【人】 白い大蜘蛛 カガリビ── 参道階段付近の屋台 ── そう、「送り雛」。 元々は娘が嫁ぐことを祝って、嫁ぎ先に雛を送る風習の事なんだがね。 隠り世に人が招かれる様子を、送り雛に例えたんだろう。 ――その様子だと、途中までは知っていたけど、詳しくは知らなかったみたいだね。 [聞き返してきた彼女の様子>>50に、おおよその推測を交えながら語る。] 「送り雛」に選ばれた人間は、隠り世へ飛ばされて、欲の限りを尽くすことができるけれど、代わりに隠り世の住人達の「雛」として尽くす。 まぁ、―――大層『愛でられる』わけだね。 それを期待する輩もいるけれど。 特に、若い女の子なんて「雛」にぴったりだろう。 [「愛でられる」の意味は明らかにしなかった。 年ごろの少女には、少々配慮が必要と判断した結果だった。 といっても、隠すつもりはないので意味に気付かれてしまうかもしれないが。] (59) 2022/03/16(Wed) 23:58:59 |