人狼物語 三日月国

70 【第36回TRPG村】百鬼夜行綺譚


【人】 京職 一葉

「来年も、再来年も」

空気が、視界全てが、薄桃色に染まる世界。
呆けたように見上げながら、傍らの百継様に小さく告げる。

「百継様と、この桜を見とうございます」

  
かつての私は、この美しさを知らなかった。


  
目に入ってはいても、気付くという事に至らなかった。


「この美しき都を守る御力を持つ百継様をこの一葉、心よりお慕い申しております」

  
今の私は、この美しさを守りたいと、心から思う。


「百継様の悲願が果たせますよう、私がお守り致しますゆえ」

口にしてみれば、それは叶う事のように思われて。
でも些か、大きな口を叩きすぎたようにも思った私は、改めて背筋を正した。

「木菓子を買い求めて帰りましょうか百継様」

大事な当主を連れ回したと徽子様継置様に小言を言われぬよう、彼らの分も。

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(10) Valkyrie 2021/04/20(Tue) 23:31:32