【人】 白い大蜘蛛 カガリビ――…知らないままに、隠り世に送り込まれて、わけもわからないまま愛でられる、なんて、僕も見たくないからね。 守るつもりなら、ちゃんと守ってあげなよ。 [少しだけ、真剣な声。 飴を咥えた少女に向けての言葉。 「送り雛」は、決してただの噂ではないと知っているから。] さて、「雛」の話はこれで終わり。 君たちが「雛」になって、隠り世であったら、その時はよろしく。 [からかうように鼻で笑って、二人に背を向けた。 ――冗談半分、本気半分。 彼女たちも、立派に「雛」になる資格がある。 その時を楽しみにしながら。**] (60) 2022/03/16(Wed) 23:59:08 |