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【人】 火澄 七瀬与太話だと笑い飛ばすことも出来ました。 いいえ。そうするべきだったのでしょうね。 なのに、私はどうしようもなく理解してしまいました。 それは確かに神様で、その話は真実なのだと。 実の妹への想いを抱えて不安定だった私の精神は、 あの瞬間。どうしようもなく狂ってしまったのです。 別に私が消える側でも構わないそうです。 それでも世界の天秤は、問題なく釣り合うから。 そうですね。選択肢がそれしかなければ、 ………… きっと私も、間違えなかったのに。 (27) 2023/05/11(Thu) 18:29:59 |
【人】 火澄 七瀬ごめんなさい。お父さん、お母さん。 私は車のブレーキに細工をして、 貴方たちを殺してしまいました。 死ぬ必要なんてなかったのに。 ごめんなさい。禎光。 私は貴方が大切でした。 でも貴方のことを殺そうとしました。 ごめんなさい。瀬名。 …… 馬鹿なお姉ちゃんで、ごめんね。 (30) 2023/05/11(Thu) 18:31:10 |
【人】 水面 禎光見分けのつかない他の人みたいに どっちでもいい ≠フではなく 優劣なんてつけたくないほどに どっちも大切 ≠セからだと ──── 接し方を変えない理由を 綺麗な言葉で並べるなら、そういうコトだろう。 ─── 簡潔に言うなら ? (35) 2023/05/11(Thu) 23:57:32 |
【人】 水面 禎光彼女が広げた薄紅色の傘。 もう自分は七瀬だって自白しているようなモノだけど。 「 七瀬の歌声…… 声楽だっけ? 昨日も僕の家まで響いてきてたけど 本当に綺麗だね 瀬名はやったりしないの? 」 この日の僕は 悪戯心が増殖していたのだろう。 瀬名と誤認したフリをしつつ、" 何気ない会話 "を。 ***** (37) 2023/05/11(Thu) 23:57:40 |
【人】 水面 禎光僕は、際限なく高まっていく鼓動を抑えるべく 第三者が感じるだろう疑問を必死に浮かべた。 ─── 心の奥底で 茶番だと知りながら。 (39) 2023/05/11(Thu) 23:57:49 |
【人】 水面 禎光覚えのある筆跡。 両親が死んだ日付。 以前からこの家に出入りしてたであろう動作。 そして罪の告白。未だ釣り合わない天秤。 全てが ひとりの人物を指し示していたとしても ─── (40) 2023/05/11(Thu) 23:57:53 |
【人】 水面 禎光日記を読み終えた時、 書き手に感じたのは 狂ってる 嗚呼、でも僕も 人の事を言えないのかもしれない。 " 大切な他人一人分 "。 もし、僕の事だとするならば ──── 恐怖よりも前に 嬉しさ が先にやってきたんだから。 (41) 2023/05/11(Thu) 23:58:04 |
【人】 水面 禎光 七瀬と瀬名。 生きることの楽しさを教えてくれた、ふたりの天使。 キミ達に出会うまでは死んでいるようなモノだったよ。 すぐにお姉ちゃん風を吹かせたがる七瀬も 対等じゃないとすぐにヘソを曲げてしまう瀬名も 僕にとっては どっちも大切なんだ 陳腐とも、不誠実とも思わない ──── どっちも、愛してる (42) 2023/05/11(Thu) 23:58:07 |
【人】 水面 禎光 瀬名を救うために七瀬が狂ったのなら。 そして真実であれ、虚構であれ 賽は投げられ、もう取り返しがつかないのなら ─── よろこんで" 大切な他人一人分 "になるさ 七瀬と瀬名の未来のために 僕も一緒に 狂っていたい (43) 2023/05/11(Thu) 23:58:11 |
【人】 水面 禎光「 七瀬! 違うだろ!! 」 ふたりがいる部屋に戻った時、 視界に飛び込んだのは 自身の胸元に刃を当てた七瀬の姿。 その刃は僕に向けられるべきじゃなかったのか? 僕は全力で駆け寄り、刃先を掴むべく手を伸ばす。 少しでも七瀬が怯んだのであれば ── 迷い込んだ花びらを鮮やかに染めたのは 僕の手のひらから零れ落ちた紅だったろう。** (44) 2023/05/11(Thu) 23:58:17 |
【人】 火澄 七瀬歌を褒められれば、気恥ずかしさはありましたが。 嬉しい気持ちもありました。 姉である手前、あまり表には出しませんが。 私は案外単純なんです。 先程のつまらなさは、 くすぐったい物へと変わっていました。 思慮深く、他者を配慮を欠かさない禎光は、 いつだって私達の欲しい言葉をくれるのです。 (46) 2023/05/12(Fri) 10:56:57 |
【人】 火澄 七瀬「 …… やるかは、わからないけど。 いつか禎光も含めた3人で。 一緒に歌えたら、楽しそうだとは思うよ。 」 ***** (48) 2023/05/12(Fri) 10:57:17 |
【人】 火澄 七瀬飛び込んでくる何者かの気配。 思わずびくりと肩を震わせた頃には、 その顔は、思いのほか近くにありました。 刃を掴む手のひらからは、 紅の鮮血が滴り落ち、花びらを濃く染め上げます。 それが誰なのか。 今さら確認するまでもありません。 …… ひとりとひとりだった私達は、 貴方と出会ったことで、 さんにん、となったのですから。 (49) 2023/05/12(Fri) 11:29:17 |
【人】 火澄 七瀬思わずナイフを取り返そうとしましたが、 しっかりと刃を掴んだ指は、 私の力ではびくともしませんでした。 「 ……禎光。 」 あんなに小さかったのに。 あんなに身体が弱かったのに。 そこにいたのは 立派に成長した、ひとりの男の子だったのです。 (50) 2023/05/12(Fri) 11:30:52 |
【人】 火澄 七瀬ナイフから彼の指を剥がすことは難しかったでしょう。 ならばと私は、貴方の腕ごとを掴んで動かします。 貴方の手の分、隠れた刃。 胸を貫くには、深さが足りなくなっていました。 ならばと、刺すのは別の場所と。 「 …… 大好きですよ、禎光。 瀬名のこと、よろしくお願いしますね。 」 ──── それが、最期でした。 私は自身の喉に、刃の切っ先を突き刺しました。 (53) 2023/05/12(Fri) 11:35:30 |
【人】 火澄 七瀬吹き出す鮮血の熱が、鉄錆の匂いが、 貴方の手や顔を覆ったかもしれません。 人を貫く感触も、こびり付いて離れない。 …… 最後まで私は、 貴方にひどいことしかしませんでした。 でも見逃して貰えると嬉しいです。 全て忘れてしまうのですから。 最初から、全部無かったことに。 (55) 2023/05/12(Fri) 11:36:25 |