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【墓】 高野 景斗[ 受け入れる側の負担や日々の努力について 察するに余りあるとはいえ、どれほど現実的に 伝えてくれていただろう。 言ってくれなければわからないからと 聞くことは少なからずあったとは思う。 事後の処理を手伝うこともあれば、 知識云々ではなく、セーフセックスを 強く意識したし、指先、特に人差し指と中指の爪は 常日頃から整えるようにしていた――とて。 覚えのない快楽を、紡ぎ合う日々の中 より負担が嵩むのはどうしたって、受け入れる方。 ――現にこうして、自分には必要のない所作をひとり こなしている。 それに興奮してしまう相手で申し訳ないとは、少し。 ] (+0) 2023/03/29(Wed) 1:16:51 |
【墓】 高野 景斗 朝晩とかね、 ああでも、ここなら朝も気にせず お風呂入れるな [ 初めて二人ででかけた日に、 温泉にも行けたら良いとは言っていたけど まとまった休みを合わせるのは、難儀するから。 旅行に出かけるのは今日が初めて。 湯当たりしないで、と添えられた言葉には そうだね、と頷いて。 だいぶ抜けているとはいえ、アルコールを 摂取した後の風呂、に油断は禁物。 泉質によっては湯当たりしやすい等々も十分 考えられるので。 ] (+1) 2023/03/29(Wed) 1:17:10 |
【墓】 高野 景斗 いいね、この辺は来たことないから 新しいもの、いくつも見つかりそう。 [ ぬくい湯の中では、重みはそうそう感じまいから。 同意を得られれば嬉しそうに笑い、 湯の中で片膝を立てる、とその拍子に ぱちゃり、水面が跳ねた。 そのうち、挨拶すらも換算しなくなるが、 まず最初に数えるのを、意識的にではなく 気づいたらやめていたのが、約束、だった。 口にする度、罪悪感を蓄えることがなくなって。 叶えるために、ほんの少しの無理もするが、 それを無理だとも思わなくなって、 叶うことしか、言わないと言えばそれもそう ではあるのだが。叶える努力を労力に思わなく なったから。 ] (+2) 2023/03/29(Wed) 1:17:39 |
【墓】 高野 景斗[ また一つ、約束を結んだからには、 近い未来、ここにもまた来ることになる。 ――といってもまだ、夜と呼ぶほど 深い時間ではないから、まだまだ ここでなければ、という項目は増えるだろう。 ] ……痛い? [ 問うても、そこから手を離すことはなく。 伺うように、顔をあげると、 問う意味は、なかったのかもしれないと 苦笑いを一つ。 名前が呼ばれ、手が重なって。 そうではない、と分かってしまったから。 ] (+3) 2023/03/29(Wed) 1:17:58 |
【墓】 高野 景斗 ん、 なぁに [ 酒気を強めに含んだ時に呼ばれたのと 同じように反応を返し、重なる手に指を絡ませて。 擽ったそうに竦められた首筋にも、 優しいだけのそれを贈って。 ] 優しくするって、言ったからね [ これもまた、数える程にも満たない、 約束の一つ。 重ねられた手を湯から上げて、 自分もまた肩を湯から出して、 戯れるように、慈しむように、 すっかり湯の香に包まれた指先、に唇を。 唇で触れてもわかるくらい、温まっていても 体の奥にまたゆっくり、火をつけるように。 指先、指の付け根、掌、手の甲、手首と辿り 一度体をお湯からざばりと、あげて、 風呂の縁、岩の上に腰を落ち着けたのは このままだと、のぼせかねないなと思ったので。* ] (+4) 2023/03/29(Wed) 1:18:19 |
【墓】 高野 景斗[ 苦しさを快楽に変えていく日々も、 痛みより快楽が上回るように丁寧に愛する日々も。 君のためでもあったけど、 自分のためだと知ったら、どんな顔をするだろう。 はじまりはたしかに、快楽を拾えるように なんていう気遣いからだったけど。 性欲が湧き出て止まらないことすら それを制御することすら、楽しいと思ってしまった 自分であるから。 ゆっくりと時間を掛けて、体がひらいて くれるのを待つことも、 しつこいくらい弄り倒して蕩かすことも、 楽しくて、しょうがなかった。 ] (+12) 2023/03/29(Wed) 14:24:02 |
【墓】 高野 景斗 朝食の前に起きれたら 入ろうか。きっと景色も随分変わってる [ 朝は弱い彼を揺り起こす事になるだろうけど 星空の代わりに、抜けるような青空を 山から降りてくる、新緑の香りを、 独り占めするのは惜しいから。 ひとりだった頃から、それほど多くの 時間は経っていないのに。 どんな小さな事でも、ふたりで。 が楽しくてしょうがなくて、 一人だった事など忘れてしまうくらい。 ] (+13) 2023/03/29(Wed) 14:24:39 |
【墓】 高野 景斗 そう、 [ 痛くはないと君が言う。 前髪からぽたりと、水滴が落ちて、そのあと 溢れてきた言葉に、なぞるように 動く手に、水面がさわぐ。 ] その感覚、ちょっと羨ましいかも 俺もほしいな、君のものって印 [ 熱い湯に浸かっているから 以外の理由で心臓もさわいだ。 独占欲の印だとか、浮気防止だとか 人は如何にもな理由付をしたがるものだけど 美しい白に、その赤が似合うから 愛おしいから、気づいた時には、 もう、いくつも散っているそれ。 今夜に至っては、抗えない欲の塊を 押し付けたために、色付いてしまったもの。 ] (+14) 2023/03/29(Wed) 14:24:56 |
【墓】 高野 景斗[ 抑えられないからではなく、 煽られたからではなく。 ――また、罪滅ぼしでもなく。 ] ……うん? [ 優しく したい。 優しく愛したいから贈ったもの、に ぴくんと反応を示して、焦るように 名前を呼ぶから、素知らぬふりして、 指の間に舌を這わせて。 夜風に晒されても、冷えると思わないくらい ぬくまった体から視線が逸らされて。 聞こえた言葉に、小さく相槌を打ち ] (+15) 2023/03/29(Wed) 14:25:15 |
【墓】 高野 景斗 願ったり叶ったり、かな [ 零すと、丸まった手を彼の目線の先へ引く。 前ちょっと詰めて、と。 狙い通り、君の背と、岩肌の間 人一人分の隙間ができれば、 するりと自分の体でその隙間を埋めて。 脚の間に、君の体を挟み、 片手だけじゃなく両手とも、両手で捕まえて 細い首に、リップ音を響かせると ] 逃げちゃう? [ 肩に顎を乗せて、赤い耳朶、 君の弱いとこ、の近くで楽しげに問いかけた。* ] (+16) 2023/03/29(Wed) 14:25:35 |
【墓】 高野 景斗[ チェックアウトの時刻は遅めの11時。 朝食もそれほど早い時刻には、しなかったはず。 並んで、ゆっくり眠ることも、 ぽやぽやとした朝を過ごすことも、 この上ない贅沢のひとつ、だから。 それだけは何が当たり前になってもきっと 変わることがないだろう。 先に起き出して、あどけない寝顔を 眺めることも、いつまでも宝物みたいに、 抱えていたいと思うから。 ] (+22) 2023/03/29(Wed) 18:34:50 |
【墓】 高野 景斗 ………あぁ うん、 そうか、……そうだね…… [ 言葉に詰まってた彼に、 心から不思議そうな表情をしたのは 許して欲しい。 ――自分が相手に付けたもの、 に関しては意識が働いていたとしても 自分も、付けられている側 とは 思っていなかったものだから。 ついてます、と言われれば 妙に納得したように頷いたから 察してしまわれたかもしれないが ] 言われてみればそうだなって 気づいちゃって、 [ 照れるように、小さく笑う。 ] (+23) 2023/03/29(Wed) 18:35:14 |
【墓】 高野 景斗 それは興味あるね、とても。 [ 話題は夜を思わせるものでも、 まだこの時は、さほどそれを匂わせるような 触れ方はしていなかった、かな。 ] 付けられたことないから [ 仕事柄、気をつけろとは再三言われていたのは 過去の話。 一度だって付けられたことはないのだが それでも口酸っぱく、言われていたのを 思い出して笑う。 現在もそしてこれからも、売り物にする つもりは毛頭ないので、気にしたことは なかったけれど、 そういう相手だという意識があったのかもしれない。 一度だって刻もうとしなかったのは。 ――単純に興味がないだけである可能性も 否めないけど。 ] (+24) 2023/03/29(Wed) 18:35:44 |
【墓】 高野 景斗 どうせなら、この辺とか [ 顎を緩く持ち上げれば、 まっさらな首筋が見えただろうか。 これからの季節、特に隠す理由も なければ晒している場所へ、 ――の印は誰かに見つかったところで いいでしょ、と言わんばかりに微笑むだけだろう。 己は、という話ではあるので、 見知った顔にそれを見つけられた彼の 気持ちまでは汲んでいない、冗談の類。 ] (+25) 2023/03/29(Wed) 18:36:20 |
【墓】 高野 景斗[ でもその想像が、この後の行動を 後押ししたのは間違いない。 どこに何をされると、"そう"なって しまうのか、心得は十分にある。 思惑通り後ろから抱え込むような 形に落ち着いて、濡れた後ろ頭を 眼前に捉えたら、ゆるく両手を握って。 ――その状態で逃げるか問うのは この夜に星の数を数え切るのと同じくらい、 意味のない、問いだったのに。 期待に震えるみたいに、顎を逸らして 律儀に答えをくれるから。 ] (+26) 2023/03/29(Wed) 18:37:38 |
【墓】 高野 景斗 ……、ちょっと興奮してるの、 分かっちゃう? [ 腹に回した手でほんのすこし、 体を抱き寄せたら、反応し始めてる熱が 腰の当たりに触れるだろう。 声を潜めれば、かけ流しの湯の音に 紛れるだろうし、そもそも隣がどうで あるかなど知る術もないというのに。 その状況に、酔ってるみたいに 興奮してはいる。してはいるけど。 ] こっち向いて? [ 手も、舌も、くちびるも。 やさしくしたい、と訴えて。 目線がぶつかったなら、先に目を閉じたのは こちらのほう。* ] (+27) 2023/03/29(Wed) 18:38:27 |
【墓】 高野 景斗[ つけてしまった、という側からの 水掛けをもろに食らっても、機嫌は少しも 損なわれない。 その痕がどうして出来たのか を考えれば答えは明白なので。 縋らなければ耐えられないほど。 その先は今は考えるまい。 濡れた前髪を掻き上げたそばから もう一発、喰らいかねないので。 ] (+33) 2023/03/29(Wed) 21:56:47 |
【墓】 高野 景斗[ 握って離して。湯の中で 遊ばせるようにすると、水面が波打って ] じゃ、つけて、今度。 [ 今、でも勿論いいんだけれど。 今つけられたらまず間違いなく、明日の朝 見せつけてしまう気がしたので。堂々と。自分から。 ――見えないような所になら? 大歓迎では在るけれど、それより。 ] (+34) 2023/03/29(Wed) 21:57:15 |
【墓】 高野 景斗[ 掠める唇の感触を覚えている体が ゆるく反応してくれるので、自分に 付けられる痕の話は、のちほど。 振り返られる瞳に淡い欲のいろ。 自身の指でなぞる首筋が、より "そう"しやすいように、逸らされる。 ] ほしいくせに、 [ 目視で確認できるかぎりでは、 まっさらになった白い肌が温まって 上気して、今はほんのり桜の色。 ] さっきは素直に言ってくれたのにな? [ せっかく綺麗になったのに。 伺うような視線と絡んだなら。 互いの 望み通り。まずひとつ、 シャツを着れば隠れてしまう場所に赤を散らして。 ] (+35) 2023/03/29(Wed) 21:58:04 |
【墓】 高野 景斗[ 本当に逃がすつもりがあるならば、 わざわざ両手両足を駆使して、捕まえようとは しないだろう。 これがただの、戯れであることは 互い知れている。 声を漏らすまいとしている姿に、 ふ、と笑ってしまったから、その息がまた 耳を触って。 ] ん、また勃っちゃってる。 [ 聞こえてしまうかも、その背徳感が 更に煽ったことは認めるけど。 温まりながら手を取り合って、 なんでも無いことで笑っていても 白い背中を、染まる耳を、 見ていたら、つい。 熱くなってる君もまた、見たくなって。 ] (+36) 2023/03/29(Wed) 21:58:36 |
【墓】 高野 景斗[ 受け入れるように、瞳を伏せるその瞬間が たまらなく、すきで。 唇を合わせたときに、僅かに口角は あがって。 ] …… ン 、 ふふ [ 啄み離れて、また吸い付いて。 合間に、笑い声を滲ませて。 もっと、が聞こえない代わりに、 舌先で唇をつついて。 開かれた唇から、赤い舌が覗けば おいで、という代わりに、ちう、と やさしく吸い付いて。 ] (+37) 2023/03/29(Wed) 21:59:28 |
【墓】 高野 景斗[ ちゃぷ、とお湯の跳ねる音が聞こえたら 絡まる舌先をそのままに、片手が腹から そっと這い上がっていることに気づくだろう。 つん、と胸の尖りをつつき、 親指の腹で、くるりとそれの輪郭を一周。 甘やかな声が上がりそうなタイミングで 唇を解放し、抱き寄せれば、先程より顕著に 反応していることが、伝わるか。 ゆっくり、やさしくあいしたい。 から、抱き寄せたほうの手は、 撫でるように背を登り、とんとんと叩いて。* ] (+38) 2023/03/29(Wed) 21:59:46 |
【墓】 高野 景斗[ 本気にしていたなかったのか、 肩を揺らして笑うので ] 上手くつくまで、何度でもして? 好きなとこ、どこでも。 [ 誘うような色を伴って、言うと 眺める目線に応えるように、笑うけど。 すっかり痕を付けられるのに 慣れてしまった彼の体に、先に贈ることにして ] はぁ……かわいい [ つけて、と口にされると、もじ、と 腰を揺らして、お湯がゆれて音を立てる。 綺麗についた、とばかりに吸い上げて赤く 色づいた箇所を人差し指でするりと撫でる。 許可を得てしまったものだから、きっと今夜も いくつも散るだろう赤のひとつを贈って。 ] (+44) 2023/03/29(Wed) 23:29:14 |
【墓】 高野 景斗[ 身動き一つも逃すことの出来ない距離。 笑うことを咎められることもなく、 ぴくん、と愛らしく跳ねる体に、唇が 吸い寄せられるのは、仕方のないことだと思う。 ] もう、君でしか感じられないくらい。 感じてるよ [ これだけ存在を主張する象徴があって尚、 先程だって熱烈に求めたために、どうなったか 知っていて尚、 問いかける言葉ごと、愛おしいから 伝えることは惜しまない。 だから何度だって問いかけて良い、 その度、蕩けた声が君を襲うし、 その声がまた、君を熱くさせるから。 ] (+45) 2023/03/29(Wed) 23:29:34 |
【墓】 高野 景斗[ 歯列をなぞって、舌を絡ませて、 応えるように熱い舌が向こうからも 絡んできたなら、ぴちゃと水音が響く。 ] ふ、………すき ン [ 口付け一つで、与えられる物、 贈るもの、の良さを知ってしまったから。 口内に囁くような言葉は、受け取る前に 食べられてしまうようなもの。 視線が絡めば、あまく、目を細めて。 啄むものから、絡まるものへ、そして 奥まで食らうようなものへ自然と変わっていく。 ] (+46) 2023/03/29(Wed) 23:29:47 |
【墓】 高野 景斗[ とろ、とまぶたが落ちて、 くたりと、体を預けるみたいにされたら ] かわい、 [ 呟いて、焦らすようにまた、くるりと ゆっくり、指の腹が動く。 ] 俺は聞かせてくれると嬉しいし 興奮するけど、 他の人に聞こえちゃうのは、ちょっとなぁ [ 子供をあやすような手付き。 優しい触れ方、で思いついたのがそれ、 だったから。 ] (+47) 2023/03/29(Wed) 23:30:35 |
【墓】 高野 景斗[ だけど、 ] でもちょっと、意地悪したくもなっちゃって [ 染まる目尻、傾げられる首が 愛らしいから、悪戯したがる手がつい つぅ、と背中を辿る。 やさしくしたい、がこちらの意見。 そちらの要望はまだ、聞いていない。 ] どうされたい? [ 問うのが悪い癖なら、 恥ずかしいこと、言わせたいこれもきっと、悪い癖。* ] (+48) 2023/03/29(Wed) 23:31:06 |
【墓】 高野 景斗[ ついた?と言う問いに ] きれいに、ついた [ と頷くと、満足げな笑みが溢れる。 景斗さんのもの、にして。 それを聞いて付けられた鬱血痕に、 満足そうにされると、疼いて、困る。 今日はもう一度、出したのだから もう少し大人しくしておいてほしいが、 迫り上がるのも仕方ない、とも。 肌に触れることも快楽を得る方法の一つ ではある、身を以て知っている。けれど。 それほど大きな波打つようなそれでは なくとも、ぷるりと震えて身悶えるような 姿を見せられては、血流がそこに集中しても 致し方なく。 ] (+54) 2023/03/30(Thu) 1:58:08 |
【墓】 高野 景斗[ わかるでしょ、と言葉を紡ぐことはなくとも 少しだけ体を寄せれば、そこが熱に浮かされて 膨張し、硬度をあげていることは伝わるだろう。 一度ならず何度も、それを、 飲み込んでいる身なのだから。 快楽を得るよりも、勃ち上がるそれを 見るときのほうが嬉しそうに見える、のは 欲目だろうか。 暴き立てられることを期待して も少しはあるかもしれないが、それ以上に、 自分の姿で声で、触れ方で、口付けで そうなるのが嬉しいと言うように、蕩けた顔を 見せるから、敵わない。 ] (+55) 2023/03/30(Thu) 1:58:40 |
【墓】 高野 景斗[ 聞き飽きるくらいに、聞いているだろうに 今でも、その言葉を言うと、絶対に聞き逃さない その敏感な耳も、告げられた事を自覚して 小さく震える体も、甘い吐息も。 すべからく、いとしくて。 飲みきれない唾液を追うように、 舌が頬へ沿う。 舐め取るみたいにして、もう一度唇へ 一滴残らず飲み干すようにして、 すっかり赤くぽってりとした唇を解放すれば くてんと頭を預けられる。 ] (+56) 2023/03/30(Thu) 1:59:06 |
【墓】 高野 景斗[ 声が聞きたい、我慢しているその姿も 見たい。耐えるようにしているの、とても 劣情を煽られるので。 それも嘘ではないけれど、 我慢しているのに、漏れてしまって どうしようもない、そんな顔を見たい。 ――潜んだ本音も、見透かされているかもしれない。 手の甲で唇を塞いで、首を振っているから。 それも、いつまで持つのかなとか 思っているから、いじわる、なのは否定できない。 ] (+57) 2023/03/30(Thu) 1:59:31 |
【墓】 高野 景斗[ 背をしならせて、快感を逃がそうとも 逃しきれないものはいくつもあろう。 それに、 ] うん? [ 取られた手が向かう場所、とくとくと 心音は早い。 すっかり立ち上がって、ぴんとしているそこに 導かれた手に、どうしてほしいかなんて わかりきっている癖にと、詰ってもいいのに。 ] (+58) 2023/03/30(Thu) 1:59:49 |
【墓】 高野 景斗[ 潜められた声で伝えられるおねだりに 頬が緩んでしまうから、いじわる、なんて 長く持たないと思う。 ] ……うん、いいよ。 こう? [ あたたかい掌を、ゆっくりと押し付けるように 当てて、先程と同じように指先は円を描く。 持たないと思う割に、まだもう少し そういう趣向は続いているようで。 ゆら、と腰が揺れれば君のは俺の腹に擦れ、 俺の、は君の臀部に押し付けられる。 ] (+59) 2023/03/30(Thu) 2:00:41 |
【墓】 高野 景斗 ふ、 [ 覗き込むような姿勢から、頬を抑えられて 柔らかな感触、のち、吸い付かれて、 笑い声を堪えるように、息を吐いた。 顔にくるとは流石に思わなかったので。 今は確認しようがないけれど、本人が ついた、というのなら、きっと赤く色付いているのだろう ] 予想外なこと、してくれるなぁ あとで、鏡見ないと。 [ 目を細めて笑われたなら、こちらも笑う。 明日まで綺麗に残っていたら、きっと 隠そうとはしないだろう。 むしろ昨日愛された印ですがとばかり。 ――知り合いはともかく朝食を運んでくる 仲居さんに見られるのは少し恥ずかしい気もするが 大変、気分が良いので重なる手を 擽るようにして。 ] (+65) 2023/03/30(Thu) 13:02:54 |
【墓】 高野 景斗[ わざと、のゆるい刺激でも 甘い声が耳を擽って。 足りない、と言いたげに自ら 擦らせて。 ] うん、 [ 身じろいで姿勢が変われば、目の前に つん、と尖った乳首が晒されれば、 白旗を上げる他、ない。 片方は、きゅ、と親指の腹と、人差し指の 側面で摘むようにして、もう片方は、尖らせた 舌先でつついて。 擦り寄せられた腰、腹部に触れるモノへは 自分で快感を拾っているようだから。 ] (+66) 2023/03/30(Thu) 13:05:41 |
【墓】 高野 景斗[ 空いた手が、支えるように、 臀部へ向かう。 まだ、声を潜めることにも意識が いっているようだから、 そちらはそっと、撫でるだけで。 ] きもち? [ 問うて、胸の尖りを甘く噛んで。 もう片方は指の先で引っ掻いて。 ぱちゃ、とお湯が跳ねれば、目を伏せて。* ] (+67) 2023/03/30(Thu) 13:06:02 |
【墓】 高野 景斗[ してやったりと、猫の目で笑うのを やられたなぁって顔で見てた。 確認しないとと言えばまた笑うから あまりの可愛らしさに目眩がして、 くらりとした拍子に、額を首筋にぺたりと つけて。自分も笑う。 擽ろうとした手は、避けようと身を捩られて ぱちゃりとお湯が舞う。 笑い声は密やかに、お湯の跳ねる音に 隠れるくらい。 ――後ほど、鏡に写った自分を見て、 だらしのない顔をするのだろうが、 それはまた、あとで、の話し。 ] (+71) 2023/03/30(Thu) 22:02:02 |
【墓】 高野 景斗[ 濡れた髪に、濡れた手が触れる。 温泉で温まった手が、通るたびに、 あたたかさと心地よさで、息を吐いて。 待ってた、とばかりに満足したようなため息が 聞こえてくれば、可愛がる指にも、熱が入る。 濡れたそこは、乾いた肌より 指にとどまりやすいから、捕まえるのも、容易で。 摘んで力を加えると、ぴくんと体が揺れる。 擦れる熱から先走りが溢れていることまでは まだ、知れずとも ] (+72) 2023/03/30(Thu) 22:02:35 |
【墓】 高野 景斗 っふふ、 [ 浅く頷いて、素直に答えられると、 こちらの熱も、角度がぐっと変わるが まだこのもどかしいような、優しい時間を 過ごしていたいので、見ないふりを。 ――もっとも、その上に乗っかってる君には 伝わってしまうのだろうけど。 ] (+73) 2023/03/30(Thu) 22:02:52 |
【墓】 高野 景斗[ 一気に上り詰めるでなく、 ゆっくり、を望まれるなら、 こちらの要望とも上手く、噛み合うことだろう。 撫でられる手が、耳を掠めれば、 ン 、と小さく声を取り落とした。教えるばかりではなく、 教えられる事も多々、あった。 が、耳に触れられて、ぞわ、と するのは初めてのこと。 ――作り変えられたのはこちらも同じ 今の今まで気づかなかっただけ、 なのかもしれない。 ] (+74) 2023/03/30(Thu) 22:03:48 |
【墓】 高野 景斗[ 何度も吸い付いた胸の尖りは 赤く色づきながら、強請るように 唇を押し返してくる。 ] こっちも、 [ 指と唇との位置を入れ替えるように、 まだ吸い付いて居ない方に、ふ、と 息を吹きかけて。 尖りを弄っていた手は湯の中へ 湯の中で尻を撫で回していた手は、 色付いた胸の尖りへ。 湯の中へ入れた手は相変わらず やさしく、撫で回しながら、 揺らすように、力を加えると、 ちょうど自分の熱が擦れて ] (+75) 2023/03/30(Thu) 22:04:16 |
【墓】 高野 景斗[ 苺みたいに、真っ赤になるそこ。 デザートをいただく時、みたいに じわじわとゆっくり、愛撫を施すと 腹のあたりで、ひくひくと、刺激を求めて 擦られるそれに気づいた。 初めて抱いた時にも、片鱗は見せられていたけど キスと、緩やかなふれあいと、胸の尖りへの刺激。 それだけで、とは言うまい。言えない。 いつだって、どこを愛撫する時だって、 感じて欲しい、啼いて欲しい、気持ち良くなってと 唇を通して、指を通して、伝えていたつもりで。 ] (+81) 2023/03/30(Thu) 23:55:12 |
【墓】 高野 景斗[ その結果、愛されるのが上手に なってしまった。いとしい、みだらなからだ。 それを愛しさと呼ばず、なんと呼べば いいのか。 君がそれを知っているなら教えて欲しい。 ] (+82) 2023/03/30(Thu) 23:55:49 |
【墓】 高野 景斗 なってるよ、 そんな気持ち良いって反応されたら。 [ 笑った事を不思議そうに見ていたから ぐ、とそこを押し付けてやると、 おっきく、なんて言うものだから、 尚更押し付けるようにして。 君で感じて、こうなってる、 分からせるように、腰を揺らして。 水中では重さなどあってないようなもの。 ゆっくりとした動きは、突き上げるときの それと似た動きで。 ] (+83) 2023/03/30(Thu) 23:56:08 |
【墓】 高野 景斗[ まだ、だめ、とそう言われて 舌の根も乾かぬうち。 短い呼吸で、染まる目尻で、変わった姿勢で 限界が近いことを連想させるのに、 言わない、から ] ――あ、 それ、 ちょ、 ン、 [ まだもう少し、ゆっくりってそう思っていたのに 柔らかな肉の合間に挟まれたら、 焦るような声が出る。 それでも緩やかに動く腰は止まらず ちゃぷり、ちゃぷりと跳ねるお湯が肩を、耳を 濡らして ] (+84) 2023/03/30(Thu) 23:56:34 |
【墓】 高野 景斗[ 散らばったものを掻き集めるようじゃなく、 ひとつひとつ、拾うように。 高まっていく快楽から、逃げられようもない。 抱き込まれた腕が触れるだけでも、 びく、と体が震えるほどに、体ぜんぶ、 飲まれていくようで。 ] 俺のが、ダメかも、 [ 更に抱き込まれて、呟いて、 また尖りを食んで。 ――そこで漸く気づいたのだが、 もう取りに戻る余裕なんて、ない。 ] (+85) 2023/03/30(Thu) 23:57:07 |
【墓】 高野 景斗[ 持って生まれたもともとの、 ではないのは承知済み。 肌を重ね合ううちに、覚えてくれることを 褒めるように、良かったねと重ねて、 心だけじゃなくて、体も、好きになって くれて、――そうして、俺は自分の瑕も、 どうでもいいものじゃなく、好きになれた。 底なんてなくとも構わない。 際限など、決めたい人が勝手に決めればよろしい。 奥の奥、君も知らなかった君と出会う度、 何度だって、恋する気持ちを知っていくから。 ] (+90) 2023/03/31(Fri) 10:26:24 |
【墓】 高野 景斗[ 恋を覚えた体はときどき、 焦がれて焦れて、疼きを君にも 知らせてしまうけど。 ――呆れはしないだろう この温度を教えたのは君で、 手を取って二人、溺れてきたのだから。 甘える君が、あまく、なく。 ] 可愛い声、――…もっと、欲しいな [ ちゃぷん、ちゃぷん、泡立つほどでもない 水音のまま、揺すり、揺すられて。 次第に追い詰められていって、 お湯の中、とろりとした先走りの蜜が零れて ] (+91) 2023/03/31(Fri) 10:26:55 |
【墓】 高野 景斗[ 自分の意志とは裏腹に、入りたがるように そこを突き回してしまう。 ドアを叩いて、あけて、と言うみたいに。 ] ――……は ぁ、 [ 腰の揺れが緩やかなものにかわり、 止まっていくのに、蕩けきった表情を見てしまったら こちらの思考も溶けていく。 しとどに濡れて、首を傾けて、 あまく息を吐いて。 主義に反する。このまましてしまうのは。 その思考すら、奪い去って ] ……このまま、 入れさせて。 [ 卑怯すぎる問いを投げる気はない。 ダメと言われても止まれないからではなくて。 こんな時に問えば、良いとしか言えないだろうと 思ったから。 ] (+92) 2023/03/31(Fri) 10:28:38 |
【墓】 高野 景斗――ン、………あっつ、 [ 全て埋め込んだら、切なげに眉根をよせたまま なきごと、ひとつ。 ] 熱くて、キツくて…… 出ちゃうかと思った、 [ ふ、と浅く呼吸を繰り返した。 あってもなくても、そう変わらないだろう あんな薄いスキン一枚なんて。 そんな風に思っていたものだから。 隔てるものがなにもなくて、 直接奥まで、触れてる熱さに、 みっちりと包まれる感覚に、軽い吐精感を感じるほど。 ――これは覚えちゃいけないもの だったかもしれない。こんな手放せない感覚を 知ったら……、箱ごと屑篭に放りかねない。 ] (+93) 2023/03/31(Fri) 10:31:15 |
【墓】 高野 景斗 ――ン……、やばい、気持ち良い [ ゆっくり蕩かした火照った体を、 これまでにないくらい、ゆっくりと揺すって 揺するたびに、勝手に声が漏れていく。 湯けむりの中、真っ赤に染まる肌が跳ねるたび、 襲い来る感覚もまた、癖になってしまいそうで。* ] (+94) 2023/03/31(Fri) 10:31:35 |
【墓】 高野 景斗[ 溢れる声を拾い逃すことのないように 肌を近づけて。 艶を増して、蕩けて、 抑えられなくなっている声を拾うと、 尚更止まらなくなってしまう。 耳元近くで聞いていたら, 自分のほうがあてられてしまいそうで。 揺するうちに、先端がぐり、と入り口へ 当たり、受け入れられる前に、抜けていく。 欲しがるように、腰を捻って、身悶える姿を 見てしまったら、ゆっくり、なんて 言ってられなくなってしまって。 ] (+100) 2023/03/31(Fri) 22:07:13 |
【墓】 高野 景斗[ このまま、溶かして欲しい、君の中で。 答えは返らない。 瞬きを忘れてしまうみたいに目を見開いて、 言葉もなく、手の動きも止まって。 けれど、おいでと呼びかければ 腕の中におさまって、 ゆるりと、水面が揺れる。 見つめ合ったままで、ゆっくりと腰が 落ちるのを待っているようでいて、 押し込むように、己の腰も動いてしまう。 ] (+101) 2023/03/31(Fri) 22:07:30 |
【墓】 高野 景斗[ それでもゆっくり、押し進めるつもりが、 奥へ奥へと招かれるように受け入れられて ぐ、と唇を噛んだ。 収まり切って、揺するまでの間、 立ち上ってくる熱に耐えるように、 短く、息を吐いて。 顔を僅かに上げたまま、受け入れて 涙を浮かべる君を、見てた。 蕩けた表情のままで、また そんなつもりはないのかもしれないが 煽るようなことを言うから ] 熱くしたのは、君だよ。 ………あ、……また、…… [ どうにかそう、返し、大きく息を吐くことで 自分自身を誤魔化そうとしてみるが、 誤魔化されてはくれないようで、ずくんと中で疼いて。 ] (+102) 2023/03/31(Fri) 22:08:01 |
【墓】 高野 景斗 ……まだ? [ だめ、まだ、ゆっくり。 そう紡がれて、揺らぎを落ち着かせるけど 一番奥に到達したまま。 ほんの少し、呼吸をするための動作でも、 中に埋まったそれが、感じ取って、 脈打って。 腰を挟まれたら、ふ、と笑って ] (+103) 2023/03/31(Fri) 22:08:21 |
【墓】 高野 景斗 ――ン、…… ッ [ 擦り合わせるような口付けが連れてくるのは 焦りよりも、幸福感だった。 とく、とく、と早まる君の心臓の音が、 重なるように早まって。 ずっと、こうしていたいと思わせるから 遅れて、こうしたかったのだろうかと 思い当たれば、そのまま、触れ合うだけの やさしい口付けを繰り返す。 同時に近く、焦げ付いて、 ちぎれるように、快楽に追い立てられる時まで。* ] (+104) 2023/03/31(Fri) 22:09:35 |
【墓】 高野 景斗[ まだ?と問えば、まだ、と返ってくる。 焦燥感がないではないだろうに、 それでも、位置秒でも長く、 繋がっているのを望む故だろうか。 首を縦に降られたら、突き上げる動きは 一時、緩やかなものに変えて もどかしさを髄まで味わいながら。 小さく零す声を聞いた。 触れ合わせた唇が、全身の自由を 奪うほど、あまく。 ] ……ン、 [ 割り入れられた舌を、優しく吸い上げれば また、幸福感と、同時に、襲い来るのは 剥き出しの、欲。 ] (+109) 2023/04/01(Sat) 0:19:40 |
【墓】 高野 景斗[ 唇に歯を立てられて。 角度を変えて、奥まで迎え入れて。 ] ――は、 [ 笑い合って。 穏やかに、繋がったまま――。 ] (+110) 2023/04/01(Sat) 0:19:53 |
【墓】 高野 景斗[ いられたなら、良かったのに。 奥から湧き上がる欲を抑え込むのにも やがて限界が来る。 ぴったりと繋がったままの体を 押し出すようにして、一度、ずる、と 熱を引き抜くと、 ] まだ、でも。もう俺が無理。 そっち、手ついて。 [ 君の両手を取って、ひやりと冷たい岩肌へ付かせて。 立ち上がると同時に、腰を湯から引き上げて。 ] (+111) 2023/04/01(Sat) 0:20:25 |
【墓】 高野 景斗[ 常日頃、顔を見ていたいからと そういう体制ばかり取っていただろうか。 少なくとも、こういう場で その白い背中を見ることはなかった筈で。 体を折って、後ろ首から腰に至るまで 舌で辿り、最後には、ひく、と 蠢くそこへ。 舌先を尖らせて、蕾の周りを撫でれば、 少量、お湯が漏れ出してきたか。 ] ――入るよ、 [ ちう、と付近に吸い付いて、唇を離すと 腰を掴んで、ぐり、を先端を押し込んだが最後。 一気に奥まで穿つように挿し入れて、 ] っう、………あ、 締ま、るッ! [ その一時を耐えたなら。 ] (+112) 2023/04/01(Sat) 0:21:03 |
【墓】 高野 景斗 ご、めん とまんない、ッ あ [ 上り詰めるまで、打ち付けるのみ。 苦しげに吐息を吐き出しながら、 もっと、近くにと言わんばかりに、両手を 岩肌に付かせたくせに、体を起こすのを 手伝うように腰を掴む手を、腹より上まで 滑らせて、 ] も、 やば、 [ 赤い粒にたどり着けば、きゅ、と指で摘んで。 ――声が漏れることがなくとも、 これほど、肉のぶつかり合う音と、水音が響けば 何をしてるかなんて、瞭然なのだろうけど。 そんな 細かい事 気にしてられる余裕はない。* ] (+113) 2023/04/01(Sat) 0:21:37 |
【墓】 高野 景斗[ キスが途切れて、自身を引き抜くと、 どうして?という顔で見られて、 ごくり、喉が鳴る。 淡い期待に、欲に濡れた瞳に、 気を失う程抱き潰してしまいたくなる 衝動を覚えたから、一旦それを落ち着けるために 首から背筋を唇で、辿って。 これから何をするか、教えるみたいに、 ひくんと疼く蕾を舌でなぞって。 悦ぶみたいにまたひく、と動くと 湯が少量滴り落ちて、 ――酷く扇情的だった。ので、 衝動自体はそれほど落ち着かないまま 自身をそこへ、ねじ込んでいくと ] (+120) 2023/04/01(Sat) 14:23:53 |
【墓】 高野 景斗[ いっとう、甘い声が、己の熱をあげていく ] ン、奥まで、届いて ぁ、 すご、 もっと、 俺を駄目にして、 [ 体を引き寄せ密着すると、離すまいとするように 奥までぎゅうと囚われて。 感じ入る声と、ばちん、と肌を打つ音で 脳髄まで痺れるような感覚が全身を駆けるように 巡って、巡って。 それを相手も感じているのか、ふると首を振って 膝を揺らして。視覚から得られる興奮でまた、 打ち付ける動きは早まって。 ] (+121) 2023/04/01(Sat) 14:24:28 |
【墓】 高野 景斗 絞り取られそ、……だめ? 好き、でしょ [ 赤い粒を摘むとより、声が、熱が高まるから ほんのすこし、の意地悪を口にして ] 熱ッ……、ぁ、 良い、……… [ ぐりぐりと、乳首を摘んだままで 律動を早めていくと、疼きは最高潮に達して。 ] 那岐、……那岐 ッ [ 熱に浮かされて、うわ言のように何度も名前を呼べば 伝わるものもあったかもしれない。 ] (+122) 2023/04/01(Sat) 14:24:55 |
【墓】 高野 景斗[ しっかりと、体を抱きとめたまま。 引き抜くこともしないまま。 しなる背中に、唇を寄せる。 一つ、二つ、と赤を散らして、 白い背中に咲いた 赤 を、焼き付けるように、じっと見ていた。* ] (+123) 2023/04/01(Sat) 14:26:10 |
【墓】 高野 景斗[ 怖い、知らない。 何度か聞いたことのある言葉。 ――ここまで昂ぶる前だったら、 聞いて、止まって。やさしく問いかけて。 焦らすようにすることもできただろう。 ] 駄目になってよ、いっしょに。 [ 弱く首を揺らして、 腰を淫らに揺らして、奥まで招いて 食べてくれるのに、まだ理性が働いて いるようなら、より深く、より激しく。 抉るように、中で暴れて見せた。 ] (+128) 2023/04/01(Sat) 22:18:20 |
【墓】 高野 景斗[ ぺたりと、岩場に頬をつけて、 涙と、唾液と、締まらない口元から 零しながら、まだ熱に浮かされ続けて いるであろう、体を抱き込むようにして、 ゆっくり、と自身を引き抜いた。 ] そのまま、 [ その言葉は聞こえたかどうか。 後回しにしてしまってはまた、後ほど 熱してしまうだろうからと、 ゆるりと体を起こし、腰を支えながら 指を後孔にゆっくり 押し込んで、掻き出すように動かして。 ] (+129) 2023/04/01(Sat) 22:19:56 |
【墓】 高野 景斗 苦しい?ごめんね、もうちょっとだから。 [ ――見てしまったのは不可抗力、 と言い訳はするまい。 己の出したものが、そこから 出てくるたびに、悪いことをしたような 気持ちの他に、酷く満たされるような 気持ちが湧き出てしまったので。 自身の欲で汚してしまうことで、 満たされるなんて、知りたくなかった。 知ればまた、次の機会を待ってしまう気がして。 ] (+130) 2023/04/01(Sat) 22:20:15 |
【墓】 高野 景斗[ ぬるつきがなくなれば、ざば、とお湯で 流して。 ――水面に浮き出る汚れについては ついでに、桶で浴槽の外へ流して。 ] 動ける?座って、 [ 動くのも辛いようなら手を貸して、 浴槽の縁に腰掛けるように促して。 彼の脚の間に入り、肩近くまで湯に沈めて。 渦巻く熱を吸い上げるように、先端部分に 唇を数度つけて、ぱか、と口を開いて、 熱を口の中へ招いた。* ] (+131) 2023/04/01(Sat) 22:20:36 |
【墓】 高野 景斗[ 己との情事で、涙を流して、 全身を震わせて、感じてくれるのを 一番良いところから見てしまったから。 二度目だというのに、いつも以上に 吐き出しているのを如実に感じ取って。 引き抜いた際に、こぽ、と溢れ出て 来たものが脚を伝っていくのを、 見ても居ないのに感じていた。 上限のない快楽を喰らい続けているのか 引き抜くだけでも、声を上げているのを 拾おうとする耳を叱咤するように、 唇を噛んだ。 これ以上が欲しくて、啼いているのではなく これ以上ないくらいに、耐えているのだと。 ] (+136) 2023/04/02(Sun) 0:29:40 |
【墓】 高野 景斗[ 落ち着いてからすべきだったのかも 知れないけれど、なにせスキン無しで 一番奥で、気持ち良く達してしまったものだから 掻き出すなら、早いほうが良いと判断した。 ――その判断については後ほどか後日か 正しい方法を聞き出すことにして。 ] ごめんね しんどいね [ やさしく、声を掛けたところで、 何が変わるわけでは、ないのだろう。 イき続ける事の苦しさについては、 分かってあげられないのがもどかしい。 泣き縋るように、やだぁと潤んだ目で 見られて、――さっきより余程、ひどいことを しているような気持ちになる。 ] (+137) 2023/04/02(Sun) 0:29:54 |
【墓】 高野 景斗[ それでもどうにか、処理を終えるまでの間 身悶えて、苦しげに度々、指を締め付けて 細やかに痙攣しているのを、横目に、 煩悩を打ち消すように、息を吐きながら耐えて。 処理を終えて指を引き抜けば、かくんと 膝が揺れて、湯船に落ちてしまいそうだったので 腰と上半身を支えると、よろつきながらも 岩肌の縁に腰を落ち着ければ かろうじて、と言った返事が返って。 ――大いに、反省した。 外で、ここまでしてしまったことに。 ] (+138) 2023/04/02(Sun) 0:30:07 |
【墓】 高野 景斗[ 反省は、している。心から。 けれどそれと、これとは、また別で。 熱を蓄えたままで辛いだろうから、 そういう気持ちも確かに、ある。 けれど、奥の奥まで招いて、 中で扱くようにして、ダメになるまで 愛してくれた君に、少しでも それを返してあげたい、から。 ] ん、あとで、いくらでも 責めて良いよ [ 辛さのほうが勝るなら、それでも 諦めただろうけど、口内に招いて。 君の中、ほどではなかろうが奥の方まで 受け入れたら、兆しを見せ、膨らんでくれたので ] (+139) 2023/04/02(Sun) 0:30:22 |
【墓】 高野 景斗[ 頭に置かれた手が、どうしたいかは 分からない。 くちゅり、唾液の絡む口内で膨らみゆく 彼の熱に、熱烈な口付けを思わせる動きで 舌を絡ませて。 頭に置かれた手を、ゆるくあまく、自分の手で 握り込んだ。 逃れようとしているなんて、思わない。 自分がしたいことを、受け入れてくれると 信じ切っているから。 ] ――ン、 ふ [ その時が来るのを待つように、喉の奥で、 きゅ、と先端を締めつけて。* ] (+140) 2023/04/02(Sun) 0:31:10 |
【墓】 高野 景斗[ これからずっと、この先もずっと。 一緒にいたい。 一つでも多く、知り、 一つでも多く、理解し合いたい、 そのうちの一つとして、今日の日もあればいい。 肌を重ね合う中でもそれは変わらない。 これは良い、これは痛い、これは怖いと 伝え合う中に、責めるよう言葉一つくらい あっても一向に構わない。 君に関してのこと、特に、我慢ならずに 口にしてしまうことが多いことだし。 ] (+146) 2023/04/02(Sun) 15:03:18 |
【墓】 高野 景斗[ 恋するにあたっての、酸いも甘いも、 苦痛も快楽も、君から知りたいから。 背を丸めることで、心理学的には 快楽に怯えていると取る事ができるらしい。 良くそうしているのを見るから、 今日もすこし、怯えているのかもしれない。 ] ん、 いいよ、 [ 口をついて出てしまう言葉の裏側は、 知っている。どうしても出てしまうだけで、 本当は駄目でも、いや、でもないことを。 駄目と言われる度、良い、と返してきた これまでも。そして今日も。 ] (+147) 2023/04/02(Sun) 15:03:42 |
【墓】 高野 景斗[ ぼろ、と零れた涙が頬を伝って 顎先に落ちて、まだあたたかいまま、 自分の手に落ちてくる。 泣いちゃうくらい、良くなって その願いが通じたような気になって 尚更、恍惚とした表情を浮かべたまま とくとくと脈打つ愛しい熱を、 口内で抱きしめるように、口を窄ませて。 ] (+148) 2023/04/02(Sun) 15:03:57 |
【墓】 高野 景斗[ ゆるりと手を握りこんだなら。 くちをはなして、と彼が言う。 に、と微笑って、一度だけ静かに 首を振るようにして。 ――前にも言っただろう。 そんな寂しいこと、言わないでと。 それについさっきも、中にと。 それでもまだ、遠慮があるようだから、 つい、意地になるみたいに、窄めたままで 吸い上げてしまう。 ] (+149) 2023/04/02(Sun) 15:04:35 |
【墓】 高野 景斗 あ。 [ 舌で追いかけそこねたそれを指の先で 拭って口の中へ戻すと、いつかと同じように 名残惜しげに、先端にちう、と吸い付いて 解放し、ごく自然に、喉を鳴らして。 ] (+150) 2023/04/02(Sun) 15:05:20 |
【墓】 高野 景斗[ 背を丸めてしまうのは、強すぎる快楽に 怯えてしまうから、らしく。 背を逸らすのは、 より深く感じ入るため らしい。 聞きかじった話を思い出して、ひとり 小さく笑うと、 ] 良かった? (+151) 2023/04/02(Sun) 15:05:41 |
【墓】 高野 景斗[ 聞いて、両腕を組んで、君の膝の上に 乗せて。落ち着くまではそうしていただろう。 冷える前にもう一度湯に浸かるように促してから 洗い場に向かい、髪と体、顔を洗って、 自分ももう一度湯船に浸かって。 星空と、君とを交互に眺めていたけれど ] 湯あたりする前に、あがろう。 [ ただでさえ燃え上がってしまったから ゆっくり浸かるどころではなかったの かもしれないな。 抱き上げるつもりで、膝の裏へ 片手を入れたけど、素直に甘えて くれただろうか。* ] (+152) 2023/04/02(Sun) 15:05:57 |
【墓】 高野 景斗[ 問いに、言葉をつまらせるのを見て。 ――問うべきではなかったのだろうかと僅か 不安になる。 軽い気持ちで問うたのを、後悔するより 少し早く、控えめに頷いてくれただろうか。 見上げる視線に不安が少しだけ、混じったのを 続く言葉が、ふわりとかき消していったから 反応は示さないまま、撫でられる手に 促されるように、目を伏せて。 ] (+157) 2023/04/02(Sun) 21:05:09 |
【墓】 高野 景斗[ 内風呂に移動する気も起きず、 湯から身を上げれば、甘い香りのボディソープ で体を洗って。髪を洗って、嗅ぎ慣れぬ匂いへの 違和感を感じつつ、 彼もシャワーで洗い流すようなら 手伝いを申し出て。 遠慮しないでだとかじゃれ合いながら 洗い場を後にして。 抱き上げるつもりだった腕は、支えるだけに 留めたが。 ] (+158) 2023/04/02(Sun) 21:05:23 |
【墓】 高野 景斗[ 浴衣に身を包んで、濡れた髪を拭っていると つんと袖を引かれて。 タオルを首掛け、微笑むと、 背中に手を回し、一度ぎゅうと抱き締めたあとで 抱き上げて、部屋まで向かい 座椅子の上にそっとおろして。 これではどちらが甘えているか、わからないなと 声を上げて、笑い ドライヤーを手に戻ると、短い君の髪に 先に温風を当てていく。 さほど時間もかからずに、乾ききって しまったなら、自分の髪も乾かして。 ] (+159) 2023/04/02(Sun) 21:06:08 |
【墓】 高野 景斗[ 冷えたお茶で喉を潤して、 窓の外を眺めた後に、スマホに目をやって。 ――夕食からこちら、結構な時間が経っていることに 少し驚きながら。 眠るまで、飽きもせず、腕の中の ぬくもりを抱き締め、やさしく撫でているうちに 眠りについてしまったのだったか――。 ] (+160) 2023/04/02(Sun) 21:06:36 |
【墓】 高野 景斗 ………ん…ぁ………? [ 明け方近く一度目が覚めた時にはまだ、 窓の外は暗かったはずだが。 次に目覚めたときにはすっかり 部屋の中は明るくなっていて。 普段以上に長く眠ってしまったことに ぼんやりとしたままで、驚きつつ 旅館の布団って寝心地が良いものだから そのせいにしてしまいつつ、ごろりと 寝返りを打つ。 朝は弱い、と自称する恋人はどうして いたか。引き寄せたスマホのアラームは まだ、鳴らないし、朝食まではまだ余裕はある。 ] うーん、 [ 二度寝の誘惑も捨てがたいが、朝風呂の 贅沢もまた……そんな風に悩んでいると、 カーテンの隙間から差した光が目に入って。* ] (+161) 2023/04/02(Sun) 21:06:48 |
【墓】 高野 景斗[ 出会った頃よりすんなりと抱きかかえることが 出来るのは、多分、抱えられる側に心得が 出来たから、と思う。 協力的だと自分よりも大きな体であっても 持ち上がることがあるのだから。 信頼して首に手を回してくれるなら 前よりずっと手慣れた風になっても、おかしくはない。 温風を浴びて眠たげにする君が変わる、というから ドライヤーを渡して、前から乾かしてもらうことにした。 世話を焼かれるっていうの、とても心地よかったから。 ――弟妹はおらずとも、門下生は多く。 どちらかといえば兄の顔をしている期間のほうが、 長かったから。 髪が乾いて告げられた言葉には、 僅かに照れて、頷いただろう。 ] (+169) 2023/04/02(Sun) 22:50:25 |
【墓】 高野 景斗[ そうして溶けるように眠ったため、 夢を見ることはなかったかな。 起きるか起きまいか、悩んでいると 側に在ったぬくもりが離れたことに、 気づいたのか、僅か数センチの隙間を 埋めるように、ぴたりと擦り寄ってくる君は、 ] ん?起きる? [ まだもう少し、眠っていたいようで。 体を起こすどころか、微睡みのなかへ 落ちていきそうだが。一応声を掛けて、 振り返ると――。 うわ、絶景。 声なき声で呟いた。 ] (+170) 2023/04/02(Sun) 22:51:19 |
【墓】 高野 景斗 そうだね、もう少し寝よう。 こっちおいで。 [ 浴衣で寝ると、そうなるだろうと昨晩 予測はしていたけれど。 寝乱れて肩からずり落ち、緩んだ合わせから 腿まで露出していて。 実際目にすると、大変悩ましいお姿で。 眠たげな姿もまた、あどけなさの他に、 壮絶な色気を感じて、長いため息をついた。 ――これ以上見ていると、昨晩の反省すら 吹っ飛んでしまいそうなので。 あと三秒、と決めて、眺め終われば 布団の中に招き入れるように寄り添って。 ] (+171) 2023/04/02(Sun) 22:51:52 |
【墓】 高野 景斗[ ――それが間違いだったと気づくのは 慌ただしく、着替えを済ませた朝食の直前。 布団の中に招き入れて、擦り寄ってくる ぬくもりに、僅かな眠気が勝てるはずもなく。 と、いうか――、自分の節操の無さに、 呆れてしまわれても、致し方なく思う。 触るだけ、一回だけ。 それを遵守はしたけれど、今までにはない 起こし方をしてしまったことは、否めない。 朝の光を浴びて、浴衣の合わせから覗く 赤が鮮やかで、とは言い訳に違いないだろう。 ] (+172) 2023/04/02(Sun) 22:52:16 |
【墓】 高野 景斗 ――ええ、とても [ 浴衣を着直そうとしたところで、 それでは見えてしまうからと、慌ただしく 私服に着替えたところで、ドアノックの音がして。 布団の上げ下ろしと、朝食の準備に 伺いましたという仲居さんが、 よく眠れましたかと、問うのでそう答えたあと。 ――……あら、と小さく零した仲居さんが 恥ずかしげに目を逸らしたところで、 頬のそれ、に気づいたけれど。 朝食を終えて、合流する際には、 マスクをつければ、隠れてしまうだろうから 特に何を言うこともなく、ごゆっくり、と 彼女らが去れば、何食わぬ顔で、熱いお茶を啜った。* ] (+173) 2023/04/02(Sun) 22:52:39 |
【墓】 高野 景斗[ あたたかさを求めて、擦り寄って いるのは知っていたし、眠たげな声が返ってきたから 二度寝にしけ込む、つもりだった。のに。 ぐずるような反応をして布団の中へ入ってきて。 脚を絡めてくるのも、ぬくもりを求めての 行動だとは分かっていた。 寝ぼけたままで、頷いて、胸にぴたりと 張り付いて、ほとんど意味を成していなかった 浴衣が更にずれ込んで、布団の中で 剥がれていく。露出した腿が、挟まるように 脚を割って、抱き枕よろしく抱き込まれれば あちらはほっとしたのか、ふんにゃりと笑うから。 ] (+178) 2023/04/03(Mon) 0:35:43 |
【墓】 高野 景斗[ 一方的ではなく、共犯に興じるつもりに なってしまってからは、だいぶ手が早かった筈。 なにせ、たっぷり寝て、目覚めもすっきり してしまって、こちらも兆しが見え始めていたから。 赤い花のほど近くにもう一輪、それを咲かせて 撫でさするだけでも、摘める程度に尖ったそこを きゅう、と摘めば、愛らしい声があがって、 漸く状況を察した君が、焦ったように名前を呼ぶ。 ] うん?なに、おはよう。 [ 不釣り合いな挨拶を投げやって、そっと勃ち上がった それに手を伸ばしたところで、ばか、と 可愛く罵られただろうか。 ――可愛い文句を聞いていてもいいのだけど、 焦らされる前に、その口をあまく 塞いでしまうことにして――。 ] (+179) 2023/04/03(Mon) 0:37:11 |
【墓】 高野 景斗[ 昨晩に比べれば、さっくりと事が済んだとしても 半分布団の中で、事に及べばどうしたって、 熱は籠もるし、汗もかく。 時計を眺めて、彼女らが来る前に 風呂へ促して。 あたかも、そういうことがありました、 という風に見えない程度に布団を畳み、 着替えを済ませて、彼女らを迎え入れた。 無論、窓を開け放ったままで。 彼女らとのやりとりを聞いていたのか、 準備が整った段階で、脱衣所から 出てきた彼に、おかえり、と声を掛けて。 ] 朝食も、美味しそうだね。 いただきます。 [ 穏やかな時間を始めようとする。 ――つい一時間前まで見せていた顔とは 別人みたいに、にこやかに。 ] (+180) 2023/04/03(Mon) 0:37:31 |
【墓】 高野 景斗 朝からこんなに沢山の種類があるって 贅沢だよね。 [ 夕食もそれは見事なものだったが、 朝食とて、引けは取らない。 朝採りであろう野菜をたっぷりと使った 和え物、炊きたての御飯、温泉卵。 貝柱で出汁を取ったであろうスープは お茶漬けのようにしても、良さそうだ。 普段であれば、これほどの量を食べることは ないけれど。諸事情で、なかなか空腹だったので。 ] お味噌汁、おいしい。 [ 今日の予定はどうだったか、昼食はどこかで 取る予定だったかもしれないけれど、ぺろりと 平らげてしまいそうだったし、 ] ご飯もうちょっと いこうかな [ 炊きたてのつやつやした米があまりにも 美味しくて、おかわり、も視野に入れていた。* ] (+181) 2023/04/03(Mon) 0:37:46 |
【人】 高野 景斗[ アラームの音で目が覚める。 昨晩も遅くの帰宅になり、コンビニで 出来合いのものを買って、酒を飲んで 眠りについて。 僅かに酒焼けした喉に炭酸水を流し込んで 無理やりこじ開けても食欲など湧きようもない。 それでも何も口にしないままだと、 体も脳も覚醒を拒否するからネットスーパーで 箱買いした野菜ジューズを流し込み、 シャワーを浴びて出社する。 通勤ルートの途中に、パン屋があっても、 定食屋があっても、心惹かれる事はなく。 出社して雑務をして、殺陣の稽古をして 昼近くになり漸く、何か腹に入れる余裕が出てくる。 田舎から飛び出してきて、無我夢中で 夢への道をひた走り、寝る間も惜しんで 生活のため働く研究生の面倒見る振りをして 昼食に連れ出し、勢い良く平らげるのを見て 自分も、食事に手を付ける。 ] (4) 2023/04/03(Mon) 14:26:35 |
【人】 高野 景斗[ この恩忘れません、別にそんな言葉が 欲しかったわけじゃない。手を差し伸べたい 気持ちがない訳では無いが、 誰かと共に食事に来て、 自分だけ食事をせずにいれば相手に無用な 心配や不安を与えてしまう。 その状況を作るために連れ出していた、 それを知るものは既に、デビューを果たし テレビ、ラジオ、舞台の中だけの人間になっている。 ――それでも時たま、感謝や弱音を口にする相手に 自分を選ぶような後輩もいる、人への感謝を 忘れない。それもまた業界人として成功するために 必要な事だと思う。天狗になった瞬間に、 その椅子は 音もなく 、消えていくものだ。 ] (5) 2023/04/03(Mon) 14:27:02 |
【人】 高野 景斗[ 午後、収録日にはラジオ局に向かい、 当たり障りのないトークの中、 しれっと、旬の食べ物の話題も出すが、 それを選んで食べることはあまりない。 週に一度から二度、あの店に顔を出す時以外は。 仕事を終えれば、スタッフと共に、 食事に向かう事もなくはないが、 大抵は、自宅に戻るまでの間に スーパーやコンビニに寄り、出来合いを買って という生活だった。 同じことの繰り返しで、恐ろしく早く歳を重ねて いるような気がしていた。 それでも何かを変えようと思えるほどの、 熱意も切っ掛けも、若さもないと、思い込んで ただだらりと、生きることを全うしていた。 ] (6) 2023/04/03(Mon) 14:27:19 |
【人】 高野 景斗[ そこに色を差したのが、あの日だ。 味気ない日常にふっと湧いた悪戯心 内緒話をするように、そっと顔を寄せて。 名前を問われて、答えたあの日。 あの日帰り際、良いものが見れたと そう言った。悪戯の行方のことではなかった事 それは伝わらなくても当然のこと。 良いものがみれた、 君の良い顔がみれた そう伝えるには少し照れくささが勝ったものだから。 差された色は目の覚めるような赤でも、青でも、 黄色でもなく、黒に青が少し混じるような、 優しい色。久しぶりに黒以外を見るには ちょうどいい、 優しい 色だった。 ] (7) 2023/04/03(Mon) 14:28:10 |
【人】 高野 景斗[ 味気ない日々に色が差したことに 自分より先に、周りの人間が気づいた。 なにかいいことあったんですか そう問われて不思議そうな表情を浮かべて 自分で気づいてないんですかと笑われて 例の企画のことでしょうなんて言われて そうだね、と曖昧に頷いて。 自分で理由を探し当てるより、 店に顔を出す頻度が増えたほうが、先だったが 名前を教えて貰ったときには、理由にも 心当たりができていた。 ] (8) 2023/04/03(Mon) 14:28:29 |
【人】 高野 景斗[ 会うたびに一つ知り、二つ知りたくなり。 よそ行きの顔ができなくなって。 会わない日々を数えるようになり 気持ちが抑えきれなくなって。 撥ね付けられる事がないから 欲に際限がなくなって。 二人で過ごすことのできる日々が増えて 好きと伝えてもいい関係になっても 思いは尽きるどころか、増す一方で。 今日もまた、知らない事を一つ埋めて ほくそ笑んで。 ] (9) 2023/04/03(Mon) 14:28:49 |
【墓】 高野 景斗[ 朝食を済ませ、合流までの時間。 外を散歩しようと言い出したのはどちらだったか。 川のせせらぎに混じって少し遠くに、 水の流れる音がする。 自分たちの居室の他にも部屋に備え付けの 温泉からか、それとも足を踏み入れる ことがなかった家族風呂や、大浴場の方か。 ] 蛍って見たことある? 随分昔に、祖父の家で一度だけ 見たことがあるんだけど、 夏はそういうとこに行けたらいいなって。 [ 約束を口にすることへの戸惑いや罪悪感を 消してくれたのも、君だったから。 なんて大げさな理由なんか、いらない。 ただ君と、見たことのないものを、一緒に見たいだけ。 これが最後ではなく、これが最初なのだから。 これから何度だって、そういう機会は作れるのだ。 ] (+186) 2023/04/03(Mon) 14:29:32 |
【人】 高野 景斗[ 旅行から帰った後の日常。 一年前と比べれば、全く違うが、ここ最近と 銘打てば、そう変わりはない日々だった。 アラームの音で目が覚める。 昨晩も遅くの帰宅になったが、作り置きの おかずと、タイマー機能で炊いた米、 春キャベツはレンジで軽く熱を加えて 塩昆布とごま油で和えて。 ゆっくり食事を楽しんだ後、入浴して 眠りについて。 目が覚めたら、炭酸水を流し込んで 体と脳に覚醒を促して、コーヒーマシンの スイッチを入れ、トースターにパンを押し込み 顔を洗って、歯を磨いて、昨晩の残りと マーガリン、いちごのジャム、を塗ったパン、 粉末のスープ、で軽い朝食を取り、出社する。 通勤ルートの途中のパン屋には、 帰りによく寄るようになった。 ここの食パン、彼も気に入っているから。 明日の朝食は、これに決まりだ。 ] (10) 2023/04/03(Mon) 14:30:12 |
【人】 高野 景斗[ 翌日は休みだと連絡を取り合って 彼を迎えにいく事にも、随分慣れた。 ――従姉妹殿の、あたたかい目線にも。 寝坊しても構わない日の前の晩、 提案を受け、少し考えるように顎に手をやり ] 唐突だね? いくつかあるけど、特にこれってのは 決めてないな。 君が見立ててくれるの? じゃ、君のは俺が見立てようかな。 [ 君の場合は職業柄、仕事中に使うことはないだろうけど まず間違いなく、その香りに触れる回数は、 自分が一番多いと自負しているし。 自分が使うとしても、相手もそうなるだろうから 君が見立てる、なら少なくとも君にとって 良いと思えるものを選んでくれるだろう。 長く使えるようにオーダーメイドにするのも 良いかもしれない。 ] (11) 2023/04/03(Mon) 14:30:39 |
【人】 高野 景斗[ 君が家に泊まる時、 浴室から出てきた時なんか特に、 自分と同じシャンプーの香りがしたりして 密かに、どきっとしているのは、 まだ言っていない。伝わってはいそうだが。 なにせ浴室から出てきた後、 必ず、短い時間でも、ぎゅうと抱きしめているので。 そんな君が、俺の選んだフレグランスを纏う というの、なんだかとても、らしいことをしているように 見えて、胸が踊ったものだから、 乗り気、という返事をして。* ] (12) 2023/04/03(Mon) 14:31:01 |
【人】 高野 景斗[ 人は一人で死ぬものだ。 その考え方自体は大きく変わっていない。 無理心中したところで、その死体が 引き上げられたら、個と個で。 同じ棺に入ることも、なければ あちらで再会できる保証も一つもない。 だから、 ひとりでいい 。だから、ひとりが こわい 。相反する思いはいつまで経っても 解決することはない。それでも、その声が その存在が、怖さを消し去るほどの愛しさを 教えてくれるから。 ] (24) 2023/04/03(Mon) 22:48:40 |
【人】 高野 景斗[ これまでに何度か、自宅で過ごしているところ 掛かってきた電話に出ることがあった。 どこで目にしたのか、あの厳格な父が MVの話題を出し、開口一番、 "姿勢が悪い"と言うものだから、笑ってしまった あれは撮影だからどうしたって見栄えが重視される だとか、散々っぱら話したあとで、父は "ちゃんと食べているのか 困っていないか"と そう口にした。実に7年ぶりに会話したのを それを聞いて、思い出したくらいだ。 ちゃんと食べている、生きている。 そう伝えた後、入院している時 意地を張らずに顔を見に行けばよかったと 父母二人共えらく後悔したんだと聞かされて 近いうち、顔を出すと約束したときも、 彼はすぐ近くで見守るようにしてくれていたか。 ] (25) 2023/04/03(Mon) 22:49:20 |
【人】 高野 景斗[ 料理を覚えたと言えば、野菜を送ってくるようになったし 母は"連れてきて"とうるさくなった。 何一つ伝えてはいないのだが、 察するものがあるらしい。 フレグランスの話をしていた時だったか その後の話だったか。 夏には蛍を、その話を覚えてくれていたのか 彼の方から、祖父の家の近くが良いと 言われ、僅か思案するような顔をした後 ] 嫌じゃなければ、祖父母の家に行かない? だだっ広いだけが取り柄みたいな家だから。 (26) 2023/04/03(Mon) 22:49:48 |
【人】 高野 景斗[ そう口にした。否と言われれば近場に 宿のあてはいくらでもあると告げるだろうが。 ――そもそも、こそこそと隠れなければ いけない事も、ないと思って。 世間的には冷ややかな目を浴びることも あるのだろうと理解はしているつもりだが。 ] 爺さんも婆さんも、孫には甘いから。 稽古の時以外はね。 [ 彼のおかげで、ひとりではなくなったのに それをひた隠しにしなければと考えること自体 少し我慢ならない所もあって。 ――とはいえ、父母、祖父母世代には デリケートな問題かもしれないけれど。 話してもいい?と聞き、許可を貰えたなら 父母には話してしまうつもりでいた。 ] (27) 2023/04/03(Mon) 22:50:07 |
【人】 高野 景斗[ 共に休みの日、出かけることも 少しはあるが、大掛かりな買い物、は これまであまりなかったと思う。 要所要所、販売員の手を借りながら 選ばれたそれは、勝負の時にも 大いに役に立った、と言える。 大晦日、父母には出演の話はしてあるから 祖父母もきっと、テレビにかじりついていることだろう。 舞台袖から電話を掛けて、 声と愛をねだり、受け取った後。 一歩踏み出すその時にも、 その香りが背を押してくれた。 黒のボトル、その香りの名は「英雄」 卒業するには、うってつけと言えるだろう。 君の思いを背に、その席を自ら、蹴り壊すには 似合いすぎるくらいだった。 ] (28) 2023/04/03(Mon) 22:50:40 |
【人】 高野 景斗[ 出会って、二度目の春を前に、 冷蔵庫の中には、取り寄せた苺が 冷えている。 フレグランスを買いに行った日、 ついでに、と食器やグラス、カップ等も 買い漁って。 今ではこの部屋には二人分のモノが、溢れている。 その日も、その香りに助けられたと言える。 言葉は淀みなく、零れていたとしても、 言葉通り、緊張はしていたから。 夏か近づいた帰り道、 もうすぐ、夏ですねと次の季節を なんでもないことのように言う君が居た。 夏が逝く前、 すべてが夢だったと思わされるような 悪夢に魘されて、冷えた手を、 救い出すように握ってくれた君が居た。 ] (29) 2023/04/03(Mon) 22:51:10 |
【人】 高野 景斗[ 君に会える特別な日々から、 君がいる、当たり前の毎日へ変わりゆく頃 告げた言葉を、告げられた言葉を、 生涯、忘れることはないだろう 一つ前の季節を思い出す、 そのなんでもない日にも、 俺 の隣には、愛する君 がいる――。** ] (30) 2023/04/03(Mon) 22:51:34 |
【人】 高野 景斗[ ――コスチュームプレイを含む アブノーマルなプレイについて。 自分は興味などない方、だと思っている節がある。 節がある、というか。あった、が正しい。 同性同士のカップルだと、オーラルセックスで 十分に幸せだ、という人たちがいるらしい。 実際そういう人たちの体験記などを拝見して、 初夜に望んだ身である。 望まれれば望まれるように振る舞うことが できる、くらいに認識していた自分の性欲。 貪欲だったのだと気づかせたのは、 ほんの少し年下の、恋人。 ] (31) 2023/04/03(Mon) 23:18:32 |
【人】 高野 景斗 ……何も言わないで。 [ とある日のこと。別にそうと決めているわけでは ないが、翌日が休み、という時に彼は良く 泊まりに来るし、こちらも誘う事が多い。 互い期待している事はなんとはなしに、感じ取るから やはりそういう日は、色々な事が念入りになる。 そして浴室から出てきた彼に対し、 何も言わないで、であるから、不思議そうな 顔をされたとしても、致し方なく。 おずおずと差し出したのは、新品、 洗濯済み、のブルーストライプ柄のエプロン。 ] (32) 2023/04/03(Mon) 23:19:04 |
【人】 高野 景斗[ 調理する際に使うものについては、 彼の好みを聞いた上で、キッチンの近くに 二着、用意してある。 この頃は自分も使うことが在るもので。 ではなぜ、新品かと言うと。 ] (33) 2023/04/03(Mon) 23:19:15 |
【人】 高野 景斗 ……これ、着けた君と、したくて。 [ そういうこと、である。 痛みを伴うようなアブノーマルなプレイは 好まず。コスチュームプレイとて、 見れば見たで興奮するかもしれないという 思いはあっても、提案まではしたことがない。 ただこれだけは、別といえば別、で。 一生懸命働いているだけの君に、 覚えてしまった欲もある。 仕事している君に不埒なことをしたいなどと 呆れられても仕方がないが、 この所、そういった欲は素直に口にしているもので。* ] (34) 2023/04/03(Mon) 23:19:26 |
【人】 高野 景斗[ セルフで準備をしていると知っていたら ほぐす事から任せてほしいのにと唇を尖らせる 事もあったかもしれない。 が、羞恥を煽りすぎてもいけないし 本人が気づかないで欲しいようなそぶりを するので、そちらには気づかないふりを することにしている。 ――そうすると、彼の方からお誘いが 掛かることもあるので嬉しい時もあるわけで。 差し出されたそれ、自分に?と問われる 言葉に小さく頷いて。 一瞬、理解できないという顔をされたら ですよね、って表情を返したことだろう。 それでも瞬きいくつか分で、 したいこと、言いたいことは、伝わっただろう。 タオルで隠された顔が、ほんのりと赤い。 ] (41) 2023/04/04(Tue) 0:19:33 |
【人】 高野 景斗 うん それで、いいです。 [ 求めていることを正確に把握した君が 少し躊躇いながら、ぽつ、と返事を寄越して。 躊躇いの中、職業上身につけるものを 汚すような事をする、ことに対して 思うこともあるのだろう。 でもそれ、もう三十回ほど、俺も自問自答 しているので。口は挟まないし、 心を決めてくれたなら遠慮をするつもりもなく。 身につけるまでの間、見ないふりを しつつ視界に入る、手慣れた身に付け方に ぞくぞくする。 そう、これまできっと数え切れないほど、 それを身に着けて、自分にもそれ以外の 人たちにも料理を振る舞って、幸せに してきたはずだ。 ] (42) 2023/04/04(Tue) 0:19:46 |
【墓】 高野 景斗[ その姿を今から、自分が 欲望の赴くままに、汚すのだ。 理想が期待になり、 期待が現実に変わった瞬間、 ギラついた視線が、君の全身を舐める。 ] あぁぁ……… やばい、予想以上、……… [ 様子を伺うようにされて、 たった二歩の距離を焦るように詰めて。 ぎゅう、と後ろから抱き締めた。 ] (+190) 2023/04/04(Tue) 0:20:19 |
【墓】 高野 景斗もう、勃ってる…… [ 抱きしめればゆるりと、どころか ぐわっと、熱を蓄え始めてるそれが、 体に当たる。当たれば、どうしたって 気づかれてしまうだろうから、口に出して。 ] すごい、興奮する…… [ 今夜、寝られなくても諦めて欲しい。 明日は休みで仕事もない、昼まで寝てても 構わないから。 ぴたりと隙間なく、抱き締めたなら 興奮気味に、熱い息を、聞かせながら 悪い手が、するりと、Tシャツと肌の間に 割り込んでいく。* ] (+191) 2023/04/04(Tue) 0:20:48 |