【人】 リヴィオ>>13 >>14 >>15 ダニエラ 「どうして欲しい、か……そうだね」 考えるような素振りを見せるが、答えは既に決めている。 任されたから為すのではなく、それは男が決めた答えだ。 わざとらしい笑顔に切り替え、一呼吸置いてから。 「一緒に自首しよう、ダニエラ君」 「その一度きりのデートでは満足とは言えないだろうから、 全てが終わったその先で犬カフェにいこう」 未来はいらない。ここで破滅してしまいたい。 そう考えていた過去を思えば、 未来の話をする男はきっと、少しは前を向いている。 お節介で、お人好しで、物好きなやつらのおかげで。 それにきっと、終わることを許してくれないんだ。 仲間の一人を思い浮かべて、思わずため息が出そうになった。 「……そういうのは、駄目かな?」 わざとらしい笑顔は外して、何処か伺うように、 やっぱり弱々しさのある表情で君を見る。 傍から見れば君に振られた失恋男って感じだ。 まだ振られてはいない。色気のない口説き文句ではあるが。 #specchio (16) 2023/09/24(Sun) 9:50:56 |