人狼物語 三日月国


179 【突発R18】向日葵の花枯れる頃【ソロ可】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


【人】 室生 悠仁

 

  歩きながら、先程の酒場でのことを思い出していた。
  彼は酒に弱いというほどではないが特別強くもない。
  途中からへらへらと笑っては様々な話をしていた。

  後輩と飲むのが久々、ということも理由の一つか。
  俺がいることもあり、羽目を外しても良いというように
  いつもより多く酒を飲んでいた気がする。

  だからこそ、今まで口にしたことのないようなことも
  口からついて出たのだろう。

  そういう話題に今までならなかったこともないのに。
  避けていた、とは思いたくないが。
 
(24) 2022/10/17(Mon) 13:35:44

【人】 室生 悠仁

 


   『 ─── 悠仁は、そういうのじゃないから。 』


  耳に入ってきた言葉を、理解するのに数瞬。
  ぱちぱちと瞬いた目を少しして
  ……だろうなというように曖昧に伏せた。
  
  酒を飲む。苦い。
  甘めのものを頼んだはずだったのに
  どうしようもなく苦く感じる。

  それなのに、不思議と飲む手が止まらない。
  今は苦いものを飲みたい気分だったから
  丁度よかったのだろう。
 
(25) 2022/10/17(Mon) 13:36:02

【人】 室生 悠仁

 

  こんなやつこっちから願い下げだ、と
  そう言葉にすれば、笑いが生まれた。
  またまた、とかひでーとか、そんな身内特有のノリで
  この場の時間が流れていく。

  悲しくなんてない。辛くなんてない。
  すべてわかっていたことだった。


  最初からわかっていたこと、なのに。
  胸が軋むように痛むのは、何故なのだろうな。
**
 
(26) 2022/10/17(Mon) 13:36:20
室生 悠仁は、メモを貼った。
(a3) 2022/10/17(Mon) 13:39:17


友紀さんとラインを交換した後は、
すぐにそのままアイツとのライントークを開いて

「さっきは、悪かった。

 話があるんだけど会えない?
 いつものカフェで。

 今日はもう遅いから、明日でも。」

そんな内容のチャットを、アイツに送った。

アイツは俺と違って大学生になっている。
家は隣同士だけど、
親がいると話しにくいこともある。

だから高校を卒業してからは、
学生がよく利用するあのカフェ
会って話すことが多くなった。
だからいつもの、その場所を指定しておいた。

そして、この連絡をしたことは
友紀さんには報告済み。*

 さて、今朝のSNSの告知内容は――。

“本日のワンコインランチメニューはデミソースのオムライス!”

 この他にも、季節限定のハロウィンメニューを画像付きで紹介中(これらは最近の投稿一覧からも見られる)。
 “ジャック・オー・ランタン”…いつものオムライスにケチャップでカボチャランタンの顔を描いただけ、と言うなかれ。秋仕様で、付け合わせにもライスの中の具にもキノコがたっぷり入っている。
 “ゴーストモンブラン”…目玉飾りのついた紫芋のモンブラン。見た目の面白さだけじゃなく甘味の絶妙なバランスもいい感じ。アイデア出してくれたバイトの子、ありがとね。
 “パンプキンタルト”……は、何のひねりもない名前なんだけれど、店長の拘りでこの商品名になっている。素材の甘さが生きてるのも拘りのひとつ。
 “黒猫のホットココア”…甘いスイーツには甘くないドリンクを。マグにも黒猫模様が着いてるんだ。ちなみにこれ、私が発案したメニューだったりする。
 そして“ウィッチクラフト・パンケーキ”…青緑色のパンケーキはこの時期なればこそ出しやすいって思わない? ちなみに生地の味は実のところ、他のパンケーキとあまり変わりない。サツマイモっぽさも意外と無いんだよ。

 もう少し投稿を遡れば、過去の季節限定のメニューの紹介も掲載されている。
 気が向いたら、過去の限定メニューを見てみてもいいかもね?

 ワンコインランチ以外の常設メニューは、ここ近日中の投稿の中にはないけれど――プロフィール欄に記載されたURLから飛べるサイトにはきちんとメニュー一覧が乗っている。

 三種の味が楽しめるミックスフライのAランチ
 デミソースのハンバーグがメインのBランチ。
 シンプル&スタンダードをモットーにしたエビピラフ
 そして、通常メニューの方にもちゃんとあるチーズドリア。

 パスタのバリエーションも、カルボナーラにペペロンチーノ、ボローニャにアラビアータ……。
 こだわりの生パスタを使用している旨も、抜かりなくアピールしているよ。

 デザートはプレーンのミルクレープにレアチーズケーキ(夏季限定のものと違ってフルーツの風味はあまりない)、ココアクッキー&クリームを混ぜ込んだベイクドチーズケーキも。
 それからシンプルなショコラパフェにストロベリーパフェ、ショコラバナナパフェ、コーヒーゼリーパフェ。

 他にもいろんなフードにデザートにドリンク、それにトッピングについての記載がある。
 裏メニューや裏オプションの記載は、当然ある訳もないけれどね!

 ところで、うちの大盛りオプションを(裏オプション含めて)知った一部の運動部系サークルのお客様によって

>>あの店はたらふく食えるぞ<<

 という評判が広がってるとか広がってないとか。
っていうか聞いた。

 確かに学生街のカフェとしてそういうのもやってるけれど、あまりこの手の評判が広まるとうち以上の老舗のドカ盛りトンカツ屋さんの立場が……いやまあうちはトンカツメインじゃないんで別に問題ないか……って言ったら店長怒るな……。
 一応、うちとあちらはお店の雰囲気大分違うからね……学生たちと刻んできた歴史も伝説も違うしね……。

 え? 昨日のお客様もひょっとしたらそういう口コミかSNSコミかタレコミキメてるんじゃないかって??
 それはー、どうだろうなー……何とも言えないな! 
有難いは有難いんだけれどね……
**

 
しかし私の中の誤算。
いや、時間帯ずれてたら良いんだけど。
 
まさかそのカフェが自分のバイト先とは思わないやないか〜!
 
え、店員として見ちゃったら凄く気まずい&気になる。
まあ自分、隙間時間に働くしがないバイトですが…。
まあそこはお仕事しよ。
お仕事に集中して、やり過ごそ。
 
…大成功ぽかったら、お祝いのパフェでも奢ってあげたい気はするけど、そこは自分で買って一人密やかに祝ってあげよ。
でもそれならパフェじゃなくて、なんか普段食べないもの…と思い至って。
いやいやアレはないわ〜、なんて。
家で一人笑うのだった。
 


それに気付いたのは、友紀さんと解散して
少し経った後だったろうか。

『わかった。
 明日、いつものカフェで。』

アイツから返信が来ていた。
シカトされることも、拒まれる事もなく
応じて貰えたことに胸を撫で下ろした。

「ありがと。また明日。」

そう返信をして、俺はスマホの画面を閉じた。


「さっきはありがとうございました。
 メチャクチャ楽しかったです!
 また一緒に飲みましょう!

 それと明日、アイツに気持ち伝えて来ます。
 どっちに転んでもご連絡しますね。」

友紀さんに御礼の連絡を入れつつ
今一度、自分の覚悟を声明する。

返事は来ても来なくても良い。
半分は、俺の自己満足だったから。*

 
カズさんからのラインは割と早く気づいた。
でもこんな時、多くの言葉は不要。そう思える。
だから。


「ウォォォォー!!!」と盛り上がる現場猫の動くスタンプ。
どりゃみちゃんの「応援してます!」スタンプ。
ゲームキャラの「きっとうまくいくさ」スタンプ。



この三つを送信しておいた。
その時に気づいた。
このゲームが気に入ったからと買っておいたスタンプ。
でも、振られた場合もカップル成立の場合も使えそうなスタンプがある。
それにふふっとしながら。
あの人関連のスタンプが一個もないことに我ながら苦笑してたり。**
 

【人】 室生 悠仁

 

  あの言葉を聞いたのは>>25、もう半年ほど前になる。
  半年もの間、俺は結論を出さずにずるずると
  傍にいることを許してくれる彼の隣りに居続けた。

  共にいる時間、楽しいことも
  嬉しいこともたくさんあった。
  彼といると全てがきらきらと輝いて見える。
  このままでいいんじゃないかと思えてしまう。

  それでも、このままではいけないと。
  そう心の片隅で囁く自分も確かに在ったのだ。

  繰り返す自問自答。
  その行為にも疲れてきた頃、覗き見たSNSで
  前に彼と共に行ったカフェがハロウィンに関する
  季節限定メニューを出していることを知り>>*1

  気分転換にと、今度は一人で。
  足を運ぶことにしたのだ。
 
(54) 2022/10/18(Tue) 8:44:33

【人】 室生 悠仁

 
  
  扉に設置されたベルを鳴らしながら店へと入る。
  少しばかり意気消沈しているから
  俺の顔は俯きがちで、悪いと言われる目つきも
  今は真っ直ぐと前は向いてない。

  一人だから、カウンター席に案内されるだろうか。
  休日のご飯時から少しずれた時間。
  平日は学生が多いようだが、休日は遠くへ
  出かけるからか、今のところそう客は多くないようだ。

  席に着き、注文したのはパンプキンタルト。
  既に軽食は食べていたから、今は疲れを癒やしてくれる
  甘いものが食べたい気分だった。
  ここの店長の拘りと言うからには
  美味しいのだろう、という信用があった。
 
(55) 2022/10/18(Tue) 8:44:44

【人】 室生 悠仁

 

  注文が届くのを待っている間は隙間になる。
  その暇を突くように、悩み事が再び頭の中を占領して
  もくもくと煙の如く思考を蝕んでいく。

  
  ─── 彼への想いは不毛だ。
  叶うわけでもなく、それでいて自分の意志で
  捨て去ることも出来やせず。

  何度も考えた。きっと、離れるのが一番いい。
  それが俺のためでもあるし、仲の良いと思っている
  俺から、彼が裏切られないための方法でもある。



  同じことばかりを、飽きもせず思考する。
  きっと、決着が着くまでこのままなのだろう。
  我ながら女々しいと、自嘲しそうになるのを
  外だからと口元を引き締めて耐えた。
 
(56) 2022/10/18(Tue) 8:45:11

【人】 室生 悠仁

 

  そうしていると、やがて頼んだものが運ばれてきた。
  美味しそうなトッピングがされている
  店長拘りのパンプキンタルト。

  美味しいものを食べる時は気持ちをシェアするため
  写真を撮ることもあったが、今日ばかりは
  そんなことをせず、フォークを手に取った。

  見せる相手なんて彼しかいない。
  けれど、今は、今この時は見せたくない。
  写真を載せることで、自分の気持ちまで
  バレてしまいそうだと、そう思ったから。
 
(57) 2022/10/18(Tue) 8:45:20

【人】 室生 悠仁

 

  しかし食べてみて違和感に気づいた。

  確かにパンプキンタルトは美味しい。
  かぼちゃの風味が雑味なく、それでいて
  しっかりと生かされている。
  拘りと言われる所以がわかるものだ。

  それなのにどことなく味気なく感じ、
  何故だろうと疑問に思いながらまた口に含んだ。
  食べることは好きなはずなのにあまり心が踊らない。
  一体何が違うというのだろう。

  その理由に、タルトの量が半分となった辺り
  もしかして、という発想とともに行き着いた。
 
(58) 2022/10/18(Tue) 8:45:29

【人】 室生 悠仁

 

  もしかして。もしかしなくとも。
  ……彼がいないからだ。

  美味しいものを食べる時は大抵傍に彼がいた。
  いない時だって、彼が食べたらきっと喜ぶと
  そんなことばかり考えていたように思う。

  思わずフォークを置いて頭に手をやった。
  俺はそこまで彼に依存していたのか。
  彼がいないと食事も満足に美味しいと
  感じられないほどに。

  人に寄りかかりすぎな自分に羞恥心を抱く。
  それでいて、恐怖心も。
  このまま彼と離れてどうなるかわからない。
  最初から道がわからなかったのに
  更に真っ暗になってしまった心地だ。
 
(59) 2022/10/18(Tue) 8:45:42

【人】 室生 悠仁

 

  パンプキンタルトは途中だが、店員を呼ぶと
  メニューにある黒猫のホットココアを頼んだ。

  とにかく、今は気持ちを落ち着けたい。
  美味しいものを食べて休まらずとも
  温かい飲み物になら心も静まるだろうと。

  届けられたカップを手に取る。
  挟んだ手が温められてほっと息をついた。
  飲んでみると意外と甘いだけでなく
  心地よいほどの苦味もあるように感じた。

  砂糖より純ココアが多く配合されているのだろう。
  ぬくもりが食道を通ると少し頭がすっきりした。
  温かいものはそれだけで、心を落ち着けるらしい。
 
(60) 2022/10/18(Tue) 8:45:54

【人】 室生 悠仁

 

  抜けた気をそのままに、思考を一度逸らすため
  なんとなく周りを見渡してみた。

  学生らしい若い者の姿。
  世間話をする年配の者の姿。
  どうやらこのカフェは地域の人に
  しっかりと愛されているらしい。

  目線を動かしていると、店員も視界に入る。
  彼女は確か、前に彼が口説いていた人だ。

  残念ながら脈がなさそうだったから>>1:72諦めたと
  言っていたから、あれから話に上ることはなかったが
  変わらずにここで働いているらしい。

  今の今まで気づかなかった辺り、俺は随分と
  自分の思考に閉じこもっていたようである。
 
(61) 2022/10/18(Tue) 8:46:26

【人】 室生 悠仁

 

  そう、彼は女性が好きだ。
  将来女性と結婚して、子を成して、
  きっと立派な父親になる。

  まだ25歳、すぐに来る未来ではないけれど
  それは恐らく、そう遠い情景ではないもの。

  その時、俺のようなものがいていいものか。
  考えたところで、……結論は一つしか出ない。
 

        彼の傍に、俺の居場所なんてないんだ。

 
(62) 2022/10/18(Tue) 8:48:38

【人】 室生 悠仁

 

  すぅ、と息を吸い込み、ゆっくりと吐き出した。
  心は、─── 決まった。

  ホットココアを一度脇に置いて、
  パンプキンタルトに再びフォークを入れる。

  甘いだけではないかぼちゃの香りが
  口の中に広がれば、眦を僅かに緩めた。

  この味気ない味に慣れなければいけない。
  これからは一人で生きて行くのだから。
  

  甘くて、ほんのりと苦いホットココアの
  黒猫が背中を押すようにこちらを見ていた。**
 
(63) 2022/10/18(Tue) 8:49:46
室生 悠仁は、メモを貼った。
(a11) 2022/10/18(Tue) 8:51:16

 ――――え? 霧ヶ峰さん?
 なんでそこでいきなりピンポイントで霧ヶ峰さんの話が出てくるのか分からないけれど、彼女には特にバイトがバレると恥ずかしいとか気まずいとかっていう相手がいるって話は聞いた覚えはないな。

 別に解釈違いのある推し同志が来て〜とかも特に無かった気もするし(「解釈」って、理想のイメージとかってことかな?)、逆に(あの報道以前からの)アンチ勢と何かしらあって〜とかも無かった、筈だ。
 あの俳優さん繋がりって訳じゃない、個人的な事情の絡んでる知り合い……とかも、特にこちらで何か聞いた覚えはなかったっけな(ご家族の話は何かあったっけ? どうだったかな)。

 ……だよね?  **

 
あ、ちなみにバイトがバレると恥ずかしいとかは
あります。めっちゃあります。

できれば知り合いに見つかりたくない。
バイトが恥ずかしいんじゃないけどにこやかに働いている姿を見られたくないな?
お兄ちゃんとか絶対来てほしくない。
あいつ絶対「スマイルください」とか言うもん。店が違うわボケェ!!!とか言えないし。
 
まあ表に出た時に、カズさんを見たらおっ?と思いつつ遠巻きにしてると思う。
わざわざプレッシャーかけに行ったりしないよ!
あ〜でも、もし告白失敗したようなら早引けして良いか聞くくらいするかも。
いや、連絡くれるって言ってたし振られる前提で考えるのもなんだから今は無心に仕事しよ!
 


今になってやっぱり会いたくないって思われたのか
それとも、本当に何かあったのか…。

「なんかあった?」

心配し過ぎかもしれないけど
一応、アイツにチャットを投げる。
既読になれば無事。
未読のままなら……家を見に行くか。**

【人】 室生 悠仁

 

  暑くなったり寒くなったり>>0:38
  そんな寒暖差も落ち着いてきて
  冷える時間帯は冷たさに震える程となった。

  購入してきたきのこ類を鍋へと放り込む。
  鍋ものの細かい作り方など知らないから
  レシピを見ながら作業をしている。


   ( 一人で過ごす時間は気楽でいい。
     気を使うことなく、気をつけることなく
     自由に好きに時を過ごせるのは
     望外の喜びというものだ。

     それでも、きっと。
     彼と過ごした時間が、
     自分の中では一番なのだろうな。 )


  仕事も終わって夜の時間
  夕飯を作りながら思う。
  今日のご飯は、ある意味最後の晩餐と言えよう。
 
(90) 2022/10/19(Wed) 7:56:43

【人】 室生 悠仁

  

  机に置いたスマートフォンが軽快な音を鳴らす。
  短く響いてすぐに消えるのは、電話の着信ではなく
  SMSの通知を表している>>0:39

  ご飯を作る手を止めて端末を手に取った。
  送ってきた相手は、─── 全く、予想通りと言える存在。


   『 仕事今終わったからも少し待ってて。 』


  体力がなく定時で上がる俺と違って
  彼はいつも、少し遅い時間まで仕事があるようだ。
  今日は酒も用意しているから
  毎日遅い時間までご苦労だと労ってやろう。

  反応を考えて、くすりと小さな音を響かせた。
  訪れてくれることが待ち遠しく、
  鍋をかき混ぜて気を逸らす。
 
(91) 2022/10/19(Wed) 7:57:09

【人】 室生 悠仁

 
 
  俺が小さな決意をしている間にも
  彼は変わらない日々を送っていた。
  毎日、というほどではないが、そこそこの頻度で
  彼の中での事件がSMSを通じて送られてくる>>0:40

  その距離が、前より大きく愛おしく感じた。
  もうすぐ失われると知っているからこそ
  惜しむように、メッセージを何度も見返した。

  もっと傍に近づきたかった。
  彼の中で一番になりたかった。
  どうして実現しないのか、何故ずっと共にいられない。
  焦燥感に駆られてしまう時が長く続いた。


  この
想い
は叶うことはない。
  今はそれを、受け止められている。
 
(92) 2022/10/19(Wed) 7:58:05

【人】 室生 悠仁

 

  小学校から、随分と共に在った>>0:41
  虐められていたところを助けられただとか
  幼馴染だとか、そういった
  説得力のある関係でもないのに。

  クラスが同じでも、離れても、ずっと一緒だった。
  それは大人になっても変わらず
  俺たちは隣りにい続けた。

  親友と言うには情の形が違いすぎた。
  友人と言うには情の形が合いすぎた。

  彼にはどのように見えていたのだろう。
  俺には、ずっと歪んで見えていた。



   ( ─── そう思っていることなんて、

               きっとお前は…… )
 
  
(93) 2022/10/19(Wed) 7:58:26

【人】 室生 悠仁

 

  端末に返事を打ち込む>>0:42
  文章の長さを前は気にしていた。
  習慣というものはすぐには変わらないが
  努めて、意識しないで文章を作る。

  否 ───


   『 わかった。 』


  ととと、付け足す音。


   『 わかった、気をつけて。 』


  親指でタップすれば無事送信。
  いつもと違う、気持ちをより乗せたやり取り。
  彼は疑問に思うだろうか、それとも何も思わないで
  今まで俺が気を回しすぎていただけ、という結果に
  なるだろうか。
  
  大切で、大事にしたかった時間。
  それももうすぐ終りを迎える。
 
(94) 2022/10/19(Wed) 7:59:45

【人】 室生 悠仁

 

  ─── やがて、チャイムの音が部屋に響いた。
  鍋の火を消して玄関口へと足を向ける。

  段々と高鳴る心臓を振り切って、ノブを回したら
  少しくたびれた、笑顔の彼が土産とともに現れ
  挨拶の言葉を投げかけてくる。

  招き入れた部屋から香るのは
  酸味のあるトマトの匂い。

  食べたいと言っていた
  トマトを使ったトマト鍋が>>0:43
  本日のメインディッシュだった。**
 
(95) 2022/10/19(Wed) 8:00:27
室生 悠仁は、メモを貼った。
(a17) 2022/10/19(Wed) 8:04:38

室生 悠仁は、メモを貼った。
(a19) 2022/10/19(Wed) 8:18:32