人狼物語 三日月国


87 【身内】時数えの田舎村【R18G】

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【秘】 額縁の外 卯波 → 夕凪


「時任の姉さん」

その姿の、名前を呼ぶ。
モモちゃんは多分自分と姉しか知らない秘密の、と言ってたけれど、やっぱり他に知ってるひとがいたのか。

「……悩んでるわけじゃないんですよ。
 相談できることでもなくってですね。

 ええと……何から言えばいいかな。
 俺、あともう一年早く生まれてたらな、とか
 もっと女の子らしくしてたらな〜、とか、
 ありもしないことを考えちゃってて」

結局のところ、この感情は吐き出し口を見つけられずにくすぶっている。なら、堰きを外せば、あとは流れるまま。

「兄さんたちには敵わないな、
 って、帰省してからずっと思ってて。

 ……ちょっとだけ、現実逃避に縋っていました」

ありもしない記憶、切り取れない記憶は、
今ある情景と同じ色をしている。
(-40) 2021/08/13(Fri) 1:35:34

【秘】 君ぞ来まさぬ 百千鳥 → 夕凪

「────ああ、そっか」

 そうだった。
 
この双子の兄姉は、いつでも二人一緒に居て当然じゃないか。

 一度そう思えば、それは大した違和感も無く懐に収まった。

「ごめんごめん、なんかうっかりしてたみたい。
 それじゃあ夕凪姉、夜凪兄。
 モモチ、一度みんなのところに行ってくるね」

 いってきます、なんて微笑む夕凪達に手を振って
 踵を返して、独り言のように呟いた。

「呼子お姉も、そのうち来てくれるかなあ」
(-41) 2021/08/13(Fri) 1:41:29

【秘】 夕凪 → 額縁の外 卯波

迷子になった自覚がまるでなさそうに。
ここにあなたがいるのを何もおかしく思っていなさそうに話しかける。
みんながここに来るのを純粋に望んでいるのだ。

「一つ年上……あっ、『あの中』に入りたかった?」

ポツリとつぶやいた言葉は歳の壁同級生という大きなくくりの世界の話。
一つ以上あぶれた世界に自分たちも居座っていた。

「夕凪たちと一緒の悩みだ。
 だけど―――卯波のほうがもっと辛そう」

夕凪たちは二人、でいたから。
一人の時間とは無縁だった
、大人になるまでは。


「女の子らしくって言うのはどうしてか聞いてもいい?
 卯波甘えるのが苦手、というよりは追いつけないのが悔しいのね。
 知識とか運動神経は今はまだ成長期ってやつだとおもう、わよ?
 だから敵わないっていうより……もしかしたら、まだずっとずっと遠く見えるんじゃないかな」
(-42) 2021/08/13(Fri) 1:50:07

【墓】 夕凪

昨日向かった川辺に夕凪は一人で座っていた。
描き途中だったページに描きたされていくのは皆の姿。

「写真じゃ、ないし」

どこか気に入らなかったのかそのページを破ると一人一人の姿を書き始める。

編笠、青嵐、涼風、髪置……卯波、茜、百千鳥。

「みんな見た目変わったね、またしっかり顔を見たくなっちゃった。正確にかけないと悔しいし、……みんな忙しいかなあ。
 ゆっくり羽を伸ばすだけじゃなくて、ずっとここにいればいいのにな」

夏の空に独り言を飛ばして夕凪は、あなた達を探しに行った。
誰かと会いたかった、スイカをくださいなと八百屋のおばさんとお話をして、誰かと会いたかった、スコップやバケツを色んなところから借りて、誰かと会いたかった、少し大きめの車を借りて、忙しないはずなのに疲れを見せずに楽しそうにしていた。
(+6) 2021/08/13(Fri) 2:01:56

【秘】 額縁の外 卯波 → 夕凪

「女の子らしくしてたら。
 もしかしたら、親友とかそういうのとはまた別に、
 あの輪のどれかにくっつけたんじゃないかって」

仮面ではなく、ちゃんと心からの、
悪戯っぽさそうな表情を浮かべて。

一ノ瀬卯波の性自認や嗜好はあやふやだ。
『この身体は男』くらいの気持ちでしかない。

冗談ですけど、なんて笑うものの、
その瞳は本気だった。

「でも、結局は追いつきたいんですよね。
 ……俺が成長する間にも、
 みんなは見ないうちに俺の遠くを行ってた。

 晶兄なんか背中を追いかけて、
 警察学校に入ることになってた。

 ……それを見て、追うはもう疲れちゃったんだ」
(-45) 2021/08/13(Fri) 2:03:22
夕凪は、海に行く準備をしながら村を歩き回っている。
(c8) 2021/08/13(Fri) 2:03:32

【秘】 夕凪 → 額縁の外 卯波

「……夜凪は、あのグループの中で編笠が特に好きなんだけど」

唐突な話題転換だった、双子の弟の話。
彼らから見た、彼らの話。

「理由がね、面白いからだった。
 ちょっと変な喋り方してさ、みんなと混ざって遊んでるのに笑ってなくてなんでって聞いたら楽しいよって。構いたくなるほど好きで、離れ離れになっても会いたいなってずっと話してた。
 特別な関係になれたら……距離は変わっていると思う、だけど今出会った編笠はちゃんと今の夕凪たちを見てくれていたよ。

 それってさ……みんなをいつも隣に来てくれるのを待っていてくれたんだと思う。
 卯波をおいて言ってるのは、卯波じゃないかな」

ゆったりとした喋り方が妙に違って聞こえたかもしれない。口調もなんだか、普段より女性らしくない。
だけど目の前の存在は夕凪そのもので。

「追うのに疲れたら、捕まえよう。
 先に走らないでって、夕凪は、そうやってお兄ちゃんたちに怒ったから。
 同じことをしようってんじゃない、してもいいの。
 我慢しなくていいんだよ、卯波」
(-48) 2021/08/13(Fri) 2:50:32

【秘】 夕凪 → 少年 編笠

秘密基地の近く。
あなたは通ってくれるのだろうか。
ただその入り口を眺めている。

「……
寂しかったら本当にここで、遊んでくれるの?


誰もいないのにそう呟いて、石段に腰をかけて目を閉じていた。
(-49) 2021/08/13(Fri) 2:59:56

【秘】 額縁の外 卯波 → 夕凪

「編笠?編笠、編笠編笠晶晶晶って。
 ああそうなんだ。時任兄さんもそうだったんだ。
 やっぱりあの人は僕に無いものを全部持ってる。

 晶兄は僕のことをどこへだって行かせたくないって言うのに、それなのにまだ選ぶ自由がある!

 ずるい、ずるいずるいズルいズルいよ!
 どうして!?僕は、ただ同じように───」

笑っている。笑う以外の表情を作れない。
笑ったまま、怒気をまき散らして、
突然深々と吐いたため息で、それを打ち切った。

あなたのそれは、優しさによる言葉だったかもしれない。
だが、彼にとっては。この上ない『地雷』だった。

1日目の夜、あなたは編笠と運命を分かち合いました。
あなたは編笠と運命の絆を結んでいます。
つまり、あなたは
殺意満々
なのです。


「分かったようなことを言わないで。俺、は晶兄だけには絶対負けたくなかったんだよ。それだけだったんだよ。

 今の卯波を見て、愛してくれてることなんか知ってる。ほんとは、俺が弱いままじゃいられないから拒絶してるってことも、知ってるよ。でも、俺は」

       「強くなりたかったんだよ」

守られる子。閉じ込めて逃がさないようにする子。
そうじゃない。もっと対等に、付き合いたかった。
(-51) 2021/08/13(Fri) 3:08:51

【秘】 夕凪 → 額縁の外 卯波

「へっ? 卯波?」

なんとも素っ頓狂な声を夕凪は発した。

「落ち着いて、卯波。ごめん、
が間違ってた。
 ―――だけど贔屓目に見て、面白いんだよなあ編笠って」

あはは、と声を思わず出してしまって。
つい、うっかり、繕うのもやめてしまった。

「なぁ、本当に勝てそうにないのか? 卯波。
 僕さ、今ので卯波のことめっちゃ好きになったよ。
 可愛いし、格好いし、面白い」

夕凪の顔をした少年は、10年ぶりに笑いかける。
あなたの叫びを聞いたのに、やけに愉快そうに。
決して馬鹿になどしていない、だけど、少しだけ口元を緩めて。

「負けて悔しいなら、やっぱり捕まえにいこうぜ。
 田舎の夏はこれからなのにいじけて過ごすのは勿体ないだろ?
 将来の夢が警察官だからって、追いつけないわけないんだから」
(-53) 2021/08/13(Fri) 4:20:14

【墓】 夕凪

>>a14 青嵐

「……青嵐くん! 駄菓子屋で何のよう?
 夕凪が驕ってあげようか」

海に向かう前、村のあちこちを歩き回っていた夕凪は駄菓子屋で見つけた背中に声をかけた。
にこりと、楽しそうに顔を出して冷凍庫を見る。

しかし現れ方は、まるで幽霊のように。
さっきまで姿が見えなかったの突然出てきたかのようだった。


「驕るついでに、訪ねたいこともあるんだけどいいかな」
(+9) 2021/08/13(Fri) 4:31:33

【秘】 額縁の外 卯波 → 夕凪

       ・・・
「───時任の兄さん」

その口調で、ようやっと、
今誰が話しかけてきてるのかを理解する。
反して、やっぱりこっちは背伸びを繕って。

「……俺は疲れたんですってば。
 でも、馬鹿にしないでよ、時任兄さん。
 俺が写真を撮り続けてる理由ってのは、
 みんなの思い出が褪せないようにってだけじゃなくて。

 警察官になった皆とまだ関わってられるように、
 『記者』になりたいから。今も頑張るんです」

そうしてようやく、
十年前から変わった夢の形を、教える。
(-55) 2021/08/13(Fri) 4:44:18

【秘】 額縁の外 卯波 → 夕凪


「追うのはやめたけど。まだ勝てるなら、
 あなたの言うように捕まえられるなら。

 ……少しだけ前向きになってもいいかもしれませんね」

貼りつけたものではない、
ちゃんとした微笑みを浮かべて。

「今日は確か、海に行くんでしたっけ。
 ついていこうかな。
 ここは居心地がいいけど、何にもないから」
(-56) 2021/08/13(Fri) 4:46:15

【秘】 夕凪 → 額縁の外 卯波

「騙していたわけじゃないからな。
 ここに来てから突然――入れ替わっちまった。
 いつの間に夕凪になってるんだ…まあいっか。
 なんか寝ぼけてるんだろう、夕凪の声遠くから聞こえるし」

あり得ないことを当たり前のように受け入れている。
あなたに不都合なところはきっと聞こえていないか疑問にすら思わないだろう。
なぜならば今この空間は夢の中だから。
どちらにしろ、今は片割れしかいない事実は変わらない。

「馬鹿になんかしてないって可愛いなあ。
 だけど、つかれちまったなら甘える先は見つけておけよ。
 夕凪も"もっと上の兄さんたち"にベタベタだ」

拗ねたように口をとがらせれば、ころっと表情を変えて戯けたように笑う。

「そういえば編笠も秘密基地、知ってるかもしれないんだって?
 安全なところから見下ろしていたら、むかつくよなぁ。

 うん、やっぱり海いこうぜ、編笠も引きずって。
 僕、卯波がいないとつまんないし。夕凪たちにとって一番の撮影係は卯波なんだ」

手先が器用な悪がきのまま成長をした青年は、それはもう自由に、
永遠の夏を思うがままに楽しもうとしていた。
(-57) 2021/08/13(Fri) 5:10:47

【墓】 夕凪

>>29 青嵐

「驚かせちゃった? 今海に行く準備しててね。
 村中歩き回ってんの。
 青嵐くんバイトしてるんだ、えらいね〜。
 夕凪たちは大学生になってからだったよ」

それじゃあお言葉に甘えて。チョコミントを。
昔はイチゴ味があれば飛びつく子供だった夕凪。
チョコミントを好きな夜凪は少し珍しかったのを覚えていてもおかしくはない、たまにゆずってやりながら二人でそれぞれの味を分け合っていた。
きっと今も弟のことを思い出しているのだろう。

「難しいことじゃないよ、
 青嵐の、好きなこのタイプを知りたい、なって」

年上のお姉さんから繰り出されるあまりに突拍子も無い質問。
照れた様子も不思議と無く純粋に気になっているように思える。
(+10) 2021/08/13(Fri) 12:33:50

【秘】 額縁の外 卯波 → 夕凪

「入れ替わったって……また珍妙ですね。
 頭でもぶつけたりしませんでしたか」

よくあるパターンをなんとなく言ってみる。
それもフィクションにしかない話なのだが。

──夕凪と夜凪はちゃんと、
  ひとりずつ、いたはず。
  でも口振りからすると……?

なんて、少しだけ思ったのだけど。
もし違った時恥ずかしい思いをしてしまう。

「甘える先、か。
 俺はちょっとこう、一線引いちゃうと言いますか。
 ……なるだけできるよう努力してみます」

甘えるのにも努力が必要で、息苦しい日々だ。

「時任兄さんも知ってたんだ。
 うん。少し話したけど、晶兄も、
 多分この秘密基地のことを知ってます。

 ……暴く気はないですけど。田舎でずっと遊ぶのも悪くないかなって思いますし、それでも……そう!やられっぱなしは気に食わない!から!

 横で撮らせてくださいね。あれだけ言わせたんですから、遠くからじゃ嫌ですよ」
(-74) 2021/08/13(Fri) 13:10:46

【墓】 夕凪

>>39 青嵐

「一緒に行こうよ、いっぱい遊ぼ? 時間が無くても強制連行。
 趣味のためにお金稼いでたなんて、結構しっかりしてたんだ」

後ほど車もでるし、徒歩でもいけることを伝えて。
スイカ割りやいろんな事をしようと提案をした。
多分無理にでもつれて行かれる気はするだろう。

やんちゃなまま変わらず大きくなっていたと思っていたのに。
お金も大学のこもしっかり考えている話を聞いて、心の中で子供扱いしていたことを謝罪をした。

それにしても
青嵐は可愛いなあ。

ここにきてからみんなが愛おしくなってばかりだ。

「そうだよ、彼女にしたいタイプ。
 あんまりこういうのは……・夕凪には聞かせたくないことかな?」
(+12) 2021/08/13(Fri) 18:28:19

【墓】 夕凪

秘密基地にいるともだちと、内緒話をした。
元気がなさそうだからどうしたの、って。
寂しかったのは、夕凪たちだけじゃなかった事を知った。
なんだか、ここのみんながもっともっと好きになった気がする。

頭打ったのかと心配されてしまった。

「……頭を? わかんないや。
 痛いところはないから気にしないで」

一瞬、視界が揺らいだような気がした。すぐに戻った。


「無茶はしないでね。
 みんな
や夕凪
にとってこの夏が楽しいものにしようね」

夕凪は、この田舎の夏を楽しんでいる。
何もおかしくない、おかしくない、そうだ、なにもおかしいところなんてない。

「傍で撮ってよ、車の準備をしたら呼ぶからね。一緒に行こう?」

みんなもたくさん誘って、と、海で遊ぶ約束をした。
海に行くまでのちょっと、二人だけの時間だった。
(+13) 2021/08/13(Fri) 21:11:03

【墓】 夕凪

>>47 青嵐

「笑顔が可愛い子? やっぱり笑っていてほしいものかあ。
 そっか、青嵐はそうだったんだ」

一つ、また知りたいことが知れた。

聞こえない声を気にしないようにして。


あの子が知りたがってたんだ。

誰かのために、なんでだっけ。


「でもちゃんと好きな子にはアピールしないと青嵐ほどの格好いい子でも逃げられちゃうからね、気をつけなよ?」

複雑そうな表情をしていたのは答えが不快だったからではない。
文句がない答えで、青嵐らしいと思ってしまったからだ。
なんだか嬉しそうな、それでいて寂しそうなそんな表情を浮かべた後。
コロリと明るい笑顔に戻れば買って貰ったアイスを大事そうに抱える、一歩下がりあなた背を向け振り返った。

「それじゃあ、引き留めてごめんね。また後で!
 アイス美味しく食べるからねっ」
(+14) 2021/08/13(Fri) 21:19:32

【墓】 夕凪

 海に着いて紙を広げて描くのは宵闇と清和と御山洗の姿。
 目の前にいないのに正確にはっきりと描いているのは。
 あなた達を夢の中で見たから。きっとそうだ。

「〜♫ やっぱり海はいいな。
 ずっとこれなかったから、筆がとても乗る」

鉛筆でとんとんと、紙面たたいて。
あっという間に描けたあなた達を破って、風で飛ばされるのも気にせず適当な場所に置いてけぼりにする。荷物の下に置いたから迷子にはならないと思う。

「―――、宵兄さんはそう、ね、画になるって感じ。
 編笠 くんは今度は服のまま飛び込むのはやめておきなよ?」
(+15) 2021/08/13(Fri) 22:06:37

【墓】 夕凪

「そう?
 じゃあ今はそんなにテンションがあがってないって意味?
 こんなに美人がそばにいるのになー」

わざとらしく笑いながら、サンダルで砂を蹴って。
はねるようにそばに近寄れば、編笠の腕をつかんだ。

「ほら、ナマコでも魚でも、わかめでもつかみにいこう?
 陸に見える黒いわかめさんは腰が痛いみたいだから」
(+16) 2021/08/13(Fri) 22:24:14

【墓】 夕凪

「調子、……? そんなことより。
 夜凪の穴埋め、できるならやってほしくって。
 触ったり捕まえるのも夕凪たちも得意じゃないよ、大丈夫なだけ!」

どことなく挑戦的に、愉快そうに目を細めてその手を引いた。
そうは言いつつ。
実際は押し付けたりもせずに水辺を歩いて見つけたものを掴んでみせて、驚かれたらリリースをしながら手を振ってさようならするだけであった。


「わあ、宵兄さんは相変わらずロマンチック。
 夕凪も誰かに呼ばれてきっと来たんだと思ってるよ。
 本当? もう聞かせてくれるの!
 いつも兄さん人気者だから今しかチャンスはないかも、聞かせてほしいなあ」
(+17) 2021/08/13(Fri) 23:06:02
夕凪は、御山洗に手を振っていた。ナマコいりますか?
(c14) 2021/08/13(Fri) 23:14:56

【墓】 夕凪

>>69 御山洗

「ナマコですよー、御山兄さん」

川の時よりも幾分かご機嫌そうな夕凪は、彼らにバイバイと告げながら海の生物たちを逃していく。

「そーですね、ここの海はきれいで本当に楽しいな。
 都会の方はは生き物なんて全然いないし、夕凪が描く空も灰色ばかり。
 ここは、空も海も青くてみんなの表情がわかりやすくて……ずっとここにいたいなって思うぐらいです」
(+18) 2021/08/14(Sat) 0:27:08
夕凪は、宵闇の曲 >>74 >>a25 に耳を傾けた。
(c15) 2021/08/14(Sat) 0:34:32

【墓】 夕凪

>>78 御山洗

「お兄さんは、今どこで暮らしているんでしたっけ?
 夜凪は大学を卒業してから、家を出るか悩んでいるところで」

自分で言った言葉に違和感を感じて首を傾げました。
不思議と家を出ていこうとする理由が明るい気持ちだと思えなかったから。
だけどなぜ実家から離れようとするのか思い出せなくなってしまっていて、その違和感にも気づくことができませんでした。

「……ここで暮らせたら本当に自由、なのかな?」

同じように集落に視線を向けた、美しい山はだに陽が照らされて村の色彩を引き立たせてくれる。
樫の香りと潮風とが混ざってそんな景色が陽炎のように揺らいで見えた。
(+20) 2021/08/14(Sat) 2:41:25

【墓】 夕凪

>>80 >>a28 宵闇

「…あ……・」

一本一本の糸から走った音が海の香りを夏を導いて奏でられていく。
不思議と涙がこぼれ落ちそうになって思わず拍手を遅らせてしまいました。

「ありがとう、ございます。
 素敵な曲でした、宵お兄さんのような……なんていえばいいのでしょうか。
 綺麗で、少し寂しくて、切ないのに、また聞きたいと思えるような曲でした。
 優しい歌だったわ……?」


小さな声が紡がれて、暫くの間言葉を発せずにいたが、やっと思い出したように笑みを浮かべる。

「―――いい歌だった、お兄さん。
 中毒性があるっていうのかな、どんな風に曲を作っているんだろう。
 やっぱり誰かを思い浮かべたり、何かを考えているんですよね?」
(+21) 2021/08/14(Sat) 2:45:06

【墓】 夕凪

>>67 編笠

「あははっ、変な声。
 驚かせてごめん、だけど面白くって。
 ……そろそろ人も集まってきたし他の遊びでも――」

海の生き物たちはすぐに解放してあげて楽しんでいたが、
一度離れる前に気になったことを一つだけ聞いておいた。

「なんだかそれを聞いてると、
 夜凪がすきなのか夕凪が好きなのかわからないね?」
(+23) 2021/08/14(Sat) 3:03:37
夕凪は、卯波をみて、「あっ」と笑っていた。
(c20) 2021/08/14(Sat) 3:56:04

【墓】 夕凪

>>99 御山洗

「……夕凪たちは、家族でまだ住んでて。
 夜凪は」

近くに住んでいたんだという感想を埋め尽くすほど、余計な思考がめぐる。
不安を励ましてくれているのがわかるのに、言葉に連想でつながってしまった過去の言葉が頭に浮かんで止まらなくなってしまった。

「夜凪が、夕凪から離れたいって」

それを意味するのは自立だったり就職だったり。
だが双子にとっては? 仲違いとも取れるような明確な拒絶に聞こえるのかもしれない。

「どこでもいいのかな。私も、どこでもいられると思っていたの。
 でもね、私……今好きだと思える場所が、わからないのよ。
 家族も大好きで、もちろん夜凪も大好き。絵を描けるならどこでも良かったのに。

 あの子に離れるって言われて、わからなくなったわ。ここで一人で帰らないのも悪くないのかなって思うくらいに」
(+29) 2021/08/14(Sat) 5:04:02

【墓】 夕凪

>>107 御山洗

「……私がくっつきすぎるせいで、あの子が鬱陶しがっていたのね。
 ちゃんと話したから、当てずっぽうじゃないわ。
 もう大人だしそれぞれ自立をしないといけないのは確かじゃないですか。

 だからね、仕方ないのよ」


漠然とした不安は田舎の思い出で薄れはするが埋めるものにはならなくて、ただ、今だけは何も怖くないような満たされた気持ちになっている。

また一瞬で、恐ろしいほどに消えてしまう。
思い出さなくてはいけないことが、話さなければいけないことがあるのに。

「弱音を吐いてごめんね。
 しんどかったけど、今はなんだか、清々しい。
 兄さんのおかげかも?」

まるで別人になったのように、迷子になっていた姉の様子は見えなくなり、凪いだ心にあなたのことばがふり続けた。

「……なかなおり、できるようにする」

言い聞かせるように緩く手のひらを握りしめて海の静かな波を見つめていた。
なんだか、あなたのまえでは偽りの姿を見せてばかりのような気がした。
(+33) 2021/08/14(Sat) 15:31:03
夕凪は、御山洗の視線を追おうとした。
(c34) 2021/08/14(Sat) 18:58:23

【墓】 夕凪

>>118 御山洗

「子供、のままの関係だったら?」

どういう意味だろう、と頭で思考を巡らせている間に水が飛びかけられる。
ぱちくりと目を瞬かせて見つめれば、覗くのは無防備な脇腹。いたずら心が芽生えてその腹に手を伸ばした。

「御山兄さん余所見してると危ないよ」

くすぐってみたい衝動が起きてしまったから。
遊んでみたくなったから。
そんな無邪気な理由でいつまでもここに要られたらどれほどいいか。

しばらくしてから皆の輪に戻ろうと声をかけた。
その時一体自分は誰を見ていて。
あなたは誰を見ていたのだろう。

「お兄さんも、溜まったものがあるなら海にでもなんでも吐き出してしまってください。
 
田舎に忘れ物をするのは、夕凪たちだ絵で十分です。

 あと、風邪は引かないように!」

そう、笑って。
一歩海に向かって飛び込む構えを見せた。
(+39) 2021/08/14(Sat) 19:08:47

【墓】 夕凪

宵闇に笑顔を返したとき>>115思い出したのは
双子でみんなのことを思い出していた数年前。

『お兄ちゃんは忙しいんだから僕たちに構ってばかりいられないさ。
 だけどとっても大事にしてくれてる、夕凪もわかっているだろ』

わかっているわ。優しくて真面目な人だもの。


『涼風? 何してんだろうなぁ、まだ僕たちみたいに文章を書いてればいいけど。
 それか新しい夢見つけていたりしているかもな』

それもいいと思う、もう何年も経ったんだから。


『編笠元気かなぁ〜、あいつと話すの大好きなんだ、なんか面白い仕事についたりしないかな。みんなが思いつかないような』

どんなことを好きになったのかな、とても気になるね。


『青嵐はさぁ、落ち着きが出たのか気になるよな。夕凪もあの時のこと……え、もういいって?僕が変わりに聞いてやるよ』

何をしているのか、二人で想像して。
会える日を夢見て、一緒に笑った。


『モモチは背ぇ伸びたのかな、まだまだ成長期だろうけど流石に夕凪の服はもう嫌がる歳だろ』

まだまだ可愛いわよきっと。
私の服も入るんじゃないかな。


いつまでもいつまでも夢を見るように話は続いていた。
(+41) 2021/08/14(Sat) 20:58:16

【墓】 夕凪

その日は突然訪れた。

『夕凪、僕一人暮らししたい』

どうして?


『しばらく離れたいんだよね、夕凪と。
 もうさ、いつまでもくっついているような生活しなくていいと思って』

夜凪?
どうしてそんなことを言うの?


『だからさ、夕凪もやりたいこと、見つけなよ』

私のやりたいことは―――――




「………夕凪?」

秘密基地で目が覚めると。
懐かしい夢を見た気がした。
二人で話した未来、そして。

僕たちが喧嘩をしたあのとき。

あのあと、僕たちは、
(+42) 2021/08/14(Sat) 20:59:51