人狼物語 三日月国

41 【身内】幽霊さんとお嬢さんと【R18】


【人】 六鹿 稀

 [ 結納のあの日。

   稀は、春先ということで
   白に薄桃の桜が裾にある着物を選んでいた。

   何故彼女がこれほどまでに着物を所有しているのか。
   
   それは、彼女の実家が呉服屋だからだろう。
   初めて、彼の両親に会ったときにも、
   呉服屋の娘ならば、大丈夫だろうと
   両親公認の付き合いになったことを覚えている。 ]


   しっかり、働けるのかしら……

 [ 結納に駆けつけたのは、両親と弟。
   小さく呟いていた言葉を、
   誰かに聞かれたような。
   しかし、隣の彼も誰も彼女に反応を示さない ]


  ………………?


 [ 代わりに、誰かが誰かの名前をささやいた。

   この宿と同じ名前を。
   もし、本当にいるのならば、
   また会うことになるのだろう。   ]*
(14) 2020/09/01(Tue) 14:48:49