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【人】 未國 聖奈「 じゃあかなちゃんならどう願ったっていうの? かなちゃんがあたしだったら、どう願った? かなちゃんが先に願えばいいじゃないか、って? そしておんなじ願い事をすればいい? 先に願って叶ってしまったら。 その時には、あたしはかなちゃんを 忘れてるかもしれないじゃん。 一方的に居なくなって、忘れてほしい、なんて 自分勝手すぎるんだよ どういうつもりでメッセージを送ったの? あたしなら許してもらえると思った? あたしがそういう願い事を持つなんてことを 想像すら。してくれなかった? 」 (349) 2022/10/23(Sun) 14:07:28 |
【人】 未國 聖奈あたしの声はまだ怒っていて、 まだ悲しんでいて、 どうしたってすれ違うそれを、 埋められないのだ、って気づいた。 だってそれは あたしとかなちゃんのずるさの基準が 多分圧倒的に違うから。 やめてよかなちゃん あたしにかなちゃんを嫌いにならせないで (350) 2022/10/23(Sun) 14:07:58 |
【人】 未國 聖奈こんなに話すつもりはなかった こんなに気持ちを届けるつもりはなかった 旧校舎の幽霊は、きっとどこかで見てるんだよ かなちゃんの願い事は、叶ったんだよ。 だからもう、この次はないのだ、って あたしは心のどこかで、分かってる。 二度も叶えてもらおう、なんて都合が良すぎる。 二度も叶えてもらったら、罰が当たるよね、きっと。 (351) 2022/10/23(Sun) 14:08:17 |
【人】 未國 聖奈でも、あたしの願いは叶っていないのかな かなちゃんの心の声は聞けていないのかな それとも、聞けたのかな。 もう、……わからないや。 (352) 2022/10/23(Sun) 14:08:31 |
【人】 未國 聖奈そして、ひときわ大きな声で言うのだ 「 この三日間のこと、何もかも忘れられたらいいのに 」 ふたつ目の願い事を叶えてもらうのは、だめかな。 ひとつ目の願い事が叶った保証もないから もしかしたら、なんて思うんだ。 今度こそ、あたしはずるいね。 昨日は絶対に願わない、と心に誓ったお願い事だ。 あたしは今度こそ、あたしの心を守るためにお願いをする。 清く澄んだ月影に、秘められることのない想いを告げて、 あたしたちはその場を後にした。 ** (355) 2022/10/23(Sun) 14:10:40 |
【人】 未國 聖奈── 夜 ── ふたつ目のお願い事が 叶えられる保証はどこにもなかったけれど あたしは、それでも、 何もかもリセットしたいって思ったんだ 世良とのことも、かなちゃんとのことも、 願い事、なんていう 欲 あたしたちの関係はきっとこじれた。 こじれたなんて思っているのも、 あたしだけかもしれない 三日間に送ったメッセージは すべて、スマホから削除することにした グループを抜けなかったのは、 それでもどこか繋がっていたかったから、 そう思ってしまったからかもしれないね 三日間、いろんな人といつもよりも話して いろんな人といつもよりも悩んで 普段よりもずっとずっと大切な時間だった。 ── それくらい、あたしにもわかるよ。 わかるけど………… 辛いんだよ。 (356) 2022/10/23(Sun) 14:37:18 |
【人】 未國 聖奈ふと世良の言ったことを思い出す。 人ならざるものに願う程の いくらの代償を支払っても叶えたい願い そんなもの、普通はないんだよ ああ、そっか。これが 代償を支払っても叶えたい願いなのか、って 家に帰ってから、思い出して、小さく笑うの。 (357) 2022/10/23(Sun) 14:37:39 |
【人】 未國 聖奈深夜、あたしは高熱を出した 普段風邪もひかないようなあたしが 三日三晩魘され続けて生死の境を彷徨った それは、二度もお願いをした あたしへの代償だったのかもしれないし ただ単純に、運悪く 流行り病にかかっただけなのかもしれない。 (360) 2022/10/23(Sun) 14:39:13 |
【人】 未國 聖奈── 三日後・近くの市立病院 ── あたしが目を覚ましたのは三日後。 あたしはぼんやりと、スマホを手に取る グループメッセージには相変わらず何か スタンプやらコメントやらが飛び交っていたかな 最初にメッセージが送られているのは ちょうど、一週間前のことだ。 窓の外を見る。 秋晴れの空がきらきらと輝いていて あたしは、─── それを、写真に収める。 ** (361) 2022/10/23(Sun) 14:39:40 |
【人】 帰宅部 津崎絵音[ オレが教室に戻った時まだ授業はあったかどうか。 まあ放課後だとしても、少しくらい話せる時間があったでしょ。 その時千葉から伝えられた話に 最初は少し不思議そうにしてしまったけれど。>>314 あんな願いを選んだこいつがそうすると言うなら、 その肝試しには何かの意味があるんだろう。 千葉について知らないことが沢山あるなりにさ、 今は想像したり理解出来ることも前よりあるんだ。 だから、頑張れって背中を軽く叩いて 立ち会わない代わりに今送り出してやったつもり。 特に同行は頼まれなかったから、 きっとオレがするべきは話を聞いて応援することだと思った。 その後は家でも色々あって、 神様に初めて会った時みたいに泥のように眠った。 お陰で朝はすっきり目覚め遅刻もサボりも無し 初日から約束を破らずに済んで本当に良かったわ。 ] (362) 2022/10/23(Sun) 15:02:54 |
【人】 金海 叶冬[ どういうつもりで送ったの、 悲鳴にも似た声をボクは受け止める。 そうだね、 ボクはせなちゃんにやっぱり甘えてた。 知ってた、わかってたくせに 言われて、気がついた。 それでもボクの答えは変わらなかったと思う。 ] (363) 2022/10/23(Sun) 15:02:56 |
【人】 帰宅部 津崎絵音── 4day/千葉と ── 別にそんなの見せてもらわなくてもいーよ お前がこんな嘘つくわけないし、 オレは報告してもらえるだけで嬉しい [ 顛末を語り終えた千葉の言葉に>>315 相槌を打つばかりで聞き役に回っていたオレは、 その時初めて口を開く。 ま、疑われるなんてこいつも思ってないだろうけど。 思ったことを素直に千葉に伝えたいんだよな。 悩んでいる時は自分の惨めさばかり目について、 相談を聞くのは不必要か、或いは別の誰かの役目になって 千葉はどんどん先を行っているような気がしてた。 でも、今は約束を重ねて、未来の為に助け合うことを決めて こうやって以前なら話してもらえなかっただろう話を聞くのも そんな4文字じゃ伝えきれないくらい嬉しいから。 ] (364) 2022/10/23(Sun) 15:03:08 |
【人】 帰宅部 津崎絵音あー、そうだったんだ……? それはなんというか……知らなかった [ さらっと告げられた内容に、少し言い淀む>>316 別に笑いそうになるのを堪えてるとかじゃない 探索の日に自分が言ったことを思い出しただけ。 見た目だけで判断して、怖くない側だと思っていた。 確か会長とかが騒いでた時も千葉の悲鳴は聞こえなかったし、 その思い込みは今漸く正されたわけだ。 色々思うことがありながら、表に出さなかったんだろうな。 ] 客観的とか関係無いじゃん、 大事なのは本人にとっての重さだろ お疲れ、千葉。すげー頑張ったんだな [ だから今のオレは、少しも茶化さずに否定出来る。 そこにあった苦難を想像し、労える。 オレの悩みだって、不確定な未来を語る部分は そんなこと思うほうがおかしいとか、考えすぎだとか ばっさり切り片付けることだって出来るんじゃないかな。 でも、千葉はそうせずに 考えずに済む方法を示し、同じ演奏者として叱咤してくれた。 ] (365) 2022/10/23(Sun) 15:03:23 |
【人】 帰宅部 津崎絵音[ 変わっていく距離にちゃんと気づいているオレは もう良くなったらしい悩み事については>>317 ん?と首を捻るだけで何も言わない。 それが大きな変化なら、秘めることじゃないなら 多分いつか千葉から話してくれるだろ。 ] そんなの平気平気、 カップ麺作れたら後はキャベツ引き千切って食えば生きていけるだろ あとチンするカレーとか [ 既知の事実に基づく話には真顔で返した。 いつもの冗談じゃねーよ、真剣真剣。 あれはいつの調理実習だっけ、 まさか先生に悲鳴を上げさせるとは思わなかったな。 オレらの名前を叫ばれたこともびっくりしたわ。 だって、勉強とピアノ以外家ではさせてもらえずに育ったし。 出来なくても当たり前、みたいな? 現代社会ではその言い訳は通用しない? いや、現代社会ならレトルト食品の生活は通用するんだよ。 沢山種類があるからな。 そういえばレンジって昔は中で食品を回転させてたらしい。 とか浮かんだけどどうでもいいから話さないでおいた。 ] (366) 2022/10/23(Sun) 15:04:06 |
【人】 帰宅部 津崎絵音[ 千葉に悩みや秘密が沢山あればいいとは思わない。 でも、お互いを知っていけるのは楽しい 半年間を埋めているみたいで、 それで収まらないくらい続いていくんだろう。 勿論、何か助けられることがあれば助けたいけど 恋愛相談だけは絶対無理だから その機会があれば話を聞くだけにさせてもらうわ。>>318 音楽の話なら、千葉はやっぱりロックだろうか。 高校に入ってから聴くようになったけど あまり語る程の知識がなくて、教えられることになりそう。 進路については ベースを習えるコースがある学校からベース専門まで ご希望通り学科試験が無いところから選び詳しく調べて その内請求した資料を山に積んでやるから覚悟するといい。 場合によっては学校自体は同じところに通うことになったり? こっちも考えて選ばないといけないし、 まず進級と卒業だけどな。 ] (367) 2022/10/23(Sun) 15:04:44 |
【人】 金海 叶冬[ せなちゃんの大きな声は聞こえてた。 ボクはそれを見てる。 ふたつめの願いごとはかなってるのかな。 それを知るのは いまじゃ、ない。 一つ目がどうなのか、 その願いが ふたつめであるかも、 ボクには わからないけど ボクがも一度旧校舎を振り返ることは なかった ]** (370) 2022/10/23(Sun) 15:13:24 |
【人】 白瀬 秋緒[ そして自らが語り手となる間は……あまり、相手の反応を気にしていられなかった 絵音とは逆に己の考えを言葉にするだけで精一杯といったところ だから聞き手から大きな反応がないならば、そのまま話を続けた 今の絵音が、己が生きるという選択を喜ばしいものと捉えると、思っていなかったのかもしれない 己がメッセージで生きると言ったから、生きる理由は気にしないものだと それにこれからの未来の絵音が、己を気にしてくれるとも、思っていなかったから つまり絵音にとって、関係のある話といえば、むしろこちらかと思っていた だからこそ、言い淀んだのはこの先、で 昔の面影を感じるその反応に、少し安堵して、言葉を続けた>>246 ] え……? [ 間抜けな声に、こちらが驚く>>247 あたし変なこと言ったかな 結局それは、恋愛感情と思われたのでは?という解釈に言ったのだけど ] (373) 2022/10/23(Sun) 15:22:10 |
【人】 白瀬 秋緒[ 避けていたのは、距離を置いていたのは、 勝手に惨めさを感じていたのは、勝手に疎外感を感じていたのは こちらも同じくそうだった その気持ちも、姉への劣等感で塗り潰されて 本当の願いも忘れていたのだな、と思う ] (375) 2022/10/23(Sun) 15:23:11 |