人狼物語 三日月国

201 【身内】甲斐なき星の夜明け前


【人】 アルカ

 
[注文したコーヒーが届いて、漸く話し始める。
 訊くまでもないことだけれど、
 きちんと本人の口から言ってもらう必要があるから、
 まず最初に何故家を出て行ったのかを聞いた。

     「傍にあるのが当たり前だった筈の幸いが、
      失われることに耐えられなかった」


 何故、新たな幸せを模索しなかったのか聞いた。

     「幸福が簡単に消えてしまう事を知っているから、
      また失うくらいなら何も欲しくない」


 父のことをどう思っているかを聞いた。

     「どうしてあんなことになったか分からないけれど、
      それでも、生きて側にいて欲しかった……」


 一緒に生きていた時間は短くても、
 血は争えないものらしい。]
 
(48) 2023/02/21(Tue) 19:55:12