【人】 住職 チグサ── 夕刻の鐘の後:境内にて ── [梵鐘の柱に、 印 を見つけました。私は、この島を売った賊ですから。 売国の罪は私の独断です。寺院は知らぬこと。 いえ、少々の協力者程度は居たでしょうか? ここもまた、結界の保護の対象とされておりました>>0:57。 賊に隠れ蓑を差し出す代わりに、慈厳寺は欲の炎や暴徒の襲撃から逃れられるのです。 そうして、暴動が終わった後、難を逃れたこの寺は、霊験あらたかな寺院としてますます大きく、地位を確立していくのでしょう。 御仏が、まがい物の神になってしまう。 私は路傍の石を拾うと、その柱の印を、削り壊しました。] ほうげじゃく ……放下着。 [全ての執着を、捨ててしまえ。] (76) 2022/11/08(Tue) 20:48:16 |