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![]() | 【人】 初波華音ま、待って 待って、待って……!??!? その声で一息に褒められたら流石に ちょっと正気でいられないっていうか ほ、本当に……!!??!!?? …………あ、りがと 嬉しい [ボイスレコーダーがこの場にないのがもどかしい。 一言一句大切に録音して永久保存したいのに。 あまりに嬉しいと、言葉がうまく出てこないものね。 触れ合っている掌だってどんどん熱くなってしまう。] (28) 2024/05/27(Mon) 22:16:24 |
![]() | 【人】 初波華音そっか、 ソウマくんは壮真くんだったのね うう〜〜〜本名もかっこい……秋月? どこかで聞いた、ような………… [両親が好きでよく聴いていたクラシックのCD。 世界にその名を轟かせた天才ピアニスト。 あの人も確かそんな名前じゃなかったかしら? 名前は確か、 喉元まで出かかっている名前を思い出したとき 突然、ゆらりと視界が開けた。] ……ん? 壮真くん? [繋いだ手はまだ熱い。 というか、そういや妙ね。 いくらなんでも熱すぎる。] (29) 2024/05/27(Mon) 22:17:25 |
![]() | 【人】 初波華音──っ、 壮真くん!!! どうし……うわ熱ッ もしかして熱出てる……!? [椅子から滑り降りて顔色を確かめてみれば そうしている間にももう、 意識が朦朧としている様子で] ど、どうしよ…………!! とにかくベッド行こ!?!!? 壮真くん、壮真くん立てる!!? 誰かお家の方は──居なさそう、か ……ごめん、ちょっと触るね あと少しだけがんばって……! (30) 2024/05/27(Mon) 22:17:36 |
![]() | 【人】 初波華音[つい数分前の会話の掌を返すようだけれど 緊急事態だ。許されたい。 返事があっても、なくても 彼の片腕を自分の肩に回させて、 担いで引きずるようにして身体を持ち上げ ベッド上に無理矢理押し倒す。 室内を見渡して目に留まったのは さっき彼が持ってきてくれたペットボトルの水。 封を開け、その水でハンカチを軽く濡らして 取り急ぎの応急処置として彼の額に置いた。] ……全然気付けなかった…… ごめんなさい、ごめんね壮真くん 冷却シートとか体温計とか解熱剤とか、 どこかにあると良いのだけど…… ──あっ [ポケットの端に鍵束が見えた。 彼をここに一人置いて行って良いものかどうか。 でも……、躊躇う時間も今は惜しい。] (31) 2024/05/27(Mon) 22:18:41 |
![]() | 【人】 初波華音壮真くん、借りるわ すぐ戻ってくるから待ってて! [起こしてしまわないようにそっと鍵を開けて 階下へと向かって駆け出した。 十数分後には、 思い付く限りの看病グッズを両腕いっぱいに抱えて 部屋に戻ってくるはずだ。*] (32) 2024/05/27(Mon) 22:19:43 |
![]() | 【人】 秋月壮真嫌じゃ、ない…… 自分が誰かと何かをする想像が 出来なかっただけで…… 華音がさみしい? それは……嫌だ [彼女が自分を変えてくれる。 世界が広がって、音色だってまた変わるだろう。 センセイはそれが嫌で俺を閉じ込めたのかな。 ] (33) 2024/05/28(Tue) 18:47:18 |
![]() | 【人】 秋月壮真[自分なら閉じ込められたとしても きみがいるならそれだけで良い。 寧ろ他の誰にも邪魔をされずに きみにだけおはようを言って きみのことだけを見て きみの吐息で肺を満たして きみの爪や髪がどれだけ伸びたかに気づいて きみにだけおやすみと伝えて眠る そんな生活に憧れてすら……。 でも、きみがさみしいなら望むことが誤り。] (34) 2024/05/28(Tue) 18:47:22 |
![]() | 【人】 秋月壮真[額同士が重なれば 近すぎてピントが合わず二度、三度と瞬きをして 左の目、右の目と順番に見た。 すごくきれいで、宝石みたいだった。 こんなに近い……、って意識する前から顔が熱い。] …………は、い [舐めないでと言う彼女は凛々しくて 思わず敬語になってしまった。 かわいい上に格好いい。だいすき。 ……どちらかと言うと彼女が何処かへ行くなら 自分のような強引な手段をとる自分以外の 悪い虫がつくことが心配事になりそうだが 目の前の光景を網膜に焼き付けるのに忙しくて それを考える余裕は今はない。] (35) 2024/05/28(Tue) 18:48:03 |
![]() | 【人】 秋月壮真[頭の上から足の先まで愛おしさが 詰まりに詰まったきみのこと 万が一にも十万が一にも億が一にも 嫌ってしまう日がくる筈がないのに 自分にそうされるのが怖いときみは言う。 きみがどれだけ魅力的なひとか 言葉にし尽くせないけれど その一端くらいは知るべきだ。] 余り外出しない方だから 不便をかけてしまうと思うけど…… ……うん [自分はもうとっくに幸せを感じていて きみがくれる幸せをきみにも貰って欲しい。 閉じ込めて自分だけのものにしたい欲は 正直な所まだ完全に消えた訳じゃない。 だけどきみが自分のことを慮ってくれるから 部屋以外で過ごす未来にも光が見えた気がして……、 ぎこちなく微笑んだ。] (36) 2024/05/28(Tue) 18:48:56 |
![]() | 【人】 秋月壮真[慌てるその表情もその声もみんなかわいかった。 動画に収めて何万再生もしたいのに (勿論許可をとってから) スマートフォンを取り出すのも億劫なくらい 腕が、身体が重かった。] ……………………? [床の冷たさが心地よくて、 永住しても良いなんて馬鹿なことを考えた。 だけど、なにかぐいぐいされてるような……? 最後に測った時は七十何kgだっただろう、 折り畳んだ自分の巨体を支えようとしてるのが 朧げながら判れば、運ぼうとしてくれている方向に 鉛のように重い身体を持ち上げた。] (37) 2024/05/28(Tue) 18:51:46 |
![]() | 【人】 秋月壮真[額に何か冷たいものが載せられ 謝る声が聴こえた。 気付けなかったって、何に? 頭が重い……。] (……もしかして俺は体調が悪いのか? そのことを言ってる?) [本人も漸く気付いた位だから 気に病むことはないのに、優しい人。 その気配が離れていこうとするから 朦朧とした意識が失われる前 心は不安で塗りつぶされた。 置いていかないで────] (38) 2024/05/28(Tue) 23:27:45 |