人狼物語 三日月国


104 【R18G】異能遣い達の体育祭前!【身内】

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【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ

「近いよ、顔。
 何もないから気にしないで」

覗き込まれると1歩離れた。
触られるのは実は嫌いだって伝えたと思う。
同じように、顔をまじまじ見られることが苦手じゃないなら、こんなに長い前髪はしていない。

「……そう。残念だったね」

それが悪いことじゃないと思っても、それくらいは言える。
別に同情してるわけでもない、淡々とした僕の声だけど。

「これでまた振り出し?
 それとも人の感情に1度共感して、何か掴めたりしてないのかな」

まあ感情って、そんなものでもない気はするけど。
でも目に見えないから、聞いてみないと分からない。
(-63) 2021/11/07(Sun) 14:04:19

【秘】 楢崎大地 → 朝日元親

『楽しみにしてる』
『楽しい思い出、作ろうな』

そう送信して、笑みを浮かべる
予定を合わせて、遊びに行くその日が楽しみだ
(-65) 2021/11/07(Sun) 14:15:45

【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親

「目は口ほどにものを言うって言うし、たぶん一番感情が出る部分。
で、お前はそれを隠してるって訳。なら、俺が気にしない理由はないんだよな」
一歩前に出て、空いた距離の分だけ詰める。

「……言うまでもなく特に摘めたもんは無い。けどまあ、感情なんてわかんないもんが普通らしいってのは何となくわかったかもな。
だからって俺の何が変わるわけでもないけど」
(-66) 2021/11/07(Sun) 14:26:55

【秘】 朝日元親 → 楢崎大地

『はいはい』

それだけ打って、メッセージアプリを閉じる。
楽しい思い出になる予感は、あんまりしない。
そもそも獣臭いんだよね、動物園。

それでも行ってやってもいいかと思うくらいには変化はあった。
ここ数日の、新薬騒動のお陰だ。
僕にとっては、かなり皮肉なことに。
(-67) 2021/11/07(Sun) 14:35:33

【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ

「気にしたところで大したものは出ないよ。
 ああ、もう面倒臭いな」

また1歩引いて、前髪を上げた。
黒い瞳をシオンが見るのは3度目だろうか。
眉間に皺を寄せ、これでいい?と鬱陶しそうな視線を向ける。

「そう。まあでも、1歩進展なんじゃない?
 お試し体験なんてなかなか出来たもんじゃないし、経験は大事にしとけば」

これから先更に進展があるかなんて保証しないけどね。
そう呟いて、僕は目を伏せる。
(-68) 2021/11/07(Sun) 14:57:06

【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親

「うん、わかりやすい。めちゃくちゃ鬱陶しいなコイツって目をしてる」
だからと言って引くわけでもないし申し訳なさそうですらないわけで。本当にシオン・グレイヴズは何も変わっていない。

「忘れない限りは覚えとく。
そっちこそどうなん?異能の暴走……はなんか、嫌だっただろうなって想像がつくから良いとして……。
他人の感情を叩き込まれるってどんな気持ちだったのか、そう言えばきちんと聞いてない気がする。気持ち悪い?気持ちいい?」
(-69) 2021/11/07(Sun) 15:22:44

【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ

「大体合ってる。
 何が鬱陶しいって、僕があんたを嫌いになったところで喜ぶところかな」

無敵かよ。
僕は嘆息しながら、前髪から手を離した。

「​──​──ああ、どうだっけ。
 洗脳ってレベルまで叩き込まれたら流石にいい気はしなかったと思うけど。
 ……でも、叩き込まれたものはアレ≠セしな」

その凪に僕が何を思ったか。
これは言った気もするけど、今も感想は変わらない。

嫌いじゃない
よ、あの感じは」

寧ろ気楽だと、そう思えすらした。
(-70) 2021/11/07(Sun) 15:38:15
朝日元親は、嫌いじゃない≠ニいう言葉を使う。その程度の差こそあれ、嫌いではないのは間違いないから。
(a28) 2021/11/07(Sun) 15:39:20

【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親

「……はーぁあ」
びすびすと朝日の頬をどつきはじめる。

「嫌いじゃない以上も以下も出せないし、つつきかたもわかんねぇし、俺の負けって感じだよなぁ」
ため息をついている。勝ち負けの話では無いのはわかっているから、これはシオンの気分の問題だった。
(-71) 2021/11/07(Sun) 16:21:17

【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ

「ちょっと。だから触られるのは嫌なんだって」

そんな些細な嫌がらせ、鬱陶しいと思っても嫌いなることはない。
僕の嫌いも憎しみも、既に1人で席は埋まっている。
シオンが負けたとしたところで、勝ったのは僕じゃない。
【絶対王者】とは、よく言ったもんだよ。本当に。


シオンの手を振り払いながら、また1歩距離をとる。

「充分つついてるだろ。物理的に。
 あんたくらいだよ、そんな物怖じしないの」

変な奴だな、分かってたけど。
肩を竦めた僕の口許が、ほんの僅かに緩んでいた。
まあでも、嫌いじゃない≠諱B
(-72) 2021/11/07(Sun) 16:38:19

【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親

「あーあ。……なに楽しそうにしてんだコイツ。物怖じされるの嫌いか?一生びびり散らしてやろうか?」
また距離をとられる。今度は必要以上には詰めなかった。

「ああそうだ、忘れるところだった、これこれ。スマホは(授業サボって)修理に出してきたから、代用のやつだけど」
連絡先やSNSなどのアカウントの書かれたメモを差し出す。
(-73) 2021/11/07(Sun) 16:50:03

【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ

「されたい奴の方が珍しいんだって。
 ああ、ちゃんとあんたのこと言ってるから、安心してくれていいよ」

軽口じみた皮肉を返す。
楽しそう? そうかもね。

「ありがとう。じゃあ後で登録しとく。
 メッセージ届いてるかだけ確認しといて」

メモを受け取った僕は、失くさないようスマホケースに挟む。

「用事は終わりかな。
 悪いね、わざわざ探してもらって」
(-79) 2021/11/07(Sun) 20:19:01

【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親

「ご理解いただけてありがたいですよって」
む、と拗ねたような顔をした。

「わざわざアパートまで様子見に来てもらうよりかは手間もなんもかけてねぇよ。忘れてない分の恩とマメさをそんまんま返しただけ。
んじゃ、そういうわけで」
話は終わりとばかりに踵を返す。
(-80) 2021/11/07(Sun) 20:50:45

【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ

「恩? ああハンカチか」

別に大したことじゃないのに。

「そもそも僕の暴走を止めたの、あんたの異能だし。
 恩を感じるなら、僕の方だろ」

だから見舞いに行っただけだとばかり、僕は肩を竦める。

立ち去るシオンを見送って、僕はまた窓の外を見る。
飽きた頃に椅子に座って、アプリで友達申請をすると適当な挨拶を送り付けたことだろう。
(-83) 2021/11/07(Sun) 23:35:17

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「……飽きるって」

棘を含んだような言葉に嘆息しつつ、ティッシュを受け取る。
心当たりがないから、多分そういうことじゃないんだろう。
先に手を拭いて……視線を感じて口周りを。

「あのなぁ、飽きるも何も知らないことばかり
 異能のことだってそう
 ……第一、可愛い後輩を蔑ろには出来んよ
 あと半年もないんだから、最後まで可愛がってやるさ」

可愛がってやれてるのかはわからないけど。
何しろ、ついこの前に助けられたばかり。
一番醜い無様を晒しただろう。
……おや?飽きられるとしたら、こちらなのでは?
少し不安になって、前髪の隙間を隠れて覗いた。
(-84) 2021/11/07(Sun) 23:45:30

【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親

SNSの友達申請には、鬼のようにスタンプを送る。無視していい。
(-86) 2021/11/08(Mon) 0:10:29

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

「そりゃ、異能は隠してましたし。
 それでも守屋先輩の事見つけられるの、部活で僕だけだったから、お節介はしましたけど」

匂いで先輩の居場所を探り当てたりはした。
でも僕はその理由は特に言わなかっただろう。
隠していたから、当然だ。
隠していたのに、探してしまった。

「……でも、そうですか。
 安心しました。
 卒業までは面倒見てくれるわけですね」

そう言っている僕の口調はまだ棘がある。
その理由は僕にだって分かっていない。
恩さえ感じても、当たる必要はないはずなのに。

あと半年で、こうして部室でダラダラとする日常も終わる。

「​──​──じゃあ、来年からは寂しくなりますね」

前髪の下の僕は、拗ねた子供の様な目をしている。
(-87) 2021/11/08(Mon) 0:18:11

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「うん、そのつもりさ
 いくら君が嫌だと言っても────」

覗く。見つける。見つけてしまう。
年相応の、いじらしい瞳を。
何に対して?それがわからぬ程、幼くはない。
それと、見ない振りを出来る程、老いてもない。

溜息。不快も不満もなく。
心地良い。視線にそんな感情を抱きながら。
ほんの少しだけ、大人になるのが早い私は口を開く。

「寂しく思ってくれるなら、頑張った甲斐があったもの
 ……ふふ、恵まれていたんだな私は
 惜しまれるくらいの人間には、なれたみたいだ
 出来ることなら、まだ続けたいと……そうは思うけど
 朝日も、そう思ってくれるかな?」

無頓着な誰かな気持ちを代弁するつもりで、声に出す。
誰かに何かを伝えることの大切さ、難しさは学んできた。
もし、これがそのままなのだとしたら……とても嬉しい。
私と君は、通じ合えて居ると。
そう言ってもいいのだろうから。
(-89) 2021/11/08(Mon) 1:10:43

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

僕は考えより言葉が先に出ることがある。
口にして初めて、寂しいのだと知った。

「………。そうですね」

先輩の顔を見る。
気を抜くと行方不明になるし、頼んでもないのにお節介は焼くし。
部室のドアは壊すし、人知れず怪我なんかするし。
挙げ連ねたら、碌な事なくないか?

「先輩に振り回されるの、慣れてしまいましたし。
 それだけじゃなくて、毎日こうして話すのも。
 ……先輩、ちゃんと先輩だったんですね」

異能が嫌いで隅でじっとしていた僕にとって、放課後の時間はかけがえのないものだった。
どうやら僕は自分で思っていた以上に、本当にこの時間が嫌いじゃない好きだったらしい。

「​でもだからって、そんなこと言っちゃ駄目ですよ。
 あんまり甘やかして僕が図に乗ったらどうするんですか」

本当に、図に乗りそうだ。時既に遅いかもしれない。
先輩を見つけられるのは何も僕だけじゃない。
鏡沼にだって無茶してやろうとすれば出来るのだと証明はされた。それなのに。

……嬉しいんですよ。そう言ってもらえて。

 
どうしてくれるんですか、先輩


非難するように呟いた。
別に先輩の横にいるのは僕じゃなくていい。
飽きるまでで、構わないはずだったのに。
(-90) 2021/11/08(Mon) 2:30:40
朝日元親は、この嬉しい≠ヘ、無頓着な僕も気付いていなかった、僕の気持ちだ。
(a31) 2021/11/08(Mon) 2:31:31

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

甘やかしているという自覚はない。
かといって厳しくしているとも違う。
           

二年の四月、君が私の放送室の扉を叩いてきた時。
前髪を目元まで下ろした姿が、自分と重なったから。
その時から、ずっと気にかけてしまっていた。
……今となっては、心配の必要がないとは知っているが。
ふふんと、得意げに鼻を鳴らす。

「本心だよ、これでも
 せっかくだ、甘えておけ甘えておけ
 やりたいことは積極的にするべきだ
 私に出来ること、だったらいくらでも協力しよう」

君には礼だってある。
努力は惜しまないさ。
わざわざ、私の為に言葉を繕ってくれる。しかも君が、だ。
嬉しくないはずがないだろう。

それで……どうして欲しい?


どうしてくれるのかと問われたから。
どうしたらいいのかと乞おう。
大人になるとは狡いものだなと、唇が微笑んだ。
目を細めて、君を窺う。
(-91) 2021/11/08(Mon) 3:45:30

【秘】 風紀委員 普川 尚久 → 朝日元親

 
「まあ、面倒に思いますねぇ」

ただし、それは相手に興味関心がない場合で。
話す気が微塵も起こらない相手に言われたらの話で。

もし、それが、“例外”の人間がいたら。
本当は聞いて欲しいと思う心理がないと否定できないのを、普川尚久は痛いほど知っている。


けれどそこまで説明するのもおかしな話だ。
面倒と思うのなら、彼女も自分から説明はしないだろう。
この手のものは死ぬ程聞いてくる相手がいるか、あるいは心を開いた人が興味を持ってくれると知った上で自分から話すか、大体はそのケースが多いのではないだろうか。

最も彼女がどうしてそうなったのか。
知らなければ彼女を支えられないとか、親しくなれないとか、後輩ではないとかそんな事も一切無だから。この話はこの一言でおしまい。

「はいはい、副作用ですよ。三半規管?気分が悪いと申告する人も多かったですし──」

そんな感じに律儀に答えてくれる彼のオーバードーズという非常に珍しい治験結果を聞き取りながら、保健室での会話はそれで終わったのだろう。
(-92) 2021/11/08(Mon) 4:23:13

【独】 朝日元親




「​──​──ずるい人ですね、本当に」


(-99) 2021/11/08(Mon) 20:54:14

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

音にならない声で、僕は何事か呟いた。
聞いたのは僕なのに、聞き返すなんて有りかよ。
そんなに僕の言葉で聞きたいのか。
変わり者はどっちだよ。

「……なら、甘えますよ。幾らでも。
 先輩が飽きるまでなんて、もう言いません。
 先輩が言ったんですからね。知りませんよ、僕は」

図に乗るとも言った。
それなのにどうして欲しいか聞いてきたのは先輩の方だ。

そうでなくてもそもそもだ。
先輩が僕なんかに構うから。
僕は地味に目立たず華もなく、滞りなく学生生活を終えれればそれで良かったのに。

そんな日々が、日常当たり前になってしまったのも。
いなくなると寂しいと思ってしまうのも。
僕がこうして図に乗るのも。
​全部全部、先輩のせいだ。

「僕が飽きるまで、傍に居てもらいます。
 一応添えとくと、ハイエナって執拗いんですよ。
 覚悟してくださいね。先輩が言い出したんですから」

嫌いな異能だけど、この異能は先輩の役に立つ。
それにだけは感謝を覚えていた僕だけど、今この時ばかりはその異能を盾にする。言い訳に使う。
(-100) 2021/11/08(Mon) 20:54:35

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「飽きるまで傍に、かぁ…………────」

ようやく出てきた要望に、
なんだそんなものかと頷きかけて止まる。思考する。

ん?

         ・・・・・・
えっと……つまり、そういうこと?
…………
本気か朝日!?

そんなことはないと結論付けたがる頭が、煮立っていく。
簡単に、朱く、気持ちを露わにしていく。

「──…………
へぁ
ちょ
、ちょっと待って欲しい!
 ……い、一度考え直して!?」

もっといい相手がいるだろうに!
そんな、可愛くない主張を絞り出す。

動揺する頭に呼応するよう、少女はぼやけていく。
まるで頼れる先輩らしくない、ただの女の子。
(-102) 2021/11/09(Tue) 4:21:20

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

「​もう遅いですよ、先輩。
 逃げるつもりなら、止めませんけど」

精々自分の行いと発言を悔いたらいい。
僕、性格悪いんですよ。

「まあ、逃げたところで追いかけますけど」

椅子を少し寄せる。
紅く染った頬に手を伸ばした。
そうしたいと思った。

「あと」

僕は囁くように、顔を寄せる。
逃げるなら、今のうちだ。

「先輩は、可愛いですよ」

普段の姿が嘘みたいに萎れるのを見てそう思う。
そしてまた、事も無げに。僕は唇を寄せる。
もし先輩が逃げるなら、今は見逃してあげる。
これは人名救助じゃないからね。
そうしたいと思ったから、僕がやるだけだ。
(-104) 2021/11/09(Tue) 10:12:22

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「──逃げ、る、……つもりはないけどっ」

ないけども……。
触れる指に、近付く顔に、身が硬直してしまう。
逃げられる気もしない。

〜〜〜〜〜!!??

 
まって朝日!?


心の準備がと悲鳴をあげるが、現実は無情である。
迫る君がちゃんと男の子だったから、きゅっと唇を噤む。
そうして、君を受け入れる。

「──────


下手くそな呼吸が漏れる。
それが自分のものだと届くから、余計に恥ずかしくて……。
一番に近い君が直視できない、目を瞑ってしまう。

触れあった時間は一瞬だけだったかもしれない。
だけど、感じた時間はとても永くて。
離れてしまった瞬間から、口を押えて顔を逸らす。
触れるすべてが熱い。……視線が君の口元に注がれる。

「………………
ずるいぞ朝日

 ……
お前だけ
隠してるの!


不公平だと、子供の駄々を。
そっと、長く覆われた前髪へと手を伸ばす。
……直視してしまった後のことは考えない。
(-105) 2021/11/09(Tue) 15:31:05

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

ほんの一瞬、先輩の唇に触れる。
顔を離すと目を閉じた先輩が居た。
ほら、先輩は可愛いんですよ。言った通りでしょう?

「先輩にはずるさじゃ敵いませんよ」

僕の口許は笑んでいた。
ご馳走様とばかり、自分の唇を舌で湿らせる。
百獣の王の天敵足り得る僕は、獲物を前に余裕の姿でそこに在る。

先輩の手が前髪に触れる。
眩しげに細めた僕の目が露わになる。
その目は真っ直ぐに、守屋先輩を見ている。

ほんの少しくらいは頬も熱いかもしれない。
そんな事を気に留める余裕もないくらい、今はただ嬉しい。
眼鏡を外すだけで僕の視界から逃れることが出来る先輩が、そうせずそこに居てくれることが、とても嬉しい。

「別に隠しやしませんよ。
 今僕が何考えてるか、全部口にしてもいいですけど。
 どうします?」

そういえば、分かりにくいとも言われていた。
これでも思っていることは、口から出している方だけど。

今はきっと態度にも出ている。
先輩を見る僕の目は、あの人同じで柔らかい。
(-106) 2021/11/09(Tue) 19:57:58

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

見つめた先で覗く舌、笑む口元。
味わうような素振りに……、今初めて君の異能を思い知った。
余裕すら感じるその仕草が悔しい。

前髪を分けても、表に浮かぶ目は柔らかく。
真直ぐに、私を見据えていて。
それがまた、私を縛る。そんな顔で見るなよ。
よそ見出来なくなるだろ……。

「────────」

眼鏡の奥、確かに透き通った瞳が。
君を見つめて、しばらく。
────熱く固まった唇が、ようやく言葉を繕う。

「────…………
じゃあ
お願いします
……」
(-109) 2021/11/09(Tue) 20:48:54

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

「​──​──はい、では」

僕の口調は普段と変わらない。
淡々として、そういう所がきっと先輩が言う『分かりにくい』ところだ。

だけど目だけは柔らかく細められている。
一心に先輩に向けられている。

「まずそうやって僕の言葉を聞こうとしてくれること。
 ありがとうございます。嬉しいですよ。
 また図に乗りそうですけど、それは先輩が悪いので仕方ありませんね」

「ああ、勿論先輩にとって僕がただ気の掛かる後輩だってことは知ってますよ。
 ただだからといって逃がすつもりはないだけです。
 1度逃がすと先輩、直ぐに見失ってしまいますから。
 探す方も案外大変ですし、なら、こうして​──」

前髪に触る先輩の手に僕は触れる。
軽く握るように結ぶ。

「捕まえておいた方が、安全でしょう?
 つまり放っておけないんですよね、先輩のこと。
 捕まえておかないとって気にさせる。
 ……あ、まだ聞きますか?」

そろそろ下校の時間ですけど。
そう思った事だけは、言わずにいた。
(-110) 2021/11/09(Tue) 22:40:09

【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親

「────……
おま
え〜〜〜!?

 
もう
いいから
……」

お前には照れはないのかと睨みつけるが、
険のない瞳は可愛いのもので。
並べられた言葉に、口元が、
弧を描いているのを感じてしまう。止められない。
……せめてもの反抗として、目は逸らさないように。

「…………ほんとに、いいんだな……?
 面倒臭い女だって自覚あるけど、
 ……逃げたくなっても知らないから」

ぎゅと、重なった手を結び直す。
見つけてくれた、掴んでくれた手を、しっかりと握る。
そっちがそのつもりなら、いいってことだ。

「────
だから……私を、安心させて


せめてもの仕返し。
今度はこちらから、唇を重ねる。

もうすぐチャイムが鳴る。放送の時間。
それも忘れてしまいそう。たまにはそれもいいだろうか。
(-117) 2021/11/10(Wed) 6:29:58

【秘】 朝日元親 → 朧げな遮光 守屋陽菜

「今更撤回したりしませんよ。
 先輩の方こそ、いいんですね?」

そっくりそのまま、先輩の言葉を返せるくらいだ。
逃げたくなっても、僕は知らない。

少なくとも僕は、逃げたりしませんよ。

 
その点は、安心してください。先輩


唇が触れる。
今度はさっきより少し長い時間、唇を重ねた。
簡単に離してやろうとしなかった。

遠くでチャイムの音が聞こえた気がした。
気のせいかもしれないし、放送室の外では本当に鳴り響いたのかもしれない。
別にどっちでも構わなかった。

今この時間が夢でも幻でもない、その方が。
部活動なんかより大事なんだと、僕は思い知っていた。
(-135) 2021/11/10(Wed) 12:27:57