人狼物語 三日月国

45 【R18】雲を泳ぐラッコ


【人】 アジダル


[ とりわけ機械やキーボードの扱いに秀でているわけでなければ、自然と電子上のやり取りは口数が少なくなる。そもそも筆まめな性分でもない限り同世代の人間はそんなものだろう。よっぽどの理由がない限り男とて万年筆を取り上げたりなどしなかった。


その手紙でさえ、宛先の住所を記されず
丁重に封をされて鞄の底に眠るばかり。



 そんな時代に取り残された男と、同じく最先端とは言い難い口下手な奴とのメッセージ履歴は無味乾燥と称するに相応しい。顔文字や絵文字の類は一切なく、砂漠のオアシス程の確率で感嘆符が芽生える程度だ。>>77
 まあ無理に気分を上げなくていい、という意味では楽なのだが。

 白と黒としか並ばないメッセージルームにもう一粒『自分が食いたいもん買ってきな』と砂粒を落とす。水の一滴すら与えられないその場所に花が咲く光景などかえって想像したくもない。
 もし彼が、あの場所で出会った友人たちにスタンプだの絵文字など教わっり、あろうことかこちらに送り付けてこようものなら大笑いしそうな予感はある。
 閑話休題、あるいは脱線事故。 ]
 
(80) 2020/09/28(Mon) 3:48:26