246 幾星霜のメモワール
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| >>69 シヴァ 「何で呪われた装備つけてんの…… とりあえず上着ね」 手近にあった紙と鉛筆を用意し、デザインを描く。 常人が描くのと比較して、明らかに短い時間の後に完成と呟いた。 そうして見せたのは、モノクロのロングコートだった。 「こんなのでいい? 色とかワンポイントとかは要望聞くけど」 (76) 2024/01/28(Sun) 14:16:13 |
| >>70 プリシラ 「構わないよ。これくらいならすぐできるし。 そういうスキル持ってるからね」 生地と糸を鞄から取り出して、目の前で縫製を始める。 その手はミシンのように素早く、精確に動き……みるみるうちに黒く透ける布切れは、蔦、葉柄のストールへと変わっていった。 「こんな感じで。 今回は試作品だし、欲しいならプレゼントするよ。 代わりに、身につけて街を歩いてほしいけどね。可愛らしい広告塔として。 こういった服がほしくなったら、是非僕のお店『Moordag』に来てほしい。 プリシラは美人だから安くしておくよ」 と、ウィンクをしてみせた。 (77) 2024/01/28(Sun) 14:36:25 |
| エリーは、カリナからの視線を感じて、そちらに視線を送った。 (a9) 2024/01/28(Sun) 14:37:16 |
| >>74 アンジュ 「ふむふむ……それなら業務提携なんてどう? 僕は患者の傷を隠す装飾を作るからさ。 アンジュもただの薬師じゃなくて、そういう紹介……アフターケアができる薬師だって評判になれば、多くの人の体と心を救えるだろうし。 どうかな?」 (78) 2024/01/28(Sun) 14:40:01 |
祭りの賑わいで隠された裏側。
聖女の祝福を賜った証である聖杯の形の痣を、静かに撫ぜる。
「聖女様のお気に入りになるのは大変だね」
他の参加者にも現れた痣を光らせ、祝福をより強いものとする。
それが聖女から自分たちに与えられた密命だ。
「……そっちはどうかな?やりきれそう?」
| >>79 アンジュ 「それじゃあ是非」 あなたに右手を差し出した。握手を求めて。 「まずはアンジュのお店に行ってみたいな。 僕もいくつかほしい薬があるし。 ……あと、すぐに人を良き人だなんて信じすぎるのは危ないよ。 アンジュみたいに可愛い子を騙そうとする悪い男は沢山いるだろうからね」 (82) 2024/01/28(Sun) 15:56:42 |
| >>84 シヴァ 「こんだけやってればスキルでちょちょいのちょいだよ。 ていうかよくそんな遺跡に入ったね……」 呆れるようにしてから、あなたの反応を伺う。 うん、想定通り。とりあえずここは…… 「即金で5000万G……って冗談だよ。 明日までなら素材も考えれば結構高いし15万ってとこかな。 特にオプションはなしでしょ?」 (89) 2024/01/28(Sun) 18:14:01 |
| >>86 プリシラ 「あんまり見ないだろうしね、こういうスキル。 持ってる人は部屋の中で縫製してるだろうから」 所持しているのが露見すると、まぁ間違いなく馬車馬のように働かされるだろうし、スカウトなどもあるだろうし。 自分の店を持っているからこそ披露できるスキルだ。 「その華が咲いたような笑顔で歩いてくれたら一日でお代以上のお客さんが来てくれそうだよ。 地図で言うならこの辺りだけど……街には慣れていないんだっけ? 案内した方がいいかな? 途中でナンパされても困るしさ」 (90) 2024/01/28(Sun) 18:18:59 |
| >>88 アンジュ 「薬に関しては個人情報だから後でこっそりね。 露店には……いつ案内してもらおうかな。 アンジュの都合のいい時でいいんだけど。 僕の店は僕の気分次第で開け閉めしてるし」 常連になるかもしれないし、そうでなくても提携先なのだから……できるだけ早めに行っておきたい。 「ま、悪人が出たら教えてよ。 追い払うくらいならしてあげるから。 変な契約とか結んでもまぁ……なんとかできるし」 (91) 2024/01/28(Sun) 18:22:24 |
「言うと思った」
あなたの体に触れようと手を伸ばしても空を切るばかりで。
あなたの心に触れようと言葉を尽くしても木霊するばかりで。
虚像をすり抜ける刺すような冷気を感じているのはきっと私だけ。
ひとつ。またひとつ。
一緒に居れば居るほどにすれ違うような気がした。
そのどれもが劇的なひとつでなくとも、積み重なって隔たりを生み。
そうして何者も入る隙の無かった筈の距離は、一人分よりも広い空虚が占有してしまった。
それでもか細い糸を切らないで居るのは、あなたと二人きりの時間が女にとって孤独のどん底だったから。
あなたは世界で祀られる聖女だけれど、私の世界はあなただけだった。
──思う。
あなたと私は『ずっと一緒』だと祈った言葉は置き去りにしてきて良かったのだろうか。
なんて。帰るのを望んでいるのは私の方なのにね。
「一緒に?リッカってそういうことできるの?」
無邪気な言葉に大きく首を傾げた。
毎度のことながら今回は更に突拍子もない。
時間だとか、他人の目だとか、そもそも何をすれば良いのか。
疑問は尽きない。
だからだろう。また"いつもの"だと先入観が本当に無邪気か判別させなかった。
「はあ……私が考えることじゃないよね。
リッカだったら何でもアリなんだろうし。
いいよ。一緒に行こう」
疑問を隅に置けばあっさりと了承。
誘いそのものは断るつもりは無かった、というよりは諦めていた。
無意識にまるで頭を撫でるかのように持ち上がりかけた腕が止まってだらんと垂れた。
たとえ相手が正真正銘の聖女でも子供のお願いには弱いのがファリエという女だった。
あなたの前に姿を見せるようになって幾年。
無邪気に振る舞い笑う聖女。
けれど、その手を求めたことはない。
今も同じ。
1度持ち上がりかけたその手に疑問を抱くこともなく。
ただあなたがその提案を
受けて
くれたこと。
それがどうにも嬉しいようで、やんわりと目を細めている。
―――この世界をつくりあげた聖女。
望めば何だってできる。
きっと造作もないのだろう。
あなたが誰にも不審に思われないように、ともに祭りに参加するのなんて。
決して夜しか姿を見せることのできない聖女ではないのだ。
ではどうしていつも夜にしか姿を見せないのかなんて。
その答えを知るのもまた、この聖女当人だけ。
「 …… ファリエ 」
「 絶対 、やくそくよ ? 」
鈴の鳴るような声がいう。
だからと絡めるための指が持ち上がるでもなかった。
そんなものを絡めずとも、交わしてしまえばそれは約束に変わりない。
……そしてあなたは、この約束に応じてくれると思っている。
"デート"を承諾してくれたのと、同じように。
| >>94 アンジュ 「それなら明日ね。 待ち合わせはここにする? それともどこか…… そうだね、飲食ができる場所とかでもいいよ」 トントン拍子に話が進んで、エリーもどこか機嫌がよさそうだ。 「うん、少し困ったくらいでもいいからね。 店舗を持つ先輩として、アンジュがいい腕なら是非店舗を持ってほしいしさ」 (99) 2024/01/28(Sun) 21:16:01 |
「魔女ちゃん頼りになるぅ。番犬お役御免だぁ」
もうこうなったら三頭身くらいに自分を改造して、
使い魔とかマスコットポジション狙っていくしかねえ!
「表立って言いにくいこと。
ねえ、魔女ちゃん、生活音と思考から判断して、
もしかしたらだけど今、
早速誰かとデート始めようとしてない?」
女にとってそれは然程特別ではない。
特別な関係だからこそ、普通。
まだ変わらないでいる部分はあなたの望む言葉を紡ぐことができた。
紡がれた細い糸が結び目をつくる。
「うん。約束よ」
もう腕を上げることもない。
簡単な提案は簡単な口約束で済ませた。
まるで念押しのような言葉にも聞こえて違和感を覚えつつも。
女は聖女とともに祭りを楽しむこととなった。
教会に呼び出された日に、祝福を受けた者たちの中で女は思い巡らせていた。
果たして彼女には望みというものがあるのだろうか。
女は望みがあった。
時間とともに変化しつつも、望みをあなたに投影してきた。
世界にそれができるにはあなたしか居なかったから。
人間らしく自分勝手に傍に居た女は、あなたに感謝する気持ちも皆無じゃない。
あなたの考えを問うた事は今まで無かった。
一方でいつもこうして密やかにパズルを組み立てるような時間で代替する。
どうして己のところにだけ現れるのか。
信仰心に篤い者は他にも数えきれないほど居る筈。
全能の聖女の気まぐれなのか。
それとも満たされる何かを求めているのか。
ちっぽけな人間の尺度でしか図れない女にとっては、そんな思考も堂々巡りになるばかり。
約束の日まで結局いつものように、まあいいかと不揃いのパズルを放り出して終わった。
「あっはは、まさか!
ちょっと遊びに出かけるだけだよ。
別にお互いに何も本気じゃないでしょうし」
「……それと……もしおませな妖精をするようなら、
今からでも強めに引っ叩きに行くけど?」
生活音と思考ってどこまでわかっちゃうのかな?
揶揄されることよりそっちが気になる乙女心。
「ヒェ!! 嘘です親し気に出て行った感じ見てました。
実際通信してる内容しか聞こえてきませんが、
念のため俺様ちゃんオフラインモードに移行します!
魔女ちゃんSir!」
直接打撃が飛んでくる距離ではないのに、
この身体になってから久しく感じたことない看破到来。
来世は蛙かもしれない。蛙化男子。
「ま、こっちもデート中だからお互い様だし、
明日には俺様ちゃんバラバラに分解されてるかもしれないから。
その時は組み立てよろしくって言いたくて」
そのとき二人で組み立ててくれたら早いなって。
| >>101 アンジュ 「わかった、それならそのカフェにしよう。 時間も任せるし、なんなら朝から待ってようか?」 冗談交じりに言って。 「うん、素直なのはいいことだと思う。 僕はアンジュの味方だから、いつでも頼ってね」 (102) 2024/01/29(Mon) 0:43:32 |
| >>103 アンジュ 「ん、それならまた明日の朝に。 今日はここで同じ境遇の仲間と交流でも深めようか」 教会に残る人々に視線を向けて。 (104) 2024/01/29(Mon) 1:56:47 |
「滅多な冗談言うものじゃありません!
びっくりしちゃったでしょ〜?
魔女のプライベートは素敵な秘密が多いんですよ」
まるで春麗かな調子。
それでも萎凋の力を扱う魔女となれば、
寒気を送り込むことなど容易い。のかもしれない。
「えっ、分解されちゃうの?
野暮用で古代文明や遺跡のこと学んでるとはいえ、
例えばオートマタとかのことはちんぷんかんぷんよ?」
単純な仕組みだといいけど。
専門は植物なのに何だか金属っぽい頼み事が舞い込むこと。
「……こんなこと言ってるのに、私を救ってくれるの?」
大事な友の目的は痣を光らすことではなく救うこと。
「ごめん、正直仲違いするのが怖かったから。
そんな風に言われると、やっぱ嬉しい。
言ってることぐちゃぐちゃだよね」
その意思を汲むには私は自分の意思を曲げられず、
否定し拒絶するにはあなたの心が酷く純粋に見えてしまっている。
「私は……」
私が救ってほしいのは。
本来此処に居るべきだった子。
一先ず大きく息を吸ってから片手をあなたに伸ばしてその手に触れようとする。
「皆が私と同じかはわからないけど。
似たようなことを考える人はいるかもしれない。
むしろ、救いの言葉を無視して攻撃してくる人がいるかもしれない」
「だからその……情報、共有とか。
出来る限りで、私もあなたの救いの手助けをさせてほしいの。
痣が光らせる覚悟は今の自分にはないけれど、一人で頑張らせるのも嫌。
……虫がいいかな……?」
くすり、と。
笑んだ聖女は、くるり。その身を翻す。
「 ――― ほんとうに たのしみ! 」
無邪気そうな声が鳴って。
次の時にはすう、と空気に溶け入るように消えてゆく。
本当にあっという間に、
その姿はその場からいなくなっていた。
「 またね 、ファリエ 」
姿なきまま、その声だけがあなたの耳へと届く。
それを最後に、聖女の気配はどこからも消えてしまっていた。
夜更けの街。
凍えそうな冷たい夜だけれど、この日雪は降らなかった。
ただ、寝入る子どもたちから、すやすやと小さな寝息の音だけが聞こえているようだった。
| >>105 シヴァ 「はいはい、男の子は大変ですね〜。 子って歳でもないだろうに、もう」 適当に流して、客の様子を見る。 一通り見た感じ、もう問題ないだろう。 「好きにすれば。 鍵閉めとか残った客の接客とかはスタッフに任せてもいいから、僕はもうあがれるよ。 あとの作業は閉店の札出すくらいだね」 オーダーメイドで注文を聞く必要がある客はいなさそうだ。 既成の衣装の丈を合わせるくらいならスタッフでもできる。 会計所から閉店と書かれた札を取り出しながら言った。 (109) 2024/01/29(Mon) 19:53:05 |
| >>106 プリシラ 「へぇ……人は見かけによらないんだね。 どっちにしても、僕が勝手に心配してるだけだから」 腕力なんてなくても人を無力化する手段があるのはそうだ。 魔法なり、技術なり、道具なり……なんでもある。 けれど、最も手軽な腕力という手札を持つのなら実際に心配無用なのだろう。 「別に気にしなくてもいいのに。 おすすめの屋台は……好みの味にもよるかな? 辛いのならここからずっと行ったところにある火吹き亭が出してる屋台がおすすめだし、 甘いものが好きなら西の通りに色んなのが集まってるし…… プリシラはどういうのが好きとかある?」 なんて聞きながら、色々な屋台を教えていく。 「食べ歩きでもし服が汚れたらすぐ綺麗にするから、気兼ねせず好きな食べてきてね。 汚れを落とすのは得意だから。待ってるよ、お店で」 (110) 2024/01/29(Mon) 20:00:41 |
「カリナさんは別に、たぶん……悪いことをしているわけではないでしょうから」
何か理由があってそう言っている。
勢いだけじゃなくて、何かがあるからそう口にしている。
言えないけど抱え込んでいるものがあるのは伝わった。
――勿論、神託を戴いたからには使命は果たさねばならない。
少しだけ、自分勝手な順序を付けるだけ。
気落ちする彼女の手が自分の手に触れられた。
あなたよりも色濃い手は未熟で細いはずなのに、あなたの手は自分よりも小さく見えた気がした。
「……それは、そうですね。何かがあって荒事になっては私に勝ち目はありませんから。
あの中には戦闘に慣れた人もいますから、カリナさんの言う通り情報が欲しいです」
あなたを利用する形になるけど、願ったりかなったりだった。
一人でも多くの情報提供者がいれば救う人がより増やせる。
――それは一方的で、優位なものだけど。
「そんなことはありません。お力を貸してくれるのなら百人力です」
あなたに触れられた手にゆっくりと自分の手を添えて、小さく微笑んだ。
「えー、でもカワイイ女の子とテレパシー繋がってさー、
二人の秘密共有してぇとかなったら、
俺様ちゃんも男の子としては
期待していい場面だって思ったんだけどなー。
おかしいなーフラグどこだろう」
ワンチャンあると思ったんだけどなーワンチャンだけに。
オーケーオーケー、そういえば"魔女"という生き物は"秘匿"で強くなるんだっけか。
「いや、今のとこ大丈夫だった。
むしろこっちがバラバラにしちゃうかも。
オートマタはちんぷんかんぷんでも、
人間については多少理解あるから
バラバラにしても治せたりしちゃう? 魔女ちゃん」
今相談されてることを一番荒っぽく解決しようとしたら、
目の前に居る"彼"、バラバラになっちゃう事態なんだよなー。
「ないない、詩人の唄の聞きすぎですよ。
テレパシーができるからといって、
相手が秘密を守る保証なんてないじゃない。
お花に内緒話する方がよっぽどいいわ!
或いは、もっと好感度が上がったらどうかしら」
今はあからさまにノーチャンらしい。
秘め事、お呪い。魔女がそういった類に強いのは違いなく、
頗る呑気そうに見えて、魔女の自称は伊達じゃない。
「
もしかしてもう荒事に巻き込まれてる?
……生き物ならまだ手に負えるかもですけど、
人間がバラバラになったとき必要なのは、
魔女の手じゃなくて聖職者たちの祈りだと思うわ」
蘇生にしろ葬送にしろ、だ。
「間に合うならすぐ向かうけど、大丈夫かな。
できればあまり無茶しないでほしいのだけれど……」