【人】 2年 山田 舞― 昼も過ぎて ― [本日何度目かの意識の浮上に、焦点の定まらない瞳で天井を見つめる。頭の痛みはまだ少し残るものの、気持ち悪さはだいぶ収まったように思う。 枕元に置いたままのミネラルウォーターのペットボトルをぐい、と呷って、ふう、と長い溜め息を吐いた。 講義は午後からだから、今から準備すれば間に合うだろう。 そういえば。 高藤ちゃんは商店街に行ったんだろうか? もそもそとベッドから起き出してオーバーサイズのグレーのパーカーに紺のミモレスカートに着替える。 髪をときながら、今日はなんの映画を見ようか、考えていた。 まさか自分が死んでいる間に、3組ものカップルが誕生しているなんて。露にも思っていなかった。] (259) 2020/11/14(Sat) 23:50:06 |
(a33) 2020/11/14(Sat) 23:57:37 |