168 【飛び入り歓迎】Hospital of Delusion ー妄執の病院ー【R-18RP】
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[同時に、なぜかその負の感情を塗りつぶすように感じる下腹部の疼き。
もっとも、これはとある水子の霊からの贈り物ではあるのだが、それを私は知る由もなく
]
少女に贈った「モノ」。
それは、少女の「恐怖」を「別の感情」で塗りつぶすもの。
彼女を貶める為のものではなく。
彼女を堕としめる為のものでもなく。
一切の悪意を含まない。
けれど、どこまでも残酷な贈り物。
彼女がもし、恐怖に心が折れる時が来たら。
彼女がもし、逃れようのない、苦痛に満ちた死に直面したら。
彼女の心が「恐怖」に気付かないよう、心を塗りつぶしてしまう。
彼女が恐怖に折れず、生きて病院を脱出しようとするなら。
塗りつぶされた心は、元の色を取り戻し、やがて贈り物も消え去るだろう。
けれど、全ての人間がこの病院を脱出できない事も知っている。
ならば、せめて。
その最期が恐怖ではないように、と。
水子が彼女の為に、文字通り身を裂いて送ったものだ。
[チハヤが拒もうとしない限り、
彼の頭は胸元に押しつけられることだろう。
温度はない。鼓動もない。死の甘い匂いがする。
そして何より命を刻むはずの場所は空っぽだ。
しかしそれ以外すべて人間の形をした柔らかさが、
彼の頬や鼻をくすぐることになる。]
チハヤ、
[彼が教えてくれた名前を呼んだ。
これまで彼に対して示した態度とは一変して、
紡ぐ音は蕩けるように甘やかだ。]
何も怖ろしくないわ。
気持ち良くて、楽しくて、それだけでいい。
だから早く、いたいのなくしちゃおうね。
[言葉と同じ甘さを持つ指が彼の首筋へ伸びる。
明確な死の冷たさを持って、
少しずつ彼の体温を蝕もうとして。
蹲る彼の上に黒くて長い髪が垂れ下がって。
――夜が満ちていく。]*
君のこの、胸の方こそ
必要だろうに…
[ぼくが漏らした弱音を叶えてくれようとしているなんて、
彼女がそれほど甘いとは思っていない。
それでも自らの身体を使って、優しい仕草で、
丁寧に肌を重ねようとしてくれている仕草に
彼女を見上げてゆるい笑みを溢した。
艶やかな黒糸の流れに視界は塞がれる。
壁に背を預けたまま、彼女の冷ややかな身体を引き寄せ、
温度を混ぜ合わせるように唇を重ねた]**
| ―死体安置室― どういたしまして。 [ >>0:184感謝を告げられれば、女は微笑んでみせる。 この場に対する恐怖という感情が抜け落ちているだけで、探索に慣れていると思われたとは、つゆ知らず。 >>0:185提案した休憩案は賛成を受け、それならばと額に触れていた手はそっと外した。 >>0:178>>0:179妹が見つかるといいと言って、ヒルコが金属製の扉に滑り込むようにして消えるのも笑顔で手を振って見送った。 女にとってはごく当たり前の事だった為に。] (43) 2022/08/11(Thu) 20:38:26 |
| ……? どうかした? [ >>0:186目頭を押さえる“彼”の反応には首を緩く傾げる。] えぇと、私達が会ったのとは反対側の通路を真直ぐ行ったところだよ。 [道を問われれば、今度は女が先導する形で階段を上る。 本来であればそこは、日当たりのよい場所だった。 検査にやって来た患者や、面会にやって来た見舞客、職員が集う憩いの場。 精神病棟の患者となった女が来る事はなかったけれど。*] (44) 2022/08/11(Thu) 20:40:41 |
| ―食堂― ほら、ついた。 [ >>0:213食堂に辿り着くまでに誰かに会う事はなかった。 人ならぬものが見えない彼女にとって、この時間ならば仕方ないと考えられるかは分からない。 女の視線の先に、いくつかの霊が通り過ぎてゆくのは見えたが、様子見をしている様子。 食堂に付けば、扉を開けて中に入る。 当然、人間は一人もいないのだが。 ライフラインが残った部屋は死体安置室よりは安堵できる場所であっただろう。 水を飲んだ後、椅子に腰かけて机に突っ伏すようにする”彼”を見て、疲れているのだな、と眉尻を下げる。] うん。 [15分経ったら、という言葉に肯きはしたが、もう少し休ませた方が良い気はしていた。 女にとっては妹の安否よりも、目の前の“彼”の方が優先される事故に。] (45) 2022/08/11(Thu) 20:41:07 |
| [ >>0:L0病院が闇にゆっくりと飲み込まれていくのを感じた。 同胞達がうごめく気配を感じる。 女の口元には薄い笑みが。] ……ふふっ。 [そうして笑い声が零れ落ちた。 胸に込み上げてくるのは暗い歓喜と興奮だ。 この場所は己達の独壇場であるという感覚。 ■■達を飲み込んでやろうという本能。 愛する人と一緒にいたいという欲求。 愛しているのだから一緒にいて何が悪い? さて、何人引き込む事が出来るだろうか?
沢山いればいるほどいい。 だってその方が ] (46) 2022/08/11(Thu) 20:43:38 |
| [ >>14視線を滑らせた先にいるのは、今も無防備に眠っている彼の姿だった。 雪、というのが彼の妹の名前だろうか。 彼に妹などいただろうか? と疑問は過るものの、泡のように消えて。 >>15悪夢でも見ているのか、“彼”は魘されている様子だ。 彼の身体で何かの気配に気づいたものの、ヒルコのなした事なので警戒はしておらず。] ■■さん。 愛しているわ。 [媚びるように甘えた響きでその名を呼び、無防備な背中に近づく。 悪戯するようにつつ、と冷たい指先が耳をなぞり、そっと息を首筋に息を吐きかける。] (47) 2022/08/11(Thu) 20:45:00 |
[彼女の体重が預けられた机の影から伸びた何本かの影が彼女の太腿に、腕に、身体に、絡みつくように触れる。
ほんのりと湿り気を帯びたそれは太さは様々で、
彼女の身体を這うようにゆっくりと上へ上へと伝っていく。]*
| (a15) 2022/08/11(Thu) 20:54:58 |
[理性を失った者がぶち込まれる豚箱。
外に放ってはならない、ケダモノの巣窟。
欲望に塗れた、獰猛な姿。
嗚呼、それはいつかの──両親
そして、いつかの──自分。
相応しい場所
死ぬのならば、此処──だろうか、と]
[――それなのに。
彼の言葉に一拍、息が止まる。]
……どうして。どうして笑うの。
[それなのに先程までの憔悴した様子は掻き消え、
その笑みは初めて声をかけられた時のような
気の抜けるものだった。]
必要ない。
だって……今から、
あなたがいっぱい注いでくれるんでしょう?
[あなたのためだと優しくすれば、
彼は死の海に浸り続けてくれただろうか。
真実が必ずしも幸せを運ぶ訳じゃない。
望む噓を吐くことだって、意味があるのに。
なぜか、彼の問いに頷くことができなかった。
代わりに冷たい手が彼の頬を撫でて、
瞳孔が開いたままの瞳を大げさに細めて見せた。]
[分からないこと、言いたくないこと、
知らなくていいこと。
結局自身が彼の問いに返したのは半分くらいで、
残りのすべては己が腹の内に沈む。]
チハヤ。
[彼の顔が上を向き、黒糸を下ろす己と視線が交わる。
唯一知る名を囁いて、こちらからも身を屈めた。
サマーカーディガンを手放した彼の白いシャツが、
黒々と染まっていく。]
― 名もなき病室 ―
[闇に溶けた先は、どこかの病室だった。
20年程前には誰かが生きようと足掻いていた場所。
今となっては薄暗く、薄汚れた一室でしかない。
身体を離すことを許さず、古いベッドへ押し込む。
軋んだパイプが耳障りな音を立てた。]
……ん、
[合わせた唇もまた、生者と離れた冷たさがあった。
しかし自ら誘い込んだ腔内は温かく、
瑞々しい唾液がくちゅりと音を立てる。
明確な実体化が感覚さえも鋭敏化させるのか、
舌が顎裏に触れる度、肩を震わせ甘香を吐いた。]
ハぁ、……もっと、
[優しいだけなら現実でもいい。
彼に死の意味を刻み付けなければならなかった。
ひやりとした手が彼の両耳を塞ごうとする。
上手くできたなら、再び唇を寄せて
くちくちと口腔を舌が泳いだ。]
[そうして、触れて、重なって、
埋め込んだ種≠ゆっくりと育てていく。
痛みは彼の意識を少しずつ侵そうとするし、
彼がここから脱すれば、
種≠ヘ何の痕跡も残さず消えるだろう。
あるいは、快楽さえあれば彼の苦しみは遠のく。
痛いのはつらいけれど、
痛いのが消えてなくなるのは気持ちいいでしょう?]
……ね。この夢の中だけが、
あなたに理由を与えてくれるの。
[彼の内側に痛みと音と甘さを注ぎ込んで、
正常な現実から引き離そうとした。]*
ん、んんっ……
[悪夢はまだ続いている。
とはいえ、種類が変わったけれども]
ぁ、いゃぁ……
[妹の死体は目の前から消えた。ここで知り合った女性と男の子もいない。
暗い空間の中、体中に湿り気を帯びたナニかが這ってきている]
ぁ、ぇ……だ、れ?
[体中に絡みつくナニか。それの正体が何なのか判別はつかないけれど、良くないものなのは直感的に分かる。
現実でも、彼女の手によって影でできたナニかが絡みついているのと同期するように、夢の中の何かも同じように私の体を上っていく。
どうにか抵抗しようと体を動かそうとしても、身じろぎするばかりで振り払う事も出来ず]
| ─食堂― [ >>58悪戯めいた触れ方をしても“彼”が起きる事はない。 女は甘えるように後ろから“彼”の首に手を回す。 ぎぃ、と古ぼけた椅子が小さく軋んだ。] (68) 2022/08/11(Thu) 22:07:29 |
[実態を持ったしなやかな影は、彼女を拘束するというよりは下腹部の疼きを煽るように蠢いている。
細いものは器用にボタンを寛げ、服の隙間から入り込んでその柔肌に触れようとするだろう。
太腿に絡みついたものはやがて彼女の下着の上に到達し、布越しに上下にやわく動いて下肢に微弱な刺激を与える。
あえかな声など聞こえないかのように。
あるいはもっと声を引き出さんとするように。
身じろぐだけなのをいい事に、器用に彼女の身体に悦を植え付けようとする。]
| ふふ……、だぁめ。 [ >>59軽い拒否の言葉には愉しげな響きを帯びた声を返し。 意識の曖昧な彼女の頬に鼻を摺り寄せた。]* (69) 2022/08/11(Thu) 22:08:29 |
[しなやかな影の蠢きは、私に確かな恐怖を抱かせ始めていた。
夢で妹の死体を見た時に比べたらなんてことはない恐怖。
未知のモノが私の体をまさぐるように這いまわるくらいなら、妹を失ってしまった時を思えば問題ない。
それでも私の中にいる水子は反応して、恐怖の代わりに快楽を沸き立たせていく。
それに合わせるように、影の蠢きは疼きを煽るように動いていて。
私の体をまさぐ影によって、少しずつ少しずつ、私の体は昂りを感じ始めていた。
肌に触れられれば身じろぎはすれども抵抗できず、敏感な場所に触れられればびくりと跳ねるような反応を見せる。
歌詞に微弱な刺激を与えられれば、もどかしさを感じるように腰を動かした。
もれ出る吐息も艶が出始めていき、微弱な刺激に曖昧な意識で無意識に反応していく]
[埋めてくれる?と問いかけたが、
拍、と息を飲んだ後に答えはなかった
名を呼ぶたびに震える事にも理由があるのだろう。
彼女が頑なに飲み込む言葉を暴きたい]
ねぇ、教えて、タチバナさん
[視界が闇に飲まれていく。
ぼくの姿もなんだか黒く染まっているような気がした。
彼女の白いパジャマと肌を、
黒のカーディガンが包んでいる。
相対的で少し笑った]
……ふふ、かわいい。
[漏れ出る艶を帯びた吐息。
もどかしそうな腰の揺れ。
影の与える刺激に反応を見せる姿に女はうっとりと目を細める。
愛おしくてたまらないというように、耳朶に口づけた後に甘噛みし。
肌理を楽しむように肌の上を動いていた影も、彼女の様子から学習して敏感な反応を示した場所に吸着しようとしたり、強弱をつけて動くようになっていく。
生き物のように服の下を動き回る姿は愉しげですらあった。]
| ─食堂─ 起こさなくってごめんね。 疲れてるみたいだったから。 [ >>72何時、という言葉に、夢と現のあわいにいた“彼”の意識が浮上したのが分かる。 女はそれにいたって変わらぬ調子で応じた。 顔は傍近くのまま、微笑みを浮かべて。 その肩越しに影が轟いているのは夢と疑ってもおかしくはない。] ふふ、一体、どんな夢を見ていたの? どういうって……。 [まだ夢なのか、と問うような言葉には喉を震わせて揶揄うように笑う。 先端が舌のように平べったく変化した影が”彼”の首筋をねっとりと撫で上げ。] たのしい事? (88) 2022/08/11(Thu) 23:57:10 |
[女がゆるりと首を傾げながら答えた瞬間、
下着の裾から侵入した影が、陰裂の表面を擽るように触れた。]
| ね、■■さん。 妹さんを見つけたら、ずっとずっと此処に居ましょう?
[そう語る女の瞳は浮かされたようにどろりとした熱を孕んでいた。]* (89) 2022/08/11(Thu) 23:58:08 |
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