【神】 警部補 添木>>G51 御山洗/三日目 添木邸 あなたの話を笑顔で頷いて聞いている。 影を薄くして、他人を助けてばかりだった彼。 でも、その性格が、大人になって、仕事を得て。 良い方向へ働いているんだ、と。 少しだけ心配だった。でも、こうして元気で、仕事をしてくれていて何より嬉しい。 机の上に顔を載せて、くすくすと笑った。 こそばゆい気持ちだ。 「そう。じゃあ、なるべく早く行ってあげないとなあ…。きっと困ってるでしょ。元気だしね、皆。」 食器はいいよ、なんていいつつも、運んで貰ったら礼を述べて洗い始める。 かちゃかちゃと鳴る食器の音が、ふと、あなたの問いで止まった。 「俺は……」 「できるかは、わからない。でも、もし戻ってきたら、やる。うまくやれたかどうかなんて、本人の主観次第だから。俺は、ここではあいつらに背中を常に見せてやんないといけない。清和サンがそうしてくれたみたいに。 それで、あいつらが大人になったら、次のガキ連中に同じもん見せてやれたらいいって。大人って、憧れの継承なんだと思うわ。だから、例え立ち止まったりしても、みっともない生き方は、俺はしてらんないよ。」 なんちゃって。……なんて言葉で結んだ。 (G61) 2021/08/16(Mon) 13:07:18 |