人狼物語 三日月国


94 【身内】青き果実の毒房【R18G】

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視点:


【赤】 8435 黒塚 彰人

──こつり。  

指定の時間、鳴る靴音。
紙切れに記された場所へ訪れ、立ち止まり。
煌々と照らされた部屋、滔々と語る姿を暫し眺める。

ああ、ここがお前たちの言う“壇上”か。
そう理解するに事足りた。

少年の声に耳を傾け、眉間に皺を寄せる。
片手で顔を覆い、長い長い溜息を吐き出した。
(*4) 2021/09/18(Sat) 18:33:02

【赤】 8435 黒塚 彰人


明かりのもとへ足を踏み入れる。
躊躇いなく歩み寄る。一人照らされる彼のもとへ。
こつ、こつ、こつ。足を進める度、小気味よく靴音が鳴った。

“壇上”へ誘われた男は口を開く。


「くだらない見世物だ」 ──真。


「体を重ねれば俺にも何かが得られると期待したんだろうな。
今のところ、実りはないが」 ──真。

「……ただ、俺を唆すあいつに興味が湧いた。
他人の幸せを望むことができるらしい、お前にも」 ──偽。

「ただしい人間になりたいんだ。
お前たちのことを好きになれるような」 ── ▓。

「他人を愛することのできる」 ── ▓。


「ただしい人間に」 ── ▓。


側へ立ち、瞳を見下ろす。
腕を伸ばす。頬にひたりと手を添える。
かさついた指の腹が薄い唇をなぞる。男の体温は低い。
 
(*5) 2021/09/18(Sat) 18:38:43

【赤】 8435 黒塚 彰人


最後にひと撫で。
手を離す。
そのまま自身の口元へ運ぶ。

唇を一度、親指で拭った。


「なあ、お前。靖史」

「お前が、俺を変えてくれるのか」

──偽。
(*6) 2021/09/18(Sat) 18:39:44

【人】 8435 黒塚 彰人

 食堂に顔を出す。朝と晩の二度、概ね決まりきった時間に。
 腹に何か入れるかと、適当にイギリスパンfoodを用意した。
(76) 2021/09/19(Sun) 1:58:32

【赤】 8435 黒塚 彰人


どこか別の生き物のように、澱みなく動く少年の唇。
流麗に紡がれる言葉を浴び続ける。

素質が欠けている、そう告げられた瞬間。眉間に皺が寄った。
無邪気に笑う彼、向かい合い沈黙する男。
今この瞬間も数多の視線に晒されている。
観察している。値踏みしている。

塀の外、清くただしい人間どもが。




「なりたいよ」


冷たいレンズの前、答えはその一言だけだった。

「ただしくあれば、このくだらない舞台から降りられるんだろう?」
(*10) 2021/09/19(Sun) 12:21:44

【人】 8435 黒塚 彰人

 食堂の端、壁に背を預け佇んでいる。
 これまで他人の用意したものに手をつけることはなかった。
 おおよそ決まった時間、適当に一人分の食事を用意して摂る。

 ぱき、とペットボトルの蓋を開け水を飲む。
 相変わらずの仏頂面。交わされる会話にただ耳を傾けていた。
(102) 2021/09/19(Sun) 17:30:37
黒塚 彰人は、闇谷の声にびっくりしなかった。>>106
(a43) 2021/09/19(Sun) 17:50:30

【人】 8435 黒塚 彰人

>>106 闇谷
 唇にペットボトルの口を当てたまま、じろりと見下ろす。
 驚いた様子は見られない。少なくとも表面上は。(whichを振り、世界はそのようになりました。)

 ボトルの蓋を閉め、引っ掛けるようにだらりと手に持つ。
 息を吐き、呆れ混じりの声を落とした。

「……暁。何か用か?」
(107) 2021/09/19(Sun) 18:00:17

【人】 8435 黒塚 彰人

>>108 闇谷
「従うつもりはある。体を重ねた人間もいる」

 淡々と、情を介さない回答を吐く。
 黒塚は不愛想ではあるが、話しかけられれば律儀に言葉を返す。こんな企画が始まる以前もそうだったろう。

「お前はあるのか」

 やる気か、経験か。どちらとも取れそうな問いを投げて、それから。
 少し考えるような間を置いたのち、空いている片手を伸ばし。フードを被った小さな頭に、ぽん、と置く。
 ぎこちない、気遣いらしきもの。

「……うまくやれてるか。
 お前、暁。ここに来て浅かっただろう」
(112) 2021/09/19(Sun) 19:23:45

【人】 8435 黒塚 彰人

>>116 闇谷
「そうか」

 尋ねたくせ、慰めも励ましも寄越しはしなかった。
 表情を隠すフード越し、もうひと撫でしてから手を離す。

「どうと言われても。学んだ通りにしているだけだが。
 ……お前は照れるんだな」

 それが普通なんだろうか、と思いつつ見たままを口にした。
(122) 2021/09/19(Sun) 21:31:09

【人】 8435 黒塚 彰人

>>125 闇谷
 先日の鑑賞会、この男はいつの間にか姿を消していた。
 集合すること以上は、規則に含まれなかったから。

「ああ、分かった。……頑張れ」

 解放された手を軽く上げて、離れていく小さな背を見送った。
(138) 2021/09/20(Mon) 16:18:52

【赤】 8435 黒塚 彰人


向けられる好意、善意、決意。
全てまとめて一緒くた、他人という箱に投げ込む。
吟味もせず、かといって信ずる心も持たず、
ただただ無関心ばかりを由として。

「『幸せに』、か」
黒塚彰人
            
人でなしの幸福は、そこには無い。
そうと知りながら、幸せを願う少年へと手を伸ばす。
(この姿は、さぞや愚かしく映ることだろう。)

「どう、助けてくれるんだ?」

指を絡める。冷たい金属の感触は、そこにあったろうか。
差し伸べるは、縋るは果たしてどちらだったのか。

(*13) 2021/09/20(Mon) 19:17:47

【赤】 8435 黒塚 彰人


「靖史」

少年の耳元、囁くように名を呼んだ。

(*14) 2021/09/20(Mon) 19:21:39

【赤】 8435 黒塚 彰人


ここらで一度暗転、コマーシャル。

ただしいクソども 
            
視聴者の皆さん、続きをどうぞ楽しみに。
またのご視聴、どうぞよろしく。

(*15) 2021/09/20(Mon) 19:28:34