【墓】 厨房担当 那岐…………はぁ、 [思わず二度目の溜息。 恋人と過ごす朝って、 こんなにも恥ずかしいものだっただろうか。 今まで過ごしてきたものが 子供のままごとに思えるくらい気恥ずかしい。 着替えのシャツに腕を通して、ジーンズを履いて。 自宅用の眼鏡を掛け、歯ブラシを手に取る。 彼が使っている清涼感の強いミントを乗せる。 眼鏡を掛けてはっきりと目に見えるようになった世界。 少し首を傾ければ、Tシャツで隠しきれない場所に、 昨夜の名残が鏡に写り込んでいる。] …………無理。 [くしゃりと寝癖のついた前髪を手で掻き乱す。 今日が、休みで本当に良かった。 一体どんな顔をして、洗面所から出ていこう。] (+364) 2023/03/14(Tue) 21:20:03 |