【人】 凍剣士 スピカ―大浴場― [獣のようなテンガンに組み敷かれたイルが、ひと際に深い絶頂を迎えて、二人の行為は終わった。 一部始終を見ていた自分の心に沸いたのは、二人が別の何かになりつつある、どうしようもない苦しさと、これからイルをどうしようかという、底なしの肉欲だった。 本当に、自分は別の何かに変わってしまったのだと実感する。 イルへの報復を済ませたテンガンが、この場を去ろうとするなら、何も言わずに見送るだろう。 ――淫魔に、「心の内の欲望を露わにしてしまう魔法」>>1:152を掛けられる前の自分であったなら、間違いなくそうしたはずだ。] (52) Eve 2021/05/05(Wed) 0:41:08 |