人狼物語 三日月国


225 秀才ガリレオと歳星の姫

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視点:




   「キミがちゃんと宿題を頑張ったことは
        あの子がちゃんと伝えてくれるよ。」





   こればっかりは分からないが
   扱いが問題児ということもあって

   他人の宿題を丸写ししたとか
   そういう中傷を受けても不思議じゃない。
   しかし今回に関しては彼女の努力は本物だ。

   努力は笑われずに報われるべき
   彼は己の信条にいつも従っていた。*






   好きな人に触れることも出来ないなんて。
   寂しくないわけがない。

   でも、きっと私は誰に対しても
   こんな感情を持っちゃいけないんだ。

   天才なんて望んでなったわけじゃないのに。
   制御出来ないままなら、ずっとこのまま。


  



   そして。
   君が私から距離を置き続ける限り。
   私が過去の成功を失敗だったと思い続ける限り。
   魔力制御を覚えることはできない。


  



   勘違いさせてしまったら断る、って聞いて。
   安心してしまったんだ。
   そうだよね、ユスティならそうするよね。

   ……仮に勘違いされたって相手は選ぶよね。
   どんな子を選ぶのかは……

          その先は考えたく、ない。


  



   言われなければわからない。
   君に好きだって言えるほど
   私は自分に自信も持てない。

   曖昧に塗りつぶしたはずの過去は
   今もなお影を落とし続けている。


   それはそうと食欲には抗えない。
   だって、お腹空いたし……。
   ブラックホールとは失礼な!
   ちゃんと上限はあるもん。

   
……人より食べるほうなのは否定しないけど。


  



   友達はほとんどいないし
   先生には多分あまりよく思われてない。
   同級生には基本関わりあいになりたくないと
   そう思われている私だけれど。

   購買にいる店員さんは優しい。
   私の境遇を知ってか知らずか。
   時々これもどうぞ、ってサービスしてくれる。
   その言葉に甘えて、よく買い食いしてるんだ。


   
むしろ人望なんてない方なんだけどな。

   嫉妬されてるとも知らずに
   無邪気に差し出したホットサンドの意図は
   ちゃんと伝わったのか、受け取ってもらえて。

   
受け取るまで私は引かないけどね?


  



   「コロッケも貰っちゃったし、
    宿題はユスティのおかげでばっちりだし!
    
    ここのホットサンド美味しいんだよー!」


   にこにこしながらユスティが食べるのを見つつ
   自分も一口二口と食べて。
   あっという間になくなった。

  



   ユスティが食べ終わるのを見ていよう、
   そんなつもりでいたら。
   宙に浮く紙とペン。
   何を書いてるのかな、って首をかしげていれば
   答えをすぐに教えてくれた。

  




   
「……優しいね、あの頃から、ずっと。」



  



   ユスティの想像は起こりうることだと思う。
   普段の私は、宿題も遅延提出が多い問題児。
   誰かの宿題を写させてもらった、程度なら
   まだいいけれど、盗んで写したんじゃないかとか。
   それくらい言われても不思議じゃないと思ってる。

   私の努力かと言われると
   かなり手伝ってもらったから
   ちょっと自信はないんだけど。


   ズルを疑われないように、という
   ユスティの優しさが嬉しかったんだ。

  



   君が食べ終わるのを見届けたら。
   そうだね、今度こそ寮に戻ろっか。**

  



   エウロパは抜けているところもあるが
   実際そこまで馬鹿なわけではない。

   だからこそ不思議だ。
   何故彼女は一向に制御する術を覚えられないのか。

   それは魔法を扱えないのと同じ
   心の問題を疑うべきなのかもしれない。





   いつか聞いてみてもいいかもしれない。
   なにか魔法を扱うことに抵抗があるのか

   それともなにか心残りがあるのか。
   やや踏み込んだことかもしれないけれど
   エウロパのために必要かもしれないから。






   だがそれを聞けたとしても
   心を都合よく動かすのが至難だからこそ

      魔法とは面白可笑しい代物なのだ。






   「別にボクは優しくしたつもりは無い。
    宿題だってキミがやっただけのこと。

      ボクがキミに向けた優しさなんて
      コロッケくらいだろう?大したことじゃない。」