人狼物語 三日月国


94 【身内】青き果実の毒房【R18G】

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視点:


黒塚 彰人は、
愛おしむような行為に首を振り、消え入る声で、「とうさん」と漏らした。
(a37) 2021/10/03(Sun) 23:43:59

黒塚 彰人は、榊の足払いを避けようとする。36くらい。>>-89
(a40) 2021/10/04(Mon) 0:23:52

【赤】 8435 黒塚 彰人

 ――少し前までは何時でも煌々と照らされていた場所。

 様々が撤去された院の中、明かりは消え、ただの部屋へと戻ったそこで一人、腰掛けている。
 いくらかの考え事と、疲労感。静かな場所を求めていた。

 足を組み替える。
 ぎぃ。古びたパイプ椅子が軋んで音を立てた。
(*0) 2021/10/04(Mon) 0:59:46

【赤】 8435 黒塚 彰人


「何をしたつもりも、無いんだが」

 頬を一度撫ぜたこと。あれは何気ない仕草だった。
 特別、深い意味など持たなかった。

「そうだな。話をしようか、靖史やすふみ
 ……で、お前。アレを見ていたのか?」

 あの時とは呼び名を反転させて、問う。
 目の前のこれが見ていないうちに顔を出したと、そう言っていたのを思い出して。
(*2) 2021/10/04(Mon) 2:03:48

【赤】 8435 黒塚 彰人


「そうか」

 手を伸ばす。届かなければ、立ち上がって。頬を撫でる。
 馬鹿だな、と呟く。
思いのほか、柔らかく響いた。


「『うまれつき他者の事を正しく愛せなかった』。
 ……ただしい人間は、難しいな」

 お前のことだとも、俺のことであるとも――あるいは、両方とも、示さず。
 草臥れた声でもう一度、難しいよ、と言った。
(*5) 2021/10/04(Mon) 3:22:56

【赤】 8435 黒塚 彰人


 手を離し、だらりと体の横へ下ろして押し黙る。
 ……横たえた沈黙が答えに等しかったものの、口を開いて。

「――違わないな」

 ゆったりと紡ぐ。
 
この男は、言葉にはなるべく、言葉をもって返す人間であった。
それが美徳であったからそうしたのか、元々そういう人間だったのかは、
記憶の奥底に沈んでしまったけれども。
(*7) 2021/10/04(Mon) 4:33:36

【赤】 8435 黒塚 彰人


「だから、死を望まれたんだろう。
 ……おかげで、“あの人”は死なずに済んだが」

 肉体の死と記憶の死は同一ではなく。
 殺された己の記憶のみを引き継ぎ続ける、短命の生き物。
 “黒塚彰人”の劣化コピー、上書き保存を繰り返し続ける、かつては人間で――今となってはもはや、何であるか、定かでないもの。

 詳細を問われれば、そう言葉にして説明を返しただろう。
(*8) 2021/10/04(Mon) 4:38:40

【赤】 8435 黒塚 彰人


 椅子に腰掛けた膝の上、指を組む。右手の親指のはらで、左の親指の爪を擦る。
 そうやって、言葉に迷うような、言い渋るような、何とも表現し難い沈黙があって。

「ここを出て――大切な人と生きたいと、言っていた奴がいるんだが」

「…………心底、羨ましいな。
 俺の大切な人は……あの“俺”は、もう、いない」

 目の前の少年から視線を逸らしたまま、ぼそぼそと言葉を吐く。 
 
己の声が、遠い。……あの人の声は、もっと、低かった。


「……記憶だけは、ここにある」

 とん、とこめかみを人差し指で叩く。
 
今となってはもはや、この記憶だけが、あの人の存在を残している。


「まっさらにはならないな。
 そいつの見た景色を、俺も見るだけだ」

 は、と自嘲するように笑う。
 降り積もって、いつまでも残り続ける。便利で、不便な仕組みだろう?▼
(*11) 2021/10/04(Mon) 18:47:35
黒塚 彰人は、ただ――――
(a49) 2021/10/04(Mon) 18:50:18

黒塚 彰人は、
冷たい死の感覚が、いつまでも、いつまでも。忘れられなかった。
(a50) 2021/10/04(Mon) 18:50:45

【赤】 8435 黒塚 彰人


「……静かに、生きられたら。それでいい」

 先の見えない答え。
 矯正を続ける日々は、愛したものからかけ離れていく月々は、確実にこの少年の心を擦り減らしていた。
(*12) 2021/10/04(Mon) 18:52:20
黒塚 彰人は、迷彩リョウたちの部屋の扉を叩く。
(a51) 2021/10/04(Mon) 19:31:19

【人】 8435 黒塚 彰人

>>25 迷彩
 開かれた扉。
 視線を置いていた位置ちょうどに、少年の顔が現れた。

「顔を見にきた」

 用件らしい用件はここに来る途中で耳に挟んだ噂話によって消えたので、本気でそれだけ。
 顔を見るために他に用件を作るような殊勝さを持っていなかったので、これで目的は果たした。

「…………」

 見慣れているであろう仏頂面で、少年を見下ろす。
 
その実、一つの事実を伝えるか否か、迷っていた。
(26) 2021/10/04(Mon) 19:52:05

【赤】 8435 黒塚 彰人


 少年の顔を見上げて、目を細める。
 
眩しいライトはもう無いというのに。


「……つくづく、似ているな」

 人間のなり損ない。
 一番を自身と定める、ただしくないものたち。

「だが、お前は『俺じゃない』。
 お前と違って、……違うものを、愛せる保証は無いぞ」

 手を伸ばす。指輪の嵌ったそれに、指先を絡める。
 交じり合う温度はやっぱり心地が悪くて、けれども少しばかり、マシになっているような気もした。▼
(*15) 2021/10/04(Mon) 20:03:48
黒塚 彰人は、目を細めて、返事をした。「考えておく。……気が向いたらな」
(a53) 2021/10/04(Mon) 20:04:24

【人】 8435 黒塚 彰人

>>27 迷彩
 変な顔をした。変な顔、としか形容しようのない、どの表情を選ぶべきか決め損ねたような顔だった。

「ここに来る途中で、聞いた。
 ……お前が生きる気になったらしいと聞いて、」

 つい、と合わさった視線を一度逸らして、また戻す。
 
それはたぶん、少年とのこれまでには、あまりない仕草だっただろう。


「……。……リョウ、」

 手を伸ばして、ニット帽にぽすんと置く。
 ふ、と笑う。こぼれたそれは案外、柔らかい。

「前から思ってはいたが――」▼
(28) 2021/10/04(Mon) 20:25:43
黒塚 彰人は、「馬鹿だよな。お前」ぐりぐりと馬鹿な子どもの頭を撫でた。
(a54) 2021/10/04(Mon) 20:31:52

黒塚 彰人は、締め出されてから、あ、と用事を一つ思い出した。
(a55) 2021/10/04(Mon) 20:49:17

黒塚 彰人は、扉を軽く叩き、閉ざされたままのそれへ向かって、
(a56) 2021/10/04(Mon) 20:49:27

黒塚 彰人は、「おはよう。おやすみ」
(a57) 2021/10/04(Mon) 20:49:37

黒塚 彰人は、言い損ねた挨拶を投げ。踵を返し、自分の部屋へ戻っていった。
(a58) 2021/10/04(Mon) 20:49:47

【赤】 8435 黒塚 彰人


 指輪の話……大概重たい、それを聞き。
 
いや、知らないが……?
という顔をした。手慰みの行為で、何か意味を込めたつもりもなかった。
 そしてそれが己の指へ嵌められ、節のあたりに引っかかるのをぼうっと見ている。

「……心中する気はないからな」

 そんなことを言いながら指を曲げ、関節のあたりに光る銀色を暫し眺めて。
 不意に、そこへ口づけを落とす。
 やっぱりそこに深い意味も、思慮も無かった。とりあえず、今のところは。
(*18) 2021/10/04(Mon) 21:00:00