【人】 酔いが醒め、宵が来て ミズガネ>>58 ユピテル 貴方の言葉に、少しだけ「うっ」と言葉を詰まらせた。詩人として活動を再開して真っ先に詩を聞かせてやれなかったことを、申し訳ないと思いつつ。 そんなにも求めてくれているという事実に、密かに嬉しさを滲ませる。 「ああ。俺の世界も見せたい。それに俺の詩も聞いてほしい。 ……俺の隣で、俺が成長する様を見届けてほしい」 微笑んだ際、ほんの少し恥ずかしそうに眉を下げるのは未だに自信が無い証拠だ。 けれどきっと、いずれ堂々と背を伸ばして歌い上げる姿を見せる時が来るだろう。 その過程を見届けることができるのは、きっとユピテルただ一人だ。 隣という特等席に座る事を許したのは、貴方なのだから。 ▽ (67) 2021/10/26(Tue) 17:10:10 |