人狼物語 三日月国

254 【R18G】星海のフチラータ【身内】


【人】 仕分人 ナル


システムオールグリーン。
白い髪を揺らし乗船口へと急ぎ足で駆けていく影ひとつ。

「こちら仕分――
ヘブっ!!


正面で見ていた者がいたのなら、突然視界から人影が消えたように見えただろう。
そんなシステムの前で無様に倒れた168cmへ、無機質な声が届けられる。
《識別コードとお名前をどうぞ》

転んだ拍子に腕の中から飛び出していった『ガラクタ』は、彼を囲むようにばら撒かれ、音を立ててタラップの上を転がった。

「……識別コードTEL-362、こちら仕分人ナル、です。
 ただいま乗船、します!」

起き上がりながらコールをし、ハアと口にして前髪を整える。
しかしその間にも、先を進んでいたドローンが戻ってきて、ゴミ掃除のつもりで片付けをし始めてしまって。

「待って、それは私の荷物なんですよっ」

さあ、手を伸ばし、しっかり袋の中身を詰めたなら。
いつもの声に誘われるまま、船の中へと向かおうか。
non est ad astra mollis e terris via.

この宇宙の広さに比べれば、こんな不幸などちっぽけなことだ。

「ああっ、血が」
(19) toumi_ 2024/03/18(Mon) 16:19:12