って]


  認識、ねェ……


[そう繰り返す。
本人に問われて、改めて自分に問うたら、
言葉にするのは結構難しいな、と思った。
それに、言ってしまっていいものか、悩む。

顎に指先を当てて少しだけ思案する]


  かわいい、って思いました。
  今も 思ってます。


[真面目な話し合いなのに、
この口元にふっと笑みが浮かんだが
王子の顔を見て、かわいいと思って、自然とそうなった]



  女の子だってわかってから対象になったのは
  俺は男に興味ないんで、そうなんですけど。


[正直、男だったとしてもあのまま抱いてたらきっとかわいいって思ったけど……現実の話じゃないから、これは置いておこう]


  交わったのはたまたまですけど、
  そのたまたまで、気持ちが生まれちゃ
  駄目なんですか?

  俺はずっとシール様を尊敬して、
  人間として好いていました。
  だからきっと……強く思ったんです、

  俺は、


[そこまで続ければ、椅子から立ち上がり、
ベッドに腰掛けた王子のもとまで歩み寄る]



  あなたを抱いた時、
  もう離したくないって思いました。

  これからも騎士として、師として、
  それからできれば男として、
  傍にいたい、と。

  ……それから、今は


[彼女の顎を持ち上げて、こちらを向かせる]



  あなたをもう一度、

  女にしたい。


  ……王子に、戻したくないです。


[話を聞いた後では、そう思ったんだ。
王子は望んでその運命を受け入れているのかもしれない。これまでも、王子を嫌だと言った話は聞かなかったと思う。誇り高い王子の本心は、俺にはまだわからない。

だから切なく告げた後、そっとその唇に口付ける。
抵抗されれば、無理矢理にでも。

俺の体温で、彼女の唇が解けて本心を語ってくれないかと、
祈りを込めて。**]

[男と二人きりの部屋で、ベッドに座ってはならないと
教わらなかったが
従者と部屋で二人きりになるなとは、旅立ちの前に
母からきつく言い渡されていた。
その前提が崩れた後については、無知なままである。

しかし、その位置ポジションで語り明かした内容は、
すぐに理解し難いものだったと思う。
彼が漏らした小さな呟きは、こんなに静かな部屋だと
耳に届いてしまう。
わたしは小さく頷いて、薄く苦笑いを浮かべる]


 ふふ……真実は、男女の双子だけどな。
 けれど話した通り、
 今の王家には、世継ぎの王子が二人必要だったんだ。
 二人で一人の王として、国を支えていくために。

 だから、わたしの独断で
 王子をやめるわけにはいかない……。


[ずっとそう言い聞かされ、自分でも言い聞かせて生きてきた。
王家のため、国のためにそうあれと。
なのに、生まれてきてずっと守ってきた信念が、今になって覆されようとしている。目の前にいる男と、彼に対するわたしの気持ちが加速することによって。]

[わたしはこの期に及んで、この男から何を引き出そうとしているのだろう。
これを聞き出して、万が一望む答えを得たとしても、だ。
男として生きよと命じられたわたしに、
女として愛を受け入れ生きる選択肢など、
どこにもないというのに。

 
……聞くのが怖いが。


一時の弾みで体を求めましたと返答があれば、
わたしは男に戻れる。
仮にそう告げられたとしても、
彼が忠誠心高い騎士である事には変わりないのだから]


 ……。


[わたしの問いに対する返答を探る姿を
祈るような気持ちで見つめる。
問いに含めた単語を繰り返されれば
真剣に考えてくれている様子が伺える]

[この後でこちらに返す言葉は、きっと本心からだろう。
そう信頼を置いて、続きを待っていたら、]
 

 (
かわいい、
と言われてしまった……。)


[恐れながら待ったのと異なる内容に、
不意を突かれてときめいてしまった。
また、言葉に添えられた笑顔が優しくて、
素敵で

その口元から目が離せなくなってしまう。]

[続く言葉も、もはや冷静には聞けなかった
気持ちが生まれたと聞いてしまって、喜びに胸が打ち震える。

ちゃんと元になる思いがあって、
そこから気持ちが派生したのだと。
問いかけた時に、本心から欲した言葉が聞けて
今度は胸が苦しくなる。

こんなに、嬉しいのに。
素直に、喜びたいのに。

後ろめたさが同時に湧くのは、信念が揺らいでしまうから、か]


 …───、


[わたしは両手で胸を抑えながら、俯いた]

[男が椅子から立ち上がると、わたしの目の前に来た。
視線の先に、男の足元が見える。
二つの相反する気持ちがせめぎ合って苦しい。

顔を上げられずにしていると、情熱的な思いがこめられた言葉が、次々と降ってくる]


 ……、ぁ…


[顎を取られて上に向かされる。
視線を合わせたまま、一途な思いを告げられる。
その目元が、切なげに揺らいで、]


 …───、
んっ



[そのまま、二つの唇が重なった]

[唇が触れた拍子に肩が小さく跳ねたら、
その上に手が置かれたかもしれない。
重ねた唇は柔らかくて優しくて、熱い想いが伝わってくる。

試練の間でも最初に口付けを交わしたけど、
あれ以上にゆっくりと時間をかけて、互いの体温を分け合った]


 ……っ、…エース


[ようやく唇が離れた後で、名前を呼ぶ。
こちらを覗き込むような視線と間近に見つめ合うと、
瞬きと一緒に、大粒の涙が零れて頬を伝った]

 

 ……ッ、お前…、さっきの話を聞いた上で、
 わたしを女にしたいって、……
 
 それが、…どういうことか、
 分かって言ってるのか……?


[一度口を開けば止まらない。
信念が大きく揺らぐ。感情の渦に巻かれるようにしながら、
堰を切ったように言葉が溢れる]


 どうするんだ、…?
 わたしが王子で、なくなったら、

 ……王が困る、…国が困る、…民が困る、
 みんな、困る……
 
 サインが王になったら、支えてあげないと……
 わたしが女になったら、誰がどうするの……?


[男の胸倉を両手で掴んで揺さぶる。
気持ちと一緒に両目から涙が溢れて止まらない。] 



 わたしを、女にしないで…ッ
 でも、……女になりたい……

 
[二つの想いがぶつかる。更に胸倉を揺さぶったら、
襟元がはだけて揃いのペンダントが目に入った]


 …───!


[二つの想いを乗せた天秤が、片側に急激に傾く。
生まれてからずっと、呪縛のようにまとわりついていた信念が、音を立てて崩れていく]

 

 わっ、わたしだって、
 お前の事がずっと好きだったんだからなッ

 でも、気持ちを認めて向けてしまえば、
 わたしは、女になってしまう

 女になったら、弱くなってしまう…
 側にお前が居て欲しいって、
 守られたいって、願ってしまう、

 わたしは強くなって、弟を守らないといけないの、に……


[胸元から離した手を差し伸べれば、
強く体を抱き締めてくれただろうか]

 
 ……お前のせい、だ
 こんなに好きなのは、お前のせいだ……

 女にしたいって言われて、
 嬉しいに決まってる……どうしてくれるんだ

 お前にも責任があるぞ
 わたしはもう、……

[先程までより距離があるのに、この静かな部屋の中だと俺の小さな呟きも聞こえてしまうらしかった。
何もかも自分で手に入れないとならない代わり、
何にも縛られず自由であった俺とは生きる世界が違う。
わかっていた事だけれど、すぐに理解し難い話だ。
ただ、「独断で王子をやめるわけにはいかない」との言葉が
強く俺の心に残る。
実際やめる訳にいかないかどうかに関わらず、
王子はそう思っている事を、俺は理解する]

[王子の話をひとまず聞き終えたら、
今度は俺が話を引き出される番だった。

あんなに凛とした態度で聞いてくるから、
俺はちょっと尋問されている様な心地だった。
答えを聞くのが怖いと思われているとか、祈る様な気持ちだったなんて、露知らず]


  ……、


[別に機嫌をとろうとか、
口説こうとかいうつもりはなかった。
俺の「かわいい」にはそんな気持ちは含まれてなかったから、
笑顔はなくとも、彼女が纏う空気が変わって
俺は笑みを崩さないまま、内心胸が思い切り擽られた]

[もう気持ちを告げる事は止められない。
否、止めようという気すら起きなかった。

このまま予定通り、
王都に向かうのが正しいと思っていた。
今夜だけ、交わらずとも一緒に寝て、
その思い出を今後抱いて生きて行けるのではないかと。

でも彼女がそんな、
嬉しそうでいて苦し気で、
恐れを抱いていそうで、希望を見ている様な顔をするから。

俺の言葉に、
心を乱されてくれるから。]

[苦しそうに胸を抑える彼女のもとまで近付いて、
顔を上げてくれなくても、
目の前の少女に俺の気持ちを降らせる。

もう一度、立場とか試練とかそういうのを全部取り払って俺が女にしたいと告げて、唇を重ねた。

その間際に情けない目をしているのが彼女の瞳に映ったかもしれないが、そんな事より、振り払われなかった事が……嬉しかった]

[俺の言葉に乱される姿も、
顎を取られて小さく漏れた声も、
キスを受け入れる唇も、小さく震えた肩も、
もうどうしようもなく女の子だけど。

大きめの服に隠れても細いと知っているその肩に手を置き、
想いを伝える為のキスを彼女に贈る。
無駄に吸ったり舐めたりしないで、
ただゆっくりと触れ合わせて―――、
俺の理性が残っている内に、ふっと唇を離す]


  シール様…… ……?!


[彼女に応える様に名前を呼び返したけど、
そんな風に見つめ合ったのは少しの間だけで。
瞬きをしたと思ったら、その大きな瞳から涙が零れ落ちて、
俺は動揺してしまった。
肩に置いた手はそのままに、
彼女の涙の理由に耳を傾ける]



  ……シール様


[どういう事かわかっているのか、と。
勿論、わかっている。
……わかった気になっているだけかもしれないけれど、
少なくとも、考え無しではない。
洞窟を出たあたりから考えていたけれど、
実際にそうするかは、決められなかった事。

彼女は王や国や民が困る、と泣いている。
本当に、他人想いの立派な王子だ……
でもそんなの、彼女だけが背負わなくていい事だ]


  シールさま……


[そう説得しようとしたけれど、
取り乱した彼女は俺の胸倉を掴んで身体を揺する。
大の男をこんなに揺さぶる事ができるなんて、
彼女は本当に真面目に鍛錬をこなしてきたんだ……。
けど……、]

[女にしないでほしいと言うのに、
女になりたいと言う。
悲痛な願いを聞いて、俺は思わず眉を顰める。

それなら俺の手で無理矢理女にして、
全部俺のせいにしてしまえばいい。
そんな仄暗い気持ちが噴き出して来るくらいに、
男として育てられた彼女の運命を呪った。

けれど、
激しく揺さぶる彼女の手が俺の襟元を肌蹴させて、
そこに彼女の視線が、気持ちが注がれる]


  シール様……?


[はっとした様な顔の彼女を見つめれば、
更に吐露された彼女の秘密と本音に、
え、と唇だけ象って、声を失ってしまう]


 (……シール様が、俺の事……?)


[そんな思いもよらなかった事に気を取られそうになって、
彼女の話をちゃんと聴かなければと、意識を彼女の心に向けた]

[でも、ずっと好きだったなんて、
傍に居てほしいって、
守られたいって願ってくれるなんて……
夢の様に嬉しくて堪らない。
彼女からこんな言葉を聴けると思ってなくて、
差し伸べられた手に俺は、自分の震える手を伸ばして、
彼女を強く、強く抱きしめた。

腕の中で彼女は尚も俺に心を向けてくれる。
それは悲しくて切なくて、
でも、無垢な想い、そして、]

[溢れる想いって、こういうのを言うんだろう。
彼女の身体を抱きしめたまま、ベッドの上に倒れ込む。
ギシっと軽く音が響いて、それから押し倒すかたちになった少女を見下ろせば邪な気持ちも湧いてきてしまうが、
目を逸らさず伝える]


  シール様……貴女が愛おしいです……

  貴女は、俺だけのお姫様です。


[そうしてもう一度、口付けを贈る。
今度は俺の事を好いてくれる、王子様だった女の子へ向けて。
唇を触れ合わせているだけだったキスから、
舌で唇をなぞり、舌を捻じ込んで、口の中を熱く触れ回る。
彼女の舌を捕まえてはぬるりと舌先、舌裏、奥と、這い回る。
快感を覚えてくれる様にと優しく、
けれど徐々に水音を響かせるくらいに、
息継ぎもできないくらいに、激しく]



  っは……  やっぱ、かわいい……


[ようやく唇を離したら、俺のか彼女のかわからない唾液が彼女の口端に見えたから、ちゅっとそこを吸い取って。
宥める様に頭を優しく撫でながら、
俺の考えを少し話そうか]


  城に帰ったら、
  話を聞いてくれそうな人はいますか?
  貴女が王子を辞めると言って、
  聞き入れてくれる王家ですか?

  そうじゃないなら、
  城に帰るのは止めましょう。

  馬を貸してもらえる手筈なんですから、
  それでどこか、二人で遠い所に行きましょう。


[サイン王子の事が気がかりなら帰る方がいいとも思うし、
民の事を考えるシール様は立派だと思う。
でも帰った途端また縛り付けられるなら、城へは帰せない]



  貴女だけが犠牲になるなんて、
  あってはならない事です。

  何があっても、
  俺が貴女の命も心も、守りますから。


[そう誓いを重ねる。
俺の気持ちはもう揺るがない。
俺に責任を課してくれた彼女が居るから]

[具体的には、
サイン王子には別のかたちで遠方から援助する事はできるとか、
それで国が成り行けば結果民を支える事になるんじゃないかとか、
そんな風に考えている。
聞かれたらそういう話もしただろうけれど、
彼女が今聞きたがらないなら、朝になってからでもいいだろう]


  ……で。

  女にするって言いましたけど、
  今、セックス……したいですか?

  いやだったら嫌って言ってもいいんですよ。
  昨日の今日……いや、今日の今日ですし……


[愛おしさのあまり押し倒してしまったけど、
そういうつもりじゃなかったかもしれないと、
彼女の意思を確認………否、

彼女からの言葉が聞きたくて、わざと少し退いてみる。**]

[わたしを求める動機は何だと訊ねて、
騎士の本音を引き出そうとした。
つまり、わたしを本気で想ってくれているのかと探ったのだ。
一時の迷いであったら、こちらの気持ちを打ち明けないまま、
男に戻ろうと思っていた。

結果、騎士の告白はわたしの心に届いた。
想いを打ち明けられ、気持ちが込められたキスを贈られる。]


 ……っ


[触れ合わせた部分があまりに温かくて優しくて。
震えた肩に置かれた手は、包み込むように大きくて、安心する。

今の彼なら、聞いてもらえるかもしれない。
一人でずっと背負い続けてきた重い境遇を、二人で分け合おうと助けてくれるかもしれない。

もう、一人で思い悩むのは嫌だった。
触れ合う箇所から伝わる体温が、わたしの信念という厚い氷を溶かしていく。口付けに込められた彼の祈りが届いた。]

[唇が離れた後で、解き解れたわたしの感情が一気に解放される。
これまで抱えてきた重みをすべて脱ぎ捨てるように、
思いの丈をぶちまけた]


 (王家に生まれて、生きる環境としては恵まれていたけど)
 (わたしの心は全然自由じゃなかった)
 (王とか国とか民とか、)
 (自分よりも優先して考える事が多かった)

 (女として生まれたからには女として生きて、)
 (誰かに恋をしたら、想いを伝えられる。)

 (ずっと欲しかった。)
 (ありのままに生きられる自由な体と、心を。)



[長い間、封印していた気持ちを打ち明けた。
目の前の男にずっと前から好きだったと告白したら、
強く抱きしめてくれた。

本当は、想いを受け止めてくれて嬉しい。
気持ちを通じ合った幸せを、素直に受け入れて喜びたいのに、
重い罪を犯したような不安が襲い掛かる。

罪深くて、怖くて。
許してほしくて、目の前の温かい胸に縋って、泣いた]

[ありったけの思いを伝えた後で、
固く抱き合ったままベッドに倒れ込む。
今までこんなに泣いた事がないってくらい泣いたから、
わたしの顔はきっと、酷い事になっているだろう。
本当はあまり見られたくないが、真上から注がれる視線の強さに抗えなくて、泣き腫らした目元で見つめ返す]


 ……っ


[間近で聞いた愛の告白に胸が震える。
わたしも、と返そうとした唇は、愛しい人に塞がれた]

 

 …ん、っ…


[男の熱くて滑る舌が、
わたしの口の中で想像もつかない動きをする。
口内を余すところなく探られ、
わたしの舌をも絡め取って舐って犯される。
今まで体験したことのない動きに翻弄され、劣情を煽られる。
泣いた痕が乾かぬ目尻に、また新たな涙が滲む]


 ……っふ…く、ぅ…ッン


[わたしも拙いながらに応えてみたいけど、それどころじゃない。
まったく追い付けないどころか、一方的に囚われて舐られて、あからさまに音を立てられながら激しく責め立てられる。
まともに息継ぎも出来なくて、顔を真っ赤にして、わたしは、]



 …───っ、ぁ、……は、…ッ、…
ぁあっ…



[あなたとのキスに、溺れた。**]

[口が離れてもまだ、頭がぼうっとしていた。
かわいいって言うけど、きっと酷い顔をしている。
取り繕いたいけど、そんな余裕は戻ってきていない。
乱れた息を零す口元は緩んだままで、口の端から顎にかけて、涎の筋があるのさえ気付かない。そこに唇が触れて、音を立てて吸われると、優しく頭を撫でられる]


 ……、……城に、…かえった…ら…


[今のキスの続きで、このまま服を脱がされるかと思っていたら、
これからについて、語ってくれた。
考えてくれた以上、真剣に応えねば…。


男から遅れてキスの余韻から復帰すると、
伝えられた内容にゆっくりと考えを巡らせる]


 ……まだ、わからない…けど、
 サインのことは気になるから、

 ……王都までは予定通り行こうと思う


[彼が提案する「城に帰るのはやめる」パターンは、
まだ検討が足りないので保留にした。]

[王子に戻りたくないと覚悟を決めたが、
覚悟を決めたばかりともいう。ただ、]


 二人で遠いところへ…、……


[その提案はひどく甘美に響いて、わたしの心を誘う。
強くて頼りがいがある彼となら、どこまでも遠くへ行けそうな気がして。**]

[仮に王城へ向かったとして、両親や兄弟の反対に
あったとしても、わたしの騎士ナイトと誓ってくれるなら、
必ず助け出してくれると期待していいだろうか。
いや、それよりも、]


 ……あっ


[大事な、事を思い出した。
とろんとした眼差しを騎士の方へ向けながら、
自分の右手を下腹の上にそっと置いて]


 わたしの避妊具リングは、母上の魔法でしか外せないぞ…?
 まぁ、世界中を探せば他に出来る輩も居るかもしれんが、
 何年かかるやら……。


[どうする?と
恐らく
当事者
になるであろう男に目線で問いかける]

[で、ようやく話が普通に出来そうになったところで、
急に話題をガラリと変えられて面食らう]


 ……えっ


[目の前の男を凝視して、ぱちぱちと瞬く]


 えっ?

 いやだったら、って……えっ、
……いやではないが……

 さっき、あんな風にキスしたから、
 てっきり
そのまま、その、……、


 って、

 
うわぁあああ、もぅ



[キレた]

 

 ばか、ばか!!
 主に恥をかかせるつもりか、無礼者めっ!!


[真っ赤になりながらばかばかと繰り返し、
目の前にある男の胸板をぽかぽか殴る。
どうせこんな事をしたって、ノーダメージだ。すぐに手を止めて]


 ……てっきり、さっきはあのまま抱かれると思ってた、ぞ
 
期待したのに……



[いや、体を気遣う気持ちは本物か?
だったら、キスをする前に聞かないか?
えっ、それともあのキスでその気になったわたしが悪いのか?


目元を赤く染めながら、恨みがましい視線を向ける。
その表情を見つめて、男の意図を何となく察した。
そうか、昨夜もこのように、言葉を引き出されようとした。
どれだったか]

[俺の気持ちを明け渡したら、
彼女のこれまで、そして今の気持ちと心をもらった。
俺のは彼女が女だった事でかたちが変わって、
でも凄まじい勢いで育った気持ち。
これがなければ、彼女の想いは世に出る事はなく、
無かったものになったかと思うと……

俺はあの試練の間に感謝すら覚える。
でもそれ以上に、
一緒に出ようと言ってくれたシール様にありがとうと伝えたい]

[俺のキスでほどけた唇が紡ぐ言葉に
色んな感情が押し寄せたが、
全部合わせて最終的に、愛おしさに成った。

俺の胸で泣く少女を抱きしめていたら
彼女のこれまでの痛みが伝わって来る様だった。
過去に戻って彼女を救う事はできないけれど、
これからはずっと、俺が傍にいる。

それからベッドに倒れ込んだのは
やましい気持ちじゃなかった筈なのに。
ぐしゃぐしゃに泣いているのにきれいな顔に
少なからずそそられてしまって、
真摯に愛を告げた後に、その唇を塞いだ。

貪る様に、奉仕する様に口の中を犯せば、
彼女はされるがままになる。
時折漏れる息が色っぽくて、興奮する。
涙を零す様に、欲情してしまう。

キスだけでこんなに蕩けてしまう彼女がかわいくて、
愛おしくてたまらなくなってしまった]

[……このまま深く求めてしまう前に、彼女に俺の考えを伝えた。
考え無しでない事を伝えたかったのだけど、
多分タイミングを間違えている。
大人でもこんな風にはなるものなのだ……とは、俺は気付かなかったけれども。

まだぼんやりした顔の彼女にかわいいと言って
頭を撫でながら話し始めたら、
ゆっくりと余韻から戻った彼女が
考えを聞かせてくれる。

王都まで行こうと言う彼女に、
俺は穏やかに笑んで頷いた]


  ん……わかりました。


[本当はこのまま連れ去ってしまいたかったけれど……
彼女の気持ちを無視して肉親と引き離す事は、
俺としても本意ではなかったから。
いざとなったら国を敵に回しても、
俺は彼女を守ろうと思う]

[彼女から俺の言葉が繰り返されれば
俺は先ほどより強く頷いた。
具体的な行き先はすぐには浮かばないけれど、
彼女とならどこでも楽しそうで、]


  俺、
  シール様にかわいい服を
  着てみてほしいんですよねぇ……


[なんてぽつりと口を挟んだだろう。
試練の間で妄想した事はまだ俺の中に続いていて、
しかもそれが叶いそうな気がして、俺の口元は緩んだ。
流石に今下着がどうのとかは言わなかったけど……

でも彼女の方がちょっとした爆弾発言を持ってくる。]


  ……え?


[急にリング、と言われて理解が追い付かなくて、
でも彼女が腹に手を当てているのを見て……
ああ!と結び付いた次の瞬間、俺の顔がちょっと赤くなった]

[この子は、
俺が自分を孕ませたいと思っている事を
知っているんだろうか。
いや、試練の間で俺はそんな事口走ったか?と
記憶を辿るが、自分の発言は所々曖昧だ。
本能でわかっているんだろうか。
それとも、彼女が望んでいるんだろうか……

何にせよ俺は、
今そんな事を教えてくれる彼女の事を、]


 (かわいいなあ……)


[と、ちょっとエロい目で見てしまう]


  うん、行きましょうね
  王妃様のもとにも。


[さっき王都へ帰る事に頷いて、全てを反対されても俺が守るつもりだったけれど、これに関してはどうだろう……俺ができる事はあるんだろうか。
一抹の不安を覚えたが、今は、きっとうまくいくと
明るい未来を思い描こうと努めた]

[それから、
ベッドに押し倒したままの格好で彼女に問うた言葉は、
彼女を驚かせ、もごもごさせ、そして怒らせた。]


  は、はっ


[赤い顔で子供みたいに文句を言う彼女
俺はつい笑ってしまう。
そうそう、こういうちょっと年相応くらいの反応、
俺はずっといいなって思ってたんだ。
凛として気高い王子サマもよかったけど、
こうして一緒に旅をして、
本来の気質を見せてくれるところにほっとして、
やり取りが楽しくて、この人間らしさが好きだな、って。

俺の胸を叩く手を優しく捕まえようとしたけど、
その前に彼女の手が止まる]


  期待……そっか


[抱かれると思ってくれたのが、嬉しい。
俺はその気持ちのままに、目を細めた]

[喉元を覆う服でも隠せない様な高いところに、
俺の唇の痕をつける。
さらさらの髪に触れながら頭を抱き込んで首を吸いやすい様にして、強く、いくつも吸い上げる。
試練の間ではつける事が恐れ多かったけれど、
今はこんなに沢山刻む事ができて、悦びに打ち震えそうだ]


  ……首、吸った痕がいっぱいなんで、
  後で鏡で見てみてくださいね。


[ふと、キスマークなんて知らないんじゃないかと思って
そんな事を教えながら、彼女の首をとん、と指で突いた。
服で隠れないって怒られるかな、
途中、きれいなストールとか買ってもいいかもしれないな、
なんて思いながら、空いた手を服の中に忍ばせる。

素肌の臍に触れて、すべすべの腹を通り、
胸の下まで指を滑らせる。
下乳を持ち上げて、くにゅんと乳房を握り込む]



  俺、シール様のおっぱい好き。
  すべすべで柔らかくて……きもちい……


[永遠に触っていたい。割とマジで。
頭を抱えていた手も服の中に突っ込んで、
両胸をめちゃくちゃ揉んだ。
時折胸の頂を突いたり擦ったり摘まんだりするが、
胸を揉む事に一番時間をかけて]


  ……シール様のミルク、飲みたいな。
  
絶対エロい……


  ……うん、やっぱりリング、
  絶対外してもらいましょう。


[恍惚の表情でそう告げれば、
彼女の上着を捲って乳房を露出させ、乳首に吸いついた。
まだ母乳が出ない彼女の乳首を、引っ張る様に強く。*]

[わたしはもう、王子には戻らない。
それを二人で決めた事が嬉しかった。

王子に戻らないと決めた以上、
王城にも戻れないだろう。

あと二日で終わると思っていた旅が、
その先にも続くかもしれない……すべて上手く行けば]

 

 かわいい、服?


[すべてが上手く運んだ未来を思い描いていた時に、
男から切り出された内容に意表を突かれる。]


 ……どんなの?


[当然ながら、そのような事を言ってくる輩はいなかったし、
自分自身も考えた事がなかったので、
男のいう「かわいい服」に興味が引かれた。
聞いて想像すれば、似合うかな、と首を傾げたし、
恥ずかしそうにして笑ったかもしれない]

[ただし、下着がどうのと出た場合は、目の前の顎にグーパンを食らわせるくらいはしたかもしれないけど]

[なお、リングの件は恥ずかしいけど、
二人にとって大事な事だと思って確認した。
試練の間で孕ませたいと思われた事
察する事はできなかったけど、
この時に語った思いがあって
何があってもわたしの命も心も守ると誓った
それはつまり、]


 お前がわたしの伴侶になるという事ではないのか?

 ……


[わたしは何か、盛大な勘違いをしているのだろうか。
何だか今だけはふわふわっとして頼りなさそうな様子にも
見えるが……ホラ、
さっきみたいなキリっとした顔をしてくれ]


 わたしが他の男と添い遂げる事など、
 あるわけないだろう?

 ……よし、では母上のもとにも行くぞ。


[ちょっと窘める感じで、むす顔を作る。
ともあれ、母上にお会いする際には忘れないようにせねば]

[それで今夜する?って訊かれて、したいって答えた。
わたしの体を気遣ってくれたのはありがたいが、
何たって昨晩はお前の手を想像して自ら慰めたくらいだ。

やはり、……本物の
が欲しい]


 ……んっ、


[肌に吐息が掛かったと思いきや、顎を天井へと向けられるようにして、露わになった首を吸われた。
二度、三度と繰り返される。力加減が少しきつい]


 ……った…


[何だか食べられてるみたいだ。
吸われるたびに、こちらも鼻にかかったような、甘い声が上がってしまう。
気持ちいいというより、嬉しいという気持ちの方が強い。
独占の証を、刻みつけられているようで]

[いくつも付けられて、そこら中鬱血痕だらけになってしまったかもしれない。わたしの首を喰らい尽くして満足したのか、ようやく顔を上げると、後で鏡を見て確認しろ、という]


 ……っ、わかった……


[それに、素直に頷くわたし]


 痕はどのくらい、残るものなのだ?
 ……二日後には、王都にいるわけだが。


[近々身内に会う予定があるので、念のため確認しておきたかった。彼はどう答えただろうか]

[首の後は、服の中に手を入れられて肌の上をまさぐられる]


 ……あっ、…っ


[無骨な手が自在に這い回るのに、息が上がってくる。
自分の手では絶対に生まれない感触がたまらない。
徐々に上がってきて、わたしの小さな乳房に触れてくる]


 すき、……ほんと、に?


[濡れた瞳で見上げて首を傾げる。
自慰の最中に自分で触れた時は物足りないと思ったのに。
両手を突っ込まれて滅茶苦茶に揉まれると、
喉を仰け反らせて声を上げた]
 

 あっあっ、…っ手……、っき、…きも、ちいぃ…


[背中を大きく波打たせながら、
うっすら涙を浮かべて快感を訴える]

[胸への愛撫に夢中になってたら、
なんだか訳の分からない台詞が聞こえてくる]


 ……は…?…ミ、ルク……?
 なにいってんだ、おまえ、は……


[赤子に与えるものを飲みたいとは、何言ってんだしょーもな、となったけど、別にそれ自体を咎めるつもりはない。いつか飲ませる機会があったら構わんくらいに思ったけど]

 

 ……ぅ、っ……んぅ…、


[服を捲り上げられ、露わになった乳房に吸い付かれる。
今すぐミルクなんて出ないのに激しく吸われて]


 ふぅんっあっ、あ、ぁっ、っふぁああんんっ


[まるで美味しそうな音を立ててしゃぶりつかれて、
男の頭を両手で抱えると弓なりに仰け反った。*]

[ささやかな願望を呟いてしまえば、
彼女が興味を示してくれた。]


  白いワンピースとか、どうですか?
  タックがあってもいいし、
  袖がフリルとか、レースもいいな。


[「どんなの?」って可愛いなあと思いながら、
あの時よりもっと具体的に思い浮かべた服を
彼女に並べて伝える。
似合うかなって首を傾げる姿に、
俺は「似合いますよ]って優しく微笑んだ。
こんな事を考えて話し合って、微笑み合えるのが
何だかすごく幸せだ。

ちなみに下着がどうのこうのはこの場では言わなかったので、
顎は無事だっただろう。
でもかわいい下着も着てほしいのでその内見繕いに一緒に行きたがるだろうし、それを脱がしたがりもしただろう
]

[伴侶、という言葉を聞けば、
目をぱちぱち……俺は少しの間、
間抜けな顔になったかもしれない]


  ぁは……
  貴女が欲しいって事ばかりで、
  俺が貴女の何なんか、
  そこまで具体的に考えてませんでした。


[お姫様とは言ったけど、それは王子様の対比として使った言葉であるからして……
俺は正直に話したのち、]


  ええ、貴女さえよければ、
  生涯を共にする
  伴侶にして下さい。


[彼女を不安にさせた雰囲気は感じ取ったので、
キリっとした顔でそう告げる。
他の男と添い遂げる訳がないなんて、嬉しい事を言う……
むす顔もかわいい、と思いながら、
新たにできたミッションにも頷いただろう]

[これからの事を少し話したらあとは、
誕生日が終わってしまう前に、もう一度身体を重ねる。

ゆっくりと身体を解してあげたかったのに、
おねだりがあまりにかわいかったものだから、
年甲斐もなくがっついてしまった。

「いたい」と言われた気がして
ちょっと吸い上げる力を弱めたけど、
甘く声が濡れれば、更に続けた。

唇を離した後の首は男に喰い荒らされて、
赤い花畑が咲いていた。
あまりにきれいだったから彼女にも見てもらいたいと思って指差せば、彼女は頷く。
本当に素直ないい子だ、と思った後に、
俺が気まずい思いをする事になる]


  えっ、と……
消えませんね……

  ……あとで首に巻く物、買いましょうか。


[ああそこまで考えていなかったと、白状する答えを返した]

[――じゃあ馬にも乗るし、
あまり腰に無理はさせられないな、と思う。
だからという訳じゃないけど、彼女の胸を好きだと告白し、
執拗に揉んで快楽を引き出していく]


  本当に、好き。
  大好きです。


[潤んだ瞳に言葉を重ねる。
女性の胸の大きさに優劣をつけた事はなかったが、
どちらかというと控え目な方が好みだった。
でもこの胸は、シール様のだから、好き。
指が沈む柔らかさも、白く滑らかな手触りも
本当に気持ちよくて……それに、感度も本当にイイ]


  気持ちいい?嬉しいな…… かわいいですよ


[胸を揉んでるだけでこんなに反応してくれて、
気持ちいいって伝えてくれる彼女に、俺は吐息を熱くして囁いた]

[ミルク、なんて言ったら
彼女に呆れられてしまったけれど、俺はめげない]


  ふふ……
  その時が来たらきっと、
  シール様も好いって思いますよ。


[たぶんね。
吸わせてくれる事を信じて疑わなかった]

[そして、
ミルクが出ずとも、その乳首に吸い付きたかった。

服を捲って、彼女が恥ずかしがる音を立ててしゃぶる。
硬くなったそこが甘くて美味しくていっぱい吸えば、
甘ったるい声を響かせながら身体が反らされる。
勝手に反応している身体のエロさと、
俺の頭を抱える彼女の母性に、性欲と愛情が混ざり合う]


 (かわいい、かわいい……)


[唇が離せなくて話せない分、
口に含んだ乳首を擦ったり舌で舐ったりして、快楽を与え続ける。

それから、新しい快楽も]

[乳首を吸いながら、
彼女の秘処にも手を伸ばす。
ズボンの中に手を差し入れて、そのまま下着の中へ。
気持ちよさそうにしていたのを覚えていたから、
今回も肉芽を責めていく。
中指を前後に動かして擦れば、
指先がちゅく、と時々彼女の膣に入ってしまう。

徐々に中指を挿入れる長さを増やし、
十分に濡れたと感じたら、ずぷりと根元まで潜らせてしまう]


  はァ……かわいい、俺の シール様


[ようやく乳首から口を外して、囁く。
中指をゆるく出し入れし続け、
ぐちゅぐちゅと音が鳴り始めたら、何も言わず指を足す。
二本指で愛撫したら、今度は三本にして]


  ね……今、指三本入ってます。
  すごいですね……

  まだ、入るかな……?


[四本目を入れるのかと思わせておいて、指を引き抜いた]

[これ以上指を入れて拡げるのは酷だと思ったから。
一度身を起こして、上半身の服を脱ぎ捨て、
それから自分の腰回りを寛げて、
痛いくらいに張った自身を取り出した]


  見て下さい、シール様。
  

[試練の間ではしっかり見てなかっただろうと思って、
彼女に見てもらえる様に、示す。
これが入ってるんですよって教えて、]


  下、脱がしますね。


[彼女が下半身に身に着けているものを、俺の手で脱がしていく。
履き口を掴んでズボンを脱がし、
男が履くみたいなボクサーパンツと腰の間に俺の手を挿し込み、
するすると足先まで下ろしていく。

男を知っても無垢な彼女の入り口に俺の先端を宛がって、
ふふ、と笑みを漏らした]



  貴女を愛する事ができるのが、
  嬉しいです。


[そう柔らかく告げれば、
くちゅりと音を立てて彼女のナカに侵入していく。
彼女の反応を見つつゆっくり、
焦らす様に奥へ腰を押し進めて行った。**]

[わたしに似合うかわいい服って何だろうと訊ねたら、
割と具体的なイメージが返って来た。
タックもフリルもレースも、城では身に着けた事はあるが、
いずれも男物だ。
案外男物が合うので、これまで女物を憧れで見た事はないし、逆に合うか不安でもあるが、
愛しい男が『似合う』と断言して『可愛い』と愛でてくれるなら、それでいい]


 では、今度探しに行こう
 お前が選んでくれ


[きっとそれが一番、間違いない]

[そしてお前を伴侶と呼べば、意外そうな顔をされたけど、
理解を示してくれた。
ちゃんと自分の言葉で「生涯を共にする伴侶にしてください」と言ってくれる。
わたし好みのキリリ顔で]


 ふふ、それでいい


[満足してむす顔を笑顔に置き換えた]

[それから、付けた本人が後で気まずい思いをするくらいたくさん鬱血痕キスマークを付けられたり、わたしの小さな胸を両手で覆いつくして可愛がってくれた。
女としての魅力が乏しいと引け目を感じる胸元を、本当に好き大好きって言いながら、言葉通りの手付きでしてくれる。
快感を訴えたら嬉しいかわいいって、飽きずにずっと揉んでるから、本当に気に入ったのだろう]


 
うれしい

 
ここはもう、…お前のだ…、…お前のものに、なって……よかった…



[恥ずかしいけど、お前のものになって良かったと喜びを伝える]

[けれど母乳を所望とは、さすがに気が早いと呆れたけど、
まだ出ないそれを強引に吸い出そうとする行為に翻弄される]


 ふぁあああっ、ばかぁ…っ、ま、っだ、出ないというのにっ


[昨夜の台座の上で初めて吸われた時に判ったけど、
わたしのココは本当に感じやすい。
自分さえ知らなかった部分を、この男の指と口によって
体に刻みつけるように教え込まれ、暴かれる。

頭を必死に抱いて快感をやり過ごしていたら、
待ちわびて濡れ始めていた秘部にも手が入ってきて、]


 はぁんんっ、あっ、はぁっ、そこぉ…っっ、


[昨夜泣き叫ぶほど善がったソコを指で擦られて、
強い快感が蘇る。一度に触れると感じすぎてしまうから、
もっとそっと、ゆっくり触れてほ、し…っ]


 あっあ、っ…やっぱ、だめぇ…っ


[気が遠くなるほどの愉悦に、
背を反らし足をぴんっと張って耐えた]

[体中を熱くして蕩け始めたところへ、男の指が蜜壺に入ってくる]


 は、っ…はぁ、ぁ…っ
 
や、はり……ちがう……



[ぐにゅ、と肉壁を圧しながら入ってくる指の太さと、
関節の大きさや固さが、自分のと比べ物にならないほど
好い


徐々に奥へ入ってくる異物に背筋を震わせながら、
男は指も長いのだな、などと考えが過る。
一方でまだ乳も吸われていて、固くなった乳首を舌で撫でられたりもしたら、ビクっと感じて、中に入り込んだ指もキュッと締め付けて快感を伝える]


 ……ぅ、……
エース……



[俺の、と独占欲を示してくれるのが嬉しくて、
胸の中で大輪の花が開いたような気持ちになる。
間近に男の体温を感じながら、抱かれて、指で翻弄されるのがたまらない]

[昨夜台座で過ごした幸せな一時が、再び訪れていると実感する]


 あっ…、っあんっ、……すご、いっ……


[指を増やされているのには気付いたけど、
三本も入ってると聞かされて、本当にすごいと言葉に頷き返す。
自分でした時は中指だけだった
]


 っ、ま、…まだ…?


[疑問形の声に、試されるのかと緊張する。
えっ、こわい…男を知ってまだ一日足らずなのに、と不安になる前に指を抜かれた]

[一度体が離れると、起き上がって服を脱ぐ姿が目に映る]


 ……、


[男が女を抱くために服を脱ぐ動作は色気があるなと感じた。
そして服を脱ぎ捨てれば、憧れて止まない厚い胸板が現れる。
肌を合わせるようにしてこの胸に抱かれると、
わたしは途方もない幸せに浸れるのだ。

見惚れた視線の先では、下肢部の衣服も緩められる。
内側から張り詰めた雄が現れると、そちらに目を向ける]

[言葉でも促されて、そこに注目する。
昨夜は薄暗い照明の下でわからなかったけど、改めて大きさを知って驚いた]


 こんなに大きいのが、……わたしの中に……


[教えられて瞬きをする。昨日挿入される前に見たら、
怖くなって抵抗したかもしれない。
今なら一度迎え入れた後なので、
信じられない気持ちだけど恐怖は感じない]


 ……触れていいか?


[と手を伸ばせば、少しは叶ったか。
象を確かめるように指を這わせれば、表面の皮膚のや先端の感触、カリや浮いた筋などにも触れて確かめる。
触り過ぎる前に手を引いた。
下を脱がすという声にこくり、と頷く]

[下着をズボンを一緒に下ろされて足先から外されると、
下生えに包まれた秘部が目の前に晒されて、]


 ……やっぱり、見られるのは恥ずかしい


[手で覆って隠そうとしたけど、先に足を開かされたか。
触れて確かめたばかりの先端が、わたしの膣口に宛がわれる。
柔らかな声で喜びを伝えられれば
わたしの頬も薔薇色に染まって、]


 ……わたしも、…またお前と一つになれてうれしい…
 一夜限りだと、思っていたから…


[もう二度と抱かれることはないと、悲しい覚悟を決めた。
そんな思いをしなくていいのが、嬉しくて]


 ああっ


[圧し入ってくる質量に、自然と声が押し出される。
わたしは今、全身で幸せを感じていた。**]

[かわいい服を着てほしいと願いを口にしたら、
一緒に選びに行く約束までできてしまった。
やはり口に出すのは大事だな、と思う]


  ええ、是非。
  選ばせてください。


[絶対に似合う服を彼女に贈ろう。
似合っているか不安そうだったら、
すごくかわいいって伝えて、照れさせてしまおう。
一着だけじゃなくて、これから先、何着でも]

[伴侶にしてほしいという事も、口に出して彼女に伝えた。
「それでいい」って、
身分の高いシール様らしい言葉だ。
でもいつものご機嫌顔よりも、優しい笑顔に見えて
俺もふふ、と頬を緩めただろう]

[かわいい服を着てくれる事になったし、
彼女が妻になってくれる。
それに俺の事を欲しいって言ってくれて、
彼女の誕生日なのに、俺が嬉しくて堪らない事ばかりが起きる。

触れる彼女の肌は柔らかくて、
俺を受け入れてくれていると雄弁に伝えてくる。
特に胸の虜になって揉んでいたら、
お前のだなんて言ってくれる。
なんだもうめちゃくちゃかわいいけど、
俺の方がプレゼントをもらってどうするんだ……]


  光栄です、シール様。

  ……ふふ、
  本当に、
  他の人に取られなくてよかった。


[主からの頂き物に騎士として静かに頭を下げた後、
彼女と共に旅をしたり試練の間に一緒に閉じ込められたのが自分でよかった、と思った。
数瞬タイミングが違うだけで、彼女は他の男に恋をしていたかもしれないから。
彼女に選んでもらえたのが俺で、心から幸福だ]

[まあ、おっぱいをお前のだって言ってくれるのは大変エロいと思ったけれども。
エロいって言い方は彼女はあまりお気に召さない感じだから、
いい雰囲気の時は極力慎もうと思っている。

でも母乳を引き出す様に乳首を吸ったら、
ばかって言いながらも声を乱れさせ、
翻弄される様はとてもエロい。
口が塞がっていてよかった。言いそうになった]


  ん……


[頭を抱えられながら彼女の下肢に手を伸ばしたら、
ソコは既に湿りを帯びていて、
欲しかったんだろうと思って、小さく頷く。
彼女の身体は感度がいいと思っているけれど、
かわいい声もたくさん聴かせてくれて、嬉しい。

「だめ」って言われても逆にそそられてしまう。
俺の手で彼女を乱せる悦びのままに彼女の芽を擦り続ければ、背が反って足も伸びて、煽情的な身体を見せ付ける]


 (ッ……、)


[乳首を咥えながら、ごくりと唾を呑み込んだ]

[俺も我慢できなくてナカに指を挿し入れたら、
「ちがう」って聞こえた。
何だろう?とちらっと彼女を見上げたけれど、
後で聞こうかな、と心に留めた。
俺の心がざわつく様なものと比べらている訳ではないと、何となくわかったから。

それに乳首が好かった時、
身体を淫らに震わせ、咥え込んだ俺の指を熱く締め付ける。
まるで気持ちいいって言ってくれているみたいで、
愛おしさが降り積もる]

[指を増やしてもその度に拡がって、
俺を受け入れてくれるココはまるで花園で。
鳴きながらすごいって身悶える姿に、
俺の理性が押し負かされていく。
……彼女が男のフリをしていてくれてよかった、と
少し思ってしまった。だってこんな子、
女の格好をしていたら男共がほうっておかないだろう?]


  ふ、 指は終わりです。


[指を四本挿れてみたい気もちょっとあったけど、
それよりも受け入れてほしいものを挿入れる事にした。
彼女の緊張はほどけたかな、それとも……]

[彼女と肌を抱き合う為に、服を脱ぎ捨てる。
途中で彼女の視線に気付いて、にこりと微笑んだ。
最初に釣られてくれたのはこの身体を見た時だったな、とふと思い出す。
今思えば……あれは女の子にしてはえっちだな、と思う。
いや、好きな男相手ならそうなるものなのか?わからん。

何にせよ、彼女が色の籠った瞳で見てくれるのは、
男としては嬉しい。ってか嬉しすぎる。
にやけてしまいそうになるのを抑えて微笑んだけど、
性器まで見せたのは、ちょっとやりすぎかなと―――]


  !……も、ちろん、です……


[―――思ったけどそんな事はなかった様で。
触れようとしてくる彼女に一瞬怯んだけど、大きく頷く]


  ……んっ…… ァあ、
  上手。シール様。
  今度、もっと触ってくださいね。


[ただ確かめる様に触れられただけなのに、
ピクと反応してしまう。
もっといっぱい触れてほしくて、それを"次"に期待して、
約束を結ばせただろう]

[今夜は、彼女を女にして戻れなくする夜なんだ。
既にとびきりかわいい女だと思っているけど、
もっと、もっと深く溺れさせたい。

下に着ているものだけ全部取り払ったら、
白い肌と美しい曲線が眼前に広がり、
男を誘う花が、茂みの奥で濡れていた。]


  恥ずかしがってるの、かわいい。


[でも隠させない。
隠そうとした手を止めて、内腿を掴んで足を広げる。
入り口に先端でキスをして、
粘膜と共に、お互いに愛の言葉を交わした]


  ……シール様、


[頬をきれいに染めた彼女が切ない事を言うから、
俺も何だか泣きそうになりながら、
ゆっくりと慈しむ様に彼女の胎内を裂いていく。
両膝を掴んでぐっと足を広げさせ、
腰を近付けていけば、彼女の喉から声が押し出される]



  ふ、ぅッ……


[奥まで埋めたけど、キツい。
気持ちよすぎて思わず息を吐く]


  ……シール様のナカ、
  ぎゅうぎゅうに締め付けて来て……
  俺の事咥え込んで離したくないって
  言ってるみたいですよ。


[嬉しそうにそう教えてあげて、
彼女からの反応が返れば、片手で彼女の腰を抱き込んだ。
俺が腰を押し付けるのと同時に彼女の腰を引き寄せれば、
ぐっと最奥を刺激し、またも彼女の子宮を押し上げる]


  ふ、ふ、っ あぁ、 好い……ッ


[甘く抵抗する肉襞が愛おしい、彼女と激しく繋がっている事に、興奮と幸福が同時に湧き上がる。
そうして三、四度強く肉をぶつからせて責めた後、
額に汗を浮かべて彼女の耳元に囁く]



  
少しだけ、自分で動いてみます?


 

[試練の間でした様に、彼女の身体を抱き起こす。
今度はそこで掻き抱くのではなく、
俺のモノを挿入れたまま彼女の身体を反転させ……]


  ん……下、見てみて。


[俺の上に座らせるだっこみたいな体勢―――
いわゆる背面座位の格好をさせて、
彼女に下を指し示し、見てもらう。

自分が男根を呑み込んでいるところが見えただろうか。

彼女が足を閉じようとしたら、
また膝を持って大股を開かせて]


  腰を浮かせたり沈めたりして、
  俺のモノを出し入れしてみて下さいよ。


[そんないやらしい姿が見たいと、乞うた。*]

[わたしの体の欠点だと思っていた部分を、
本気で気に入っているように聞こえたから、
こちらも嬉しくなって、お前のものだと言ってしまった。
そうしたら、光栄ですだって。
しかも、他の人に取られなくてよかったなどと抜かす]


 おかしな事を言うな……、他の人とは何だ。
 先程までわたしは「男」で「王子」だったぞ。
 
 お前と一緒に、二人でここまで来たから、
 わたしは今、「女」としてここにいる……


[それを言ったらお前の方こそ、だ。
王城ではお前を慕う女は数多だった。
その見た目で強いとくれば、そこら中の女が黙っていない。
わたしと二人旅に出た後も、往く先々でお前に色目を使う女は少なからずいたぞ。
だから、本当は気が気でなくて、お前に恋愛事情を聞いたり、夜の生活について訊ねてみたんだ。
見かけ上は男としてだったけど
]

 

 ……。


[でも、それを伝えるのはまた今度にしよう。
数々の巡り合わせと選択があって、今のわたしたちがある。
ここまでの偶然に、感謝すれば良いのではないかな。
今度は二人で未来を良くしよう。
そう願いを込めて、愛しい人を抱き締める]

[男が服を脱ぐ様子を見守っていたら、
視線に気付かれたのか、微笑まれた。
見つかって恥ずかしいという気持ちと、
ちょっとした笑顔でも向けられたのが嬉しくて、
目元を赤らめてしまう。

試練の間でこの肉体を見た時は、
まだ自分が「男」としてありたい頃だったから、
いくら鍛錬しても手に入れられない体に
憧れる気持ちの方が強かった。
なので、当時のわたしの事を「えっちですね」とでも
言おうものなら、ムキになって否定したかもしれない。
言わぬが花ってやつだ。

で、昨夜と今夜では事情が違う。
今度は完全に女として、相手の性器に興味を以て手を伸ばした。

好奇心に駆られて、指先を纏わせながら弄っていたら、
上手だって。それから、今度はもっと触ってほしい、とも]


 ……、わかった。


[いずれコレを口に含む事もあるかもしれないが、
この時のわたしは、そこまで予想が追い付かない。]

[やがて服を脱がされて、下肢部を露わにする。
一回手で秘部を覆い隠そうとしたら、
また「かわいい」と言われてしまった。
今だと、何をしても「かわいい」と言われそうだ。
クールで強いと思っていた騎士が、
こんなに「かわいい」を連呼する男だと、誰が想像しただろうか。

でも「かわいい」から許されるわけではない。
隠そうとした手はすぐに避けられ、開かされる]


 ……あっ


[男の目の前で股を開いて迎え入れる。
昨夜は扉が開いた後で、もう一度と求められた。
あの時は断ってしまったが、
こうしてまた機会が巡ってきたのは嬉しい]



 ……んっ


[奥へ進むにつれ、さっき手で確かめた象の輪郭を
ナカでも感じ取る。熱くて。固くて。
肉壁で受け止めながら、圧し進んで開かされるのが気持ちよくて、嬉しくて。何度もきゅんっと締まって、食らいつく。

昨夜は初めてで出血したし、痛くてそれどころではなかったけど、
今回初めて自分でそれを実感する。
そして、自覚したばかりのそれを、男が嬉しそうに言うものだから
言い当てられて恥ずかしくて]


 わ、っ、…わざわざ、いわなくても、
 …わかってるから、……いうなぁっ


[聞いたばかりの言葉を振り払うように首を振る。
なのにナカは、わたしの事などお構いなく、
また勝手に雄を締め付ける。
それで弾みがついたのか、腰を抱き込まれて密着され、
最奥を突かれ、今度は子宮を押し上げられた]



 んぁっ、…そ、そこっ…お、く…ッ


[子宮が悦んで上げた声が、喉を通じて外に出る。
腰を打ち付ける音が続くと、喘ぎ声や息遣い、台座では聞けなかったベッドの軋む音が重なる]

[そのまま追い立てられるのかと思ったら、
何か聞こえた気がした。]


[問う前に、二人の体は繋がったまま大きく体勢を変える。
ベッドの上に座った、と思ったら体の向きを変えられた]


 …───?!


[何が起きたかすぐにわからず驚いていると、
下見て、と促される。]


 あっ


[自分の股ぐらを見下ろすと、二人の結合部がよく見えた。
煽情的で生々しい光景に心臓がドキドキしてくる。
刺激が強すぎて、一旦膝を閉じて視界から隠そうとしたら、
背後から回った手に開かされた]


 ……ちょっ、…なに、を……


[振り返って声を上げようとしたら、先に何か言われてしまった。
さっきは何の事か判らなかった囁きが、ようやくここで結びつく]


 うか、…せたり…しずめ、たり…?


[言葉の一部を繰り返して、もう一度見下ろす。
今ぴったり埋まってるここを、……浮かす]


 ……っん…


[言われた通り、跨ったまま体を上の方へと動かす。
ズルっと音がするみたいに、ナカが擦れて男根が見えてくる]


 ……はぁ、…ッ


[動きに伴って生まれた刺激に、思わず熱い溜息が零れた。
動いた分だけ、気持ちよくて。
ただ、これ以上動くと上体のバランスが崩れそうだと思ったから、]



 倒れないように、……支えて


[その逞しい腕と大きな手で、しっかりと支えてくれたら、
安心してもっと動ける気がした]

[動きは拙いながらも、もともと体を鍛えている分、
多少無理な動きを強いても、叶えられるだけの筋力があった]


 あっ、…あっ


[目を閉じて感度を上げながら、腰に回された腕に手をかけてバランスを取りつつ、上下に体を揺すって高めていく]


 、いい……、


[絶頂へ向かう激しさはないけど、お互いの熱を感じて繋がっている幸せがある。
わたしが擦るたびに、後ろから気持ちよさそうな息遣いが聞こえてくると、もっと感じてほしい、なんて思ったりもする]


 ……エース、っも…、
んっ…
きもち、いい…?


[なんて、甘やかな声で訊ねたりして。
薄目を開けて窓の方を見れば、窓枠に嵌った真っ黒なガラスに、
部屋の薄明りに浮かぶ、わたしたちの姿が映っていた。**]

[光栄ですって騎士らしく言ってみたのに、
おかしな事って言われてしまう。
俺が今どれだけシール様をお慕いしてるのかわかってないなって、内心笑みを深めたけれど。
彼女の今までの苦労も知らない俺なので、
お互い様ってやつかもしれない。

でも彼女からそんな事を教えてもらえる機会がきたら
気恥ずかしそうにしながら
今までの事を思い返す俺がそこにいるだろう]

[服を脱いだら、
目元を愛らしく染めた彼女がいた。
薄明りの中でも目敏く見付けて
かわいいなって思ったけど、
俺の逸物に触れる彼女は、かわいいとは違って見える。
扱くのでも愛撫するのでもないその様は、
グロテスクなものと一緒に映っているのに、
どこか淫靡で蠱惑的な、絵画の様。

今度、と告げれば、彼女が頷いてくれた。
じゃあ、次に触れられる時は俺の希望も伝えて、
最初から彼女に大きくしてもらおう。
キスもさせて、口に含ませて……
それを想像するだけで、ビンともう少し張ってしまいそうだ]

[かわいいと連呼してしまっている事には気付けない。
本心をぽろりと零しているのと、
愛おしさを言葉にしているだけだから、
俺にとってはごく自然な行為だ。
でも今まで生きて来て、
今日がダントツで一番、「かわいい」を使っているだろう。

かわいい彼女をメスの格好にして、
彼女の孔に俺のかたちを嵌め込んでいく。
キツいけどぴたりと引っ付いてくる内襞が気持ちよくて、つい言葉で苛めてしまえば、彼女は首を振る。
恥ずかしそうに抵抗するその姿も、かわいすぎる]


  ん、……
また締まった。

  わかってるんだ、へえ……
エロいなあ……

  

[また彼女を辱める様な事を口にしながら、
より腰を密着させて強く彼女を責めた。
俺も気持ちよくて声を漏らしたが、
彼女も奥で感じてくれてるみたいで、嬉しくて、
ベッドもギシギシと鳴らしてしまったけど、
俺は彼女の違った姿も見たかった]

[彼女の身体を抱えて体勢を変えさせて、
繋がったところを彼女に見せ付ける。
今までは俺しかよく見えなかった光景を共有したら、
恥ずかしがった彼女の膝が閉じられそうになったから、
それを阻止して、恥ずかしい格好を続けさせる。

そうしてもっとすごい事を彼女に強請れば、
彼女は戸惑って……否、ゆっくりと理解をしてくれる。]


  ふ、……


[言われた通りに、
たどたどしくも腰を浮かして、俺のモノを扱く。
自分で動くのとはまた違った優しい刺激に、
そして何より彼女が動いてくれているという事実に、
俺は煽られまくる。
支えて、とのかわいいお願いに頷く余裕はなく、
代わりに右手で腰をしっかりと抱いて応える。
左手は彼女の左胸を鷲掴みにした]

[慣れないだろうに、
一生懸命に腰を浮かせて沈めて……
俺の言った通りに、自分で雄を挿送し続ける。
流石シール様、鍛えてあるだけあるなとじんわり感じ入る。

俺の要求の中で気持ちよくなってくれるのが
溜まらなく嬉しいし、こんな風に応えてくれて、
彼女の腰が落ちて深く繋がる度に、俺の心も熱く打たれる。
どんな顔をしているのか見えずとも、
息遣いと喘ぎ声で想像しては興奮する。
俺も吐息を何度も零し、]


  ン……、もちろん、です。
  すげェ気持ちイイ……
幸せだ……


  ……シール様、上手いじゃないですか。
  初めてなのに、えっちだなあ


[全身を包む様な感情を小さく吐露した後、
ふふ、と笑いながらそんな事を言ってしまったけど、
彼女を恥ずかしがらせたいというより、
どちらかと言うと俺の照れ隠し、に近い]

[愛らしい乳房を揉みしだきながら
彼女の身体を抱き込んで、今度は俺が腰を揺する。
激しく突けない代わりに、
短めのストロークで何度もぐちゅぐちゅと彼女のナカを抉って、
興奮と快感に息を荒げていく。
熱くて蕩ける彼女の胎に溶けて、ひとつになってしまいたい……]


  出しますね……

  シール様も、
  一緒に、イきましょ……


[彼女の身体を軽く跳ねさせて、
落ちて来た弾みでぐりっと奥を穿って、
先端を押し付けたそのまま、
腰を支えていた手を彼女の敏感な肉芽に添えた。

くりっと摘まんで擦り上げて、
絶頂の時が同じになる様に願って]

[彼女に向かって昇る熱い子種が、
容赦なく彼女の最奥を塗り潰していく。
もっと奥に侵入したい様な、
凶悪な慾望すら湧いて来る快感に晒されながら、]


  うっ、 ……ぁあ、
  好きです……シール様……


[愛おしい人に、その心を捧げる。
今回も、最後の一滴まで、彼女に飲んでほしい。**]

[男は騎士でわたしに仕える従者だけど、
時々口調が変わる事がある。
でも、この最中でその物言いはわざとだろう。
あまり聞き慣れない口調に刺激され、その内容に羞恥を煽られ、
わたしは情けなくも感じてしまう。
女として
]


 あっ


[その言い草けしからんしたかったのに、腰を密着されて奥まで突かれてしまえば、甘やかな喘ぎ声に置き換わる]


 いじわる……、ばか、……
すき……



[恨み言と愛情を交互に(ただし恨み言比率多め)に伝えながら、大きく体を開いて中心を何度も穿たれる]

[繋がったまま起こされて体勢が変われば、
慣れぬ恰好をさせられて(そもそも男とするのに、慣れている事はまだ一つもないのだが)動きを求められる。
試しに言う通りにしたら、思いの外好い気がしたので、手探りつつ動き始める]


 ……ぁ、っ、…
、むね…



[支えてとお願いしたら、腕が腰に巻きつき、もう一方の手で左胸を鷲掴みにされた。
やはり胸に触れてくれるのが嬉しくて、心も体も蕩けそうだ]


 …んっ、…んんっ、…ぅ、ん……ぁあ


[早い動きではないけど、
繰り返し上下に擦り合わせて、快感を引き出す。
新たに生まれた甘やかな感覚が、次々と背筋を駆け上がっていく]

[肩越しに甘えた声で好いかと訊ねたら、
気持ちよさそうな息遣いと一緒に、掠れた声が耳に届く。

上手い、だって。
初めてなのにえっち、だとも。

彼はわたしの武術指南で、これまでも修練の成果や、出来栄えが良いと褒めてくれたけど、]


 ……っ、ふ…


[ここでも褒められてしまった。
知ってるだろうが、わたしは褒められるとやる気を出すんだぞ。
これからも、わたしに色々授けてくれ。
……いかがわしい事も含めて。


そうしてわたしは、……お前の色に染まる]

[二人で蕩け合うような甘い一時を過ごしていたら、
今度はお前の方から動いた。左胸を覆う手に乳房を揉みしだかれ、下から小刻みに揺らされてナカを掻き回される]


 あぁ、ぁああ…っ、んぁ、ああぁ……、


[細くて断続的に長い悲鳴が喉から迸る。
まだ放たれる前なのに、既にあり得ないほど濡れていた。
擦れるといやらしい水音が立って、
耳も犯されながら、高みへと向かわされる。
わたしは動くのも忘れて、反り返った背中を男の胸に預けながら、
時々走る電流のような刺激に、ビク、ビクと小さく肩を揺らす]


 ふぁっ、あ、…っい、…っしょ、…に、…


[出すという予告に頷いて、一緒にってどうやって?と思ったら、
男の動きに促されるように体が浮いた]

[そのまま男の腰の上に、…───落ちる]


 、あ、あっ


[男根の先端が奥に押し付けられるのと一緒に、男の手が的確にわたしの肉芽を捉えて、擦られた。まるで光の渦に放り込まれたかのように、目の前が一瞬で真っ白に変わる]


 ────っ、ああッ


[真っ白な世界。胎内で爆ぜた熱を浴びて、身も心も溶けていく。
わたしの子宮が見た光景を脳裏に投影されたような、気がした]

[子種を注がれながら、耳に愛を告げられる。
背中から強く抱き締めてもらうと、男の腕に手を置いて、]


 ……、わたしも、…エース、…
 あなたが、……愛しい…


[溢れる奔流を受け止めながら、
そこら中に感じる熱に身を委ねて、目を閉じた。**]

[罵られて逆にときめくなんてあるんだな、と多分初めて知った。
俺のモノを締め付けるナカも気持ちよくて堪らないけど、
俺の胸を締め付けるくらいに彼女の言葉はかわいくて、
かわいすぎて、すごく好きだ。

熱に浮かされた表情の、その口端だけが数瞬、
緩んでしまっただろう]

[彼女を後ろから抱いて、彼女に動いてもらって共に快楽を得る。
セックス自体は普通に好き寄りだったけど、他の誰でもない、彼女と、互いに愛情と快楽を交換出来るこの行為が、俺は好きだと思った。

俺の胸と同じ様に熱くなる様にと、彼女の胸を掴み、俺のモノを自分で咥え込む彼女の姿を目にも耳にも焼き付け、彼女から与えられる快感に、浸り、溺れる。

褒められて伸びる子だとは思っていたけれど、コッチも褒めたら伸びるとは、今はまだ知らない。
でもこれからも、いっぱい褒めようと思っている。
当然じゃないか、こんなにかわいいんだから]

[彼女から与えられる刺激でもイキそうだったけれど、
やっぱり男たるもの、女の子を突いてイかせたくて。
もっと気持ちのいいところへ二人でいこうと、彼女のナカを俺のかたちで犯していく。

さっきよりも声の甘さが増して
ニィと笑みを深めてしまう。
ぐちゅぐちゅと淫らな音が鳴り響いて、その感じている証に、肉棒が張り詰めていく。
自分で動いてくれるのもかわいくて好いと思ったけど、こうして背を、身体を預けてくれる方が、俺は好きかもしれない。

震える身体が、愛おしい。
敏感なその身体を大事に浮かせて、
俺の中心に嵌め込む様に落とした]

[ぱちゅん、と音がして、
彼女の花が芽吹く。

かわいらしくて、本当にきれいな花だ。
蕾すら隠し、誰も寄せ付けない様な凛とした花。
俺が見付けて、
一度はその花を見せてくれたのに、
また閉ざしてしまった。
俺がまた咲くように願って、
彼女も咲きたいと応えてくれて、

もう一度、淫らに、美しく咲いてくれた]

[俺の先端は彼女の一番深いところに強くキスをしたまま、俺の指先は彼女の一番敏感な芽に添えられたまま、

俺と彼女はただの男と女になる。
びく、びくと二人で震えて、
快感と愛情を、二人だけで分かち合う]

[俺の気持ちに応えてくれた彼女を抱き込んだまま、
俺はベッドに倒れ込んだ。

彼女の頭を俺の胸の上に乗せる様に抱きしめたら、
きっとずるっと彼女のナカから俺のモノが抜けて
どろりと白い液体が流れ出る。

もっと繋がっていたい気もしたけれど、
肉体的に繋がっていなくても、もう淋しくならない。
彼女が傍にいてくれるだけで、
俺は世界一の幸せ者だ。

ふぅ、ふうと息を落ち着かせながら
彼女の繊細な髪を撫でる]



  もう、離しません、シール様。

  一生、俺が隣で守ります。


[そう告げたら彼女の腰を抱いて少し浮かせて、
俺の唇に、彼女のそれを触れさせた。**]

[二人で同時に果てて、一つに溶け合った。
熱飛沫をすべて受け止めて、
遠ざかりそうだった意識が戻ってくる。
こわばった体から、ふ、と力が抜けて膝から崩れると、
背を彼の胸に預けたまま、下にずり落ちた]


 ……っ、ん…


[力尽きてへたり込んでいると、
抱き込まれて一緒にベッドに倒れ込む
体の位置を置き換えると、深いとろこまで埋め込まれていた繋がりは、解けてしまった。
栓の役割を果たしていた男根が抜けると、放たれたものがまた、外へと向けてゆっくりと中を伝い下りてく]

[内股の汚れもそのままに、男の腕の中に収まったわたしの頭を、胸の上に置かれる]


 ……ふふ、


[固くて厚い枕のようだ。広くて温かくて安心する。
まだ息が乱れていて、わたしの頭を乗せたまま上下に揺れるのが、少し可笑しくて愛しい。
優しく髪を撫でられて、そっと目を閉じる。
このまま眠ってしまおうかと思ったら、声が聞こえた。]