【人】 魔族 レーヴタント金色の髪を赤い鱗のピン止めで留めてから、 ぱちん、と指を鳴らして、小さく呪文を唱えれば ぼぉと、鉄板の下で炎が踊った。 そこでトングでドラゴン肉を掴めば、 豪快にどんと、鉄板の上に乗せれば、 ジュージューと、肉汁を跳ねさせながら、 ドラゴンの肉は、芳ばしい香りを放ち始める。 鼻歌交じりに、スパイスを振りかけて、 ひょいと、肉を宙に浮かせてひっくり返した。 出来は上々だ。 にんまりと、満足げに笑う。 今日は、年に一度の創世祭だ。 とびきり美味しいドラゴン肉をしこたま持ってきた。 皿に盛られる肉は、分厚く3枚。 祝い事なので、普段よりは安い値段で提供している。 (2) 2021/10/17(Sun) 21:22:35 |