人狼物語 三日月国

16 【第三回TRPGミニマム村】ファスト・ミレニアム


【人】 「和」の神 ペノル

サティはころころと笑ってから居住まいを正し、神衣の裾をまとめてワタシに向き直ると、「それで、何のご用でしょうか、和の神ペテリノル?」といたずらっぽく首をかしげた。
彼女はいつも、見る者の心を溶かす空気をまとっている。

ここは、サティの宮殿。
淡い色を基調とした繊細で美しい建物のまわりを、色とりどりの花が取り巻いている。

「ねえ、サティ。ワタシたちのうちどちらかは、勝とうね」

ワタシは、サティに近づいて目を合わせ、そう言った。

「『帝』神が築き上げたすばらしい世界。
 バトンを受け取るのは、とても大変なことだと思うけれど
 それでもワタシは、次の世界を、絆にあふれるものにしたい。

 義は素晴らしいものだけれども、人を縛ってしまわないかな。
 狂は世界を創世の混沌にもどしてしまわないかな。

 ワタシが勝っていいと思えるのは、
 アナタかワタシなんだ。
 だから、お互い頑張ろうね、って、言いに来たよ」

鼓舞するでもない、共闘を持ちかけるでもない。
ワタシはただ、これだけは言っておきたかった。
例え次の主神がワタシではなくても、サティならば安心できるのだ。

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(20) TSO 2019/10/04(Fri) 18:00:50