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【人】 秋月壮真[ 俺はあの中には混ざれない。 偉そうなことを言っても 言葉に怯え 人の裏側に怯え 自分自身にすら怯えている 結局俺は…… 臆病なだけだ。 俺の寂しさの半分なんてそんなもの。 怖いのはどこまでも” 人 ”だった。 ] (828) 2022/10/24(Mon) 23:21:13 |
【人】 秋月壮真[ 帽子を風よけにして 当ても無く走った よかった 意識を取り戻してくれた これからきっと良くなる 弟はまた歩ける。 弟はまたバスケが出来る。 弟は───────……。 もう俺を兄とは 呼んではくれないかもしれない。 ] (829) 2022/10/24(Mon) 23:21:17 |
【人】 秋月壮真[ でもまだその時は来ていない。 これからの未来は変わるかもしれない。 自分の手で 誰かの手を借りて チャンスはこれからも巡ってくる。 その時に勇気が出せたら。 俺の幸せの家族の形は 変わるのかもしれない。 ] (830) 2022/10/24(Mon) 23:21:22 |
【人】 秋月壮真[ いつか欲しいな 白い羽根 飛び立てる羽根が 俺にもあれば……。 それはきっと願った時から 背中には痕ができる。 ] [ 半透明な羽根が ふわりと空に溶けた───。 ] (832) 2022/10/24(Mon) 23:21:30 |
【人】 秋月壮真[ 溶けた空に手を伸ばそう。 友と一緒に 未来を掴もう。 大切な人と一緒に。 未来への道は俺の願う通りにはいかない。 そう教えてくれたのは 健人だから。 俺の手は今も君と繋がっている。 ] * * (833) 2022/10/24(Mon) 23:21:43 |
【人】 工藤 彩葉― Stand by me ― [月明りの下で、俯いた私の目には 千葉くんの手の動きがしっかり見えていて。>>582 照れ隠しの必要は全くなかったと思う。 そんなことしなくても、私は顔を上げられなかったし 隠し事を暴く余裕なんてちっともなかったの、 千葉くんも気付かなくていいからね。 ただ、触れた手を握り返した。 その感触が、楽器と触れ合った時間の長さを物語る。 私の手からは真逆のことが伝わってるんだろうなと、 そう思えば恥ずかしさが別種のもので上書きされて。 急に感じた、秋の夜長と思えないような暑さも いくらか和らいだ気がした。 千葉くんが何も言わないから、 私も何も言わず。 多分、言えなかっただけなんだけど 昨日より話し声も少ない、暗い帰り道なのに 今日はあんまり驚かないんだね、 なんて頭の中では考えていた。] (834) 2022/10/24(Mon) 23:22:20 |
【人】 工藤 彩葉[さて、互いの指先の感触を知ったところで、 私がその差について思い知ることになったのは 数か月も経ったころだったかな。] 千葉くん、どうしよう 指が痛くて練習が捗らないの…… [どこからどう見ても泣き言なんだけど、 千葉くんならこれで、私が真面目にやってるってこと わかってくれると信じてるから。 冬の乾燥が私に追い打ちをかけたに違いない] (838) 2022/10/24(Mon) 23:22:32 |
【人】 工藤 彩葉[そうは言っても、勉強はしっかりしてたし。 複数の誰かさんとも一緒に試験勉強とか 休み中の課題、こなしたりしたかもね。 頑張ろうね 自分の部活も、ちゃんとやっていた。 そういえばユメリンの曲、ついに私も買っちゃった。 それから、前より少し、ロックバンドの曲を 流す機会が増えたかもしれない。 でも息抜きだって大事だから。 いろんな人と、いろんな所へ 遊びに行ったりもしていただろう。 クリスマスパーティーみんなでやらない? って言ってみたりとか。 補習がなかったらね お正月も、今度は神社に願掛けに行ってみる? バレンタインは深く考えず、友チョコ交換しようって 言ってしまって、あとで後悔したかもしれない… 料理上手な友達がいたら、私だって手を抜けないし すごく頑張って手作りしたと思う。 誰かさんにもお裾分けするね。まだそういう名目。] (839) 2022/10/24(Mon) 23:22:35 |
【人】 工藤 彩葉[おじいちゃんとの約束を果たせたのは、 三年生になってからだった。 演奏難易度のこともあるけど、 せっかく覚えたんだからって、弾き語りにして。 直接会いに行くのはやっぱり難しくて、 画面越しにはなってしまったけど。 それに意味がないとは思わない。 もちろんそれまでの間、 千葉くんには練習を見てもらっていたから。 『 Let It Be 』は聴き飽きちゃったかもしれないね? いろんなこと、千葉くんにはもう話していた。>>581 でも終わったあとに、私が伝えたのは] おじいちゃん、すごく喜んでくれたよ。 大好きな曲なんだって。 千葉くんのおかげだね。本当にありがとう。 [それだけ。それで十分だった。 私にとっても、十分だった。] (840) 2022/10/24(Mon) 23:22:38 |
【人】 工藤 彩葉[お別れの時がやってきたのは、 それよりもう少し後。 うちの両親は、今は学業に専念すべきって方針で 高校生の間アルバイトは禁止されていたから。 大学に進学したらバイトしてお金を貯めて、 イギリスに会いに行きたいな。 なんて未来の話をしていた矢先のこと。 再び、風邪をこじらせての肺炎で 心の準備している暇もなくて、あっという間だった。 本格的に受験シーズンを迎える前だったのは、 私にとって、幸いだったんだと思う。 家族全員は無理だったけど。かろうじて、 お母さんと私だけは駆け付けることができた。 最期の時の準備を、両親はすでにしていたのだった。] (841) 2022/10/24(Mon) 23:22:41 |
【人】 工藤 彩葉[幽霊に会いに行ったあの日。 本当はもう一つ、選択肢があった。>>291 孫も、実の娘のことも忘れてしまったおじいちゃん。 でも、おばあちゃんのことだけは忘れなかったから。 このまま一生、最期のその瞬間まで おばあちゃんのことを覚えていてくれますように。 二人が幸せに暮らせますように。 でも私はそれを選ばなかった。 「私の顔はすっかり忘れたくせに、 ママのことは時々思い出すんだから、 愛妻家っていうか何ていうか。」 なんて、笑って言ったお母さん。 もし私が願っていたら、その『時々』を なくすことができたのだろうけど。 その言葉に、私は笑って頷けなったかもしれない。 代償ってやっぱり、そういうことなんだろう。 結果論になってしまうけど、 私はこれでよかったんだと、心から思っている。 思えている。 でも、もしおじいちゃんが何もかも忘れてしまって、 おばあちゃんやお母さんが悲しんでいても、 私はあの日の選択を後悔しない。 そういう覚悟はちゃんと持っていたつもり。] (842) 2022/10/24(Mon) 23:22:44 |
【人】 工藤 彩葉[日本に帰ってくるまで、不思議と涙は出なかった。 おじいちゃんの死に顔が安らかだったからかな。 少しの間、学校を休むことになったから 友達にはちゃんと理由を伝えていた。 次に登校したのは週明けのこと。 私はちゃんと笑えていたから、 心配はかけなかったと思う。 でもその前の週末に、私はまたギターを取り出して。 家族のいる家で弾く気にはなれなかったから、 天気のいい日に練習に使っていた河川敷に行って 私はもう一度、あの曲を奏でた。] Let it be, let it be Let it be, let it be Yeah, there will be an answer Let it be ... ふっ…… う [どうしてかな。急に泣けてきて。 歌にはそういう力があるのかもしれないね。 思い出も涙も、全部、 私にとって必要なことだったんだろう。 だから、本当にありがとう。] (843) 2022/10/24(Mon) 23:22:46 |
【人】 工藤 彩葉[千葉くんの好きな曲を聞いたのは、>>637 気持ちを切り替えた後のことになったかな。 お互いの進路も決まる頃だったかもしれない。] あ、その曲も知ってる。 映画も観たよ、スタンド・バイ・ミー。 [その曲も、っていうのは 『 Let It Be 』の件もあったけど。 千葉くんの好きな曲、今は色々知っていたし>>1:549 なんなら、私もたくさん聴いていたから。 ギター演奏の参考にしたいから色々教えて、 って言ったのは信じてもらえてたんだったかな だから、千葉くんが普段、 どんな曲を好んで聴くのか私は知っていて。 その歌が単純に、好みだけで選ばれたんじゃないと わかってしまって。 さすがにね、このくらい続けてると 千葉くんが練習したのかどうかも気付けるし。] (844) 2022/10/24(Mon) 23:22:50 |
【人】 工藤 彩葉……ありがとう。 [お手本を聴き終わって口にした一言には、 たくさんの想いを込めて。 でもそうだね、私もあの月明りを思い浮かべていた。] (845) 2022/10/24(Mon) 23:22:53 |
【人】 工藤 彩葉[その曲を私が歌って、奏でた日。 私たちの関係は、何か変わっていたかな。] それじゃ、聴いてください。 ……やっぱりちょっと、恥ずかしいな。 一緒に歌ってくれてもいいんだよ? [なんて笑いながら。 もう『お礼』という名目も、 必要なくなっていたかもしれないね。] (846) 2022/10/24(Mon) 23:22:56 |
【人】 工藤 彩葉Whenever you're in trouble (喧嘩をした日もあったかな) Won't you stand by me (それでもまた会いたくて) Oh stand by me (教本はもらうんじゃなくて、ずっと借りておくね) Oh won't you stand now (返す日は来なくていいと、そう思ってるから) (848) 2022/10/24(Mon) 23:23:28 |
【人】 天ヶ瀬 青葉 ── 三学期:2−A教室 ── 冬休みも明け、今日から三学期が始まる。 僕は、というと ─── もうSHRが始まっているというのに 教室からすぐの廊下で待機していた。 教室の中から、担任の声が聞こえる。 『 えー、今日は在校生を紹介する。 入ってきて。 』 どうして、そんな転校生みたいなノリなの。 だけど、入れと言われたら入るしかない。 僕は大きく息を吸い込み、深く吐いてから ドアの引手に指をあて、横にガラガラと開ける。 教室と廊下との温度差で空気が流れ、 ふわりと スカート が揺れた。 (851) 2022/10/24(Mon) 23:26:49 |
【人】 天ヶ瀬 青葉「 は …… はは 、 その ………天ヶ瀬、青葉……です あの、…病気とか色々とありまして、…… うん 今日から女子生徒になりましたので ? えっと、今までどおり …… おねがい、 します 」授業中、いきなり問題を当てられても " わかりません! "って元気に即答できる僕だけど。 『 ええええええええ!? 』 ってみんなから驚きの顔と声を向けられながら話すのは 緊張するなんてモノじゃない。 これからもみんなが僕とどう接してくれるのか ─── 実際のところ、怖いよ。 (852) 2022/10/24(Mon) 23:26:51 |
【人】 天ヶ瀬 青葉席について授業が始まっても ちらちら、とみんなが僕に視線を向ける。 たまに目が合えば 出来る限りの愛想笑いを返して。 そんな中で ──── 僕は今日までの事を振り返っていた。 (853) 2022/10/24(Mon) 23:26:54 |
【人】 天ヶ瀬 青葉 一週間もすれば身体に変化が現れだした。 まだ微々たるものだったからか、最初の診断は様子見。 一ヶ月経った頃には 大学病院で精密検査を受けていた。 僕としては" 願い "のおかげだと理解していたけど 当然、両親はそうじゃなかった。 原因不明の奇病と診断され ──── 父も母も驚き、悲しんだ。 毎日、僕の身体の心配をするようになった。 大丈夫だよと笑いながら返しても 両親の不安は 顔に見てとれた。 (854) 2022/10/24(Mon) 23:26:56 |
【人】 天ヶ瀬 青葉 それでも僕は" 願い "の事を両親に話せなかった。 もう女の子の服なんかに興味が無い ──── 家では、そんな顔をして過ごしていたから。 両親に心配される度、 僕は心の中で" ごめんね "って呟くばかり。 やっぱりね、奇跡のチカラなんかで願いを叶えると どこかで つじつま合わせのしわ寄せが来る。 きっとこれを" 代償 "と呼ぶんだろう。 せめて、大人になったら せいいっぱい親孝行しようと心に誓った。 (855) 2022/10/24(Mon) 23:26:59 |
【人】 天ヶ瀬 青葉 原因も不明、対処法も不明。 女性の身体へ変化していく以外は、至って健康。 そんな状態だから、僕は入院する事も無く 普段通りの学生生活を続けた。 季節は味方をしてくれて。 制服の上からセーターを着こめば、 身体のラインはそれとなく隠すことが出来た。 バスケも厚めのジャージを着て参加していたんだけど。 ちょうど二ヶ月目 ───── 男としての筋力が減ったのだろう。 今まで片手で放っていた3Pシュートが ゴールに届かなくなった。 それを機に、僕は冬休みを挟む形で 一ヶ月間 学校を休むことにした。 どうせ ここから先は セーターでも誤魔化せそうにないから。 (856) 2022/10/24(Mon) 23:27:01 |
【人】 天ヶ瀬 青葉 もうほとんど女性の身体になっていた僕は この一ヶ月の間に色んな手続きをとった。 ちゃんとした性別の変更は 成人してからでないと出来ないらしいけど 診断書を元に、学校と内密に連絡をとって 女子生徒として在学できないか打診したり、とか。 ここら辺の細かな手続きは、 ほとんど両親が主導でやってくれて。 僕は申し訳なさで、願いが叶いつつあるのに それを喜ぶ暇さえなかった。 ようやく、嬉し涙が零れたのは 女子用の制服が届き、鏡に映る自分の姿を見た時。 もう三学期も始まる直前の事だった。 (857) 2022/10/24(Mon) 23:27:03 |