人狼物語 三日月国

45 【R18】雲を泳ぐラッコ


【雲】 使用人 リフル

[殺さずに撃退できるなら良かった。
でもそうするには、己は弱過ぎた。

何度も「殺す」と声にして、時に叫んで、
同じ命と肉体を持つ人間を斬った。
弱い心が恐ろしさを感じそうになれば、
自らを洗脳する様にまた「殺す」と言葉にした。
そうすれば、何度でもナイフを振るえた。
二人でも三人でも立ち向かって、
斬り返される痛みにも、肉の感触にも決して怯む事なく、
道を赤に染めた。

今怖い事は、
斬られる事より、死ぬ事より、
彼女が傷付く事だった。

だから一人残らず殺すしかない。

一人が怯んで命乞いをしかけたが、
聞き入れずに喉を裂いた。

崩れゆく男の手の刃物が己の右手を滑って、お返しの様に深く裂いた。思わず呻いたが、連中を一人残らず始末する迄、この手は動いてくれた]
(D65) 2020/10/04(Sun) 10:57:11