人狼物語 三日月国


180 【R15RP村】月影のさやけさ、 秘めたる願い

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【人】 秋月壮真



[ 俺はあの中には混ざれない。
  偉そうなことを言っても

  言葉に怯え
  人の裏側に怯え

  自分自身にすら怯えている


  結局俺は…… 臆病なだけだ。

  俺の寂しさの半分なんてそんなもの。
  怖いのはどこまでも” 人 ”だった。 ]  


 
(828) 2022/10/24(Mon) 23:21:13

【人】 秋月壮真



[ 帽子を風よけにして
  当ても無く走った

  よかった
  意識を取り戻してくれた
  これからきっと良くなる

  弟はまた歩ける。
  弟はまたバスケが出来る。
  弟は───────……。
  

  もう俺を兄とは
  呼んではくれないかもしれない。 ] 
 

 
(829) 2022/10/24(Mon) 23:21:17

【人】 秋月壮真



[ でもまだその時は来ていない。
  これからの未来は変わるかもしれない。

  自分の手で
  誰かの手を借りて

  チャンスはこれからも巡ってくる。
  その時に勇気が出せたら。
  俺の幸せの家族の形は
  変わるのかもしれない。 ]  


 
(830) 2022/10/24(Mon) 23:21:22

【人】 秋月壮真



[ 人は秘める、密やかな願いを。
  人は隠す、月影の中へ。

  照らし出すは満の月。
  流れる風。




                
月影
のさやけさ、

  
めたる
願い




          秘めし望みは月夜の下に。 ]
 
  

 
(831) 2022/10/24(Mon) 23:21:26

【人】 秋月壮真




      [ いつか欲しいな
        白い羽根

        飛び立てる羽根が
        俺にもあれば……。

        それはきっと願った時から
        背中には痕ができる。 ] 





       [ 半透明な羽根が
        ふわりと空に溶けた───。 ]




(832) 2022/10/24(Mon) 23:21:30

【人】 秋月壮真



   [ 溶けた空に手を伸ばそう。
     友と一緒に

     未来を掴もう。
     大切な人と一緒に。

     未来への道は俺の願う通りにはいかない。




        そう教えてくれたのは
        健人きみだから。
 
        俺の手は今も君と繋がっている。 ]
 
*
*
 
 
(833) 2022/10/24(Mon) 23:21:43

【人】 工藤 彩葉

 
― Stand by me ―

[月明りの下で、俯いた私の目には
千葉くんの手の動きがしっかり見えていて。>>582

照れ隠しの必要は全くなかったと思う。
そんなことしなくても、私は顔を上げられなかったし
隠し事を暴く余裕なんてちっともなかったの、
千葉くんも気付かなくていいからね。

ただ、触れた手を握り返した。
その感触が、楽器と触れ合った時間の長さを物語る。
私の手からは真逆のことが伝わってるんだろうなと、
そう思えば恥ずかしさが別種のもので上書きされて。
急に感じた、秋の夜長と思えないような暑さも
いくらか和らいだ気がした。

千葉くんが何も言わないから、
私も何も言わず。

多分、言えなかっただけなんだけど


昨日より話し声も少ない、暗い帰り道なのに
今日はあんまり驚かないんだね、
なんて頭の中では考えていた。]
 
(834) 2022/10/24(Mon) 23:22:20

【人】 工藤 彩葉

 
[なんで?って思っても>>548
聞かなかったのは、
私も同じ理由だったのかもしれない。>>578

それに気付いたのは、
あるいは考え始めたのは、

この夜がきっかけだったんだと思う。]
 
(835) 2022/10/24(Mon) 23:22:23

【人】 工藤 彩葉

 

 私、この手が
好き
だな。すごく。


[それを伝えられたのは、
やっぱりまだ先の話になったんだけど。]
 
(836) 2022/10/24(Mon) 23:22:26

【人】 工藤 彩葉

 
[思えばその感触を知る前から、私はずっと、
千葉くんの指先を目で追っていた。>>0:460

だからかな?千葉くんが意外と気にしてた
表情の、硬さ?…ではないかもしれないけど、
そっちは全然気にならなかったの。

なんて、今は案外、
笑顔が可愛いんだってことも知ってるんだけど。
言ったら見せてくれなくなるかもしれないから
今のところ、教えてあげるつもりはなかった。

でも、笑顔が見たいなって思うのは。
つまり、そういうことなんだろうなって、
私はもうわかっている。]
 
(837) 2022/10/24(Mon) 23:22:29

【人】 工藤 彩葉

 
[さて、互いの指先の感触を知ったところで、
私がその差について思い知ることになったのは
数か月も経ったころだったかな。]


 千葉くん、どうしよう
 指が痛くて練習が捗らないの……


[どこからどう見ても泣き言なんだけど、
千葉くんならこれで、私が真面目にやってるってこと
わかってくれると信じてるから。

冬の乾燥が私に追い打ちをかけたに違いない]

 
(838) 2022/10/24(Mon) 23:22:32

【人】 工藤 彩葉

 
[そうは言っても、勉強はしっかりしてたし。
複数の誰かさんとも一緒に試験勉強とか
休み中の課題、こなしたりしたかもね。
頑張ろうね


自分の部活も、ちゃんとやっていた。
そういえばユメリンの曲、ついに私も買っちゃった。
それから、前より少し、ロックバンドの曲を
流す機会が増えたかもしれない。


でも息抜きだって大事だから。
いろんな人と、いろんな所へ
遊びに行ったりもしていただろう。
クリスマスパーティーみんなでやらない?
って言ってみたりとか。
補習がなかったらね

お正月も、今度は神社に願掛けに行ってみる?
バレンタインは深く考えず、友チョコ交換しようって
言ってしまって、あとで後悔したかもしれない…
料理上手な友達がいたら、私だって手を抜けないし
すごく頑張って手作りしたと思う。
誰かさんにもお裾分けするね。まだそういう名目。]

 
(839) 2022/10/24(Mon) 23:22:35

【人】 工藤 彩葉

 
[おじいちゃんとの約束を果たせたのは、
三年生になってからだった。

演奏難易度のこともあるけど、
せっかく覚えたんだからって、弾き語りにして。

直接会いに行くのはやっぱり難しくて、
画面越しにはなってしまったけど。
それに意味がないとは思わない。

もちろんそれまでの間、
千葉くんには練習を見てもらっていたから。
『 Let It Be 』は聴き飽きちゃったかもしれないね?

いろんなこと、千葉くんにはもう話していた。>>581
でも終わったあとに、私が伝えたのは]


 おじいちゃん、すごく喜んでくれたよ。
 大好きな曲なんだって。

 千葉くんのおかげだね。本当にありがとう。


[それだけ。それで十分だった。
私にとっても、十分だった。]

 
(840) 2022/10/24(Mon) 23:22:38

【人】 工藤 彩葉

 
[お別れの時がやってきたのは、
それよりもう少し後。

うちの両親は、今は学業に専念すべきって方針で
高校生の間アルバイトは禁止されていたから。
大学に進学したらバイトしてお金を貯めて、
イギリスに会いに行きたいな。
なんて未来の話をしていた矢先のこと。

再び、風邪をこじらせての肺炎で
心の準備している暇もなくて、あっという間だった。

本格的に受験シーズンを迎える前だったのは、
私にとって、幸いだったんだと思う。

家族全員は無理だったけど。かろうじて、
お母さんと私だけは駆け付けることができた。
最期の時の準備を、両親はすでにしていたのだった。]
 
(841) 2022/10/24(Mon) 23:22:41

【人】 工藤 彩葉

 
[幽霊に会いに行ったあの日。
本当はもう一つ、選択肢があった。>>291
孫も、実の娘のことも忘れてしまったおじいちゃん。
でも、おばあちゃんのことだけは忘れなかったから。
このまま一生、最期のその瞬間まで
おばあちゃんのことを覚えていてくれますように。
二人が幸せに暮らせますように。

でも私はそれを選ばなかった。

「私の顔はすっかり忘れたくせに、
 ママのことは時々思い出すんだから、
 愛妻家っていうか何ていうか。」

なんて、笑って言ったお母さん。
もし私が願っていたら、その『時々』を
なくすことができたのだろうけど。
その言葉に、私は笑って頷けなったかもしれない。
代償ってやっぱり、そういうことなんだろう。

結果論になってしまうけど、
私はこれでよかったんだと、心から思っている。
思えている。


でも、もしおじいちゃんが何もかも忘れてしまって、
おばあちゃんやお母さんが悲しんでいても、
私はあの日の選択を後悔しない。
そういう覚悟はちゃんと持っていたつもり。]

 
(842) 2022/10/24(Mon) 23:22:44

【人】 工藤 彩葉

 
[日本に帰ってくるまで、不思議と涙は出なかった。
おじいちゃんの死に顔が安らかだったからかな。

少しの間、学校を休むことになったから
友達にはちゃんと理由を伝えていた。
次に登校したのは週明けのこと。
私はちゃんと笑えていたから、
心配はかけなかったと思う。

でもその前の週末に、私はまたギターを取り出して。
家族のいる家で弾く気にはなれなかったから、
天気のいい日に練習に使っていた河川敷に行って
私はもう一度、あの曲を奏でた。]


 Let it be, let it be
 Let it be, let it be

 Yeah, there will be an answer

 Let it be ... ふっ…… う


[どうしてかな。急に泣けてきて。
歌にはそういう力があるのかもしれないね。
思い出も涙も、全部、
私にとって必要なことだったんだろう。
だから、本当にありがとう。]

 
(843) 2022/10/24(Mon) 23:22:46

【人】 工藤 彩葉

 
[千葉くんの好きな曲を聞いたのは、>>637
気持ちを切り替えた後のことになったかな。
お互いの進路も決まる頃だったかもしれない。]


 あ、その曲も知ってる。
 映画も観たよ、スタンド・バイ・ミー。


[その曲も、っていうのは
『 Let It Be 』の件もあったけど。

千葉くんの好きな曲、今は色々知っていたし>>1:549
なんなら、私もたくさん聴いていたから。
ギター演奏の参考にしたいから色々教えて、
って言ったのは信じてもらえてたんだったかな


だから、千葉くんが普段、
どんな曲を好んで聴くのか私は知っていて。

その歌が単純に、好みだけで選ばれたんじゃないと
わかってしまって。

さすがにね、このくらい続けてると
千葉くんが練習したのかどうかも気付けるし。]
 
(844) 2022/10/24(Mon) 23:22:50

【人】 工藤 彩葉

 

 ……ありがとう。


[お手本を聴き終わって口にした一言には、
たくさんの想いを込めて。

でもそうだね、私もあの月明りを思い浮かべていた。]

 
(845) 2022/10/24(Mon) 23:22:53

【人】 工藤 彩葉

 
[その曲を私が歌って、奏でた日。
私たちの関係は、何か変わっていたかな。]


 それじゃ、聴いてください。
 ……やっぱりちょっと、恥ずかしいな。

 一緒に歌ってくれてもいいんだよ?


[なんて笑いながら。

もう『お礼』という名目も、
必要なくなっていたかもしれないね。]
 
(846) 2022/10/24(Mon) 23:22:56

【人】 工藤 彩葉

 

And darlin', darlin'


(その言葉はもうきっと言えていた>>836


Stand by me, oh stand by me


(少なくとも、とっくに友達と呼んでいた)


Oh stand now


(だからこう呼びかけてみたの 郁也くん)


Stand by me, stand by me


(恥ずかしくて死んじゃいそうだから一時保留)


 
(847) 2022/10/24(Mon) 23:23:24

【人】 工藤 彩葉

 

Whenever you're in trouble


(喧嘩をした日もあったかな)


Won't you stand by me


(それでもまた会いたくて)


Oh stand by me


(教本はもらうんじゃなくて、ずっと借りておくね)


Oh won't you stand now


(返す日は来なくていいと、そう思ってるから)


 
(848) 2022/10/24(Mon) 23:23:28

【人】 工藤 彩葉

 

Oh stand


私もそばにいたい



Stand by me...


そばにいてほしいです。
あなたに、ずっと。


 
(849) 2022/10/24(Mon) 23:23:31

【人】 工藤 彩葉

 

…………おしまい。 それで、感想は? **


 
(850) 2022/10/24(Mon) 23:23:34

【人】 天ヶ瀬 青葉

── 三学期:2−A教室 ──
 
 
 冬休みも明け、今日から三学期が始まる。
 僕は、というと ───
 もうSHRが始まっているというのに
 教室からすぐの廊下で待機していた。
 
 教室の中から、担任の声が聞こえる。
 
      『 えー、今日は在校生を紹介する。
                 入ってきて。 』
 
 どうして、そんな転校生みたいなノリなの。
 だけど、入れと言われたら入るしかない。
 
 僕は大きく息を吸い込み、深く吐いてから
 ドアの引手に指をあて、横にガラガラと開ける。
 
 
       教室と廊下との温度差で空気が流れ、
       ふわりと
スカート
が揺れた。
 
 
(851) 2022/10/24(Mon) 23:26:49

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
  「 は ……
はは
、   その ………
             天ヶ瀬、青葉……です
 
    あの、…病気とか色々とありまして、…… うん
    今日から女子生徒になりましたので ?
 
    えっと、今までどおり ……
             おねがい、
します
 」
 
 
 授業中、いきなり問題を当てられても
 " わかりません! "って元気に即答できる僕だけど。
 
 
『 ええええええええ!? 』
って
 みんなから驚きの顔と声を向けられながら話すのは
 緊張するなんてモノじゃない。
 
 これからもみんなが僕とどう接してくれるのか ───
 実際のところ、怖いよ。

 
 
(852) 2022/10/24(Mon) 23:26:51

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
 席について授業が始まっても
 ちらちら、とみんなが僕に視線を向ける。
 たまに目が合えば 出来る限りの愛想笑いを返して。
 

        そんな中で ────
        僕は今日までの事を振り返っていた。
 
 
(853) 2022/10/24(Mon) 23:26:54

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
 一週間もすれば身体に変化が現れだした。
 まだ微々たるものだったからか、最初の診断は様子見。
 
 一ヶ月経った頃には
 大学病院で精密検査を受けていた。
 僕としては" 願い "のおかげだと理解していたけど
 当然、両親はそうじゃなかった。
 
 原因不明の奇病と診断され ────
 父も母も驚き、悲しんだ。
 毎日、僕の身体の心配をするようになった。
 大丈夫だよと笑いながら返しても
 両親の不安は 顔に見てとれた。

 
 
(854) 2022/10/24(Mon) 23:26:56

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
 それでも僕は" 願い "の事を両親に話せなかった。
 もう女の子の服なんかに興味が無い ────
 家では、そんな顔をして過ごしていたから。
 
 両親に心配される度、
 僕は心の中で" ごめんね "って呟くばかり。
 
 やっぱりね、奇跡のチカラなんかで願いを叶えると
 どこかで つじつま合わせのしわ寄せが来る。
 きっとこれを" 代償 "と呼ぶんだろう。
 
 
      せめて、大人になったら
      せいいっぱい親孝行しようと心に誓った。

 
 
(855) 2022/10/24(Mon) 23:26:59

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
 原因も不明、対処法も不明。
 女性の身体へ変化していく以外は、至って健康。
 そんな状態だから、僕は入院する事も無く
 普段通りの学生生活を続けた。
 
 季節は味方をしてくれて。
 制服の上からセーターを着こめば、
 身体のラインはそれとなく隠すことが出来た。
 
 バスケも厚めのジャージを着て参加していたんだけど。
 ちょうど二ヶ月目 ─────
 男としての筋力が減ったのだろう。
 今まで片手で放っていた3Pシュートが
 ゴールに届かなくなった。

 それを機に、僕は冬休みを挟む形で
 一ヶ月間 学校を休むことにした。
 どうせ ここから先は
 セーターでも誤魔化せそうにないから。

 
 
(856) 2022/10/24(Mon) 23:27:01

【人】 天ヶ瀬 青葉

 
 
 もうほとんど女性の身体になっていた僕は
 この一ヶ月の間に色んな手続きをとった。

 ちゃんとした性別の変更は
 成人してからでないと出来ないらしいけど
 診断書を元に、学校と内密に連絡をとって
 女子生徒として在学できないか打診したり、とか。
 
 ここら辺の細かな手続きは、
 ほとんど両親が主導でやってくれて。
 僕は申し訳なさで、願いが叶いつつあるのに
 それを喜ぶ暇さえなかった。
 
 ようやく、嬉し涙が零れたのは
 女子用の制服が届き、鏡に映る自分の姿を見た時。
 もう三学期も始まる直前の事だった。

 
 
(857) 2022/10/24(Mon) 23:27:03