人狼物語 三日月国

132 【身内RP】穏健なる提案【R18G】


【人】 医者の息子 カイ

気晴らしに外を歩いていたカイは、カフェの前を通りかかった。
荒れ放題の店内を見て、思わず驚きの声が出る。

「……うわ」

2回目のやつ、選ぶの失敗したんじゃないか。
誰と何が起きたかまでは知りえないけれど
点々と続く血の跡を見て、顔がひきつる。

無意識に、倒れているカフェの椅子やテーブルを綺麗に戻して
途中で手を止めた。余計なことはしないほうがいいだろうか。
事件現場はそのままのほうがいいかもしれない
そんな、どこか的外れな考えが浮かんだ。
警察なんていない、VR空間なのに。

乾いた音が聞こえたのはこの後。
けれどマップを見てそこに向かおうとは、思わなかった。
面倒なことには関わりたくはない。
仮にも医師の息子が、怪我人がいるかもしれないという
考えを捨てた。だってVR空間だし。

──もしもが起きたら都合だっていいし。

そんな考えに至る自分が嫌だった。
(21) 2022/03/01(Tue) 11:55:51