人狼物語 三日月国


153 『Override Syndrome』

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到着:内科医 カナ

【人】 内科医 カナ



 「敷かれたレールを踏み外してはいけないよ。
   踏み外したら最後、二度と戻って来れないからね。」



        [両親が私に言ったあの言葉の意味
                教えてくれたのは──]
         
(6) 2022/06/06(Mon) 2:27:32

【人】 内科医 カナ



[医者の両親の元に生まれ、医学部へ進み、医者へ。
  無垢で幼かった私は何一つ疑わないまま
  そのレールの上を大手を振って歩いてきた人生。

  決して一番優秀だったってわけじゃないけれど
  それでも素直に言うことを聞く子供の私を
  両親は可愛がってくれた。

  医者になるための知識と学習能力。
  教養の為に覚えたピアノにヴァイオリン。
  お金も、時間もふんだんに与えられて
 

              そして私は不自由という言葉を
              知ることがないまま育ってきた。]



(7) 2022/06/06(Mon) 2:30:29

【人】 内科医 カナ



  [愛情も、環境も、欲しい物も。
   全てを与えられた私は誰よりも豊かで
   誰よりも幸せな人種。


                   裕福な家庭に生まれた
                   素直で無垢な一人娘の私は

                   その幸福が当たり前だって
                   信じて疑うこともしない。]


(8) 2022/06/06(Mon) 2:32:53

【人】 内科医 カナ



      [そう。疑いもしていなかったの。

            あなたとの、
逢瀬
の日まで。]**



(9) 2022/06/06(Mon) 2:34:14
内科医 カナは、メモを貼った。
(a0) 2022/06/06(Mon) 2:43:35

【人】 内科医 カナ



  [普通、ってなんだろう?>>17
   誰が決めるんだろう?

   そんな事聞くのはいつだって普通側の人。
   普通側の人間が普通じゃない人間の心に寄り添う、
   歪にも見えるそれが治療というもので

   その不安定さに触れるのが、心療内科医の務め。]



(44) 2022/06/07(Tue) 0:47:44

【人】 内科医 カナ




   長い闘いになると思います。

         でも、きっと大丈夫です。


  [一日に何人もやってくる患者に私は伝えると
   震える手を優しく両手で包み込んで。
   あなたは独りじゃないと伝えると
   模範的な医者のように患者を励ます。

   何度口にしたか分からない気休めでも
   そこに安堵を感じる患者が沢山いたから
   私はどんな時でも彼らを励ます言葉を送り続けた。]


(45) 2022/06/07(Tue) 0:48:50

【人】 内科医 カナ



  [その甲斐あってか、私の診療所には
   評判を聞いた患者が多く来院するようになる。

   それはある種の希望のようなものだったのか
   その正体は彼らにしか分からない事だけど。

   なんにしたって、私は必要とされていた。
   彼らに.....蔓延した病気に苦しむ患者達に。]


(46) 2022/06/07(Tue) 0:49:42

【人】 内科医 カナ



  [けれど抱いたのは医者の誇りとは程遠い、

       醜いとしかいいようのない感情だった。]*



(47) 2022/06/07(Tue) 0:50:35

【人】 内科医 カナ


 ───始まり:大学時代の記憶───


  [無事に医学部への進学を決めた後のこと。

   どの大学だろうと医学部は優秀さの象徴。
   けれどその中でも更に優秀であろうとする人と
   進学をゴールだと思ってしまう人に別れるものだ。

   それは当然学生生活にも影響が出てくるもので、
   進学してもなお切磋琢磨し続ける学生を尻目に
   私は良くも悪くもない、普通の成績を収め続けた。]


(48) 2022/06/07(Tue) 1:07:46

【人】 内科医 カナ



  [そんな私とは正反対にも思える彼。
   私よりもずっと優秀なはずなのに


   私よりも何かに追い詰められているような
   危うさと激しさを秘めたようなその姿。



            どうしてか分からないけれど
            なぜだか強い興味を惹かれて。]


(49) 2022/06/07(Tue) 1:09:35

【人】 内科医 カナ




      はじめまして。隣...いい?
   

  
(50) 2022/06/07(Tue) 1:12:09

【人】 内科医 カナ



  [それは入ったサークルの歓迎会でのことか。
   それとも同じ講義で一緒になったときか。
   きっかけは些細なもので。

   尋ねた後、鮮やかに一礼すると
   隣の席へと座ろうとする。


              それが、彼との出会い。]*

   
(51) 2022/06/07(Tue) 1:13:15

【人】 内科医 カナ



  [何が幸せかは自分で決める。
   そんな当たり前のことが見落とされた
   欠落だらけの楽園があるこの世界でも
   世間的に見れば医学部はW成功者Wだ。>>62

   だから想像出来るはずもない。
   W成功者Wが紛い物に縋り付くなんて。>>64

   想像出来るはずもない。
   そのイヤホンの先が、不幸の象徴だなんて。



(76) 2022/06/08(Wed) 16:14:46

【人】 内科医 カナ



  [声をかけてから幾許かの隙間が空くと
   まるで悪戯がばれた子のように背が跳ねる>>65
   私までつられて驚いたのは言うまでもなく。]


   あ、 ご、ごめんね...?

         邪魔しちゃった...?


  [WなにかWを中断するようにイヤホンをしまう
   あなたの姿がやけに印象的で。

   動揺を削いで成しえた愛想の結晶に
   私は慌ててあなたに確認するように問うと
   合わせるように自分の名前を名乗り、尋ねる。]


(77) 2022/06/08(Wed) 16:16:53

【人】 内科医 カナ



     古森佳奈です。

        佐々岡くんは勉強、得意?


(78) 2022/06/08(Wed) 16:19:00

【人】 内科医 カナ




     世間とは、いったい、何の事でしょう。
     人間の複数でしょうか。どこに、その世間
     というものの実体があるのでしょう。



(79) 2022/06/08(Wed) 16:28:07

【人】 内科医 カナ



  [皆子供の頃に一度は言われる。
   進むべき道は自由だと。

   でも誰も教えてはくれない。
   勧められる道は環境によって決まるのだと。

   蟾蜍の周りには蟾蜍が、
   鷹の周りには鷹が集まる。

   環境というW世間Wで既に明確な差は生まれ
   鷹と同じ力を得た雄々しい蟾蜍さえ

   W世間Wという肥大した主語の前では
   その耐え難い激痛に喘ぐしかない。>>69




(80) 2022/06/08(Wed) 16:30:11

【人】 内科医 カナ



  [『幸福』は目に浮かぶ実体として
   共有されたその瞬間に死を迎える。>>64

   W世間Wが実体として目の前に現れた時
   蟾蜍も鷹も、等しく無に還っていく。

   もう既にW世間Wという存在が
   それを証明しているというのに。>>n4>>>n5

   世間知らずの私がその事に気づいたのは
   あなたが絶望を味わってから後のことだ。>>69]*
   

(81) 2022/06/08(Wed) 16:32:21

【人】 内科医 カナ



  [余裕が無くて他の人と絡めない。
   口にする人によっては嫌味になりかねない
   その台詞が今は不思議と誠実さを醸す。>>102

   私ならボンヤリ覚えてる風に
   誤魔化してしまいそうなものだから。



   余裕があっても覚えきるのは難しいよ
   うちの学部は人も多いし...


  [どうぞ、と許可が降りれば隣へと座って
   覚えてなくて当たり前だと彼に目を向けると
   何かを考えているような空気が漂う。

   なにかあったのかなと首を傾げる私は
   ちょっと楽観的にも見えるのだろうか。]

   
(117) 2022/06/10(Fri) 8:41:26

【人】 内科医 カナ




   私は不幸を知らない。


      知らない事が最大の不幸
      知らない痛みに寄り添う術を持たず

      取り残され、置き去りにされる。




(118) 2022/06/10(Fri) 8:42:46

【人】 内科医 カナ



  [優秀さの象徴とも言えるこの学部で
   勉強が出来るという事実はまさに誉。

   この大学、この学部の中で
   レッドカーペットを大手で歩ける
   そんな力を持っているはずなのに。

   そこじゃない何かをひたすらに渇望する
   追い込まれたような印象が消えなくて。]



(119) 2022/06/10(Fri) 8:45:59

【人】 内科医 カナ




   得意なつもりだったんだけどね?
   医学部ここに来たら皆すごいから
   自分は大したことないな、って思ってるの。


  [一応医学部に進学を果たした時点で
   人並み以上にはできる。

          彼の言う通りだった。>>106


   けれど私は参考書をそこまで酷使するほどの
   執念も忍耐も持ち合わせてはいない。>>107


(120) 2022/06/10(Fri) 8:47:23

【人】 内科医 カナ



  [『エデン』
   皆一度は使ったことがあるし
   私だって使ったことがある。

   けれど途端に襲う空虚な心が
   アナフィラキシーを起こしてしまって
   私には受け入れられそうになかった。]



         [優秀であるという誰かの実体験を
          つまみ食いして、盗んだって。

          私が優秀じゃない事実は
          決して覆らないものなのだから。]



(121) 2022/06/10(Fri) 8:51:25

【人】 内科医 カナ



  [そんな私が幸福だったとすれば
   W優秀じゃない私Wの居場所があったからだ。]



(122) 2022/06/10(Fri) 8:53:13

【人】 内科医 カナ



  [不意に引っ張りだされた本音の断片。>>109
   どんな過程を経て出されたものか>>108
   それを読み取ることは至難に等しいけれど

   勉強ができる事が一つの才能だと思っていた
   私にとっては聞き捨てならない言葉でもあって


              つい、言い返してしまう。]


(123) 2022/06/10(Fri) 8:53:59

【人】 内科医 カナ




     佐々岡くんには勉強がある
     っていう言い方の方が私は好きかな。

              物は言いよう、でしょ?*



(124) 2022/06/10(Fri) 8:57:05