【人】 無敵の リヴィオ>>32 ルチアーノ 首を捻りながら眺めていれば近くから知人の声。 足音は聞こえていたものの、 子猫ちゃんに夢中でその声が聞こえるまで気づかなかった様子。 「…おや、猫のエキスパートのルチじゃないか。 こんなところで会うなんて偶然だね。 そんなに俺と子猫ちゃんに会いたかったのかな?」 冗談混じりに笑いながら、君から告げられた言葉に頷いて、 か細く鳴く子猫へと手を伸ばす。 子猫は怯えるように威嚇してくるものの、 どうにかして下りる手段が欲しいのだろう。 男の手に捕まえられて何とか無事、 高所に取り付けられた室外機の上から下りることが出来た。 しかし男が安堵するように笑みを浮かべた瞬間、 もう用はないとばかりに男の手の甲に赤い線を残して、 さっさと奥の方へと逃げていく。 男はと言うと、手の甲の線と子猫を数度眺めた後、 君へと視線を移し肩を竦めて笑った。 「…………ツンデレというやつかな?」 #路地裏 (41) 2023/09/15(Fri) 19:28:27 |