【人】 迷彩 リョウ>>0 目が覚める。部屋を見渡す。 悪夢を見たが、それ以上に帰って来れたという安堵が大きかった。 珍しく身体の上に乗っていた毛布から出る。素足で静かな廊下を歩きながらも、何か違和感があった。 浴室の方からやってくる貴方へ、小さく声をかける。 「……おはよ」 同時に違和感の正体に気付き、満足気な笑みが溢れてしまった。 普段ならとっくに朝食が作られている時間帯だ。 洗濯機は低く唸り、台所からは美味しそうな匂いがして、朝のニュースを映したテレビの音が聞こえる筈だ。家が静まり返っているのだから、企みは成功したのだろう。 (1) wazakideath 2021/11/27(Sat) 8:05:24 |