人狼物語 三日月国


90 【身内】ifかもわからん!【R18G】

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「なんで、怖いわけないやん」

平気ではない。
平気ではないけれど、言動のおかしさをそう見られているとしたら本意でなかった。
自分が恐れているのはあなたじゃない。それを示すために腕を伸ばし、柔らかく手を取る。

それから、『大丈夫』を言って聞かせようと、座ったままあなたを見上げてみて。
いつもどおりの筈の貌からつい先程の色香が滲んでいるように思えて、ふと意識が奪われた。

「…………」
「あ、うん、まあ、せやから……一緒に寝よか」

普段ならその選択に大した躊躇もなかっただろう。
不用意に近付くことに不安はあったが、よそよそしさで傷つけてしまうことはしたくない。
そう言い訳を作った。

期待したものをそのままのかたちで手に入れたのに、
それだけで満足できなくて新たな欲求が生まれる。

「ほんと?」

わかりきったことを確認する。
こんなときにあなたはつまらない嘘をつかない。
傍にいていいことも一緒に寝ていいのも本当のことだ。


手のつながりはそのままに隣へ腰かける。

「とよひ、さっき、こわがってた」

ぼやけた蜂蜜があなたを捕まえる。
傷つけたくないとか、
さわってほしいとか、さわりたいとか、

頭の中はぐちゃぐちゃだ。
この問いかけの目的が心配だけなのな、
もしくは触る赦しがほしいのか
自分でもわからない。

「おれの聞いちゃいけないはなし?」

甘えるみたいに小首をかしげて質問した。

「うん、ほんまに」

嘘はついていない。
そして、それが卑しい正当化だと自覚している。

「怖ないよ」
「キヨくんのことは」

すぐそばに在るあなたが、必死に隠している異様な熱を引きずり出す。
握った手がいとおしくて、もっと触れたくて、心のうちに立ち入りたくて、
「ちゃうねん、自分が、」

「自分がこわい」

「キヨくんが優しいからって」
「もっとひどいことしてまいそうで」

訥々と白状した言葉はひどく散らかっていた。

「……や……その」
口元を押さえて目を逸らす。
「ごめん、変なこと言うて」

「うれしい」

熟れきった果実がぽとりと落ちた。
赦されたと思った。

握られた手を持ち上げて頬にあててもいいと。

「こわくないのも、あまえられるのも、」
「どっちも」

歓喜と熱が吹き出してもうずっとおかしくて
狂った唇は裏のない感じたままを紡ぐ。
欲しがるだけ甘やかしたい。
「ひどいこと」は甘えられたと同義だ。


目がよそを向いてるのがさみしくなった。
とろけた瞳で追いかけて覗きこむ。
赦されたから。


「俺はとよひにさわれると落ちついて、
 そわそわするから、もっとさわられたい」
 

「でも、」
「とよひは俺とでほんとにいい?」
「俺は俺がいちばんしたいことしてる」
「とよひもおなじ?」

あなたのいちばん、おしえて。

甘い甘い許容の言葉を聞く。
とろりと弛緩した表情を見る。
掌に当たる頬の体温を感じる。

そのどれもが堪らなく切なくて、熱を持て余している深奥がもっと強い知覚を求める。

「なんで」
ぽつりとつぶやいた。

「なんでそんなに」


腰を上げる。


ぎし、とスプリングが軋み、深く沈み込んだ。
あなたの両脚を挟むよう、ベッドの縁へ膝立ちになって向かい合う。

「俺のしたいこと」

空いている片手を、あなたの首筋にかける。
髪をはらって指を絡め、親指で顎の下をさする。
シーリングライトのつくる影の下であなたを見つめる視線は淀んでいた。

「知りたい」

「中身まで土足で踏み込んで」
「心も体も好き勝手さわって」
「キヨくんが隠したいと思っても、泣いても喚いても無理やりこじ開けて」

いちばん許容され得ないところを選んでぶつけた。
薄暗い気持ちがあるのは嘘じゃない。

けれども、あなたのことが好きだから、傷ついてほしくなどないから、実際は絶対にしたくないことだった。

「そういう、ことやねん」
「ひどいやろ」
「こんな」

つとめて起伏のないように。
そう思って発した声は、少し震えていた。

視界がぐらりと反転して天井を見た。
遅れて彼が現れて、安心からふにゃりと笑った。

夢心地の貌に降り落ちる暴力と懺悔という名の甘露に浸る。
芯の部分に走る苦味も愛おしい。


繋がったままの手をぐいと引っ張り、
スプリングが軋む音ともにあなたが近づく。


「いいよ」

耳元で囁いた返事は淫靡な顔に合わないほど
穏やかなものだった。
これまで負ってきただろう痛みを労るように
やさしく触れるだけの手つきで頭を撫でる。

「話してくれてうれしい」
「たくさん傷ついてきたんだ」

その性質を起因として体験した苦しみが、
やさしい彼を怯えさせたのだろうと推測した。

「俺はそれだけで傷つかないよ」
「とよひーはそんなので俺を傷つけれない」

安心を与えたかった。
口にした言葉は強がりじゃない本心からのもので、
現に
悦び
はあっても恐怖はかけらと存在しなかった。

顔が見たくて彼ごとごろりと横に転がる。

「とよひー」
「したいこと、本当にそれだけ?」

どんな表情だったとしても大切にしたいなと気持ちが湧いて、
触れるだけのキスをした。
離れてしまえばすぐにでも繋がりたくなって
はしたない考えが頭を塗りつぶしていく。

「おれは」
「体拓いて好きなだけ覗いて侵して」
「嫌じゃない」
「とよひならなにされてもたぶんうれしい」
「いやがってもぜんぶ見て」

どうして許容できるのか尋ねられても明確な答えはない。

想像力の欠如から彼の想定より矮小に捉えている。
ひとりで抱え続けた痛みを分かち合いたいと思った。
でもそれらは本質じゃない。

振り翳せる限りの刃もやさしく取り上げられる。
どれだけ伝わっているかなんて分からないのに、再び虚勢を張ろうにも攻撃的な感情など最早奮い立てられない。

頭を撫でられるとすっかり毒気を抜かれてしまって、あとは抵抗もできず隣へ転がされるままだった。


苦悶と安堵が綯い交ぜになったような表情が部屋の灯りに照らされて、
ぐったりとしたまま、触れるだけの口づけを施される。

「……なんで……そんな優しくしてくれるん、キヨくん……」


再三の問が、再び唇から零れた。

「……………おい………」

宿泊所にいるであろう市川に声をかける。
最初に部屋に入る時は2人じゃなきゃいけなかったのだ(多分)

「…………あ、ちーちゃんせんぱい」

受付の前でスマホを見たり周りを見渡したりしていた。
振り返り近寄る、やや足取りが覚束無い。

「先輩たちいませんねえ、
もうみんなチェックインしちゃったかも。」

それかたまたま見当たらないがとにかく居ない。(時間軸を考慮しながら)

「……二人一部屋らしいですよ」

「なんでって、」

彼の苦しさを消したい。
熱に浮かされてもそれだけは明瞭として存在し、
向けられた問には真剣に答えたかった。

「とよひーだから。
 でもそれだけじゃなくって、」

傍にいたからじゃ足らない。
それだけで悍ましさすら帯びた執着を受け入れられるほど
聖人ではない。
やさしくされたから、息がしやすいから、気質が好ましいから。
どれもが正しくてしかし足らない。

「わからない」
「やさしくしたい理由はたくさんあるけど
 言葉全部集めても違う気がする」

胃の腑を裂いて見つかるものならばどうか暴いて
そんなことを答えれば悲しませることはわかっていた。


「……だから。
 一緒に探したいじゃダメかな」

それがこの場で出せる答え。

「…………………………」

最悪だ…。と思った。
だが同時に他の奴らよりはマシかと思い、心が2つになった。

マシな訳ないので頭を振る。

「入ったら、俺は即寝るからな………………………」

「…………はあい」

もう1人の僕と戦っていそうな先輩をよそに
受付を済ませ部屋へと向かう。

部屋に入る。

布団が敷いてある。2枚の布団は
なんだか近い

「…………」

ちら……と先輩を見る

布団を離した。

え〜と不満の声

「……は……、……照れ屋さんだなあ……」

吐き出す息を堪えるように悪態を着く。
あつい。

ぱっと顔を上げて部屋を漁り始める。
備え付けの冷蔵庫にすげー精力剤が入ってた。

そっと閉じた。

「……喉、乾いた………
飲み物ねぇのか…?」

「……よく冷えたすごい良さそうなのがありますけど、いります?」

再度開き、見せる前に
すげー精力ラベルを剥がしておいた

「フン………寄越せ」

奪い取るように貰うと
すげー精力剤を疑う余地なくゴクゴク飲み干した。

「…?なんだこれ…水じゃね……え……?」

ドクン…ドクン………と心臓が鼓動を早めた。
寝れば治るか!?ふらつきながら布団の方へ向かう。

「栄養ドリンク……ですかね……」

全部飲んだ……

全部飲んだんだ……

[[千葉の様子を伺いながら自分も布団に行ったor千葉にそろそろ……と近寄り、耳に息を吹きかけてみるor効果を確かめるべく任意の場所⤵︎ ︎に触れてみた]]

vil



千葉の様子を伺いながら自分も布団に行った

「………………………」

布団の方を向いて立ち止まっている。

「……ちーちゃん…先輩?」

鼓動がはやくなる。

そ〜……っと、静かに覗き込んだ。

「………」

突然市川の胸ぐらを掴むと、
引き寄せて無理やりキスをした。

「っ?、!ん……」

ビク、として思わず千葉の腕を掴もうとする

腕を掴まれてもそのまま離さない。
それどころか、舌で市川の口をこじ開けようとする。
舌は風邪を引いたかのように熱い。

「…………っふ」