人狼物語 三日月国


112 【R18】アルステラのもとに婚姻を

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視点:


到着:狐娘 レイ

【人】 狐娘 レイ





    ――――
きな人が居ます。


 
(7) 2021/12/02(Thu) 1:29:34

【人】 狐娘 レイ

[両親に婚儀の話を持ちかけられて、開口一番そう口にした。
父は訝しむような顔を作り、母は困ったような表情を浮かべた。]


   『そうは言ってもね、レイ。
    もう決まったことなんだよ』


   『一族を守るためだと思って、
    その御身を尽くしなさい』


[そうして口を揃えて二人は言う。
『もう成人したのだから。』
そう、これからは昨日までのように子供としては扱われない。
成人の儀を終えた、立派な一族の一人なのだから。]
(8) 2021/12/02(Thu) 1:29:59

【人】 狐娘 レイ

[一族に子供が生まれなくなり、若い命は重宝される。
子供の少ない村でも年若い方のレイは、蝶よ花よと可愛がるように育てられてきた。

驚くと狐のような耳と尻尾が生えるのは先祖返りか、両親にも兄弟にもそのような特徴はなかった。
子供の頃はよく驚かされて耳を出し、尻尾を掴まれて泣くことが多かったが、それも年齢を重ねるごとに回数は減っていった。
今やその名残があるのは、いつ尻尾が現れてもいいように、装束の後身頃に大きなスリットが入っていることぐらいだろう。

それが一転して一族の為と祀り上げられて、挙句の果てには見知らぬ人と婚儀を結ぶことを余儀なくされる。

今まで一度だって家族に歯向かったことのないレイでもこればかりはさすがに苦渋の顔を浮かべた。]
(9) 2021/12/02(Thu) 1:30:47

【人】 狐娘 レイ


 ……いや、です。
 そんな見知らぬ人と、
 いきなり婚儀を結ぶことになるなんて。


[重ねて断りの文句を言っても、両親も引く様子はなく首を縦には振らなかった。
仕方無しというように母が口を挟む。]



   『その好きな人というのは、どこに居るの?』


 
(10) 2021/12/02(Thu) 1:31:10

【人】 狐娘 レイ

 


 それ、は――――、


 
(11) 2021/12/02(Thu) 1:31:37

【人】 狐娘 レイ

[幼き頃にたった数度会っただけの彼。
名前しか知らず、最後に見た表情は甚く痛々しいものだったけれど。
それでも忘れられずにずっと心の中に佇む彼を、一度だって忘れたことはなかった。

だが、その彼が今どうしているのかは知る由もない。]
(12) 2021/12/02(Thu) 1:32:10

【人】 狐娘 レイ

 

  ――……言えません。
  ですが、お父様、お母様っ……


   『連れても来れないのなら忘れなさい。
    もう婚儀の相手も決まっている。
    これは、決まったことだ。
    これ以上、父さんと母さんを困らせないでおくれ。』


[装束の袂を握り込んだ手に母の手を重ねられてしまえば、強く言う事もできずに。
そうして日々は過ぎ去り、婚儀の日を迎えることとなったのでした。**]
(13) 2021/12/02(Thu) 1:32:27
狐娘 レイは、メモを貼った。
(a2) 2021/12/02(Thu) 1:39:03

【独】 狐娘 レイ

/*
天涯孤独設定〜〜〜〜〜〜!!!
はい、好き〜〜〜〜〜!!!!

叫びから始まりました申し訳ない。
一席いただきます。
よろしくお願いいたします!
(-0) 2021/12/02(Thu) 1:41:11

【人】 狐娘 レイ

―― 婚儀の日 ――

[朝から憂鬱なため息が漏れる。
婚儀の為と新しく作られた白の衣装を身に纏い、美しく見目を装っても心は晴れないまま。
しずしずと新しい拠点へと向かう列>>3の後方に並んでいた。

川を渡る船には、一族を乗せた船もある。>>14
一族の御曹司様もとうとう捕まったのだそうよ、とか囁く声を聞きながら、帆船へと視線を移した。

逃げ出せるものなら逃げ出したい。
その気持ちは分かるけれど、実際に逃げ出すほどの腹積もりはなかった。
結局、こうして列に並んで婚儀の場へと向かっている。

晴れやかな空が憎らしいと思う程、門出を祝う天候はよく、空を仰ぎみた。]
(23) 2021/12/02(Thu) 11:54:29

【人】 狐娘 レイ

―― ちいさな恋の話 ――

[その日は一人で村を抜け出して、泉のほとりで遊んでいた。
泉の周りにだけ咲く花はとても珍しく、花を積んで母を喜ばせようと集めていれば、森から飛び出してきた魔物に襲われた。

為す術なく身を庇っていれば、しばらく経っても痛みはやって来ず、代わりに降り落ちて来たのは幼い声だった。

ぱちぱちと目を瞬かせて、ようやくその姿を見れば紅い髪が濡れたように美しい。]


 わぁ……、きれい。


[魔物に襲われた恐怖も忘れて、初めに出たのはそんな言葉。
それから、心配してくれたのだということに気づいて、はっとした。
驚いた弾みで出た獣耳をぴるぴると揺らしながら、懸命に頷く。]


 う、うんっ。
 だいじょうぶ!

 わたしはまものじゃないよ、
 レイっていうの。

 
(24) 2021/12/02(Thu) 11:56:01

【人】 狐娘 レイ


 
 たすけてくれてありがとう。
 ねぇ、あなたのおなまえは?


[一度目にしたら忘れられない色鮮やかな髪の色に、腕に刻まれた紋章。
自身とそう年端の変わらぬ男の子が、どうやって魔物を倒したのかなんて、その時は想像もつかなかった。*]
(25) 2021/12/02(Thu) 11:56:57

【人】 狐娘 レイ

[粛々と列は川を上っていく。
一歩一歩、村から離れていく寂しさを味わいながら、新天地へと向かう。

婚儀の参列には、シオンの姿もあった。>>28
慎ましやかな白が目に映える。

幼い頃はよく遊んでもらったけれど、彼女が一族の外の男と一度村を出た後、戻ってきてからは会話を交わすことも少なくなってしまった。

彼女が村に戻ってきた時には、純粋に再会を喜んだものだけれど、彼女にとっては別れを思わせるそれは、返って彼女を傷つけてしまったのかもしれない。
話しかければ応えてくれるものの、どこか以前とは違って距離を置かれたような間柄は、少し悲しい。

婚儀の話を機に、話しかけることが出来ればいいのだけれど。
ふと視線を向ければ、一瞬目が合ったような気がした。]
(36) 2021/12/02(Thu) 15:13:23

【人】 狐娘 レイ

―― 泉のほとりで ――

[言葉を話すことは正解だったようだった。
信じると頷いた彼にほっとして胸を撫で下ろす。
ロンと名乗る少年は、瞳も赤く、魔物の血で汚れた腕も、何もかも赤を思わせる。
その血を見て、改めて彼が魔物を倒したのだと思い知らされて、すごいと言う感嘆と、少しの畏怖が芽生えた。

獣の耳をぺたんとしおらせて、彼の言葉に耳を傾ける。
一人で、の問いには頷きを。]


 おかあさまのためにおはなをつみにきたの。
 ここのおはなはきれいだから。

 ……ロンもこどもでしょう?
 ひとりできたら、あぶない、よ?


[話しているうちに、彼がこわいものでないということは分かる。
芽生えたはずの畏怖は、すぐに掻き消えて興味の方が先に立つ。]
(37) 2021/12/02(Thu) 15:14:11

【人】 狐娘 レイ

[魔物は怖いけれど、泉には用事がある。
ましてや、興味を引く男の子が居たのなら尚更。]


 ロンはつよいから、へいき?
 だったら、ロンがいるときなら、またきてもいい?


[涙に濡れた瞳は今はきらきらと輝いて彼の赤を映す。
もっと、彼のことを知りたいと思った。
もっと、その赤に触れたいと思った。
泉のほとりで積んだ花を束に変えて、てとてとと歩み寄って彼の手に握らせて。]


 いっしょにおはな、つんでくれる?


[にこりと笑って、彼の手を引いた。
彼の手を引いたのは、その瞳が寂しさを訴えていたから。
その寂しさに、触れてみたいと思ったから。*]
(38) 2021/12/02(Thu) 15:15:04

【人】 狐娘 レイ

―― 小さな約束 ――

[花を知らないわけではないだろうに。
物珍しそうに見る姿はどこかおかしかった。
男の子だから、もしかしたら興味はないのかもしれない。
二人の手の内に収められた花は、積んだばかりでまだ瑞々しく、生きていることを伝えていた。]


 おかあさま、いないの?
 だったら、おとうさまは?


[まるで最初から居なかったみたいにロンは言った。
そのことが「寂しい」ということもわからないみたいに。
父もいないという彼に家族が居ないということをしり悲しくなった。

その口ぶりから母がどんなものであるのかは、知っていそうなものなのに。
彼は母親の優しい手を知らない。]


 でも、ロンがたすけてくれたでしょう?
 だから、へいきよ。


[たぶん。とついているのが可笑しくて、くすくすと笑った。
魔物をは怖いけれど、道中は一人でも怖くなかったし、今は彼が居てくれる。
だから、平気。
子供というのはそんな単純なものだ。]
(48) 2021/12/02(Thu) 18:54:57

【人】 狐娘 レイ

[強いから平気。
そう告げるロンの裏の意味までは気づけずに、言葉の意味を素直に受け取る。
確かに彼ほどの強さなら怖いものなど無いだろう。]

 
 まいにちくれば、まいにちロンにあえる?
 わたし、へいきよ。
 ここまでのみちはおぼえたもの!


[満面の笑みを浮かべて、はしゃいだ声が響く。
此処にくれば、また彼に会えるということに期待して。
ロンは少し渋い顔を作ったけれど、助けてくれた彼のこと。
きっと優しい子だから来てくれるに違いない。

くしゃりと茎が萎れてしまったのを見届けて、あ、と声を漏らす。
茎はぐちゃぐちゃになったけれど、その先の花はまだ綺麗に咲いている。]
(49) 2021/12/02(Thu) 18:55:13

【人】 狐娘 レイ

 
 ……ちからのかげんがわからないのね。
 おはなはね、やさしくふれるのよ。
 
 みずをあげれば、またつよくさくわ。


[彼の手を引いて、泉に折れた茎を差し入れる。
元のようには戻らないかもしれないが、水を与えればいくらか回復するだろう。

強さしか知らない彼に、一つ物を教えた気になって笑った。]
(50) 2021/12/02(Thu) 18:55:27

【人】 狐娘 レイ

[泉のほとりに二人腰を下ろして、泉に手を浸す。
ロンの声は静かに耳に響いて心地が良かった。]


 ……わたしに?


[彼の言葉にきょとりと目を丸くしていれば、手が伸びてきて。
泉を覗き込めば、獣耳の傍に花が咲いた。
呟く声に、ぽっと頬が赤く染まる。
彼の瞳と髪色みたいに。

ようやく垣間見えた彼の笑顔につられるように微笑んで、]


 ありがとう、ロン。
 だいじにするわね。

 そうだ。
 あなたがわたしをたすけてくれたかわりに、
 わたしがロンのかぞくになってあげる!


[彼の両手を取って約束を交わした。
彼と同じ色の赤い花は、家に持ち帰った後は押し花にして大事に大事にしまわれた。]
(51) 2021/12/02(Thu) 18:55:59

【人】 狐娘 レイ

[それからは、有言実行どおり毎日泉に通った。
会えない日もあったけれど、泉のほとりで遊んでいれば、
どこからか彼が姿を現した。

花飾りを送ってくれた代わりに、
彼に花冠を作って送ったり、冠の作り方を教えたり。
花言葉や、薬草になる花のことも教えたこともあった。

日が暮れるまでの楽しい時間は毎日あっという間に過ぎ去って、
ここが魔物が出るような危険な場所でもあるということをすっかり忘れていた。

私の後を追って、兄弟たちが様子を見に来るまでは―――**]
  
(52) 2021/12/02(Thu) 18:56:42

【独】 狐娘 レイ

/*
みんな意外と若い年齢で来たな???
こんなに20歳に偏るとは思わなかったなー。
(-5) 2021/12/02(Thu) 20:28:49

【人】 狐娘 レイ

―― 別れ ――

[レイの家は温かかった。仲睦まじい両親と少し年の離れた兄が二人。
兄弟仲も良く、ありきたりな家族図であった。
だから、家族が居ないというロンを知ったとき、物悲しくなった。
誰も居ない家に帰る孤独。
それは温かな家に住むレイ自身には想像もできない。

独り、だから彼は強いのだろうか。
少なくとも、幼い子供が独りを好むことはないだろうと思う。

だから、彼が面倒くさがりながらも泉に来てくれる様子にはぱっと顔を輝かせた。
一緒に遊んでいる間は、独りではないから。]


 いえがおはなやさんになったら、すてきね。
 そのときはロンがかいにきてね。
 いっぱいのおはなで、おうちをかざるから。


[レイもまた、ロンを同じ村の子供だと思った。
子供にとっての村は大きく、未開の地もたくさんある。
まだ出会えていない子供の一人や二人居るだろうと。]
(64) 2021/12/02(Thu) 21:45:43

【人】 狐娘 レイ

[泉に浸した花は水を得て、逞しくなっていく。
萎れかけていた茎も水気を吸って、強くなる。
ほらね?と花を見せながら、ロンに向かって微笑む。]


 だいじょうぶよ!
 ロンがわたしの「だんなさま」になればいいの。

 そうしたら、おとうさまとおかあさまのように
 いっしょにくらせるわ。

 レイしってるの。
 「けっこん」っていうのよ。


[力の強さは知っていても、花の扱いは分からないという。
ものしりと褒められて鼻を高くしながら、彼に教えていこうと思った。
家族の温かさを、花の繊細さを、独りの孤独さを。

彼の孤独が、どれだけ根深いものかも。
まだその時は知る由もなかった。]
(65) 2021/12/02(Thu) 21:46:01

【人】 狐娘 レイ

[その日は唐突に訪れた。

いつものように一人で村を抜け出して泉に向かえば、先にロンが待っていてくれた。
花冠の作り方が上手くなってきたことを褒めて、また母に新しい花を摘む。

レイの力ではびくともしない石を簡単に削るロンの力は凄まじく、彼がその力を見せる度にすごいわ!と感嘆の声を上げた。
彼の力は大人でさえも敵わないかもしれない。

透明の石に花が閉じ込められていく様は不思議で、まじまじとその光景を見つめた。
出来上がった指輪は、彼の力が込められた、わたしの好きな花が添えられた可愛らしいもの。

お伽噺で読んだみたいに、指輪を小さな手に嵌められて。
まるでお姫様になったような気分で高揚した。]


 わぁ……、わたしにくれるの?
 ふふ、きれいね。すてきね。

 ロンは「おうじさま」みたいね。


[くふくふと花の咲いた手を口元に添えて笑っていれば、背後から声がした。]
(66) 2021/12/02(Thu) 21:46:22

【人】 狐娘 レイ

 
『レイ、そいつから離れろ!』


[何が起こったのか分からなかった。
茂みから飛び出してきたのは兄と、数人の村の子供。
ロンを取り囲むようにして、私をロンから遠ざける。

兄たちはロンに罵声を浴びせ、石を投げつけ、木の棒で彼を殴りつけた。]

 
 やめて!
 ロンにひどいことをしないで!

 ロン、……――ロン!


[止める声も虚しく、貰ったばかりの指輪を外され、
引きずられるようにして村に連れ帰られた。

後で分かったことは、ロンがヴィスの一族の子であること。
気立ての良い兄が唯一顔を顰める一族の子であること。

そしてわたしは一人で泉に向かうことを禁じられた。

それから、なんとか兄を煙に巻いて泉に訪れても。
二度と、ロンの姿を見ることは叶わなかった――。
(67) 2021/12/02(Thu) 21:47:33

【人】 狐娘 レイ

―― 婚儀の日 ――

[婚儀の参列はやがて新しい村へとたどり着く。
村の中央には広場があり、作られて間もないだろう家々が広場を囲むように点々と建てられていた。

手伝いの者たちが各部屋へと荷物を運び始める。
手伝いをかって出たものの、
婚儀までにはもう少しあるからと休みを言い渡されてしまい、辺りを見回していれば、川からも大仰な荷物が運び込まれていた。

その荷物の中には、紐で縛られたままのジャヤートもいて。>>56
その光景にくすりと笑ってしまう。
奔放な彼のこと、またお父上と揉めたのだろう。]


 また一段と大きな荷物ね、ジャヤート。
 ……今度は何をしたの?


[荷物の端に佇むジャヤートの前に腰を下ろして、話し相手の一つにでもなればと声を掛けた。*]
(69) 2021/12/02(Thu) 21:49:58

【独】 狐娘 レイ

/*
削除間に合わなかった!!
マンユゥちゃんの動きと被ってなければいいけど……!!
(-8) 2021/12/02(Thu) 21:51:48

【独】 狐娘 レイ

/*
プロは他のペアの方ともお話するの推奨と見かけたので話しかけてみたけど、まずかったかなぁ……申し訳ない。
マンユゥちゃんが来たらささっと抜けよう、そうしよう。
(-10) 2021/12/02(Thu) 21:59:22
狐娘 レイは、メモを貼った。
(a13) 2021/12/02(Thu) 22:13:21

【独】 狐娘 レイ

/*
シャオロンくんの幼い頃の拙い話し方と今の擦れた感じの話し方のギャップがいいな〜。
まるでぎゅってしてっていうのがはちゃめちゃに可愛い……。
どうやって大人の彼と縁を結んでいこう、迷うな……。
(-12) 2021/12/02(Thu) 22:22:49

【独】 狐娘 レイ

/*
……と、ここまで考えてシャオロンくんも現軸で話しかけようとしていたのなら私の動き相当軽率だったのでは……!?
ペア村のペア村以外の方とのお話難しい……!!
やっぱり話しかけない方が良かったかな!?
(-14) 2021/12/02(Thu) 22:25:35

【人】 狐娘 レイ

[ロンが記憶を無くしたことは知らないまま。>>84
それからも何度か泉へ訪れた。

あのとき、子供ながらに誓いを立てた「けっこん」の約束。
今になって思えば自分本位なものであったかもしれないが、
少なくとも指輪を送ってくれたのなら、
何かしら彼にも思うところがあったのだろうと信じて。

二十歳になった今でも操を立てたまま、
日々薄れゆく初恋の思い出に今も囚われていた。

わたしにとっての「おうじさま」は今も唯一人。

なのに、婚儀の日は近づいて。
「だんなさま」になる男の名前を知らされる。

「小龍」という名前の響きが、少しだけ彼に似ていて。
なおさら悲しくなってしまった。
年の頃も近ければ、彼も今回の婚儀に選ばれているかもしれない。
そう思うときゅうと胸が締め付けられた。
なぜその相手がわたしではなかったのか。

今も彼はヴィス族として暮らしているのだろうか。
だが、彼が今も一族に居たとして。

石を投げつけるような一族の子を、再び好きになってくれるだろうか。]
(99) 2021/12/02(Thu) 23:21:38

【人】 狐娘 レイ

[合流地点では、村では見かけぬ顔触れの少し衣装の作りが違う人々が見えた。
おそらくヴィス族の面々だろう。
同じ年の頃の女の子>>71、……が、二人。>>79

リル族から見えたのはジャヤートに、シオン、それにコンだったと記憶している。
コンの姿はまだ見かけていないような気がするが、彼も参列の一人として参加しているはずだった。
ならば、ジャヤートやコンの相手になる人であろう。

ジャヤートもコンも、村の中では頼れる二人である。
きっと彼らならば彼女たちを幸せにしてくれるだろうと、そんなことを考えながら。]
(100) 2021/12/02(Thu) 23:21:46

【人】 狐娘 レイ

[……今、その片割れの方は、ぶすくれた顔で頬を膨らませていた。>>88
彼は男の子だけれとどこか愛嬌のある人だと思う。
表情がくるくると変わるから見ていて面白い。]

 
 やっぱり逃げようとしたのね。
 諦めないところは、感心するけれど……。


[ミノムシがじたばたとしている姿を眺めながら、
少し呆れたような声を漏らしていれば。
不意に小さくなったジャヤートの声に、小首を傾けた。

彼の後生を聞くのはこれで10回をとうに越えている。
いや、それ以上か。
だが、今回ばかりは彼の肩も持ちたくなるもので、ううんと唸り声を上げた。]
(101) 2021/12/02(Thu) 23:22:01

【人】 狐娘 レイ

 
 それはそうだけど……。

 縄を解いたら、ジャヤートまた逃げるでしょう?
 叱られるのはいやよ、わたし。


[つんつんと、縄を指先で突付くだけ。
今彼が逃げ出してしまえば、一波乱では済まない気がして頭を悩ませる。
それに……、]


 ヴィス族だって、悪い人ばかりではないはずよ?


[それは、実体験からも言えること。
彼がヴィス族のことをよく思っていないことは知っているが、そこだけは助け舟を出すように、婚儀に前向きなことを話してみたりしたけれど、彼の反応はどうだっただろうか。*]
(102) 2021/12/02(Thu) 23:22:32

【人】 狐娘 レイ

[褒めたつもりはなかったが、レイの言葉はジャヤートの気を良くしたらしい。>>112
みるみると晴れやかになる表情についつられて笑ってしまう。

甚く前向きな彼のことを嫌いになれない。
満ち溢れた自信も彼なりの愛嬌に変えられて、思わず頷いてしまうのは彼の魔法だ。]


 ふふ、確かにそうね。
 ジャヤートのそういうところは、素敵だと思うわ。

 でも、それとこれとは別。


[ぴしゃりと言い放って苦言を呈する。
心苦しくはあるけれど、一族のためを思えば仕方のないことだから。
ほら、今だって逃げることを厭わない。>>113
(122) 2021/12/03(Fri) 0:51:10

【人】 狐娘 レイ

[まぶい子という思い入れは彼が昔からずっと言い続けていることだった。>>54
かと言って、レイ自身もまぶい子認定されるぐらいなのだから、彼の趣味は分からない。
彼の目にかかればきっとシオンもまぶい子だ。]

 
 うーん、ヴィス族にも可愛い子はきっと居るわよ?
 

[先程見かけた女の子たちを思い浮かべながら伝えても、今のジャヤートでは素直に頷いてくれはしないだろうが。
代わりに、眩しいぐらいの微笑みを向けられて困ってしまう。

一蓮托生という程ではないが、彼とは同じ村で育ってきた馴染みがある。
まぶい子への強い思いも、自由へ憧れる思いも、共に見てきたから知っている。
つん、と縄を突付いていた手が弱くなり、彼の言のままに結び目へと手が伸びそうになってしまう。

話題が自身のことへと向かったのなら、眉尻を下げた。]
(123) 2021/12/03(Fri) 0:51:27

【人】 狐娘 レイ

  
 
 ……前向き、ではないわ。
 私も逃げ出せるなら逃げ出したいぐらい。

 好きな人は、ずっとロンだけだもの。


[ジャヤートに伝えたことがあるその名前をもう一度口にする。言葉にすることで、ロンが居たことが現実であったと自分に言い聞かせるために。*]
(124) 2021/12/03(Fri) 0:51:53

【人】 狐娘 レイ

[ロンに石を投げつけた兄弟たちは、今や立派な大人になり、リル族で世帯を持っている。
過去に強くヴィス族を疎んでいたことは、レイのひたすら懇切的な説得でいくらか軟化したが、今でも少し蟠りはあるようだった。

だから、今回の付き人には彼らは居ない。
世帯を持っている身分で、付き人をさせるわけにはいかないし、ヴィス族を敬遠するような人を、付き人にさせたくないレイの一存からだ。

レイの付き人には子供の頃から世話をしてくれた中年の女性がついており、身の回りの世話や、荷物を運び入れる作業は彼女が担ってくれていた。

もう、同じようなことを彼らにはしたくはない。
泉に訪れなくなってしまった程、ロンを傷つけるようなことを。
彼らには――。**]
(125) 2021/12/03(Fri) 0:53:05

【独】 狐娘 レイ

/*
ジャヤートからるしさんの香りがする気がする……。
一度しか同村したことないけど。たぶん……?
(-25) 2021/12/03(Fri) 0:55:03

【人】 狐娘 レイ

[こちらの動作一つで、ジャヤートのぱっと輝いた顔はしおしおと萎れてしまう。
そのことを少し申し訳なくも思いながらも、きっちりした性格の娘は首は縦には振らなかった。

彼曰く、まぶいは褒め言葉であるということは分かるから。
笑い混じりに言う言葉には、はいはい、と聞き流すようにして受け取っておく。

胡乱げな視線を向けられて、少し自信を無くしながらも、先程見たものが確かならばと頷いた。]


 見たことあるわ。
 ……多分、だけれど。

 ほら、あそこの女の子たち、
 きっとそうじゃないかしら?


[そうして指先で指し示して彼の視線を誘導する。
彼女たちが先程から場所を移動していなければ、まだそこに居るはずだ。多分、だけれど。]
(128) 2021/12/03(Fri) 8:18:46

【人】 狐娘 レイ

[乗り気じゃないジャヤートは頭を横にしたままだったか。>>126
ジャヤートの萎れた頭が元気を取り戻せばいいなと思う。
彼に曇った表情はあまり似合わないから。

ロンの話も、見たわけでもないのに鵜呑みにして信じてくれた。>>127
だから、ついつい彼には本音を零してしまうのだ。
見たと力強く言ってくれる彼に、表情を苦く綻ばせた。]


 だめよ。
 そんなことをしたら、おとうさまたちが悲しむもの。


[ロンも大事だが、同じように両親たちもまた大事なのだ。
結び目を目の前にかざされて、少し思案した後に根負けしてしまって、結び目に手を伸ばす。
自由を求める彼に縄は可哀想だと思ってのこと。
結び目は少しばかり固かったが、注意深く手をつければ、緩やかに解けていく。]


 いい?ジャヤート。
 縄は解いてあげるけれど、
 親父様達に迷惑かけちゃだめよ?


[縄を解いた時と同じように根気よく彼に言い聞かせて見せたものの、伝わったかどうか。
せめてヴィス族の女の子達が、彼のお眼鏡に叶えばいいと願うばかりだ。**]
(129) 2021/12/03(Fri) 8:19:37

【独】 狐娘 レイ

/*
いいトスをあげられていたらいいなぁ。という願望です。
ジャヤートくん優しいね。幸せになってね。
(-26) 2021/12/03(Fri) 8:21:29

【人】 狐娘 レイ

[視線を誘導することには成功したのに、頑なに違うと言われれば自信もなくなってくる。>>132
レイ自身も確かめた訳では無いから、その場は引き下がることにした。]


 ええー……、違うのかなぁ?
 他の種族が来てるなんて、聞いた事ないけど……。


[可愛らしい子という意見は一致したものの、ジャヤートのお嫁さんだとは言い切れない。
うーん、と首を捻って考えても、今は分からなかった。
白桃は多分、ジャヤートにとっては褒め言葉なのだろうということぐらいしか。]
(144) 2021/12/03(Fri) 18:46:35

【人】 狐娘 レイ

[自由になった彼の傍らで縄を纏めておく。
話題が自身のこととなれば耳が痛く、目を伏せる。]


 それは……、そうなんだけれど……。

 逃げ出しても、どこに行っていいのか、
 分からないの……。
 きっと、結局ここに帰ってきてしまうわ。


[彼が身体を伸ばす傍らで苦笑を浮かべる。
ジャヤートが動き出したのを見て、荷運びの者が一瞬警戒を浮かべたが、逃げる様子がないと分かれば作業に戻っていった。

さっきまで逃げ出したいと言っていたのに、今度は悪友の為に待つという。>>133
そういう気遣いが出来るところを、好ましく思う。]
(145) 2021/12/03(Fri) 18:47:06

【人】 狐娘 レイ

[だから、ジャヤートの一言はとても嬉しかった。>>134


 ……ふふっ、ありがとう、ジャヤート。
 もし、本当に相手が怖い人ならお願いするね。


[一緒に新天地に訪れたのが、彼で良かったと思う。
曇った表情が、彼につられて少し晴れた。*]
(146) 2021/12/03(Fri) 18:47:21

【人】 狐娘 レイ

[自由になったジャヤートと別れて、足を向けたのは昔懐かしい泉のほとり。
レイにとっては思い出の詰まった場所であり、大事な場所だった。

婚礼衣装を汚してはいけないからと、裾をたくし上げて葉に当たらないように歩いていれば、先客が居たようで>>142、]


 ……あ、……。


[見慣れない顔はきっとヴィス族の人だろう。
少し気まずい思いをしながらも、ここまで来ては引き返せずに足を止めた。**]
(147) 2021/12/03(Fri) 18:47:51
狐娘 レイは、メモを貼った。
(a20) 2021/12/03(Fri) 18:49:04

【人】 狐娘 レイ

―― 泉のほとり ――

[先客に遠慮をして足を止めれば、彼が気づいた。>>158
彼の言葉に、昔似たようなことを言った子が居たと目を細める。>>33


 ……懐かしい。
 昔、同じようなことを言われたことがあります。


[小さく微笑みを返して、今度は足を止めずに泉へと向かう。
リル族の民はあまり物怖じしない。
例え相手がヴィス族の者であったとしても、好奇心が勝つからだ。
ヴィス族であることを名乗る彼に、緩く首を振り揺らす。]


 あなた、つよい?


[問い掛けに応える代わりに、問いを投げ返して泉を見つめた。
泉には今も、あのときロンが送ってくれた指輪が沈んでいるだろうか。
思い出せば思い出すほど、切なくなる胸を抑えた。*]
(162) 2021/12/03(Fri) 21:19:11

【人】 狐娘 レイ

 
 ええ。
 私にとっては大事な場所だから。


[彼の言い分に苦笑を零しながらも頷く。>>163
警告されてもなお、この場所に訪れたのは理由があってのことだが、反省の色がないと言われればそれまでだ。

強いと自負するその姿がまた昔と重なった。
でも思い出の彼とは髪色が違う。
過去の記憶は少し薄れ始めていて、今思い出せるのは強く印象に残った赤い瞳と赤い髪と教えてもらった名前だけ。
交わした会話は、いくつか覚えているけれど、形には残らない。]

 えっ、いいえ。
 私は強くは……ないです。

 でも、あなたが強いのなら、
 少しの間、ここに居てもいいでしょう?


[暗に危機が訪れるならば助けて欲しいということを言い換えて、笑って彼に向けた。]
(166) 2021/12/03(Fri) 21:51:40

【人】 狐娘 レイ

[泉の際に腰を下ろして、水面を見つめた。
底深くに沈んだ大事なものを探すように。

見張ってくれると彼が言うから>>164、笑って頷いた。]


 ありがとう。
 じゃあ……、飛び込むから見張っててくれる?


[冗談とも本気ともつかぬ声で言い募り、水面に手を浸した。
それから意を決したように立ち上がり、婚礼衣装をたくし上げて、膝上まで持ち上げる。
泉には入ったことがないからどれくらいの深さかは分からない。
膝下ぐらいで済むかもしれないし、顔がすっぽり埋まるくらい深いかもしれない。*] 
(168) 2021/12/03(Fri) 21:53:27

【独】 狐娘 レイ

/*
マンユゥちゃんをめっちゃ挟んでしまう……!
ごめんね、ごめんね……!
(-40) 2021/12/03(Fri) 21:54:33

【人】 狐娘 レイ

[彼が過去に出会った男の子とは気づかない。
気づいたところで、彼に記憶がないことも知らない。

それでも昔を思い出してしまうのは、
どこかぶっきらぼうな様子がロンと似ていたからだろうか。>>176


 そのときは「おうじさま」が助けに来てくれるの。
 本当よ、会ったことがあるの。


[くすくすと笑いながら、赤い髪の少年を思う。
いつしか彼につられて口調も崩れてしまっていた。

この時期の泉は少し冷えるかもしれないが、泳ぐわけでもなし。
足を浸すぐらいなら我慢できるだろう。
靴を揃えて、いざ泉に向かおうとしたところで―――、]
(179) 2021/12/03(Fri) 22:44:37

【人】 狐娘 レイ

  
 
 
きゃっ……!!



[大きな声と共にぐいっと身体を後ろへ引き寄せられたと同時、ぽふんっ!と普段は隠れていた獣耳と尻尾が現れた。

耳元で怒鳴りつけられる声に>>177耳をへしょげてしまう。
お腹に回る彼の腕の力強さに泉に向かい掛けた脚が浮いたまま、男性とこんなに近づいたこともなくて、ドッと心臓が跳ねた。

彼の言葉を聞けば、どうやら死ぬつもりだと思われたようで。
確かに、「飛び込む」と言えばそう思われても仕方がないのかもしれない。

ぴる、と耳を揺らして、身体を抱える腕に手を添えながらおずおずと口を開いた。]
(180) 2021/12/03(Fri) 22:45:09

【人】 狐娘 レイ

 
 ……ち、違うの。
 そうじゃなくて……、

 ……泉に物を落としたから、
 それを探そうとしただけで……、

 死ぬ、つもり、じゃないのよ……?


[あまりの身近な距離にドキドキと逸る胸を抑えながら。
必死に止める彼に少し申し訳なさそうに後ろを振り返れば、
二人の間で尻尾がふわりと揺れた。] 
(181) 2021/12/03(Fri) 22:46:03

【人】 狐娘 レイ

[彼が名乗った名前には聞き覚えがあって。
確かにその名が、言い聞かされた名前と一致する。]


 ……あなた「が」シャオロン?


[初対面の異種族の娘の自殺を慮って、
こうして慌てて引き止めてくれる人だ。
悪い人ではないのはそれだけで分かる。

聞き返した言葉は、暗に自身が婚儀の相手だと応えるように。
改めてまじまじと彼の表情を見つめた。*]
(182) 2021/12/03(Fri) 22:46:34

【人】 狐娘 レイ

 
 異国の読み物を知らない?
 白馬に乗ったり、口づけでお姫様の目を覚ましたりするの。


[「おうじさま」は彼には伝わらないらしい。>>186

男の子だから絵物語は読まないのだろうか。
一族は王政ではないから馴染みがないのかもしれない。
リル族がそうだからおそらくヴィス族もそうなのだろう。

懇切丁寧に教えることは今は後にして。]
(198) 2021/12/03(Fri) 23:54:55

【人】 狐娘 レイ

[獣耳をぴこぴこと動かして反応を返す。
彼の目の前で生えた耳はゆらゆら揺れて、しゅんと再び萎れた。]


 お、驚くと飛び出ちゃうの。
 狐には、なれなくて。
 耳と、尻尾だけなんだけど……、

 先祖還りっていうもので、
 家族の中でも、私だけ……


[説明をするつもりがなんだか言い訳がましくなってしまった。
ぱたぱたと尻尾が忙しなく揺れる。
それは腕の中という至近距離であることも十分に理由の一つ。
一度も男に抱かれたことのないレイとっては、離して欲しいなんていう言葉すらも思い浮かばずに、かぁぁ、と熱を持ち始める顔を俯かせることだけに必死だった。] 
(199) 2021/12/03(Fri) 23:55:14

【人】 狐娘 レイ

[とにかく誤解は解けたようで、彼の腕が離れればほっと息を吐き出す。>>188
緊張に固まった身体は、まだばくばくと音を立てていたけれど、これだけ離れていれば伝わることもないだろう。]

 
 そ、それは……、
 結婚する前に……見つけておきたいと思って……、


[確かに服装までは頭が回らなかった。
思いつくと即実行に移してしまう性質のレイは、後先考えず走り出す傾向にある。
今回もその一例だ。

見つめていたら、ふい、と逸らされた視線に流石に反省の色を浮かべた。]
(200) 2021/12/03(Fri) 23:55:45

【人】 狐娘 レイ

[突然現れた、旦那様を名乗る男にぱちぱちと瞬く。
呼ばれた名に>>189、どこか懐かしさを覚えたのは気のせいだろうか。
一瞬、ロンと彼が重なった気がした。]


  ……あ、……


[思わず声にならない言葉が漏れた。

でも、名前が違う。
髪の色も違う。
同じなのはその赤い瞳だけ。

人であるときの耳よりも聴覚が良くなった獣耳がぴるぴると喜ぶように、跳ねた。]
(201) 2021/12/03(Fri) 23:56:54

【人】 狐娘 レイ

[旦那様にどんな顔をしていいのか分からなくて、戸惑う。
これから一緒になる人の前で、ロンの話をしていいのかも躊躇った。
だって、自分が同じような状況ならきっと悲しくなってしまう。]


 うう……、それはそう、なんだけど。
 

[泉の中を覗き込むことなら何度だってした。
だが、飛び込むまでに至ったのは今日が初めてだ。
それくらい思い悩んでいたのだといえば、そうなのだろう。
泉の深さも知らずに飛び込もうとしたことを、少し恥じながら両手で顔を覆う。]


 ……笑わないで、恥ずかしい……。


[軽率な行動に今更居た堪れなくなりながら、ぽつりと呟いた。*]
(202) 2021/12/03(Fri) 23:57:22
狐娘 レイは、メモを貼った。
(a24) 2021/12/04(Sat) 0:11:17

【人】 狐娘 レイ

[獣耳にシャオロンの視線が行く。
あまり注目されると恥ずかしい。
両手で早く消えてほしいと願いながら耳を抑えた。]


 こ、子作り……っ、
 
……は、したことがないから……分からない、けど……



[改めて子作りの話をされて顔を真っ赤にした。>>208
なぜそうもしれっと言えるのか。
男の人からすれば大したことないのだろうか。
確かに、その為の婚儀ではあるものの経験のないレイからすれば、それは言葉にするのも恥ずかしいものだ。

彼が真剣に逃げ出す方法を考えてくれているとは気づかずに、レイは耳まで赤くして俯いた。]
(215) 2021/12/04(Sat) 1:19:43

【人】 狐娘 レイ

[耳も尻尾も感情の揺れ動きで飛び出すもので。
驚いたり、酷く感情を乱されれば意図せず現れる。
飛び出してしまえば、一定の時間が経たなければ消えることはなかった。
だから耳を抑えても、なかなか消えることはないのだけれど。
感情を表すように揺れる耳は、少し恥ずかしく隠したくなってしまう。

笑われたことに素直に謝罪を返されれば、あまつさえ代わりに探してくれるという。

けじめ、というのならそうなのだろう。
ロンとの最後の繋がりを望んだのかもしれない。

一族のためを思う婚儀と、自身の強い願いである思いに揺れ動きながら、結局は一族のためを取った。
これはロンとの別れの儀式なのかもしれない。]


 ……指輪、なの。
 透明な石に白い花が嵌め込まれた、子供の指輪。


[それを付けたのは一度きり。
でも鮮明に覚えている、彼が作ってくれた大切なものだから。]
(216) 2021/12/04(Sat) 1:20:07

【人】 狐娘 レイ

[木の枝が折れる音に顔を上げてシャオロンを見つめた。
その一瞬だけ見えた光に目を瞬かせる。

見覚えのある鮮やかな赤。>>210


 ……っ、……!?


[見えたのは一瞬だけ。でも忘れられない。
見つめていた眼がみるみると見開かれていった。]
(217) 2021/12/04(Sat) 1:20:45

【人】 狐娘 レイ

 
 まっ……、


[思わず手を伸ばした。
赤が消えない内にと。
その一瞬の光はすぐに掻き消えて、今は黒髪が揺れる。

まるでロンを望んだわたしが見せた幻かと思う程の間。]


 ひゃんッ……!!


[言葉にならずに戸惑っていれば、尻尾に違和感を覚えてピンと背筋が伸びた。
びっくりして変な声が上がる。
振り返って、揺れた尻尾を見ればそこには花冠が掛けられていて、――ロンと花冠を作った記憶が鮮明に蘇る。]
(218) 2021/12/04(Sat) 1:21:32

【人】 狐娘 レイ

[伸ばした手は今度こそ、彼の腕を掴んだ。]


 
……待って!


 この花冠、シャオロンが作ったのっ?
 髪、髪は……っ、赤い髪……

 名前……っ、そう、名前っ……ロンって……
 シャオロンって……


[掴んだ手の力がぎゅうと強くなる。
確かに捕まえかけた記憶の端。
消えかけてしまいそうで離したくなかった。

自分でも説明がつかず、戸惑いに脈絡のない言葉が紡がれる。
ヴィス族にいるはずのロンの代わりにいたのはシャオロンで。

でも、だったら、どうして。

私のことを覚えていないの?
という考えまでには至らずに―――。**] 
(219) 2021/12/04(Sat) 1:22:40

【人】 狐娘 レイ

[掴んだ手は勢い余って彼の腕を強く握り締めた。
花冠は彼が作ったのだという。
男の子が花冠の作り方を知っているのは珍しい。

髪が赤くなるには条件があるらしい。>>244
ならば、ロンもそうだったのだろうか。
彼を、シャオロンをどこか懐かしいと感じたのは。

当時、シャオロンと名乗らなかったのは、
自身より小さな子供だと思ったからでは?

目まぐるしく思考が回る。]
(250) 2021/12/04(Sat) 18:40:39

【人】 狐娘 レイ

 
 ……見たことあるのっ、その赤い髪。
 わたしに、「ロン」って名乗ってくれた
 ヴィス族の男の子っ。

 ずっと髪が赤いのだと思ってたけど、
 そうじゃないのならっ……、

 花冠だって、作り方を教えたわ。
 この泉で会って、
 魔物に襲われたところを助けてくれて……っ、


[握り込む腕が縋るようなものに変わる。
まるで、そうであって欲しいと願うように。
ずっと探し続けていた彼が、もし見つかったのなら。]
(251) 2021/12/04(Sat) 18:41:21

【人】 狐娘 レイ

[手を重ねられて、自身の手に力が籠もっていたことをようやく知った。>>245
じわりと感極まって瞳が潤む。

違うかもしれない。
ううん、でも多分きっとそうだ。
だって名前を呼ばれた時に、懐かしいと感じた。>>189

だから、重ねられた手を振り解いて、彼の胸に向かって身体ごと飛び込んだ。]
 


 
ロン……ッ!

 ずっと探したわ……! 



[勢いよく飛び込んだから、彼を押し倒す勢いで地面に倒れ込んだ。
花の上に二人の身体が重なって、風圧で花が揺らめいた。

思い込みの強い女は考えに至るのも早い。
確信めいたものに近いとはいえ、話半ばに胸に飛び込む程には、舞い上がっていた。**]
(252) 2021/12/04(Sat) 18:44:29

【独】 狐娘 レイ

/*
本当にロン……?のパターンで行こうか迷いましたが、
意外と突拍子もない娘になりそうだったので気づく方向にしてみました。
プロで早すぎたかな……?とも思うけど、片方が気づくぐらいならまあいっか?と思って……!
(-64) 2021/12/04(Sat) 19:51:37

【人】 狐娘 レイ

[探し続けた初恋の人。
ようやく見つけた心当たりが嬉しくて、
興奮冷めやらぬ口調で捲し立てた。

ふわりと広がる野草の香り、温かな腕の温もり。
ようやく果たせた再会に涙が浮かぶ。

――――なのに。

返ってきたのは、思っていたものとは違う言葉だった。>>259
(261) 2021/12/04(Sat) 21:47:47

【人】 狐娘 レイ

 
 …………え、


[シャオロンを押し倒したまま、ぽつりと音が落ちる。

赤い髪も、瞳も、名前も似ていた。
なのに彼は違うという。
確信めいたものはガラガラと意図も簡単に崩れ去っていく。]


 違う、の……?

 うそ、だって……、確かに、
 赤い、髪で……、


[ぶんぶんと喜色に揺れていた尾がへたりと下がっていく。
本当にシャオロンは何も知らなさそうで。
ぽとり、と堪えきれない雫が彼の胸元へ落ちた。

シャオロンの気遣うような声は聞こえるのに、
それが尚更別の人物であることを如実に伝える。

一度落ちた涙は、壊れたようにぽろぽろと転がり落ちた。]
(262) 2021/12/04(Sat) 21:48:33

【人】 狐娘 レイ

[撫でられる手が優しければ優しいほど、切なくて。>>260
婚礼の為に施した化粧が崩れるのも構わずに、涙を落とし続けた。]


 ……ううっ、そんな……
 やっと、見つけたと、……思ったのに……

 ひっく……、
 
 ……会いたいっ……、
 会いたいよ、……ロン……



[こんなことをシャオロンに言っても困るだけだろうに。
壊れた決壊は止めることが出来なくて、シャオロンに寄り掛かるようにして泣き崩れた。*]
(263) 2021/12/04(Sat) 21:49:16

【人】 狐娘 レイ

[涙が幾筋も零れていく。
まるで此処数日我慢していたものが一気に流れていくように。

謝るシャオロンに彼のせいじゃないと分かって。
緩く首を振り揺らしても、涙は止まらなかった。

彼のせいではない。
責めているような申し訳なさに嗚咽を引きつらせて、
違うと言おうとしても、溢れ出す涙が邪魔をする。

暫くの間、ただただ涙を流して。
背を撫でる手の温かさに甘えた。]
(274) 2021/12/04(Sat) 22:41:16

【人】 狐娘 レイ

[どれくらいの時間が経っただろう。
泣き腫らした眼でぐずついていればシャオロンが口を開いた。
ロンを一緒に探してくれるという。]


 ……でも、でも。
 そうしたら、シャオロンはどうなるの……?


[すん、と鼻をすすりながら問いかける。
一度婚儀を結んだ後、村に帰れるのだろうか。

ロンが見つかるかもわからない。
見つかれば嬉しいことだけれど、
此処まで協力的に接してくれるシャオロンのことが、
今度は気になり始めてしまう。]
(275) 2021/12/04(Sat) 22:41:39

【人】 狐娘 レイ

 
 なにも、しない……、


[一瞬、何のことを言われているのか分からずぽかんとしてしまった。
そうしてようやく今の状況に気づく。
勢い余って押し倒すほどに密着していたことに。]


 ……ぁ、……あっ、あっ、
 ご、ごめんなさいっ、
 わたしっ……、あ、あのっ……

 勘違いして……っ……!
 じゃなくて、人違い……っ!?


[かああと赤面して、ようやく彼の身体の上から身体を離した。
何もしないというのも、今なら意味が分かる。
両手で頬を抑えて、あわあわと慌てながら身じろぎをする。

優しく撫でてくれていた大きな手を思い出して、きゅうと胸が潰れるような感覚を覚えた。]
(276) 2021/12/04(Sat) 22:46:42

【人】 狐娘 レイ

[好きなのはロンなのに、シャオロンにもドキドキしてしまう。
ただ男性に慣れていないからなのか、相手がシャオロンだからなのか。
これではロンにもシャオロンにも申し訳なくなる。

ぐるぐると眼が回りそうになる動揺を抑えて、上目遣いに問い掛けた。]



 ……シャオロンは、本当に「ロン」じゃない?



[なんて質問を重ねても、きっと答えは同じだろうけれど。
彼が本当に「ロン」ならば、どれほど良かっただろう。
そう思う気持ちは、捨てきれなかった。*]
(277) 2021/12/04(Sat) 22:47:41

【独】 狐娘 レイ

/*
どうやって思い出してもらおう……と思ったけど、
無理に思い出してもらうこともないのか。
新しく恋を育くめばいいわけだし……。
レイがロンを忘れられるかにかかってるけど……
(-70) 2021/12/04(Sat) 22:52:19

【独】 狐娘 レイ

/*
誰だ!こんな設定考えたの!!私だ!!
(-72) 2021/12/04(Sat) 22:56:58

【人】 狐娘 レイ

 ……両親は居ないの?


[一人暮らしだという彼に質問を重ねる。>>282
そういえば、ロンも家族は居なかったという話を思い出す。
人違いだと言われてもまた重なるロンとの接点に困惑した。

シャオロンにとって元の暮らしに戻れるのなら、
その方がいいのかもしれない。
想い人のいる嫁と共に暮らすよりは真っ当な考えだろう。]


 そっか……。
 そう、よね、シャオロンだって、
 望んで結婚しにきた訳じゃないものね……。

 ……ごめんなさい。
 相手がわたしで……、


[せっかく結婚するならば、可愛くて想い人の居ない相手の方が彼も納得しただろう。
申し訳無さにしおしおと獣耳がへたりと沈んだ。]
(291) 2021/12/04(Sat) 23:52:17

【人】 狐娘 レイ

 
 う、うん……、


[シャオロンの声に頷いて、すうはあと深呼吸を一つ。
驚いたり喜んだり泣いたりして、未だ獣耳は消えることはなかった。
ぽふぽふと土を叩く尻尾はスリットの間を通り、隠れた腿を見せる。
起き上がる彼に、自身のことよりも先に汚れを払い落とすのを手伝って、しゅんとしおらしく俯く。]


 ……うん……、 
   

[返す言葉もない。
頷くことしか出来ずにお礼を告げて手巾を受け取った。
目の辺りを指摘されて、目元をなぞれば指の腹に化粧の名残がつく。
みっともないところを見られて、恥ずかしさに慌てて手巾で目元を拭った。]
(293) 2021/12/04(Sat) 23:53:00

【人】 狐娘 レイ


[分かってはいたものの。
二度目の否定にツキン、と胸が痛む。>>284


 …………そう。


[俯いた拍子にまたじわりと涙が滲んだけれど。
拭ったばかりの目元をこれ以上汚すわけにはいかず、
今度はぐっと唇を噛み締めて堪えた。]
(296) 2021/12/04(Sat) 23:53:33

【人】 狐娘 レイ

[指輪の話になれば、こくりと頷いて。]


 10年以上前の話なの……、
 もしかしたら、
 もう底深くに埋もれてしまっているかも……。


[泉に視線を移して湖面を見つめる。
大事な思い出、初恋の人が底に沈んでいる。

そろそろ婚礼の儀も始まる頃だろう。
落ちてしまった化粧も直さなければいけない。

でも、シャオロンが探してくれるというのならば見届けたかった。]


 シャオロンが探してくれるなら、見てる。


[彼が木の枝で泉を突付くのを傍らに、座り込んで陣を取る。*]
(297) 2021/12/04(Sat) 23:54:04

【秘】 狐娘 レイ → 怪力 シャオロン

[泉に向けられた背に、小さく囁く。]



  ごめんね……、ありがとう。



[背中を向けた彼には気付かれないように、そっとまた目の端を拭った。*]  
(-77) 2021/12/04(Sat) 23:54:53