【人】 商人 J[ 男はひとり、雑多に人々が行きかう表通りを歩く。 後ろに手を組んで、薄く笑みを浮かべながら。 表の仕事は所詮小さな商売だった。 これといって力を入れることも無ければ、手を広げることもない。 だからこうして商品を物色するのは主に闇商としてのこと。 商品とそれを売る者買う者。 この街を訪れる人間は百戦錬磨の商売人から歴戦の傭兵もいれば、右も左もわからないような新米や鴨にしかならない駆け出しもいる。 それを見抜く目こそが商売人としての才覚。 男はその才覚に関しては自信をもっていた、それこそ表の商売だってその気になればそれなりの成功を収められるだろう。] (15) JohnDoe 2022/03/13(Sun) 16:49:27 |